あたらしい眼科40(3):359.364,2023c第27回日本糖尿病眼学会総会特別講演(内科)大規模医療データサイエンスが拓く新しい糖尿病網膜症学NewStudiesonDiabeticRetinopathyStudiesPioneeredbyLarge-ScaleMedicalDataScience曽根博仁*Iわが国独自の大規模臨床エビデンスの重要性多くが無症状である2型糖尿病の内科診療は,HbA1cをはじめとするサロゲート(代替)マーカーやリスク因子の改善により,将来の合併症予防や(健康)寿命延伸が期待できるという前提で成立している.したがって,その期待を裏付ける科学的データが必須である.さらに,糖尿病診療は多くの生活習慣介入を伴うが,その実施努力に見合った効果が期待できるかについても説得力ある根拠が求められる.そのため糖尿病分野では従来から,多数の患者データを収集・解析し科学的エビデンスを確立する大規模臨床研究が盛んであった.一方,2型糖尿病の病態には多因子遺伝と生活習慣との両方が関与し,人種や地域の影響を強く受けるため,他人種におけるエビデンスが日本人に当てはまるとは限らず,わが国独自のエビデンス構築が必要である.II従来型大規模研究の限界糖尿病患者の視力障害を予防するための内科診療の基本は,眼科に定期的な診察をお願いし,その結果を活かしながら網膜症の発症・重症化のリスク因子管理を行っていくことである.それに必要なリスク因子のエビデンスは,従来,住民コホート,患者レジストリー,臨床試験とそれらのメタアナリシスにより確立されてきたが,一方,それら従来型研究については,①登録患者が特殊で結果を一般診療に外挿しにくい,②長期間追跡の労力や費用が厖大である,③追跡中のドロップアウトが多い,④対象者数が限られ,統計パワーが不十分である,⑤事前に設定したアウトカムについてしか解析できない,などの限界点も指摘されてきた.とくに,従来型研究により「早期」網膜症の重要リスク因子は解明されたものの,視力を脅かし生活の質と医療費に多大な悪影響を与える「重症進行」網膜症のリスク因子はまだ検討が不十分であった.幸い近年の治療法の進歩により,そのような重症網膜症は以前より減少してきたが,むしろそのために従来コホートでは解析に必要なイベント数を確保することが困難になりつつある.また,血糖や血圧など既知リスク因子のさらに詳細な解析あるいは残余リスク因子の探索にも,従来型コホートでは患者・イベント数が不足することが多い.III新たな大規模医療データサイエンスの登場これらの従来型研究の限界を補うための研究ツールとして,リアルワールドデータが用いられるようになった.実際に,リアルワールドデータを活用した研究は近年うなぎ登りに増加している(図1).研究に利用できるリアルワールドデータには,健診,人間ドック,レセプト(診療報酬請求),DPC(診断群包括分類),電子カルテ,介護保険などがあり,いずれもその名のとおり現場状況を反映したデータであるうえ,対象者数も膨大で必要イベント数を確保しやすい.しかし,研究目的で作られたデータベースではないため,研究活用時には留意が必要である.たとえばレセプトデータは,全員加入という悉皆性に加え,受診を要する重症疾患がほぼ漏れなく捕捉可能という特長を有する.しかし,検査データが含まれていな*HirohitoSone:新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野〔別刷請求先〕曽根博仁:〒951-8510新潟市中央区旭町通一番町757新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野0910-1810/23/\100/頁/JCOPY(77)359論文数図1PubMedに登録されたリアルワールドデータ研究の年代別件数の急激な増加である透析導入のリスク因子を検討した筆者らの以前の過去現在未来①コホート研究(前向き)②ケースコントロール研究過去の要因暴(後向き)露状況の調査イベント発症の追跡いことが短所で,健診や電子カルテデータと連結して用いる必要がある.さらに,いわゆる「レセプト病名」や「保険病名」といわれるように,病名が実際のイベント発症を反映しているとは限らないことも問題である.つまり,「糖尿病網膜症」という病名のみでは重症度が不明なうえ,たとえ「増殖網膜症」という病名がつけられていても,実際に処置を要する危険な状態なのか,あるいはすでに鎮静化した状態なのか区別できない.