あたらしい眼科40(8):1047.1062,2023c第33回日本緑内障学会須田記念講演緑内障の構造から機能へ,そしてQOLへFromStructuretoFunctionofGlaucomatousOpticNeuropathy,andFurthertoQualityofLife福地健郎*はじめに広義・原発開放隅角緑内障(primaryopenangleglaucoma:POAG)は従来の高眼圧のPOAGと,正常眼圧緑内障(normaltensionglaucoma:NTG)を合せた臨床的疾患群である1.3).緑内障患者の約80%を占める広義POAGは,臨床的に構造変化で発見して診断し,機能変化を評価して経過観察し,最終的に生活の質(qualityoflife:QOL)を守ることを治療の目的とする疾患である.緑内障による視神経障害の病態について,現在では緑内障性視神経症(glaucomatousopticneu-ropathy:GON)と称されているが,その詳細なメカニズムについては,いまだに十分に解明されていない.かつては,高眼圧POAGが緑内障のメインであり,眼圧上昇によってどのように視神経が障害されるのかが研究の中心であった.その後,臨床的にNTGが広く認知され,有病率がきわめて高いことが明らかとなった4).これは,正常眼圧でなぜGONが生じるのかという,緑内障のメカニズムとしては矛盾する問題を投げかけることになり,緑内障研究はより複雑化した.POAGとNTGは連続し,合わせて広義POAGとされたことは,さらにこの問題を複雑にしている.現在に至るさまざまな緑内障研究の成果として,GONにはミトコンドリア異常,神経性栄養因子,グルタミン酸神経毒性,虚血,酸化ストレスなど,さまざまなメカニズムが複合的にかかわる可能性が高いと考えられている5).現時点で広義POAGに対するエビデンスに基づいた治療は,眼圧下降のみである.しかし,これらのGONメカニズムに関する知見は,今後の眼圧下降治療以外の緑内障治療の可能性を示唆している.本講演では,筆者の眼科医,緑内障医としてのキャリアの最初に取り組んだ視神経乳頭の緑内障による構造変化に関する研究を振り返り,現在進行中のさまざまなGONのメカニズムに関する緑内障基礎研究との接点を確認し,総括する.さらに,緑内障の機能である視野障害進行と眼圧に関する研究について再検証し,緑内障における眼圧下降治療について再考した.最後に,緑内障治療のアウトカムである緑内障患者のQOLに関する最近の研究について紹介し,今後の展望について述べる.I構造から1980年代半ばにおける緑内障臨床の主体はPOAGであった.NTGは注目されていたが,緑内障としての位置づけが確定しておらず,POAGとNTGの同異について盛んに論じられていた.緑内障に対する点眼薬としてはb遮断薬が市販され,すでに定着し,緑内障治療の中心になっていた.ほかにはピロカルピンとエピネフリンのみと,現在の治療薬の状況と比べるときわめて貧弱であった.おもな視野検査はGoldmann視野で,現在の緑内障視野測定の標準であるHumphrey視野計(HumphreyFieldAnalyzer:HFA)などによる自動静的視野計(staticautomatedperimetry:SAP)が臨床に普及するには,さらに数年を要する.GONのメカニズムに関する研究については,いわゆる血管説と機械説があり,盛んに議論されていた.*TakeoFukuchi:新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野〔別刷請求先〕福地健郎:〒951-8510新潟市中央区旭町通1-757新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野0910-1810/23/\100/頁/JCOPY(61)10471.視神経篩状板の構造と細胞外マトリックス,緑内障における変化Quigleyらによる研究6,7)から,GONによる視神経障害の初発部位は視神経乳頭,篩状板部付近と考えられるという仮説は,現在でも広く認知されている.ヒト眼の視神経乳頭の病理組織所見や,さまざまな実験動物の高眼圧モデルで篩状板部に一致して軸索輸送障害が生じている所見は,これを強く支持している7.15).ヒト眼の視神経篩状板は,視神経乳頭部にあり,強膜の後方約2/3層に連続して視神経を横切るように存在する結合組織性の構造である16.21).篩状板は前方はグリア柱と連続し,後方では軟膜中隔と連続している.網膜神経線維層を走行してきた網膜神経節細胞(retinalgan-glioncell:RGC)の軸索は,前篩状板部でグリア柱によって束状に隔てられ,神経線維束を形成する.さらに篩状板部を通過し,後篩状板部で有髄神経となり,視神経を形成する.篩状板はアストロサイトによる細胞性成分による層と結合組織層が互いに重層化した特異的な構造をしている.細胞成分を消化し,硝子体側から観測すると,篩状板表層の多数の穴あきシート構造を観察することができる(図1).サル眼の高眼圧緑内障モデルではヒト緑内障眼と類似した病理組織所見を示し,篩状板表層からは篩状板孔の変形,狭小化,断面では篩状板束の横ずれなど,著しい構造変化を生じていることが示されている6,7,18,22.26).細胞外マトリックス(extracellularmatrix:ECM)は,細胞外スペースの大部分を構成するさまざまな巨大分子の総称である27).ECMのおもな機能として,組織の骨格の維持という構造的機能とともに,周囲の細胞と共同し,さまざまな生体機能の発現に関与する細胞-マトリックス相互作用がある.