あたらしい眼科37(7):827~837,2020c第30回日本緑内障学会須田記念講演広島から見た緑内障の危険因子ViewofGlaucomaRiskFactorsfromHiroshima木内良明*はじめに緑内障が多因子疾患であることはよく知られている.開放隅角緑内障発症の危険因子を明らかにするために世界各地でpopulationbasedstudyが行われている.2000~2002年に行われたTajimiStudy1)では開放隅角緑内障発症の危険因子として眼圧,近視,加齢が報告された2).KumejimaStudy3)では加齢,男性,高眼圧,薄い中心角膜厚,長い眼軸長が,韓国で行われた同様の疫学研究であるNamilStudy4)では眼圧,高齢,甲状腺疾患(自己免疫)があげられている.多くの疫学研究の結果をまとめると,眼局所因子として眼圧上昇,薄い中心角膜厚,近視,全身因子としては高齢のほか,血圧の異常(収縮期血圧の上昇,拡張期血圧の低下など),糖尿病,bodymassindex(BMI)の低下が危険因子として取りあげられこともある5).いずれにせよ高眼圧が最大の危険因子であることは間違いない.広島と長崎にある放射線影響研究所は原爆被爆者の健康調査を継続的に行っている6).筆者らは2006~2008年にかけて広島,長崎の原爆被爆者を対象として眼科診察を行い,放射線被曝と緑内障の関係について調査した.明治時代からハワイと米国西海岸には広島から多くの人が移民として渡った歴史がある.2000年の国勢調査によると日系人はカリフォルニア州にもっとも多く,ついでハワイ州となっている.2015年にロサンゼルス在住の日系米国人を対象に栄養調査を行い,緑内障と栄養摂取の関係を検討した.広島と関連が深いこれらの調査結果を報告する.I放射線の人体に対する影響7)人に対する放射線の影響は,症状発現の時期の違いによって急性期の反応と晩発性の反応に分けられる.急性期の反応は「急性放射線症」(acuteradiationsyn-drome)とよばれる.高線量の放射線(約1~2Gyから10Gy)によるDNAの損傷を原因として,被曝後数時間から数週間の間に出てくる症状である.腸の粘膜上皮細胞が障害されると下痢を生じる.造血幹細胞がダメージを受けると出血と血液細胞数が減少する.毛根細胞が障害を受けると毛髪が細くなり折れるために毛髪が失われる.分裂が盛んな細胞ほど放射線の影響を受けやすい.晩発性の反応は急性反応から回復したあと,あるいは低線量被曝者に出現する.被曝後,障害を受けたDNAが修復される過程で正しく修復されないことが原因である.II原爆被爆者を対象とした放射線障害の調査研究放射線影響研究所は1945年8月に広島と長崎に投下された原子爆弾による放射線の人体に対する影響を調べることを目的として設立された.放射線影響研究所では原爆被爆者を登録するだけでなく,被爆時の状況も細かく調査している.爆心地からどのくらいの距離にいたか,そこの地形,建物の中か外か,建物は木造か鉄筋か,どのような姿勢をとっていたかを把握している.そこから各臓器の被曝線量を推測することができる8,9).*YoshiakiKiuchi:広島大学大学院医系科学研究科視覚病態学(眼科学)〔別刷請求先〕木内良明:〒734-8553広島市南区霞1-2-3広島大学大学院医系科学研究科視覚病態学(眼科学)0910-1810/20/\100/頁/JCOPY(53)827現在も数多くの研究プログラムが進行中である.12万人を対象とする「寿命調査」(死因調査),2万3,000人を対象とする成人健康調査(AdultHealthStudy:AHS)のほかに体内被爆者調査,被爆二世の調査などが行われている.III放射線による眼障害の研究放射線影響研究所のAHSはとくにnon-cancerdis-easeに焦点を当てた研究である.眼科に関係する代表的な研究としては「CataractStudyinAtomicBombSurvivors」がある10).放射線が水晶体の後.下混濁をきたすことは従来から知られていた.この研究は水晶体核や皮質の混濁と被曝線量の関係を明らかにする目的で行われた.その結果,後.下混濁と皮質混濁は被曝線量に比例して増加すること,核混濁は関係ないという結果になった.同時に糖尿病網膜症,動脈硬化が被曝線量に応じて増加することも明らかになった.2004年に同じく放射線影響研究所のYamadaら6)は被曝線量とnon-cancerdiseaseの発生状況を報告している.