これに対しては,「診断が確定すればほぼ実施されるが,診断が確定しない限りまず実施されない」処置である光凝固術,硝子体手術,抗血管内皮増殖因子(vascularCendo-6,0005,5005,0004,5004,000thelialgrowthfactor:VEGF)薬の硝子体内注射などが行われたことを手がかりに,当該イベントが実際に起きているか否かを診療行為から判定する必要がある1).データサイズと並ぶリアルワールドデータの最大のメリットは,歴史的コホートデザインを用いることにより,通常のコホート研究に必要な膨大な時間・労力・費用なしに,縦断解析が可能になることである.このデザインは後ろ向きのケースコントロール研究と混同されやすいが,健診結果など過去の確実な測定済みデータが存在し,さらにその後のイベントが確実に捕捉できる際に利用可能になるデザインであり有用性が高い(図2).CIVビッグデータで解明された重症進行糖尿病網膜症のリスク因子わが国のレセプトデータベース解析によって明らかにされた「治療を要する(視力が脅かされる)重症進行糖尿病網膜症」発症の有意な年齢調整リスク因子は,3,5003,0002,5002,0001,5001,000500HbA1c,空腹時血糖,収縮期血圧であった(表1)2).HbA1cについては,6.5%以下の群と比較すると,8.1.8.5%の群で約C6倍,8.6%以上の群で約C14倍と,HbA1c上昇とともに急速に発症リスクが上昇した(図3)2).これは以前にCJapanCDiabetesCComplicationsStudy(JDCS)3)で報告した単純網膜症とCHbA1cとの直線的な関係とはやや異なり,HbA1c8.5%付近を変曲点としたCS字状の関係であったことが判明した(図4)2).一方,同じデータベースを用いて糖尿病腎症の末期像図2各種縦断研究(①コホート研究,②ケースコントロール研究,③歴史的コホート研究)の概念の比較リアルワールドデータ研究ではとくに③が用いやすい.なお,③はレトロスペクティブコホート研究とよばれることもある.研究結果では,収縮期血圧が高くなるほど透析導入リス表1わが国のレセプトデータ解析から判明した糖尿病患者におけクが増大したのに対し,拡張期血圧については意外なこる重症進行糖尿病網膜症の多変量調整リスク因子(Cox回帰)とに,高くなるほど透析導入リスクは逆に低下していた4).この結果より,脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)の影響が強い可能性に気づき,収縮期血圧と脈圧をあえて共変量として同時投入してみたところ,収縮期血圧のほうが吸収され脈圧のみが独立因子として残った(表2)4).実際に,収縮気圧(140CmmHg以上または未満),脈圧(60CmmH以上または未満)でそれぞれ層別化して発生率をみたところ,前者より後者のほうが,透析導入者と非導入者をよりよく区別できていた.CHbA1c性別(男性)年齢(/5年)BMI(5Ckg/mC2増加)収縮期血圧(10CmmHg上昇)LDLコレステロール(1Cmg/dl上昇)HDLコレステロール(1Cmg/dl上昇)空腹時血糖(1Cmg/dl上昇)トリグリセリド(対数変換)喫煙HbA1c(%)1.22(0.81.1.86)1.21(1.09.1.34)1.09(0.91.1.31)1.13(1.03.1.23)0.99(0.99.1.00)1.01(0.99.1.02)1.00(1.00.1.00)0.84(0.63.1.13)0.88(0.63.1.23)1.70(1.56.1.86)(文献C2より改変引用)0.100.080.06≦6.5Cref0.046.6.C7.07.1.C7.51.90(C1.03.C3.51)3.60(C1.89.C6.85)C0.04<C0.017.6.C8.03.50(C1.64.C7.47)<C0.010.028.1.C8.55.91(C2.87.C12.2)<C0.01C≧8.614.1(C8.07.C24.6)<C0.010.00調整因子:年齢,性別,BMI,収縮期血圧,空腹時血糖,05001,0001,5002,0002,500HDLコレステロール,CLDLコレステロール,トリグリ観察期間(日)セリド,現在喫煙C重症網膜症累積発症率HbA1c(%)ハザード比(95%信頼区間)p値図3わが国のレセプトデータ解析から判明したHbA1cと重症進行糖尿病網膜症との関連(文献C2より改変引用)Cab10.25網膜症発症率(95%信頼区間)0.80.60.40.20.200.150.100.0500.006.47.48.49.410.411.44567891011121314HbA1c(%)HbA1c(%)図4HbA1cと単純網膜症,重症進行網膜症発症との関連a:JDCSにおける単純網膜症.Cb:レセプトと特定検診の連結データベースにおける重症網膜症.