篩状板を構成するECMには,コラーゲン群(I,III,IV,V,VI,VIII型),エラスチン,フィブリリン,非コラーゲン性糖蛋白質群(フィブロネクチン,ビトロネクチン,ラミニン,テネイシン,トロンボスポンジン),プロテオグリカン群(コンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ヘパラン硫酸)などが分布していること,ヒト眼緑内障眼,実験眼圧上昇モデルにおける変化について報告されている28.43).免疫組織化学染色の結果(図2)によると,篩状板層板内には結合組織の実質成分であるコラーゲンI,III,V,VI型,フィブロネクチンが分布し,これらは周囲の強膜,後方の軟膜中隔と共通している.篩状板層板の周囲と血管には基底膜成分であるコラーゲンIV型,ラミニンが分布している34).篩状板層板内には弾性線維成分であるa-エラスチンが豊富に分布している.サル高眼圧モデル眼の篩状板を透過型電子顕微鏡で詳細に観察した(図3)44).正常眼の篩状板層板内では径の細いコラーゲン線維が整然と配列し,これは弾性線維と密に接触している.一方,サル慢性眼圧上昇眼では,篩状板層板内のコラーゲン線維束は配列が乱れ,無構造の空間が散在,基底膜様構造の沈着が観察された.弾性線維はしばしばコラーゲン線維との接触を失って孤立していた.篩状板は隣接する強膜,軟膜中隔と比較して弾性線維がきわめて豊富で,より弾性をもつ,より弾性を必要とする組織と考えられる.緑内障眼の篩状板では弾性線維の形態変化と機能低下,つまり,著しい弾性低下を生じていると考えられる39.42).サル高眼圧モデルの篩状板における硫酸化プロテオグリカンの変化について電子顕微鏡レベルでの組織化学的方法によって検討した(図4)37).篩状板層板内にはコラーゲン線維の結合にかかわる2種類のデルマタン硫酸(図4a),空間の充.に働くコンドロイチン硫酸(図4b),基底膜に沈着するヘパラン硫酸(図4c)の4種類の硫酸化プロテオグリカンが分布している35,37).これらは,その分布から考え篩状板の組織強度の維持に重要な機能を果たしていると考えられる.慢性眼圧上昇眼の篩状板では,コラーゲン線維束の分離とデルマタン硫酸の配列の乱れ,空隙の拡大とコンドロイチン硫酸による充.(図4e,f),アストロサイト基底膜の肥厚,ヘパラン硫酸の増加(図4g)が観察された.その結果としてサル慢性眼圧上昇眼では,コラーゲン線維束の脆弱化,含水性の亢進によって,組織強度が著しく低下していることが推測された.細胞-マトリックス相互作用にかかわる細胞接着性グリコプロテインのヒト篩状板への分布と緑内障眼における発現変化について検討した(図5)43).ヒト篩状板には既報のラミニン,フィブロネクチンに加えて,テナスチン,ビトロネクチン,トロンボスポンジンの発現が認められ,いずれも緑内障眼で発現が亢進していた.テナスチンは篩状板と軟膜中隔に,対してトロンボスポンジンは篩状板と強膜に限局して発現していた.篩状板はECM成分として強膜と軟膜中隔の成分が混合した組織であることが推測された.現在,テナスチン,トロンボスポンジンなどは基質細胞性蛋白(matricellularpro-図1視神経篩状板の構造ヒト視神経乳頭のトリプシン消化標本を走査型電子顕微鏡で観察した.正常眼(a,b),正常眼圧緑内障眼(c,d).ヒト眼の視神経篩状板は,視神経乳頭部にあり,強膜の後方約2/3層に連続して視神経を横切るように存在する結合組織性の構造である.トリプシン消化によって細胞成分は消化され,結合組織成分による篩状板の立体構築が観察される.正常ヒト眼では篩状板の各層板は規則正しく配列し,神経線維束が通過する孔は直線的である(a,b).正常眼圧緑内障症例の篩状板は形態が乱れ,篩状板孔も不規則である.各層板の崩れも著しい(c,d).図2視神経篩状板を構成する細胞外マトリックス(ECM)サル正常眼,コラーゲンVI型(a),コラーゲンIV型(b),a-エラスチン(c)に対する免疫染色.aのパターンは篩状板ビームの実質を構成する成分で,コラーゲンI型,III型,フィブロネクチンなどが同様の染色像を示す.bは基底膜パターンで篩状板ビームを取り巻くように染色され,コラーゲンIV型以外に.ラミニンも同様の染色像を示す.弾性線維の成分であるa-エラスチンは,篩状板のビーム内と,前篩状板部のグリア柱内に分布する血管に伴って細かい染色パターンとして観察される(c).図3緑内障眼・篩状板のECM,サル慢性眼圧上昇モデルにおける微細構造変化サル正常眼(a~c),慢性眼圧上昇モデル(d~e)(LB:篩状板,BL:基底膜).透過型電子顕微鏡で観察すると,篩状板の実質は径の小さい比較的均一なコラーゲン線維に,よって構成されている(a).縦断面(b),横断面(c)で観察すると,弾性線維()が,コラーゲン線維束の走行に沿って密接に接触して分布していることがわかる.一方,慢性眼圧上昇モデルの篩状板では,実質内のコラーゲン線維束構造が崩れ,各所に空間が生じ,基底膜様構造が沈着している(d).縦断面(e),横断面(f)の観察で,弾性線維()はコラーゲン線維との接触が失われ,空間内に孤立している所見が観察される.(版権使用許諾のうえ文献44より転載)図4緑内障眼・篩状板のECM,サル慢性眼圧上昇モデルにおける硫酸化プロテオグリカンの変化サル正常眼(a~c),慢性眼圧上昇モデル(d~f).篩状板層板内にはコラーゲン線維の結合にかかわる2種類のデルマタン硫酸(a),空間の充.に働くコンドロイチン硫酸(b),基底膜に沈着するヘパラン硫酸(c)の4種類の硫酸化プロテオグリカンが分布している.これらは,その分布から篩状板の組織強度の維持に重要な機能を果たしていると考えられる.慢性眼圧上昇眼の篩状板では,コラーゲン線維束の分離とデルマタン硫酸の配列の乱れ,空隙の拡大とコンドロイチン硫酸による充.(e,f),アストロサイト基底膜の肥厚,ヘパラン硫酸の増加(g)が観察された.その結果としてサル慢性眼圧上昇眼では,コラーゲン線維束の脆弱化,含水性の亢進によって,組織強度が著しく低下していることが推測された.