膠原病分子標的治療薬と眼E.cacyofMolecularTargetDrugsonRheumaticDiseasesAssociatedOcularDisorders近藤裕也*松本功*はじめに膠原病類縁疾患は,多彩な臨床症状を呈する慢性炎症性疾患であり,ときに眼合併症を伴う場合がある.その病態には免疫異常が深く関連しており,治療には免疫異常を制御することを目的とした免疫抑制作用を有する薬剤が使用される場合が多い.近年,各膠原病類縁疾患の病態の解明とともに,免疫異常の原因となる免疫細胞,そこから産生された炎症性サイトカイン,その下流シグナルを標的とした生物学的製剤などの分子標的治療薬が臨床応用され,高い有効性が示されるに至った.これらの薬剤は,眼合併症に対しても有効であることが報告され,診療のガイドラインが作成されている場合がある.一方で,薬剤の性質上,免疫抑制作用による感染性合併症を生じる場合があり,まれに眼科的感染症も生じうる.本稿では,各膠原病類縁疾患における眼合併症の詳細と,それらに対する各種分子標的治療薬の有効性,また治療の際に注意すべき眼科的感染症について概説する.I各膠原病類縁疾患に使用される分子標的治療薬膠原病類縁疾患に使用される分子標的治療薬の代表が遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて作製された,生物が産生する蛋白質を医薬品として使用する生物学的製剤とよばれる薬剤である.膠原病類縁疾患に対して用いられる生物学的製剤は,病態に関連する特定の分子と結合する抗体,または受容体をその成分として含み,その分子の機能を阻害したり,分子を発現した細胞を除去することにより治療効果を発揮する.生物学的製剤は高分子の蛋白質であり,点滴あるいは皮下注射での投与を要する.これに対して経口投与が可能な低分子化合物に該当する分子標的治療薬が開発され,臨床応用が進みつつある.現時点で,各種膠原病類縁疾患に対してさまざまな分子標的治療薬が保険収載されている(表1).疾患ごとに病態に関与する免疫物質,および免疫細胞が異なるため,治療対象となる疾患によって用いられる薬剤はさまざまである.これらの薬剤の特徴は従来治療に対する高い有効性に総括され,その臨床応用によって膠原病類縁疾患の診療は劇的な変化を遂げているということができる.代表的な疾患に対して,わが国で保険収載されている分子標的治療薬の概要は,以下のとおりである.1.関節リウマチ関節リウマチ(rheumatoidarthritis:RA)は多関節炎を主症状とする慢性炎症性疾患である.自己免疫的機序により活性化したT細胞が起点となり,単球,好中球などの自然免疫系や関節炎局所で増殖した滑膜線維芽細胞から産生された腫瘍壊死因子(tumornecrosisfac-tor:TNF)やインターロイキン(interleukin;IL)-6といった炎症性サイトカインにより病態が形成される疾患である.したがって,抗原提示細胞上に発現する共刺激*YuyaKondo&IsaoMatsumoto:筑波大学医学医療系膠原病リウマチアレルギー内科学〔別刷請求先〕近藤裕也:〒305-8575茨城県つくば市天王台1-1-1筑波大学医学医療系膠原病リウマチアレルギー内科学0910-1810/22/\100/頁/JCOPY(37)169表1膠原病類縁疾患に対する生物学的製剤,低分子の適応治療標的製剤名関節リウマチ全身性エリテマトーデス強皮症顕微鏡的多発血管炎多発血管炎性肉芽腫症好酸球性多発血管炎性肉芽腫症高安動脈炎巨細胞性動脈炎強直性脊椎炎X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎乾癬性関節炎成人Still病若年性特発性関節炎Behcet病非感染性の中間部,後部または汎ぶどう膜炎生物学的製剤TNFインフリキシマブ〇〇〇〇*1インフリキシマブBS〇〇〇〇*2エタネルセプト〇〇*4エタネルセプトBS〇〇*4アダリムマブ〇〇〇〇*4〇*3〇アダリムマブBS〇〇〇〇*4〇*3ゴリムマブ〇セルトリズマブ・ペゴル〇〇IL-6受容体トシリズマブ〇〇〇〇〇*4*5サリルマブ〇CD80/86アバタセプト〇〇*4BAFFベリムマブ〇CD20リツキシマブ〇〇〇IFNa受容体アニフロルマブ〇IL-1bカナキヌマブ〇*5IL-4メポリズマブ〇IL-17Aセクキヌマブ〇〇〇イキセキズマブ〇〇〇IL-17受容体Aブロダルマブ〇〇〇IL-12/23ウステキヌマブ〇IL-23グセルクマブ〇リサンキズマブ〇トファシチニブ〇低分子化合物JAKバリシチニブ〇ペフィシチニブ〇ウパダシチニブ〇〇フィルゴチニブ〇C5受容体アバコパン〇〇BAFF:Bcellactivatingfactorbelongingtothetumornecrosisfactorfamily,IL:interleukin,IFN:interferon,JAK:Januskinase,TNF:tumornecrosisfactor.*1:「Behcet病による難治性ぶどう膜炎」および「腸管型・神経型・血管型Behcet病」に適応.*2:「Behcet病による難治性ぶどう膜炎」に適応.*3:「腸管型Behcet病」に適応.*4:「多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」に適応.*5:「全身型若年性特発性関節炎」に適応.分子であるCD80/86に結合することでT細胞の活性化を防ぐアバタセプトや,炎症性サイトカインを直接阻害する各薬剤が高い臨床効果を発揮する.近年,サイトカインなどの受容体の下流シグナルの起点となるJanuskinase(JAK)を特異的に阻害するJAK阻害薬が臨床応用され,生物学的製剤と同等の効果が確認されている.2.全身性エリテマトーデス全身性エリテマトーデス(systemiclupuserythema-tosus:SLE)は多彩な全身症状,臓器障害を呈する全身性炎症性疾患である.自己抗体の産生が病態形成に重要な役割を果たしている疾患であり,抗体産生細胞であるB細胞の活性化をつかさどるB細胞増殖因子(Bcellactivatingfactorbelongingtothetumornecrosisfac-torfamily:BAFF)を標的としたベリムマブが開発された.当初はSLEの重症病態に対する治療効果のエビデンスが乏しく,病態の安定化,ステロイドの減量効果を期待して使用されていたが,重症ループス腎炎に対して標準治療であるステロイドおよび免疫抑制薬への追加による治療効果が報告された.また,SLEの病態においては,形質芽細胞様樹状細胞などから産生されたI型インターフェロン(interferon:IFN)が病態形成に関与していることが知られており,新たにIFN受容体に対する生物学的製剤が認可され,今後の臨床応用が期待されている.3.抗好中球細胞質抗体関連血管炎抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophilcytoplasmicantibody:ANCA)関連血管炎は,小型血管炎を特徴とする疾患であり,顕微鏡的多発血管炎(microscopicpolyangiitis:MPA),多発血管炎性肉芽腫症(granulo-matosiswithpolyangiitis:GPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilicgranulomatosiswithpolyangi-itis:EGPA)が該当する.前二者については,自己抗体であるANCAが病態に深く関与しており,B細胞に発現するCD20を標的とし,これらを除去するリツキシマブの有効性が示されている.また,新たに補体C5の受容体活性を阻害する低分子化合物であるアバコパンが認可され,今後の臨床応用が期待されている.EGPAは,気管支喘息などのアレルギー性炎症が先行することが知られており,アレルギーに関与する主要な免疫細胞である好酸球の活性化に関与するIL-4を阻害するメポリズマブが臨床応用されている.4.