眼鏡作製技能士と眼科の連携CollaborationbetweenProfessionalCerti.edOpticiansandOphthalmologist魚里博*はじめに視力補正や屈折矯正における代表的で最適手段の一つとして,眼鏡の重要性は広く認識されている.わが国におけるビジョン(アイ)ケアを担う専門職としては眼科医,視能訓練士および眼鏡技術者のいわゆる3Os(oph-thalmologist,orthoptist,optician/欧米ではophthalmol-ogist,optometrist,optician)が活躍している.近年,眼鏡技術者の分野において,従来の民間認定による眼鏡士から技能検定による国家検定制度である眼鏡作製技能士が誕生し,新たな認知度の向上とその活躍が期待されている1.4).そのためには,眼科分野との連携も重要であり,よりよい眼鏡の提供がますます望まれるところである.本稿では,近年新たに登場した眼鏡作製技能士の概要と眼科分野との連携の必要性について解説する.I眼鏡作製技能士技能士は職業能力開発促進法に基づく名称独占の国家検定制度である,働くうえで必要とされる技能の習得レベルを国が評価・認定するものである.この資格にはファイナンシャルプランナー,機械加工やウエブデザインなどの131にも及ぶ技能検定職種がある.眼鏡作製技能士はその一つで,眼科専門医との連携を含め,眼鏡を必要とする顧客が視力の補正用眼鏡などを選択し購入する際に,眼鏡店において行われる視力の測定,レンズ加工,フレームの調整(フィッティング)などの業務に表1眼鏡作製職種の定義眼鏡作製職種とは眼科専門医との連携を含め,眼鏡を必要とする顧客が視力補正用眼鏡等を選択し購入する際に,眼鏡店において行われる,視力の測定,レンズ加工,フレームのフィッティング等の業務に従事する職種.従事する職種と定義され(表1),2021年8月に創設された.資格には1級と2級があり,合格すると1級は厚生労働大臣,2級は指定試験機関の代表者名(公益社団法人日本眼鏡技術者協会の会長名)で合格証書が交付され,技能士を名乗ることができる.2024年3月現在で1級6,662名,2級1,066名の計7,728名が取得している.技能検定試験には,筆記試験と実技試験がある.前者は1.視機能系,2.光学系,3.商品系,4.眼鏡販売系,5.加工作製系,6.フィッティング系,7.企業倫理・コンプライアンスの7科目がある.実技試験には1.視力の測定,2.フィッティング,3.レンズの加工の3科目がある.試験は公益社団法人日本眼鏡技術者協会により実施される.毎年春には筆記試験が行われ,その合格者が実技試験を受験でき,秋に合格者が発表される.なお,業界内で既存の認定眼鏡士SS級以上を保持する者は,移行措置用の試験に合格すると1級が取得できる.眼鏡作製技能士は将来にわたり眼科と連携して検定試験を運営・実施するために,日本眼科学会と日本眼科医会(以*HiroshiUozato:東京眼鏡専門学校〔別刷請求先〕魚里博:〒169-0073東京都新宿区百人町2-26-10東京眼鏡専門学校0910-1810/24/\100/頁/JCOPY(75)679表2眼科専門医との連携眼鏡作製技能士Ophthalmologists─試験科目及びその範囲(抜粋)─企業倫理・コンプライアンス眼科専門医との連携:次に掲げる事項について一般的な知識を眼科医有すること.1)眼の状態(眼病・眼の動き・視力)が疑わしい場合の眼科専門医への速やかな紹介および眼鏡処方箋による眼鏡調製2)幼児・学童に対する眼科専門医への紹介および眼鏡処方箋による眼鏡調製眼鏡士3)遠用若しくは近用眼鏡を初めて作製する者の眼科専門医へ(眼鏡作製技能士)の紹介,検診の推奨4)医行為,疾病等の診断に関する行為及びそれらに類する行為を行ってはならないことOpticians図1Vision(Eye)Careにおける3Osの連携