(版権使用許諾のうえ文献37より転載)teins)に分類され,その機能とさまざまな疾患病態への2.GONにおけるRGC死に関連するさまざまな因子関与が注目され,GONの病態へのさらなる関与につい1995年にQuigleyらによって緑内障におけるRGC死ても示唆されている45,46).の少なくとも一部はアポトーシスのプロセスを経て生じることが報告47)され,これをきっかけとしてGONメカニズムに関する研究は大きく転換した.その焦点はECMから細胞へシフトし,GONにおけるRGCの神経細胞死にかかわるさまざまなメカニズムや視神経乳頭変化にかかわる細胞因子に関連して,多くの研究グループから多数の報告がされることになった.緑内障眼の視神経乳頭部で生じているRGC死に関連するもっとも重要な現象は軸索輸送障害と考えられる7.15).かつてはそのメカニズムとして血管説と機械説が論じられたが,さまざまな現象を総合的に考えると,緑内障眼の視神経乳頭部における軸索輸送障害が篩状板の変形と機械的因子のみによって生じているとは考えにくい.では,どのように軸索輸送障害が生じ,どのような経路を介してRGC死に至るのか?有力な仮説の一つはミトコンドリア異常である.古くからヒト緑内障眼の視神経乳頭部の篩状板付近で神経線維が腫張とともにミトコンドリアの集積,densebodies,空胞形成所見が報告されている8,9,42).筆者らのグループの開発したラット眼圧上昇モデルの視神経乳頭部にも変性ミトコンドリアの集積や外膜の断裂,封入体を内包所見が認められ図5緑内障眼・篩状板の細胞外マトリックス(ECM),ヒト緑内障眼における細胞接着性グリコプロテインの変化ビトロネクチン(a~d),テナスチン(e~h),トロンボスポンジン(i~l)に対する免疫染色.ヒト正常眼(a,b,e,f,i,j),原発開放隅角緑内障眼(c,d,g,h,k,l).ヒト篩状板にはさまざまな細胞接着性グリコプロテインが分布している.ヒト緑内障眼ではいずれのECMも発現が更新しており,cell-matrixinteraction,ECMremodelingにかかわっていることが示唆される.た13).RGCはミトコンドリアが豊富で,網膜内で活動電位を発生する唯一の細胞である.視神経乳頭部,とくに無髄神経線維にミトコンドリア酵素が集積している48,49).ラット慢性眼圧上昇モデルでは,眼圧上昇早期からcaspese3,cytochromCなどの発現が上昇し,ミトコンドリアに関連したアポトーシス経路の活性化は眼圧上昇初期からみられる現象であることが明らかとなった.その後の研究から,ミトコンドリア異常は,アポトーシス経路の活性化だけでなく,低酸素,マイトファジー機能低下,膜電位の低下,活性酸素による酸化ストレス,ミトコンドリアの分裂・融合変化,炎症などを引き起こすことが明らかにされている50).軸索輸送障害とミトコンドリア異常はさまざまな因子の影響を受ける可能性が高く,GONによる視神経障害メカニズムのmainstreamであることが強く疑われる51).Moganは緑内障眼の篩状板のレベルにおけるミトコンドリアの集積所見は,軸索のmetabolicdemandを反映しているように思われると述べている52).GONにおけるRGCのアポトーシスにかかわる可能性が強く疑われる因子として,神経栄養因子枯渇説があ図6緑内障視神経症(GON)にかかわる可能性のあるさまざまなメカニズム,サル慢性眼圧上昇モデル眼の視神経乳頭部における脳由来神経栄養因子(BDNF)とそのレセプター(TrkB)の発現BDNF(a,b),Trk(c,d)に対する免疫染色.サル正常眼(a,c),慢性眼圧上昇モデル(b,c).サル正常眼ではBDNFは神経線維束に沿って観察され,慢性眼圧上昇モデルでは篩状板部付近で発現は低下し,後篩状板部から球後視神経で発現はむしろ増加し,また篩状板部には局所的集積のような所見が観察された.BDNFのレセプターであるTrkBは篩状板部を中心にその前後で発現が上昇している所見が観察された.る5,53).神経栄養因子はニューロンに対する生理活性作用をもつ増殖因子の総称で,ニューロンの発生・維持・再生に必須で,脳由来神経栄養因子(brain-derivedneurotrophicfactor:BDNF)はその代表である.ヒト緑内障眼やサル,ラットなどの実験緑内障モデルの視神経乳頭部におけるBDNFや,そのレセプターであるTrkBの発現について報告されている14,54,55).筆者らのサル慢性眼圧上昇眼の結果では,BDNFは篩状板部付近で発現低下し,後篩状板部から球後視神経で発現増加し,また篩状板部には局所的集積所見が認められ,一方でTrkBは前から後篩状板部で発現上昇していた(図6).また,ラット眼圧上昇モデルの網膜のBDNFを定量したところ,眼圧上昇1週でBDNF量はコントロールの約2.5倍に増加,2週でほぼ同等,次第に減少し12週では約20%まで減少した56).眼圧上昇初期にBDNFによる内因性防御機構が作動し,一方で慢性期にBDNFは低下し,GONに内因性防御機構障害というメカニズムが加わる可能性を示唆していると考えられた.さらにGONにかかわる可能性のあるメカニズムとしてグルタミン酸神経毒性がある5,52,53).グルタミン酸は中枢神経系における興奮性神経伝達物質で,強い神経興奮性ゆえに過剰量のグルタミン酸は神経毒性を有する57).当初,ヒト,サル緑内障眼の硝子体でグルタミン酸濃度が上昇しているとの報告が注目されたが,その後の追試では結果は再現されなかった58.61).しかし,グルタミン酸の代謝には輸送蛋白であるグルタミン酸トランスポーターの動態もかかわっている62,63).筆者らはグルタミン酸のNMDA型レセプターであるf1(GluRf1)のノックアウト(KO)マウス64)の眼圧を上昇させ,GONの発現について正常コントロール眼と比較した65).