(文献2,3より改変引用)表2わが国のレセプトデータ解析から判明した糖尿病患者にお表3わが国のレセプトデータ解析から判明した収縮期血圧に加えける各種血圧指標を共変量として投入した際の透析導入のてあえて脈圧を共変量として追加した際の糖尿病患者におけ多変量調整リスク因子(Cox回帰)る重症進行糖尿病網膜症の多変量調整リスク因子(Cox回帰)性別(男性)年齢(/5年)BMI(5Ckg/mC2増加)収縮期血圧(10CmmHg上昇)脈圧(10CmmHg上昇)LDLコレステロール(1Cmg/dl上昇)HDLコレステロール(1Cmg/dl上昇)空腹時血糖(1Cmg/dl上昇)トリグリセリド(対数変換)喫煙HbA1c(%)b0.041.41(0.92.2.16)1.18(1.07.1.30)1.13(0.94.1.36)0.91(0.79.1.04)1.50(1.23.1.84)0.99(0.99.1.00)1.01(0.99.1.02)1.00(1.00.1.00)0.88(0.66.1.18)0.82(0.59.1.16)1.73(1.59.1.89)(文献C2より改変引用)0.040.030.020.01重症網膜症累積発症率重症網膜症累積発症率0.030.020.010.000.00観察期間(年)観察期間(年)図5重症進行糖尿病網膜症発症リスクに対する脈圧(a)と収縮期血圧(b)の影響(三分位解析)01234560123456そこで,同じく進行した細小血管合併症である重症進行糖尿病網膜症についても,同様に収縮期血圧と脈圧を共変量として同時投入してみたところ,収縮期血圧は吸収され脈圧のみが有意な因子として残った(表3)2).実際に,脈圧と収縮期圧をいずれも三分位に層別化して発生率をみたところ,収縮期圧を用いるより脈圧を用いたほうが,重症進行糖尿病網膜症高リスク群をよく分離することが可能であった(図5).脈圧は一般に太い血管壁の硬さを反映するとされ,以前の筆者らのメタアナリシス結果5)でも心血管疾患との関連が示されていたが,細小動脈合併症の病態にも関与することが明らかになり,重症進行糖尿病網膜症のリスク評価や発症予測には,収縮期血圧のみならず脈圧も重(文献C2より改変引用)要であることが示唆された.CV糖尿病合併症同士の関連合併症同士の関連についても新たな知見が得られている.筆者らは以前,JDCSにおいて,単純網膜症と微量アルブミン尿が同時にみられる糖尿病患者において,経時的な腎機能低下のリスクが高いことを報告した6).一方,最近のレセプトデータでは,一般尿検査の尿蛋白C1+以上,またはCeGFR低下(30.59Cml/min/1.73CmC2)がみられる患者ではいずれも,それらをもたない患者と比較して重症進行糖尿病網膜症のリスクが約C2倍に上昇していたが,それら両方をもつ患者ではリスクは約C6倍に上昇表4わが国のレセプトデータ解析から判明した尿蛋白陽性(一般尿検査1+以上)とeGFR軽度低下(30~59ml/min/1.73m2)およびそれらの組み合わせによる重症進行糖尿病網膜症の多変量調整リスク因子(Cox回帰)ハザード比(95%信頼区間)p値尿蛋白陽性eGFR軽度低下1.91(C1.90(C1.27.C2.87)C1.11.C3.23)C0.0020.019尿蛋白陽性eGFR軽度低下ハザード比(95%信頼区間)p値--1(reference)-+1.52(0.78.2.95)0.217+-1.73(1.11.2.69)0.015++5.57(2.40.12.94)<0.001(文献C7より改変引用)Cab100100未発症者割合(%)75502575502500123456700123456年数Strata網膜症なし極軽中等度の非増殖性度の非増殖性軽重症の非増殖性年数度の非増殖性最重症の非増殖性図6英国の電子カルテ解析研究から判明した観察開始時の網膜症状態による増殖性網膜症(a)および7硝子体出血(b)の累積発症率していた(表4)7).