大型血管炎大型血管炎は大動脈,およびその主要分枝に該当する大型血管を病変の主座とする疾患であり,若年者に好発する高安動脈炎,高齢者が中心となる巨細胞性動脈炎に大別される.いずれもが炎症性サイトカインであるIL-6が病態に関与することが明らかにされており,この受容体への結合を阻害する抗IL-6受容体抗体製剤であるトシリズマブの有効性が示されている.5.強直性脊椎炎,乾癬性関節炎強直性脊椎炎,乾癬性関節炎は,脊椎および末梢関節炎が認められるが,関節滑膜炎が病態の中心であるRAとは異なり,腱付着部炎が病態の中心であると考えられている.その病態にTNFが関与し,これを阻害する抗体製剤が有効である点はRAと同様であるが,CD4+T細胞から産生されるIFNgやIL-17の病態への関与が知られており,IL-17シグナルを直接的に阻害する薬剤や,抗原刺激を受けていない未感作のCD4+T細胞がサイトカインを産生できる活性化したT細胞に分化する際に重要なIL-12およびIL-23を阻害する薬剤の有効性が示されている.6.成人発症Still病成人発症Still病は発熱,皮疹,多発リンパ節腫脹,全身性関節炎などを主症状とし,後述する若年性特発性関節炎のうち,かつてStill病と呼称された全身型の成人例として報告された疾患である.病態には種々の炎症サイトカインが関与するとされており,IL-6受容体抗体製剤であるトシリズマブの有効性が示され,その使用が認可されている.7.特発性若年性関節炎特発性若年性関節炎(juvenileidiopathicarthritis:JIA)は16歳未満で発症し,6週間以上持続する原因不(39)あたらしい眼科Vol.39,No.2,2022171表2膠原病疾患における眼合併症関節リウマチ全身性エリテマトーデスSjogren症候群強皮症多発血管炎性肉芽腫症好酸球性多発血管炎性肉芽腫症高安動脈炎巨細胞性動脈炎強直性脊椎炎若年性特発性関節炎Behcet病ドライアイ〇〇〇〇角膜炎〇辺縁部角膜潰瘍〇上強膜炎〇強膜炎〇〇前部ぶどう膜炎〇〇〇網膜血管炎〇〇〇〇〇網脈絡膜虚血〇〇眼窩内偽腫瘍〇視神経病変〇〇〇虚血性視神経症〇(文献1より)ステロイドパルス療法ステロイド経口反応不良or再発orステロイド依存DMARDsMTX投与不適合MTX不適症例の場合アザチオプリンサラゾスルファピリジンシクロスポリンDMARDs(MTX)すでに抗TNF療法中or治療不適合or反応不良or治療不耐図1RAに合併した上強膜炎,強膜炎の治療アルゴリズム(文献C5より引用改変)強膜全層に炎症を起こす強膜炎のCRAにおける合併頻度はC0.2.6.3%と報告されている.強膜炎は,病変が鋸状縁より前方か後方かのいずれかによって前部強膜炎と後部強膜炎に分類され,さらに前部強膜炎はびまん性,結節性と壊死性,非壊死性に細分類される.とくに壊死性前部強膜炎はまれながら,視力予後,および全身性リウマチ性血管炎合併により皮膚潰瘍や多発単神経炎を合併しうるため,機能予後,生命予後という意味では最重症の病型にあたる.強膜炎の治療方針は,病型やその他の合併症の有無,発症時の治療内容といった患者背景を考慮して決定されることとなる(図1)5).壊死性強膜炎以外の病型に対しては,経口非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidalanti-in.ammatoryCdrugs:NSAIDs)にてコントロールが不良であった場合は,プレドニゾロン換算C1Cmg/kgの全身性ステロイド治療を行い,これらでのコントロールが不良であるか,再発を認める患者に対しては,ミコフェノール酸モフェチル,メトトレキサート,アザチオプリンといった免疫抑制薬を併用する.壊死性強膜炎など視力予後が懸念される患者では,上記の治療にメチルプレドニゾロンパルス療法を先行する.以上の治療によってもコントロールが不良である場合は,シクロホスファミド,または生物学的製剤の使用を考慮する.