その結果,眼圧上昇後4週の早期にこのKOマウス眼ではRGC死は抑制されたが,12週経過後には両者で差がなかった(図7)65).つまり,少なくとも眼圧上昇早期のRGC死にグルタミン酸毒性がかかわることが明らかとなった.筆者らのマウス眼圧上昇モデルでは,時間の経過とともに眼圧は低下した.また,ラット眼圧上昇モデルには二つのフェーズがあるとの報告66)や,高眼圧でのみGLAST障害が生じたとの報告がある67).この結果は眼圧レベルや時間経過によってRGC死メカニズムのバランスが変わる可能性を示唆していると考えられる.3.NTGにおけるGONのメカニズムかつての緑内障研究の主体はPOAGであり,実験モデルを用いたGONのメカニズムに関する研究は,いずれも高眼圧モデルを用いたものである.以上に述べた現象はいずれも高眼圧緑内障におけるGONのメカニズムについて研究された結果である.現在の緑内障臨床でNTGの比重は大きく,広義POAGでもNTGの割合が圧倒的に大きい.「GONの視神経障害メカニズム」を考える際に,高眼圧緑内障とNTGをどのように考えるべ図7緑内障視神経症(GON)にかかわる可能性のあるさまざまなメカニズム,グルタミン酸受容体ノックアウトマウスの眼圧上昇モデルと網膜神経節細胞死抑制上強膜静脈結紮法によるマウス眼眼圧上昇モデルを作製した(a).コントロール眼(b)に対して4週の眼圧上昇眼(c)では,明らかな網膜神経節細胞(RGC)数の減少が観察された.野生型マウス(W)とグルタミン酸f1レセプターのノックアウト(f1KO)マウス(f1-/-)の眼圧を上昇させ,RGC数を比較した.眼圧上昇4週では野生型に対してf1KOマウスではRGCが抑制された.それに対して12週では両群間で差がなかった.つまり,グルタミン酸毒性は眼圧上昇の少なくとも早期のRGCメカニズムに関与していることが明らかになった.(版権使用許諾のうえ文献65より転載)きなのかについては,いまだに明確な解答は得られていない.わずかであるがNTGの視神経乳頭を病理組織学的に観察した研究報告68,69)があり,視神経乳頭の各所に軸索腫脹,軸索輸送障害,著しい篩状板の変形などの所見が認められている.いずれの報告も組織学的所見は高眼圧緑内障に近似していると結論している.正常範囲内の眼圧にもかかわらずNTGが生じる背景として,視神経の眼圧に対する脆弱性の存在が疑われてきた.WaxらのグループはGON,とくにNTGへの自己免疫機構の関与を疑い,さまざまな研究データを発表した69.71).たとえばNTG眼の網膜,視神経乳頭へのIgG,IgAの沈着の所見69),熱応答蛋白(heatshockprotein:HSP)60,Hsp27への自己免疫が認められること70),NTG,POAG眼の視神経乳頭にグルコスアミノグリカンに対する自己抗体が認められること71)などを報告した.また,MaruyamaらはPOAG,NTGの約25%に神経特異エノラーゼ(neuron-speci.cenolase:NSE)に対する自己抗体が認められ,POAGでは陰性群に比較し眼圧が低い傾向であったことを報告した72).これは内因性防御機構や組織構築に対する障害機構と考えられる.また,Yanらは免疫染色を用いてヒト緑内障眼の視神経乳頭におけるメタルプロテイナーゼ(MMP)-2,-3,腫瘍壊死因子(tumornecrosisfactor:TNF)aの分布と発現を調べ,正常眼に対してPOAG眼で増強,NTG眼ではさらに著しく増強していたことを報告した73).これらの結果はいずれも神経細胞の易障害性や組織構築の脆弱性にかかわる可能性がある.つまり,NTGは臨床所見,組織学的所見のいずれも高眼圧緑内障に近似しているものの,GONのメカニズムには異なった背景,修飾,促進因子の存在が疑われる.4.GONによる視神経障害メカニズムにおける攻撃因子と防御因子・仮説臨床的に緑内障の発症,進行にはさまざまな危険因子があることが知られている1.3).CollaborativeNormalTensionGlaucomaStudy(CNTGS)のサブ解析では乳頭出血,片頭痛,緑内障の家族歴,心血管疾患の既往などの因子の有無によって,眼圧下降効果に対する視野障害進行の傾向が異なることが示されている74).また,開放隅角緑内障(openangleglaucoma:OAG)に関連す図8緑内障性視神経症(GON)における眼圧と視神経のバランス,関連するさまざまな攻撃因子と防御因子(仮説)眼圧は最大の攻撃因子であり,軸索輸送障害,ミトコンドリア異常,神経栄養因子枯渇,グルタミン酸毒性,虚血・低酸素などが連動する.一方で内因性防御因子に対する障害という因子があり,神経栄養因子や熱応答蛋白の低下はこれに相当する.細胞外マトリックス(ECM)の再構成や虚血・低酸素,近視性変化は視神経乳頭の構築を変化させ,視神経の易障害性の原因となりうる.酸化ストレス,活性化アストロサイト,自己免疫機構は神経細胞障害を促進する因子として働く可能性がある.BDNE:脳由来神経栄養因子,HSP:熱応答蛋白.るさまざまな遺伝子多型が明らかにされている.これらの遺伝子多型は大きく眼圧に関連するもの,眼球の形態に関連するもの,視神経形態や脆弱性に関するもの,その他に大別することができるのではないかと報告されている75).現在に至るまでさまざまな緑内障の基礎研究から,GONのメカニズムにはさまざまな因子がかかわっており,以上に紹介したミトコンドリア障害,神経栄養因子枯渇,グルタミン酸神経毒性以外にもさまざまなメカニズムの関与が想定されている5).これらの因子について,視神経に対する攻撃因子と防御因子という考え方は理解しやすい(図8).つまり,眼圧は最大の攻撃因子であり,軸索輸送障害,ミトコンドリア異常,神経栄養因子枯渇,グルタミン酸毒性,虚血・低酸素などが連動する.