そのなかで甲状腺疾患,慢性肝疾患,子宮筋腫,白内障,高血圧は被曝線量に応じて発症リスクが増える.逆に緑内障は被曝線量に比例して発症率が低下するという結果になった.2005年に米国メイン州バーハーバーにあるJack-sonLaboratoryから興味深い研究が報告された.DBA/2Jmouseは多くの批判があるものの高眼圧の自然発症緑内障モデルとみなされている.生後12カ月になるとDBA/2Jmouseでは神経節細胞の軸索がほとんど消失する.生後5~8週の時期に10Gyの放射線を照射すると,神経節細胞死が抑制されるというものである11).10Gyの放射線は造血幹細胞が障害されて致死的であるため,この研究では骨髄移植を併用している.2012年には同じグループから,より低線量の3.6Gyでも神経節細胞に対する保護効果があることが報告されている12).比較的低線量であるため,このときは骨髄移植も行っていない.はたして低線量放射線被曝は緑内障性神経障害を抑制するのかという点を明らかにするために,筆者らは「GlaucomaStudyinAtomicBombSurvivors」13)を企画した.IV放射線被曝と緑内障AHSを受ける2,699人を対象に2006年10月~2008年9月に緑内障のスクリーニング調査と精密検査を行った.最終的に1,589人(平均年齢は74.3歳)を解析対象とした.広島,長崎の放射線影響研究所で,無散瞳眼底カメラによる眼底写真,frequencydoublingtechnologyによる視野検査,非接触型の空気眼圧計による眼圧測定を行った.緑内障を含めてなんらかの眼疾患の存在が疑われたときは,精密検査のために広島大学病院あるいは長崎大学病院に紹介した.細隙灯顕微鏡検査,Goldmann圧平式眼圧計による眼圧測定,隅角検査,HumphreyFieldAnalyzer30-2SITAstandardprogramによる視野検査,眼底カメラによる立体眼底撮影を行った.視神経乳頭陥凹および視神経乳頭辺縁部の評価にはCDsketch14)を使って垂直陥凹乳頭径比(C/D比),リム乳頭径比(R/D比)を求めた.緑内障の診断基準はTajimiStudyと同様のものを用いた1).すなわち,視神経乳頭所見,Humphrey視野検査結果,網膜神経線維欠損から緑内障を判定する.カテゴリー1:信頼できる視野検査があるものは垂直C/D比が0.7以上あるいは耳上側,耳下側のR/D比が0.1以下,神経線維束欠損がある.そして眼底の異常と視野障害の場所が一致する.あるいはC/D比の左右差が0.2以上ある.カテゴリー2:信頼できる視野検査を行えない場合は垂直C/D比が0.9以上あるいは耳上側,耳下側のR/D比が0.05以下,C/D比の左右差が0.3以上ある場合を緑内障と診断した.隅角検査で開放隅角と閉塞隅角に分類し,開放隅角緑内障で検査時の眼圧が21mmHg以下の場合を正常眼圧緑内障とした.緑内障と診断された患者の平均年齢は74.3歳で,患者を年齢別に70歳未満,70~79歳,80歳以上の3群に分けると緑内障の患者比率は年齢とともに増えた.正常眼圧緑内障を含めた開放隅角緑内障はTajimiStudyの70歳代の結果1,15)と比較すると頻度が多いようにみえた.しかし,続発緑内障と閉塞隅角緑内障の発生頻度はほぼ同じであった(図1).緑内障と診断された患者のうち86%の人は緑内障と診断された既往がなかった.開放隅角緑内障は男性に多く,閉塞隅角緑内障は女性に多かった(図2).問診によって明らかにされた診断名と被曝放射線の量の関係をみると,白内障,網膜出血,糖尿病は被曝すると増える,逆に緑内障は被曝すると減少するという結果になった(表1).