写真セミナー監修/島﨑潤横井則彦435.顆粒状角膜ジストロフィ2型の治療的稗田牧京都府立医科大学大学院医学研究科レーザー角膜切除術(PTK)後再発視覚機能再生外科学図1症例1の前眼部写真55歳,女性.顆粒状角膜ジストロフィC2型所見.13年前にCPTKを受けた.視力低下を自覚して来院.図3症例1の前眼部細隙灯顕微鏡写真角膜混濁は角膜中央部の上皮直下の浅い層に限局している.図4症例2の前眼部写真68歳,男性.顆粒状角膜ジストロフィC2型所見.13年前にPTKを受けた.(53)あたらしい眼科Vol.37,No.8,2020C9530910-1810/20/\100/頁/JCOPY症例1(図1~3)は55歳の女性で,13年前に両眼の顆粒状角膜ジストロフィと診断され,遺伝子検査の結果は,TGFBI遺伝子R124H変異(顆粒状角膜ジストロフィ2型:granularcornealdystrophytype2:GCD2)ヘテロ接合体であった.右眼については矯正視力がC0.4まで低下していたため,エキシマレーザーによる治療的レーザー角膜切除術(phototherapeuticCkera-tectomy:PTK)が施行され,矯正視力はC1.2まで改善した.術後C3年ごろから少しずつ視力が低下していたが,術後C5年以降通院はとだえていた.今回の受診時の矯正視力はC0.3まで低下していた.再度CPTKを行い,術後C0.9まで矯正視力は改善した.症例2(図4)はC78歳の男性で,13年前に両眼の顆粒状角膜ジストロフィと診断され,遺伝子検査でCGCD2であった.初回のCPTK後C13年間,ほとんど矯正視力の変化はなかった.GCD2は日本や韓国で多い角膜ジストロフィである1).当初はイタリアのCAvellino地方に限られた遺伝性角膜ジストロフィと考えられたためCAvellino角膜ジストロフィと命名されたが2),そのほかの地域でも症例が報告され,現在では顆粒状角膜ジストロフィC2型が正式名称である.マッソントリクローム染色で赤色に染まるヒアリン様物質と,コンゴレッド染色で偏光顕微鏡下に複屈折を呈するアミロイドの両方が沈着しており,granu-lar-latticedystrophyとよばれることもある.ヘテロ接合体であればC50歳以降に視力が徐々に低下してくる.ホモ接合体は幼少期より強い混濁を起こす.日本でもっとも多くみられるCGCD2はCPTKのよい適応である.混濁が上皮直下で集簇して面状に瞳孔領を覆うと,矯正視力の低下をきたすので,その時点でCPTKを行うと矯正視力が改善する.レーザー機種によっても異なるが,1.5~3Dの遠視化が起こるので,術後の老視症状についても注意する.高齢者に大きな上皮欠損をつくるので,術後の感染対策も重要である.PTK後GCD2は数年で再発をきたす3)が,瞳孔領を覆うまでには時間がかかり,矯正視力がC2段階低下するには平均で10年程度かかる4).症例C1はC13年でかなり矯正視力が低下しているが,症例C2はC13年経過しても瞳孔領はまだ透明な部分が多い.GCD2のCPTK後再発はゆっくりと起こり,かつそのスピードは症例によってバリエーションが大きいことを示す写真である.文献1)WeissJS,MollerHU,AldaveAJetal:IC3Dclassi.cationofCcornealCdystrophies–editionC2.CCorneaC34:117-159,C20152)HollandCEJ,CDayaCSM,CStoneCEMCetal:AvellinoCcornealCdystrophy.CClinicalCmanifestationsCandCnaturalChistory.COphthalmologyC99:1564-1568,C19923)DinhCR,CRapuanoCCJ,CCohenCEJCetal:RecurrenceCofCcor-nealdystrophyafterexcimerlaserphototherapeutickera-tectomy.Ophthalmology106:1490-1497,C19994)HiedaCO,CKawasakiCS,CYamamuraCKCetal:ClinicalCout-comesCandCtimeCtoCrecurrenceCofCphototherapeuticCkera-tectomyinJapan.Medicine(Baltimore)C98:e16216,C2019