治療抵抗例に対する抗CTNF製剤であるインフリキシマブ,アダリムマブの有効性が報告されており,2014年に公表された米国眼科学会(AmericanCAcademyofOphthalmology)のCrecommendationsにおいては,治療抵抗性の強膜炎症例に対してインフリキシマブまたはアダリムマブの使用を考慮することが記載されている6).その他の生物学的製剤としては,リツキシマブ(わが国ではCRAに対する保険適用はない),トシリズマブの有効性が報告されており,またCJAK阻害薬であるトファシチニブの有効例が報告され,現在強膜炎,ぶどう膜炎を対象とした臨床試験が進行中である.辺縁部角膜潰瘍は,傍角膜縁の菲薄化と潰瘍形成を特徴とし,強膜炎に併発する場合としない場合がある.RAのC3%程度に合併するとされるが,近年CRAの活動性が改善していることにより減少傾向にある.乱視や角膜混濁による視力低下をきたす患者が存在する.辺縁部角膜潰瘍の治療に関する確立したエビデンスは存在せず,角膜障害の程度や患者背景を考慮して,プレドニゾロン換算C1Cmg/kgの全身性ステロイド治療,シクロホスファミドといった免疫抑制薬による治療が試みられる5).また,治療抵抗例に対するインフリキシマブの有効性が報告されている.C2.SLE眼合併症は多彩で患者ごとに異なり,疾患活動性に関連する.RA同様にドライアイによる角結膜炎がもっとも高頻度であるが,一方で網脈絡膜障害はもっとも視力低下に関連する.網脈絡膜の炎症は,中枢神経系を中心とするその他の臓器の血管炎を反映しているとされる7).まれではあるが,視力に影響するような網膜,視神経などの後眼部病変が全身症状に先行する場合があり,早期診断が良好な予後を得るために重要である.SLEの病態は不均一であり,多様な臓器障害を呈することにより,治療が困難となる場合がある.治療には全身性ステロイド治療,ヒドロキシクロロキン,免疫抑制薬,そして近年では生物学的製剤も用いられるようになり,ステロイド中心であった治療戦略が見直されつつある状況にある.ただし,眼合併症に対する生物学的製剤の有効性に関するエビデンスは限定的であり,治療抵抗性の網膜血管炎に対するリツキシマブの有効例に関する症例報告程度にとどまる.C3.JIAぶどう膜炎の合併がC11.6.30%と高頻度に認められる.急性,および慢性の前部ぶどう膜炎に大別される.急性の場合は疼痛を伴った眼球充血を認めるが,慢性の場合には無症状で経過することも多く,適切な治療がなされないことにより白内障,緑内障,.胞状黄斑浮腫をきたして視力予後に影響するため,定期的な眼科スクリーニングが必須である8).活動性のぶどう膜炎が確認された場合に,ステロイド点眼に加え,視力に影響するような合併症が出現しているなどの予後不良因子を有したり,局所療法に抵抗性の患者では,全身性ステロイド療法やメトトレキサートなどの免疫抑制薬の投与が試みられる8).これらによっても病状がコントロールできず,視力への影響が懸念され174あたらしい眼科Vol.39,No.2,2022(42)るような患者に対しては,ランダム化比較試験において有効性が確認されているCTNF阻害薬であるアダリムマブの使用が推奨されている8,9).C4.Behcet病前眼部ぶどう膜炎と網膜血管炎に代表される後眼部ぶどう膜炎に大別される.症状は,再発性,発作性に生じ,とくに後眼部病変が繰り返されることによって視力低下,視野障害を生じうる.前眼部ぶどう膜炎は,ステロイドによる局所治療が治療の主体になる.後眼部,発作急性期にはステロイドの眼内注射やプレドニゾロン換算C30.40Cmg程度の全身性ステロイド療法が行われる.眼発作の予防を目的としてコルヒチンを投与するが,眼発作を繰り返し,視機能低下リスクが高いと判断される患者や,シクロスポリンの追加によってもコントロールが得られない症例に対しては,TNF阻害薬であるインフリキシマブ,アダリムマブの導入を検討する(図2)10,11).