年齢,性別,都市(広島か長崎か),白内障手術既往,糖尿病の有無で調整し(%)(%)1210864201412108642■■MaleFemale0POAGPACGSecondary図2緑内障病型における男女差図1病型別有病率のTajimiStudyとの比較表1問診によって診断された疾患に及ぼす被曝線量の影響(oddsratioat1Gy)Ophthalmologicdiseasesundertreatment*Oddsratio95%Con.denceintervalCataract(n=1,762)1.180.701.311.03~1.360.49~0.981.04~1.66Glaucoma,typesunspeci.ed(n=112)Retinalbleeding(n=91)420OddsratioOddsratio024EyeDose(Gy)OcularHypertension642864200DS02EyeDose(Gy)EyeDose(Gy)図3被曝線量と開放隅角緑内障,閉塞隅角緑内障,高眼圧症0240246420DS02EyeDose(Gy)図4被曝線量と正常眼圧緑内障(KiuchiY,etal:Glaucomainatomicbombsur-vivors.RadiatRes.180:422-430,2013から引用)た結果,調査時に眼圧が21mmHgを超える開放隅角緑内障は被曝線量が増えるとともに発症リスクが下がる傾向があったが有意な関係ではない(p=0.28).基本的に眼圧依存性の病態である閉塞隅角緑内障と高眼圧症の発症リスクは被曝線量ともに下がった(それぞれp=0.057,0.099)が有意なレベルに到達しなかった(図3).これらの結果は,JacksonLaboratoryから出されたDBA/2Jmouseに対する放射線の研究,放射線が容量依存性に神経節細胞死を抑制するという研究結果11,12)と同じ傾向があるようにみえた.一方,正常眼圧緑内障は被曝線量が増えるにしたがい,緑内障の発症リスクが有意に増えたp=0.001)(図4).正常眼圧緑内障に対するリスク因子を回帰分析で求めたところ,放射線量(p=0.001)と検査時の年齢が高いこと(p=0.001),高血圧(p=0.01),低体重(p=0.01)が選択された.被曝放射線の影響は眼圧が高い緑内障病型と眼圧が低い緑内障病型で異なった.つまり,眼圧が低い開放隅角緑内障は眼圧が高い緑内障病型とその視神経障害機序が異なることが示唆された.V眼循環と正常眼圧緑内障ここでいくつかの疑問が生じた.放射線被曝が眼圧の高い緑内障病型の発症リスクを減少させる傾向があるがそれは本当か?またその理由は何か?また眼圧が低い正常眼圧緑内障の発症リスクが増加する機序は何か?である.かつて緑内障性視神経障害の発症機序として機械障害Oddsratio024説と循環障害説が唱えられていた16~18).機械障害説というのは,眼圧による負荷のために篩状板が変形して,軸索が直接圧迫される.軸索輸送障害が生じて神経節細胞死につながるというものである.一方,正常眼圧緑内障では乳頭出血の頻度が高く,しかもこの乳頭出血は神経線維層欠損部位と一致して生じる.正常眼圧緑内障では片頭痛など血管の攣縮性疾患を伴いやすく,眼灌流圧が低いこと,視神経障害と視神経乳頭部や球後の眼血流の低下が相関することなどから,循環障害が緑内障性視神経障害とかかわっていると考えられるようになった.実際は眼圧による篩状板部での機械的圧迫と個人のもつ循環因子が絡み合って神経節細胞の軸索障害が進行するのであろうと考えられている.その一方で,0.5Gy以上の放射線は心血管疾患のリスクと関連することが報告されている.さらに被曝者では被曝線量が増えるほど,脳卒中や虚血性心疾患で死亡する症例が増えるという報告があり,放射線被曝が循環状態に影響を及ぼすことが明らかにされている19~22).VI網膜血管径の評価眼底の血流状態を評価する方法として,眼科外来,研究室では蛍光眼底撮影,colordopplerimaging,laserdopplervelocimetry,laserspeckle.owmetryなどの手技が報告されている.しかし,疫学研究では短時間に多数の対象者の検査を行う必要があり,これらの特殊な装置を要する検討はできない.現在,疫学研究での網膜循環の評価には眼底写真から網膜血管径を測定する方法が一般的になっている23).網膜血管径に関与する因子は数多くある.炎症は網膜動脈も静脈も拡張させる.喫煙,肥満,糖尿病や血流の増加は網膜静脈血管系を拡張する.一方,網膜動脈径を細くする因子として血流の減少,高血圧,動脈硬化があり,静脈を細くする因子として加齢と血流の減少が知られている24).2004年と2005年に報告されたBeaverDamEyeStudy25)とRotterdamStudy26)では緑内障と網膜血管径に有意な関係がないとされた.