一方で内因性防御因子に対する障害という因子があり,神経栄養因子やHSPの低下はこれに相当する.ECMの再構成や虚血・低酸素,近視性変化は視神経乳頭の構築を変化させ,視神経の易障害性の原因となり得る.酸化ストレス,活性化アストロサイト,自己免疫機構は神経細胞障害を促進する因子として働く可能性がある.ぞれぞれのメカニズムを個別に考えるのではなく,GONの全体の構図のなかでどのように作用しているのかについて,さらに総合的に考えて行く必要がある.II機能へ1990年頃にHFA,オクトパス視野計を代表とするSAPが眼科の一般臨床の場に普及した.さらに約10年の臨床における患者データの蓄積を経て,視野障害進行に関する研究論文が次々と発表されるようになった.海外におけるさまざまな多施設共同ランダム化試験の結果も,SAPによる視野検査結果に基づいている.それ以前には,緑内障の治療は視野障害進行の有無で評価された.SAPによる経過観察期間がより長期にわたると視野障害は高率に進行する.むしろ重要なのは進行の速度であることが理解されるようになった1).現在の「緑内障治療は,眼圧下降によって,進行を減速させること」という概念が確立したということができる.SAPによる視野の評価,視野障害進行の評価の方法が提案され,検証していったのも同じ頃である.SAPの内蔵プログラムに加えて,視野解析プログラムが紹介され,一般臨ab1.51.511p<0.05p<0.10p≧0.10経過中平均眼圧値(mmHg).5MD変化率(dB/年).50-.5-1-1.5-20-.5-1-1.5-2-2.5-2.5-3-3510152025510152025図9広義・原発開放隅角緑内障(POAG)の経過中平均眼圧値と視野障害進行速度5.20年経過観察した広義POAG287例287眼について,治療前眼圧値21mmHgを超える高眼圧緑内障(HTG)群と,以下の正常眼圧緑内障(NTG)群に分けて,経過中の平均眼圧値とMDスロープ(MDS)の相関について調べた.HTG群121眼については経過中の平均眼圧値とMDスロープの間には弱いが統計学的に有意な相関がみられた(MDS=1.132.0.097×平均眼圧,R2=0.150:p<0.001).一方,NTG群166眼については,両者の間に有意な相関はみられなかったMDS=.0.225.0.009×平均眼圧,R2=0.002:p=0.599).床の場で,緑内障患者の視野の経過を統計学的に容易に解析することが可能になった.眼科医の緑内障視野についての理解が進み,緑内障治療の質を大きく改善させたと考えられる.1.広義POAGの眼圧と視野障害の進行筆者らは自施設で4年以上SAPを用いて経過した広義POAG患者について,経過眼圧値に対する視野障害進行速度について検証した76,77).症例数は287例287眼で,経過観察期間の平均は9.0±3.6(4-20)年,SAPのプログラムはHFA30-2全閾値を用い,平均偏差(meandeviation:MD)スロープを視野障害進行速度とし,経過中の眼圧値との関連について検証した.無治療時眼圧値が21mmHgを超える症例を高眼圧(hightensionglaucoma:HTG)群,21mmHg以下の患者をNTG群とした.また,MDスロープが.0.3dB/年以下の症例を進行の速い群,.0.3dB/年より大きい症例を進行の遅い群とした.HTG群121眼については経過中の平均眼圧値とMDスロープの間には弱いが統計学的に有意な相関がみられた(MDS=1.132.0.097×平均眼圧,R2=0.150:p<0.001).一方,NTG群166眼については,両者の間に有意な相関はみられなかったMDS=.0.225.0.009×(版権使用許諾のうえ文献77より転載)平均眼圧,R2=0.002:p=0.599)(図9).進行の速い群と遅い群の間の眼圧値の差について検定した(表1).HTG群では進行の速い群で経過中の平均眼圧値,最高眼圧値,最低眼圧値が有意に高かった.一方,NTG群では平均眼圧値などには差はなく,両群の標準偏差,最高最低眼圧値の差に統計学的に有意な差が認められた.つまり,HTG群では進行の速い群では眼圧値そのものが高く,NTG群では変動が大きいという結果であった.Caprioliら78)はAdvancedGlaucomaInterventionStudy(AGIS)のサブ解析として,経過中の平均眼圧値が低い患者では長期の眼圧変動が進行に関連していたが,平均眼圧値が高い患者では関連はみられなかったと報告しており,筆者らの報告と類似の研究結果と考えられる.同時にサブ解析としてHTG221眼について,経過中の平均眼圧値とHFA30-2MDスロープの相関の単回帰と多項式回帰による比較を行った(図10).単回帰,多項式回帰のいずれも統計学的に有意な相関がみられるが,決定係数(R2値)は単回帰で0.106に対して二次曲線回帰では0.471であった.眼圧値とMDスロープの関係は二次曲線がより適合するようである.このモデルは臨床的に<10mmHgで緑内障による視野障害は減速,ほぼ停止し,>20mmHgでは次第に加速する現象とよく一致している.眼圧値10.20mmHgでは表1広義POAG:視野障害進行の速い群と遅い群の比較HTG(n=121)NTG(n=166)速い群(≦.0.3dB/年)遅い群(>.0.3dB/年)p値速い群(≦.0.3dB/年)遅い群(>.0.3dB/年)p値症例数C68C53C80C86平均眼圧値(mmHg)C17.8±2.21C15.9±2.52<C0.001C13.7±1.95C13.4±1.70C0.318標準偏差(mmHg)C2.04±0.60C1.85±0.48C0.097C1.60±0.40C1.45±0.36C0.013最高眼圧値(mmHg)C22.3±3.17C19.8±3.26<C0.001C17.1±2.18C16.3±2.20C0.026最低眼圧値(mmHg)C13.8±2.26C12.3±2.53C0.001C10.5±2.18C10.6±1.91C0.832最高.