これらC2剤に関するランダム化比較試験は存在しないが,わが国でインフリキシマブを投与されたぶどう膜炎を有するCBehcet病患者を対象とした市販後調査においては,インフリキシマブ投与前C6カ月と比較して,投与開始後C6カ月間の眼発作の回数が有意に減少したことが報告されている12).また,Behcet病に対してCTNF阻害薬の効果を検証した文献報告のメタ解析においても,既存治療に対して非常に高い有効性が確認されている13).C5.その他血管炎症候群においても疾患ごとにさまざまな眼合併症が認められる.ANCA関連血管炎では強膜炎や炎症性眼科内偽腫瘍を認める場合があるが,これらの治療抵抗例においてリツキシマブが有効であった症例が報告されている.また,巨細胞性動脈炎に起因する網脈絡膜虚血の視力障害に対するトシリズマブの有効例が報告されている.脊椎関節炎に該当する各疾患においてぶどう膜炎を合併する症例が散見されるが,標準治療の抵抗例に対してはインフリキシマブを中心とする抗CTNF製剤の使用を考慮すべきとされている.III分子標的治療薬使用下で問題となる眼科的感染症ここまで説明した分子標的治療薬は,いずれも免疫抑制作用を有するために,日和見感染症を中心とした感染症の合併が問題となる.使用にあたっては,潜在的な感染症としてCB型肝炎,C型肝炎,結核,およびとくにすでに免疫抑制薬を使用されている場合にはCb-Dグルカンといった真菌抗原の評価が必須である.また,治療経過中に炎症性眼合併症を認めた場合には,感染症の可能性を十分に除外する必要がある.近年,RAを中心に使用が拡大しているCJAK阻害薬については,ウイルス感染防御に重要なCI型インターフェロンのシグナルが阻害されることに起因すると考えられるヘルペスウイルスの再活性化による感染症の増加が問題となる14).とくに帯状疱疹の罹患頻度が高い日本を中心とする東アジア圏においてとくに高い14).播種性帯状疱疹などの重篤例も報告されている.JAK阻害薬の一つであるトファシチニブの市販後調査においては,眼部帯状疱疹が報告されており,使用時の合併症として留意する必要がある15).おわりに分子標的治療の高い有効性は,膠原病疾患の治療方針に大きな変化をもたらしており,疾患に関連した眼合併症についても同様といえる.ただし,その使用にあたっては,対象疾患以外の並存疾患の評価や事前の感染症スクリーニングが必須であり,適切な症例選択のもとに治療を開始すべきであるし,治療開始後についても定期的なモニタリングによって安全性を担保する必要がある.膠原病疾患を対象として日常的に分子標的治療薬を使用しているリウマチ医,膠原病内科医はこれらの対応に精通しているが,眼科医が単独にこれらの治療を導入する場合には,とくに治療合併症が生じた場合のリスク管理の点で問題があるかもしれない.一方で,膠原病疾患の眼合併症に対して分子標的治療薬を含めて加療を行う場合には,リウマチ医,膠原病内科医には病状の正確な評価は困難であり,眼科による正確な評価が必須である.また,とくに近年使用が拡大しているCJAK阻害薬にお(43)あたらしい眼科Vol.39,No.2,2022C175A.眼発作時の治療後眼部を含む発作前眼部発作のみ・ステロイド点眼・散瞳薬点眼±・ステロイドTenon.下注射・ステロイド内服・ステロイド点眼・散瞳薬点眼±・ステロイド結膜下注射B.眼発作抑制の治療経過観察治療不要*1治療必要±低用量ステロイド(PSL)内服YesNo低い高い*3治療の継続±コルヒチン±PSLTNF阻害薬(インフリキシマブまたはアダリムマブ)±治療の継続CyA内服±コルヒチン±PSLNoYesYes治療の継続No図2Behcet病の眼病変に対する治療アルゴリズム*1視機能に影響しない軽い眼炎症発作であると判断される場合.*2臨床的寛解は発作がC6カ月以上みられない状態とし,達成できなくても低疾患活動性をめざす.*3眼発作を頻発する症例,後極部に眼発作を生じる症例,視機能障害が著しく失明の危機にある症例では早期のCTNF阻害薬導入を検討する.*4保険外治療については各施設における倫理委員会の承認が必要.(文献C11より引用改変)’C’C’C’C’-