しかし,それ以降のBlueMountainsEyeStudy27),BeijingEyeStudy28),SingaporeMalayStudy29)を含めて緑内障患者では網膜血管径が細いという結果が得られている.これら横断的な報告のほかに,Kawasakiら30)はBlueMountainsEyeStudyの対象者のうち2,417人を10年間追跡調査し,82人104眼で新たに緑内障が発症し,緑内障発症の危険因子としてbaseline網膜血管径が細いことを報告している.横断的研究だけでなく縦断的研究でも緑内障と網膜血管径の関係が明らかにされた.今回の筆者らの研究31)では「GlaucomaStudyinAtomicBombSurvivors」のスクリーニング検査に用いた無散瞳眼底カメラ(TRC-NW200,トプコン)で得られた画像を利用した.前述の研究と同じくセミオートマチックの画像解析プログラム(RetinalAnalysis-IVAN,UniversityofWisconsin)を用いた32,33).網膜動脈と静脈の直径を視神経乳頭から0.5~1乳頭離れたエリアで計測した.太い順に6本の動静脈の径を測定し,そこから網膜中心動脈径推計値(centralretinalarteryequivalents:CRAE)と網膜中心静径推計値(centralretinalveinequivalents:CRVE)を計算した34).計測はトレーニングを受けた測定員一人が行った.今回は1,640人が解析対象となり,開放隅角緑内障,正常眼圧緑内障,閉塞隅角緑内障の3群に分けて解析した.多項ロジックモデルで緑内障病型と網膜血管径(CRAE,CRVE),被曝線量,その他の因子の関係を調べた.年齢ともに各病型の発症リスクは増える傾向があった(図5).正常眼圧緑内障群では他のグループと比べてCRAEもCRVEも有意に小さかった(p<0.01,図6).網膜動脈径に注目すると,眼圧依存性の病型と考えられる閉塞隅角緑内障は緑内障をもたない対象者とほぼinmm=0.97,95%信頼区間(CI):0.95~0.98,p<0.01)とCRVE(oddsratioperunitincreaseinmm=0.98,95%CI:0.97~0.99,p<0.01)が減少するにつれてそのリスクは有意に高くなった(図7).被曝線量が増えるほどNTGになりやすいことが示された(oddsratioperunitincreaseinGy=1.39,95%CI:1.15~1.69,p<0.01).しかし,他の病型と網膜血管径や被曝線量の関係は明らかではなかった(図8).VII網膜血管径に影響する因子線形回帰分析を用いて正常眼圧緑内障のCRAEとCRVEに影響する因子を検討した.CRAEとCRVEはともに年齢が上がるに従って細くなる(図9).正常眼圧緑内障の病期をAndersonPatellaの進行期分類にしたがってmild(-6dB>),moderate(-6~12dB),severe(-12dB<)に分類して網膜血管径との関係を調べた.CRAE(右眼p=0.01,左眼p=0.05)もCRVE(両眼ともp<0.01)病期の進行ともに細くなった(図10).被曝4.50p=0.01p=0.04p=0.074.003.50Oddsratio3.002.502.001.501.00同じ径があった.眼圧だけでなく循環障害もその発症に0.50関与していると思われる開放隅角緑内障は,閉塞隅角緑0.00NTGPOAGPACG内障と正常眼圧緑内障の中間に収まっている.正常眼圧■<=70■71~80■81+緑内障の発生率はCRAE(oddsratioperunitincrease図5年齢と緑内障病型(mm)CRAE(mm)CRVE136.0134.0132.0130.0128.0126.0124.0122.0120.0118.0202.0200.0198.0196.0194.0192.0190.0188.0186.0図6緑内障病型と網膜中心動脈径推計値(CRAE)および網膜中心静脈径推計値(CRVE)(57)あたらしい眼科Vol.37,No.7,2020831CRAECRVE3.001.601.402.501.202.00OddsratioOddsratio1.000.800.601.501.000.400.500.200.00<125125~<135135+<190190~<205205+0.00*p-value<0.01ANOVAF-test図7網膜中心動脈径推計値(CRAE)と網膜中心静脈径推計値(CRVE)の正常眼圧緑内障の発症リスク3.002.001.002.500.00Oddsratio2.001.501.000.500.00図8被曝線量による各緑内障病型の発症リスク線量はCCRAEに対して有意な影響はなかったが(p=0.49),CRVEは被曝線量が増えるにしたがって細くなっていた(p=0.03)(図11).