最低眼圧値(mmHg)C8.49±2.97C7.49±2.20C0.088C6.54±1.85C5.70±1.55C0.002平均眼圧下降率(%)C26.4±8.1C33.0±12.8C0.001C23.3±8.0C23.2±9.6C0.955MD変化率(dB/年)HTG:治療前眼圧値>21mmHg,NTG:同じく≦21mmHg.Ca単回帰分析b21.5MD変化率(dB/年)1.50-.5-1-1.5-2-2.5-3多項式回帰分析051015202530経過中平均眼圧値(mmHg)経過中平均眼圧値(mmHg)図10高眼圧POAG:平均経過眼圧値とHFA30-2MDスロープの単回帰分析と多項式回帰分析の比較HTG221眼について,経過中の平均眼圧値とCHFA30-2MDスロープ(MDS)の相関について,単回帰と多項式回帰による比較を行った.単回帰(MDS=0.757.0.074×IOP,RC2=0.106:p<0.0001),多項式回帰(MDS=.0.018×IOP.0.003×IOP2,R2=0.471:p<0.0001))のいずれも統計学的に有意な相関がみられるが,決定係数(RC2値)は単回帰に対して二次曲線回帰ではより高かった.眼圧値とCMDスロープの関係は二次曲線がより適合するようである.このモデルは臨床的に,高眼圧緑内障症例で,<10CmmHgで視野障害は減速し,ほぼ停止,>20CmmHgでは次第に加速する現象とよく一致している.いずれのモデルでもほぼ一致していた.最近になってCHFA24-2CSITAstandardのCMDスロープを用いて追試を行った.既報と同様にCHTG群では経過中の平均眼圧値とCMDスロープの間に有意な相関があったのに対して,NTGでは相関はなかった.一方,平均眼圧下降率とCMDスロープの相関を調べたところ,HTG群,NTG群のいずれでも弱いが有意な相関がみられた.C2.目標眼圧の再考「緑内障診療ガイドライン第C5版」1)において,患者ごとに目標とすべき眼圧(目標眼圧)を設定して緑内障治療を行うことが,合理的な方法として推奨されている.日本における緑内障治療における目標眼圧の概念の先駆けは,1992年の岩田による第C96回日本眼科学会総会特別講演である24).この中で岩田は目標眼圧を,緑内障の進行を阻止しうる眼圧」として紹介した.この講演のもととなったデータは,おもに高眼圧CPOAGのCGoldma-nn視野検査の経過に基づいた研究によっている.当時は,まだCPOAGとCNTGの同異が議論されていた時代であり,HFAは普及したばかりで,進行速度という概念はなかった.その後の目標眼圧の概念について,ヨーロッパ緑内障学会(EuropeCGlaucomaSociety:EGS)による緑内障の用語とガイドラインについて振り返ってみた2).1998年に発行された初版,2003年の第C2版では,目標眼圧は「さらなる緑内障性障害の進行を防ぐための治療による平均眼圧値」と記載されている.2008年の第C3版では,「疾患の進行を最小限まで遅らせる眼圧値」と記載され,進行の速度,進行を遅らせるという概念が加わった.さらにC2014年の第C4版では「患者の生涯のCQOLを維持するために進行の速度を十分に遅くすることのできる眼圧値」とされた.緑内障治療の目的として生涯のQOLという概念を導入した点で画期的である.現行の第C5版で,具体的な眼圧の目標値としては,早期にC18.20mmHgかつ眼圧下降率C.20%,中期でC15.17mmHgかつC.30%,後期ではC10.12CmmHg以下が示されている2).前記の筆者らの研究データに基づくと,HTGつまりPOAGでは>20CmmHgではほぼすべての症例がCMDスロープで.0.3CdB/年より進行の速い群に含まれた.正常眼圧域では眼圧が下降するにしたがって進行の速い群に含まれる症例は減少し,<10CmmHgではほぼすべての症例が進行の遅い群に含まれた.一方,NTG群については同様な傾向は弱い.たしかに正常眼圧域内で眼圧が低いほど,進行の速い群に含まれる症例は減るが,10.12CmmHgの眼圧域であっても≦C.0.3CdB/年の症例が約C30%残存する.POAGは治療による眼圧レベルに対して確率的に進行が抑制され,いわゆる正常眼圧下限以下まで低下すると,進行の速い群に含まれる症例はほとんどみられない.また,POAGの進行速度は眼圧値,眼圧下降率のいずれとも相関し,目標眼圧を眼圧値によって設定することが可能である.対してCNTGでは,眼圧値と相関せず,眼圧下降率と相関する.したがって,NTGに対して目標眼圧は眼圧下降率で設定するのが適切である.日本国内では,POAGとCNTGを合せて広義CPOAGという用語が用いられている1).一方,EGS2)や米国眼科学会(AmericanAcademyofOphthalmology:AAO)3)など,海外のガイドラインでは,すでにCNTGという用語は用いられておらず,すべてを包括してCPOAG,高眼圧CPOAG,正常眼圧CPOAGと称している.さらに欧米の多施設共同研究では落屑緑内障もあわせてCOAGとし,落屑症候群をCOAGのリスクファクターのひとつとして扱うことも多い2,3).POAGとCNTGは厳密な境界設定が不可であり,広義CPOAGと称するのはすでに標準的ということがいえる.一方で,POAG,NTGは臨床的な傾向,治療目標の設定,手術術式の選択などに差がある.今後も緑内障診療においてサブタイプとして残していくことを強く推奨する.当初,目標眼圧は緑内障の進行を阻止,停止させる眼圧,つまり健常眼圧と同義と考えられてきた.しかし,緑内障をごく長期に経過観察した場合,完全に停止する患者はむしろわずかである.