このようなデータは,糖尿病患者における細小血管合併症間の共通病態の存在を示唆するとともに,網膜症リスク評価の層別化に役立つものと考えられた.CVIリアルワールドデータを活用した他の研究例ビッグデータを活用することにより,ほかにも多くの関連が示されている.たとえば,英国の電子カルテデータベースを解析した結果では,ベースラインの詳細な網膜症ステージ別の増(文献C8より改変引用)殖網膜症や硝子体出血の発症率が報告されている(図6)8).また,白内障手術後に合併症として黄斑浮腫がみられることが知られていたが,実際に網膜症を有する糖尿病患者に対する白内障手術後に,治療を要する糖尿病性黄斑浮腫のリスクがC2.9%からC5.3%に有意に上昇していたことが判明した9).眼科は次々と最先端計測機器類が導入され,リアルワールドデータが蓄積されやすい分野であるが,光干渉断層計(opticalCcoherencetomography:OCT)10)やマイクロペリメーター(視感度測定器)11)などの計測値が,糖尿病患者に多い認知症のリスク評価に使える可能性も示されている.糖尿病網膜症の頻度(%)10093.96%908072.16%70.25%66.45%706059.146%52.53%504033.03%34.20%3020100<20%20~30%30~40%40~50%50~60%60~70%70~80%>80%Timeinrangeの割合図7中国人2型糖尿病患者におけるtimeinrange別の網膜症有病率(文献C12より改変引用)一方,内科でも持続血糖モニタリングなどの普及により,血糖値の詳細な日内変動や日較差に関するビッグデータが蓄積されている.糖尿病網膜症のリスク因子としての血糖コントロールも,従来はCHbA1cを中心に評価されていたが,timeinrange(TIR;グルコース値がC70以上C180Cmg/dl未満の時間の割合)など,より新たなコントロール指標との関連が明らかにされ(図7)12),糖尿病網膜症とその重症化予防のためのより詳細なコントロールの指針作りに役立つものと思われる.CVIIリアルワールドデータの今後近年の技術進歩に伴うリアルワールドデータの活用は,現場に役立つ新たなエビデンスを産み出すことを可能にする.ただし,研究活用時には各データベースの長所と短所を理解して,リサーチクエスチョンに合ったデータベースを選ぶ必要があり,さらに複数のデータベースを結合するなどの工夫を要する.一方,リアルワールドデータが使用できるようになっても,コホート,レジストリー,無作為化試験などの従来型研究の価値が低下するわけではなく,新旧の手法を目的によって適宜使い分けることにより,新たな大規模医療データサイエンスの世界が広がり,糖尿病診療や予防の個別化に貢献できるはずである.謝辞:JDCSにご協力いただいた多くの先生方,とくに山形大学の山下英俊先生,大阪大学の川崎良先生,京都大学の田中司朗先生に深謝申し上げます.文献1)FujiharaCK,CYamada-HaradaCM,CMatsubayashiCYCetal:CAccuracyofJapaneseclaimsdatainidentifyingdiabetes-relatedCcomplications.CPharmacoepidemiolCDrugCSafC30:C594-601,C20212)YamamotoCM,CFujiharaCK,CIshizawaCMCetal:PulseCpres-sureCisCaCstrongerCpredictorCthanCsystolicCbloodCpressureCforCsevereCeyeCdiseasesCinCdiabetesCmellitus.CJAmHeartCAssocC8:e010627,C20193)KawasakiCR,CTanakaCS,CTanakaCSCetal;JapanCDiabetesComplicationsStudyGroup:IncidenceandprogressionofdiabeticretinopathyinJapaneseadultswithtype2diabe-tes:8yearfollow-upstudyoftheJapanDiabetesCompli-cationsStudy(JDCS)C.DiabetologiaC54:2288-2294,C20114)OsawaT,FujiharaK,HaradaMetal:Higherpulsepres-sureCpredictsCinitiationCofCdialysisCinCJapaneseCpatientsCwithdiabetes.DiabetesMetabResRevC35:e3120,C20195)KodamaCS,CHorikawaCC,CFujiharaCKCetal:Meta-analysisCofCtheCquantitativeCrelationCbetweenCpulseCpressureCandCmeanarterialpressureandcardiovascularriskinpatientswithCdiabetesCmellitus.CAmCJCCardiolC113:1058-1065,C20146)MoriyaCT,CTanakaCS,CKawasakiCRCetal;JapanCDiabetesCComplicationsCStudyGroup:DiabeticCretinopathyCandCmicroalbuminuriacanpredictmacroalbuminuriaandrenalfunctionCdeclineCinCJapaneseCtypeC2Cdiabeticpatients:CJapanCDiabetesCComplicationsCStudy.CDiabetesCCareC36:C2803-2809,C20137)YamamotoCM,CFujiharaCK,CIshizawaCMCetal:OvertCpro-teinuria,moderatelyreducedeGFRandtheircombinationareCpredictiveCofCsevereCdiabeticCretinopathyCorCdiabeticCmacularCedemaCinCdiabetes.CInvestCOphthalmolCVisCSciC60:2685-2689,C20198)LeeCS,LeeAY,BaughmanDetal;UKDREMRUsersGroup:TheCUnitedCKingdomCDiabeticCRetinopathyCElec-tronicCMedicalCRecordCUsersGroup:report3:baselineCretinopathyCandCclinicalCfeaturesCpredictCprogressionCofCdiabeticretinopathy.AmJOphthalmolC180:64-71,C20179)DennistonCAK,CChakravarthyCU,CZhuCHCetal;UKCDRCEMRCUsersGroup:TheCUKCDiabeticCRetinopathyCElec-tronicMedicalRecord(UKDREMR)UsersGroup,report2:real-worldCdataCforCtheCimpactCofCcataractCsurgeryConCdiabeticCmacularCoedema.CBrCJCOphthalmolC101:1673-1678,C201710)ChanCVTT,CSunCZ,CTangCSCetal:Spectral-domainCOCTCmeasurementsCinCAlzheimer’sdisease:aCsystematicCreviewCandCmeta-analysis.COphthalmologyC126:497-510,C201911)CiudinCA,CSimo-ServatCO,CHernandezCCCetal:Retinalmicroperimetry:aCnewCtoolCforCidentifyingCpatientsCwithCtypeC2CdiabetesCatCriskCforCdevelopingCAlzheimerCdisease.CDiabetesC66:3098-3104,C201712)ShengCX,CXiongCGH,CYuCPFCetal:TheCcorrelationCbetweentimeinrangeanddiabeticmicrovascularcompli-cationsCutilizingCinformationCmanagementCplatform.CIntJEndocrinolC2020:8879085,C2020