正常眼圧緑内障の患者うち現在喫煙中の対象者は有意にCCRVEが大きくなっていた.BlueMountainStudy35)でもCRotterdamCStudy36)でも喫煙すると網膜静脈径が太くなると報告されている.喫煙と網膜血管径の関係は別途詳細に調べた34).1日の喫煙本数は年齢とともに少なくなり,喫煙本数が増えると白血球数や中性脂肪は多くなり,CRVEは太くなる(testCforCtrendCp=0.002)(図12).CRAEも同様の変化をきたしたが,有意なレベルではなかった(testfortrendp=0.06).CRVEの変化は女性のほうが顕著であった.禁煙するとCCRAEもCCRVEも減少した.禁煙期間がC10年を超えると喫煙中の者と比べて有意にCCRVEが細くなることがわかった(p=0.003)(図13).喫煙はCC-reactiveprotein,IL-6,白血球など炎症を示唆するマーカーを増加させNTGPOAGPACG■<0.005■0.005~0.2■0.2~1■1+81+<=7071~80Oddsratio-1.00-2.00-3.00-4.00-5.00-6.00■CRAE■CRVE図9年齢と網膜中心動脈径推計値(CRAE)および網膜中心静脈径推計値(CRVE)ると考えられている.CRVEの増加は喫煙がもたらした炎症の結果かもしれないが,その詳細な機序は不明である.CBodymassindex(BMI)を各緑内障病型で比較すると,網膜血管径と同じように正常眼圧緑内障がもっとも小さく,閉塞隅角緑内障が緑内障をもたない対象と同程度で開放隅角緑内障は正常眼圧緑内障と閉塞隅角緑内障の間に位置した(図14).BMIは各種疾患による死亡のリスク因子の一つであることは良く知られている.標準よりも大きくても小さくても死亡率は上昇する.男女差は関係ないが,若い人ほどCBMIの影響を受けやすい37).そこでCBMIを高,中,低のC3群に分けて緑内障各病型の関係を調べた.正常眼圧緑内障群では有意にCBMIが低い群のリスクが高く(p=0.04),閉塞隅角緑内障では標準的な体型の人のリスクが低く,BMIが高くても低くてもそのリスクは増えた(図15).正常眼圧緑内障患者では脳脊髄液圧が低いことはよく知られている38).まCRAEleftCRAEright網膜動脈径の変化(mm)100150200250801201601001502002508012016001230123CRVEleftCRVEright網膜静脈径の変化(mm)01230123O:withoutglaucoma,1:mild,2:moderate,3:severe図10正常眼圧緑内障の病期と網膜中心動脈径推計値(CRAE)および網膜中心静脈径推計値(CRVE)CRAECRVE1.501.501.000.005~0.20.2~11+0.005~0.21+0.2~1Testfortrendp=0.49Testfortrendp=0.031.000.500.500.00-0.500.00-1.00-1.50-2.00-0.50-1.00-2.50-1.50-3.00図11被曝線量と網膜中心動脈径推計値(CRAE)および網膜中心静脈径推計値(CRVE)た,BMI,拡張期血圧と年齢から脳脊髄液圧を推測するい.このことが低いCBMIをもつ人は正常眼圧緑内障に次の予測式が報告されている39).なりやすい理由の一つとして考えられるかもしれない.CSFP[mmHg]=0.44×BMI[kg/mC2]+0.16×Dia-BMIと緑内障の関係を調べた報告は多くあり,そのCstolicCBloodCPressure[mmHg]-0.18×Age[Years]-結果は必ずしも一致していない.BMIと多くの疾患はC1.91.必ずしもリニアな関係にないことが結果の不一致に影響この予測式によるとCBMIが低いほど脳脊髄液圧は低している可能性がある40).