目標眼圧は健常眼圧とは切り離して考えることが必要である.現在の目標眼圧は,患者ごとにその時点で経過観察が可能な眼圧値と考えることが適切である.CIIIそしてQOLへ日本緑内障学会による「緑内障診療ガイドライン」第4版では,「緑内障治療の目的は,視覚の質(qualityCofvision:QOV)と,それに伴う生活の質(qualityCoflife:QOL)を維持することである」と明記された1).第3版までの「患者の視機能を維持することである」と意図するところは同じだが,より患者の立場に立った表現がされている意味でこの違いは大きい.QOLは,しばしば「生命の質,生活の質」と訳されるが,きわめて広い概念で,単に日常生活における症状を意味しているわけではない.たとえば緑内障という疾患をもつことによる心理的な負担,しみる,かすむなどの点眼薬の使用感,受診や治療に対する時間的,経済的負担もCQOLの一部である.眼科医が緑内障患者のCQOLをより理解しようという試みによって,1)患者と治療の目的を共有することができる,2)患者の症状を理解することは,緑内障という疾患そのものを理解することである,3)本来の意味での重症度の判定,治療目標の設定が可能となる,4)進行した患者では適切なロービジョンへの導入が可能である,結果として,われわれは緑内障治療の目的と現実により近づくことができることが期待される.個々の緑内障患者のCQOLをすべて把握し,理解することはきわめてむずかしいが,その努力は必要である.筆者らは緑内障の機能である視野に関する研究とともに,その延長として緑内障患者のCQOLに関する研究を続けてきた79.81).緑内障でCQOLがどのように障害されるのかは,まさに疾患の本質にかかわる問題であるが,まだ十分には理解されていない.ここでは,緑内障患者のCQOLにかかわる現在進行中の研究の一部を紹介する.C1.人工知能を用いたQOLスコア推定モデルの検討われわれは日常の緑内障診療の中で,患者の病歴などの臨床情報と,視力,視野などの検査所見を記録している.筆者らは,現在,それらの臨床情報,検査所見を元に,人工知能(arti.cialintelligence:AI)を用いることによって緑内障患者のCQOLを推定することが可能かというプロジェクトに取り組んでいる.もし仮に推定が可能で,その方法を確立することができれば,逆にCQOLを悪化させる臨床的要因をさらに明らかにできる可能性がある.今回の対象は広義CPOAGに限定し,エンドポイントであるCQOLスコアをCVFQ-25ラシュスコアに設定した.まず,最初のスタディとして説明変数の組み合わせ,モデリングとモデルフィッティングの評価を行った.患者情報として性別,年齢,病型(POAG/NTG),視野データとしてCbetterCeye,Cworseeye別のCHFA24-2/10-2の個別点における実測感度閾値,パターン偏差,トータル偏差,またCbestlocation(BL)法による両眼重ね合わせ視野,その他の臨床データとして,矯正視力,等価球面度数,円柱度数,眼軸長,角膜厚などを設定した.予測手法としては三つの線形重回帰分析の結果を比較した.その結果,予測手法としてはステップワイズ法で説明変数を選ぶCMLR.allVarStepwise-rmMulticollineariC-ty-full法のCRC2値がもっとも高く,説明変数としては両眼の視野:左右眼個別点のパターン偏差値でCRC2値が高かった.これに両眼の矯正視力,等価球面度数,角膜厚,眼軸長などの臨床データ,また年齢,性別,病型などの患者情報を加えても,RC2値はほぼ不変であった.現時点までの結果では,RC2値≦0.7C.0.8と予測精度としてはやや弱いものの,AIを用いたCVFQ-25ラシュスコアの予測モデルの構築は可能と考えられた.また,視野データのみで予測が可能のようであることがわかった.C2.両眼開放同時刺激視野測定一般的な視野検査は,片眼を遮蔽し,片眼ごとに行われている.手術適応など緑内障治療は眼単位で行われ,これは妥当である.しかし,われわれは通常,日常生活を両眼開放状態で過ごしている.眼科医が緑内障患者のQOLをより正確に評価するためには,両眼開放下での視野測定が必要ではないか,また視野における両眼の相互作用について検討するべきではないか,という新たな課題に至った.iMo(クリュートメディカルシステムズ)は,両眼に別々に使用提示が可能な視野計で,両眼を開放した状態で左右眼の視野検査を同時に行うことができる82).すでに,片眼を遮蔽した片眼ごとの測定と,両眼開放の左右眼同時測定の結果に関して,いくつかの研究報告がなされている83).その結果,おおむねの傾向として,両眼開放で測定を行った場合,視野感度はCbettereyeでやや上昇,worseeyeではやや低下することが報告されている.緑内障の視野障害とCQOLを検討する際に,しばしばBL法による両眼重ね合わせ視野(integratedCvisual.eld:IVF)が用いられている84).これは,片眼ごとの測定結果をもとに理論的に推定された両眼視野である.このCIVFは正しいのか?筆者らはCiMoに両眼の同じ部位に同じ光刺激を提示する両眼開放同時刺激のためのプログラムを設定し,両眼重ね合わせ視野の直接測定を試みた83).研究は現在進行中であり,ここではこれまでに測定されたC8例について提示する.最初の予備研究として,緑内障性の視野欠損が片眼のみに限局している患者を選択した.このうちC4例(図11a~d)はCiMoによる片眼ごと(片眼遮蔽)の測定結果とそれをもとにしたBL法によるCIVF,さらに両眼同時刺激視野測定の結果を示した.残りのC4例(図11e~h)はCiMoによる片眼ごとの測定は未施行のためCHFA24-2の測定結果と,BL法によるCIVFを示した.計C8例のうちC6例ではCIVFと両眼同時刺激視野測定の結果は一致した.