(mm)CRAE(mm)CRVE135134133132131130129128127208206204202200198196194192190nonsmoker>0to<10>10to<20>20nonsmoker>0to<10>10to<20>20図12喫煙本数と網膜中心動脈径推計値(CRAE)および網膜中心静脈径推計値(CRVE)(mm)CRAE(mm)CRVE130.5130129.5129202201200199198197128.5196128195194127.5193127192never>10years<10yearscurrentnever>10years<10yearscurrentcessationcessationcessationcessation図13禁煙期間と網膜中心動脈径推計値(CRAE)および網膜中心静脈径推計値(CRVE)Bodymassindex(kg/m2)23.13.002.5023.0Oddratio0.0022.6NTGPOAGPACG22.5■<18.5■18.5~<25■25+22.422.3noglaucomaNTGPOAGPACG図15Bodymassindexと緑内障病型のリスク図14緑内障病型とBodymassindexらハワイに渡った移民は広島県出身者がもっとも多く,ついで山口県,熊本県と続く.1898年にハワイが米国CVIII栄養摂取と緑内障に併合されると日系移民はハワイから米国西海岸に移住2.0022.91.501.000.5022.822.71800年代の後半,ハワイにおいては白人の入植者が増え,白人の投資家たちの手によってハワイ各地にサトウキビ農場が設立された結果,労働力が不足していた.カメハメハ王国からの要請を受けて日本政府とカメハメハ王国の間で移民に関する協定がC1885年に結ばれた.日本政府の後押しを受けて多くの日本人がハワイに渡った.正確な理由は不明であるがC1885~1994年に日本かすることが容易になった.日本と米国では生活習慣,とくに食事内容が異なると考えられる.広島大学の糖尿病代謝内科は,同じような遺伝背景をもつ日系移民と日本人の生活環境,食事習慣が糖代謝に及ぼす影響を明らかにするためにC1970年から定期的にハワイとロサンゼルス在住の米国日系移民の健康調査を行っている41,42).1993年の報告では日系移民と広島在住の日本人の摂取カロリーがほとんど変わらないこと,日系米国人は炭水化物よりも脂肪からカロリーを得る量が多いことが報告されている43).2015年C8月にロサンゼルスにおいて第C23回目の日系米国人の健康調査が行われた44).視能訓練士と栄養士も参加した.無散瞳眼底カメラ(AFC-300,ニデック)で画角C45°の眼底写真を撮影した.緑内障の診断は眼底写真を用いた垂直CC/D比,耳上側,耳下側のCR/D比と垂直CC/D比の左右差から判定した1).診断は右眼の眼底写真を基に行い,右眼が利用不能であるときは左眼の写真を用いた.食事内容の情報はCfoodCfrequencymethodで得た.食品をC80の食品群に分けて,それぞれの調理方法と摂取量を栄養士が聞き取り調査を行った.栄養管理ソフト“Chatty”(TotalCSoftwareCorp.)に入力して摂取された栄養素の量と摂取総カロリーを計算した45,46).581人が解析対象になった.そのうち緑内障と診断された人はC61人(平均年齢C63.8C±1.6歳),緑内障がないと診断された人はC520人(平均年齢C61.8C±0.6歳)であった.眼底写真だけから緑内障の診断を行ったために,緑内障病型や眼圧レベルは不明である.緑内障と診断された対象者をCBMIレベル別にC3群に分けると,BMIが低い人ほど緑内障の頻度が高い傾向にあったが,有意差はなかった(p=0.31).単変量解析でCp値がC0.2以上の因子を除外し重回帰分析を行ったところ,鉄分の摂取が多いほど(p=0.004),ビタミンCAの摂取が少ないほど(p=0.02),vegetableClipidが少ないほど(p=0.004)緑内障と関係が深いことがわかった.鉄分は酸化物質であり,ビタミンCAとCvegetablelipidは抗酸化物質である.酸化物質は網膜神経節細胞とその軸索に存在するミトコンドリアの機能を低下させ,緑内障の引き金になると報告されている47).また,線維柱帯にも作用して眼圧上昇をきたす48~50).ビタミンCA,B,C,E,カロチノイドなどは抗酸化作用がある.Tanitoら51)は緑内障の病期が進行するほど体内の抗酸化力が少なくなると報告している.男性緑内障患者はエネルギー摂取量が増えると増加するという報告もあるが52),今回の検討ではエネルギー摂取量と緑内障の関係は明らかでなかった(p=0.303).肉類,卵の消費を控えめにして,オリーブオイル,果物,野菜,穀物,魚を多く摂取して,赤ワインを適度に飲む食事は地中海食とよばれている.ユネスコの無形文化遺産に登録されている.食事内容に多価不飽和脂肪酸が含まれており,心血管疾患,癌死亡率を減らす効果があると報告されている53).一方で,脂肪の摂取量を減らし野菜や果物を多く取る食事を指導してC8.1年間観察した研究では,心血管疾患は減らなかったと報告されている54).疾患の発症に食事内容が及ぼす影響が必ずしも大きくない可能性はある.しかし,食事内容に介入する研究は生活習慣に逆らう研究手法である.個別の栄養素や食品の摂取を制限あるいは推奨するよりも,無理なく継続できる健康的な食習慣を続けることが大切なのかもしれない55).まとめ眼圧が低い開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障)は他の病型と異なり,被曝線量が増えると増加する.このことからにCNTGおける網膜神経節細胞障害の機序は他の病型と異なると考えられる.正常眼圧緑内障における網膜血管径が他の病型よりも細いことから,正常眼圧緑内障の網膜循環状態が他の病型と異なり,ひいては神経節細胞のダメージに循環障害が関与している可能性を示した.正常眼圧緑内障ではCBMIが低い人ほどそのリスクが高いことが確認できた.酸化物質の摂取が多く,抗酸化作用のある食物の摂取が少ないことが緑内障の発症に関与するが,摂取カロリーと緑内障発症には因果関係がないという結果になった.緑内障研究とは別に喫煙は網膜の血管に影響を及ぼすこと,喫煙の網膜血管に対する影響はC10年の禁煙でなくなることも明らかにできた34).緑内障とは関係がないが,同じ眼底写真セットを用いて加齢黄斑変性の発症は被曝線量と関連がないことも報告できた56).1945年C8月に広島と長崎に落とされた原子爆弾の生存者と在米日系移民の健康調査を通して行った緑内障研究の結果を紹介した.原子爆弾も米国への移民も広島と関連が深い.そのため「広島から見た緑内障の危険因子」というタイトルで第C30回日本緑内障学会須田記念講演を行った.本稿はそのときの講演内容に基づいて執筆した.本研究にご指導,ご協力いただいた多くの方々に感謝いたします.文献1)IwaseA,SuzukiY,AraieMetal:Theprevalenceofpri-maryCopen-angleCglaucomaCinJapanese:theCTajimiCStudy.OphthalmologyC111:1641-1648,C20042)SuzukiY,IwaseA,AraieMetal:Riskfactorsforopen-angleCglaucomaCinCaJapaneseCpopulation:theCTajimiCStudy.OphthalmologyC113:1613-1617,C20063)IwaseCA,CSawaguchiCS,CTanakaCKCetal:RelationshipCbetweenCocularCriskCfactorsCforCglaucomaCandCopticCdiscCriminnormaleyes.BrJOphthalmol.doi:10.1136/bjoph-thalmol-2019-314696.4)KimM,KimTW,ParkKHetal:Riskfactorsforprimaryopen-angleCglaucomaCinCSouthKorea:theCNamilCstudy.CJpnJOphthalmolC56:324-329,C20125)藤原康太:疫学調査における緑内障の非眼圧的要素.