しかし,2例(図11)については一致せず,worseeyeのCMariotte盲点に相当する部位の感度低下を検出した.BL法によるCIVFの方法はおおむね適切と考えられたが,ときに一致しない患者があることがわかった.緑内障患者のQOL評価のために両眼開放,両眼重ね合わせ視野についてはさらに検討を重ねる必要性がある.CIVまとめこの講演では筆者自身の緑内障研究歴に沿った形で,基礎研究から臨床研究までを振り返った.少なくとも現時点で,緑内障治療のオールマイティは眼圧下降である.さまざまなCGONによる視神経障害メカニズムはすべて眼圧に連動しているように思われる.現実的に現在片眼遮蔽片眼測定(iMo)BL法IVF両眼同時刺激片眼遮蔽片眼測定(HFA24-2)BL法IVF両眼同時刺激aefcdh図11iMoを用いた両眼同時刺激視野測定(片眼遮蔽)片眼視野測定をCiMoによって行ったC4例(Ca~d)とCHumphrey視野計で行ったC4例(Ce~h)について,bestlocation法による両眼重ね合わせ視野(IVF)と,iMoによる両眼同時刺激視野の結果を比較した.このC8例はいずれも緑内障性視野障害が片眼にのみに限局している.IVFと両眼同時刺激視野検査の結果はおおむね一致するが,2例では一致しなかった(Cb,g).可能な緑内障治療は眼圧下降治療であり,まず眼圧下降治療を徹底させることが緑内障治療の基本である.NTGはCGONのメカニズムとして,もっとも複雑で,特殊な病型と考える必要がある.危険因子,背景因子による広義CPOAGのサブタイプ化と分析が必要と考えられる.たとえば,遺伝子検査,バイオマーカー,近視,乳頭出血,角膜性状(中心角膜厚や角膜ヒステリシス)などは有力な候補である.そのような分析に基づいて個別化治療の可能性についてさらに模索,推進する必要がある.現在,日本国内でもビッグデータ構築が進められており,さらに総合的な分析の成果が期待される.緑内障治療の目的でありアウトカムは患者のCQOLである.緑内障に関するさまざまな分野とさまざまな課題があるが,すべての緑内障研究は,最終的に緑内障患者のCQOLを守るという目的のために行われるということは忘れてはいけない.緑内障のCQOLへの影響は視力,視野だけではない.緑内障病期の進行とともにコントラスト感度や両眼視など,さまざまな視覚機能が影響を受けることが明らかになってきている.視覚機能とCQOLの関連についてのさらに総合的な理解が必要である.さらに両眼開放視野測定など,より日常に即したCQOL評価とその方法の開発が待たれる.謝辞:須田記念講演という名誉ある機会を与えてくださった日本緑内障学会・相原一理事長,第C32回学術総会学会長・鈴木康之先生,理事,評議員の先生方に感謝いたします.恩師である故・岩田和雄新潟大学名誉教授,阿部春樹新潟大学名誉教授,故・澤口昭一琉球大学前教授,留学中にご指導いただきましたCBeatriceYue米国シカゴ・イリノイ大学元教授に心より感謝いたします.今回の講演で紹介した数々の緑内障研究に携わってくれた代々の新潟大学眼科緑内障グループのメンバーの先生方,検査を担当してくれた視能訓練士の皆様,日頃から諸事に補助していただいている眼科事務局の皆様に感謝申し上げます.また,日本緑内障研究会の時代からの「学閥を超えて緑内障を議論する」という素晴らしい伝統を,そのままに引き継いで今に至る日本緑内障学会の諸先輩,同世代,後輩の先生方に,この場を借りて御礼申し上げます.文献1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン.第C5版.日眼会誌126:85-177,C20222)EuropeanGlaucomaSociety:TerminologyandGuidelinesforCglaucoma.C5thCed.Chttps://www.eugs.org/eng/guideClines.asp,20203)GeddeCSJ,CVinodCK,CWrightCMMCetal:PrimaryCopen-angleCglaucomaCpreferredCpracticeCpattern.Chttps://www.Caaojournal.org/article/S0161-6420(20)31024-1/pdf,20204)IwaseA,SuzukiY,AraieMetal:Theprevalenceofpri-maryCopen-angleCglaucomaCinJapanese:theCTajimiCStudy.OphthalmologyC111:1641-1648,C20045)VernazzaCS,COddoneCF,CTirendiCSCetal:RiskCfactorsCforCretinalganglioncelldistressinglaucomaandneuroprotec-tivepotentialintervention.IntJMolSciC22:7994,C20216)QuigleyCHA,CAddicksCEM,CGreenCWRCetal:OpticCnerveCdamageinhumanglaucoma.II.Thesiteofinjuryandsus-ceptibilityCtoCdamage.CArchCOphthalmolC99:635-649,C19817)QuigleyHA,HohmanRM,AddicksEMetal:Morpholog-icCchangesCinCtheClaminaCcribrosaCcorrelatedCwithCneuralClossCinCopen-angleCglaucoma.CAmCJCOphthalmolC95:673-691,C19838)Minckl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