眼科C59:611-618,C20176)YamadaCM,CWongCFL,CFujiwaraCSCetal:NoncancerCdis-easeCincidenceCinCatomicCbombCsurvivors,C1958-1998.CRadiatResC161:622-632,C20047)https://www.rerf.or.jp/programs/roadmap/health_e.ects/8)CullingsCHM,CPierceCDA,CKellererAM:AccountingCforCneutronexposureintheJapaneseatomicbombsurvivors.RadiatResC182:587-598,C20149)CullingsHM,FujitaS,FunamotoSetal:Doseestimationforatomicbombsurvivorstudies:itsevolutionandpres-entstatus.RadiatResC166:219-254,C200610)MinamotoA,TaniguchiH,YoshitaniNetal:CataractinatomicCbombCsurvivors.CIntCJCRadiatCBiol80:339-345,C200411)AndersonMG,LibbyRT,GouldDBetal:High-doseradi-ationwithbonemarrowtransferpreventsneurodegenera-tionCinCanCinheritedCglaucoma.CProcCNatlCAcadCSciCUSAC102:4566-4571,C200512)HowellCGR,CSotoCI,CZhuCXCetal:RadiationCtreatmentCinhibitsCmonocyteCentryCintoCtheCopticCnerveCheadCandCpreventsneuronaldamageinamousemodelofglaucoma.JClinInvestC22:1246-1261,C201213)KiuchiY,YokoyamaT,TakamatsuMetal:Glaucomainatomicbombsurvivors.RadiatResC180:422-430,C201314)TanitoCM,CSagaraCT,CTakamatsuCMCetal:IntraobserverCandinterobserveragreementofcomputersoftware-assist-edCopticCnerveCheadCphotoplanimetry.CJpnCJCOphthalmolC58:56-61,C201415)YamamotoT,IwaseA,AraieMetal:TheTajimiStudyreport2:prevalenceofprimaryangleclosureandsecond-aryCglaucomaCinCaCJapaneseCpopulation.COphthalmologyC112:1661-1669,C200516)FlammerJ,OrgulS,CostaVPetal:Theimpactofocularblood.owinglaucoma.ProgRetinEyeResC21:359-393,C200217)MorrisonCJC,CJohnsonCEC,CCepurnaCWCetal:Understand-ingmechanismsofpressure-inducedopticnervedamage.ProgRetinEyeResC24:217-240,C200518)YanagiM,KawasakiR,WangJJetal:Vascularriskfac-torsCinglaucoma:aCreview.CClinCExpCOphthalmolC39:C252-258,C201119)Shimizu,Y,KodamaK,NishiNetal:RadiationexposureandCcirculatoryCdiseaserisk:HiroshimaCandCNagasakiCatomicCbombCsurvivorCdata,C1950.2003.CBMJC340,Cb5349,C2010C20)LittleCMP,CAzizovaCTV,CBazykaCDCetal:SystematicCreviewCandCmeta-analysisCofCcirculatoryCdiseaseCfromCexposureCtoClow-levelCionizingCradiationCandCestimat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