カラーコンタクトレンズに関する診療のあり方ClinicalPracticeRelatingtoColorContactLenses宇津見義一*はじめに若い女性にとってカラーコンタクトレンズ(以下,カラーCL)は美容上必須アイテムともなっている.2000年以前からもカラーCLは装用されていたが,その頃のカラーCLはグループIの低含水性2-hydroxyethyl-methacrylate(以下,HEMA)の酸素透過性の低いもので,品質的にも問題があった.2004年2月にグループIVの高含水素材の1日使い捨てタイプのカラーCLの販売が開始された.現在,カラーCLの種類は約400種類にも達しているが,そのほとんどはグループIであり,その品質,不適切な販売と購入,そして不適切な使用法などが大きな問題となっている.日本眼科医会(以下,日眼医)が実施した「平成27年度全国学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査」(2015年)では,カラーCLの使用率は6年間で中学生が25.5倍,高校生が6.5倍に増加した.購入場所では,医師の処方を必ずしも必要としない利便性のよいインターネット・通信販売,雑貨店などが中学生81.4%,高校生68.8%であり,不適切購入・販売・使用と多くの問題を抱えていることが明白となった1).本稿では,カラーCL診療の変遷,学校でのカラーCL使用状況と行政の対応,そしてカラーCL装用者のコンプライアンスと啓発活動などについて述べる.IカラーCL診療の変遷2000年以前からもカラーCLは装用されていたが,その頃のカラーCLはグループIのHEMA素材の透過性の低いもので,品質的にも問題があった.一般眼科医療機関では処方されておらず,そのほとんどがCLの営利的処方,販売を主とする医療機関,販売店,ネット・通販で処方されていた.眼科医はカラーCLによる重症な角膜潰瘍など多くの重症例を経験するとともに,その患者の中にはコンプライアンスが低く,診療態度に問題がある者が少なくなかった.そのためか,眼科医にとって,カラーCLは問題が多く,処方をすることに疑念をもたざるを得なかった.2005~2008年の日眼医による全国調査にてカラーCLによる眼障害が167例報告され,そのうちの21名が失明の恐れがある重症例であった.2009年日眼医のインターネット・通信販売による購入者のCL眼障害調査の種類別では,カラーCLによる眼障害者が全体の45.9%ともっとも高率であった2).種類も視力補正・非視力補正(度なしおしゃれ)用が混在しており,レンズ素材と使用者の低いコンプライアンスが問題となっていた.それに伴い,それまで雑貨扱いであった度なしのカラーCL(非視力補正用CL)が2009(平成21)年11月4日以降は通常のCLと同様に医師の処方が必要な高度管理医療機器となり,2011(平成23)年2月4日以降は薬事法〔現,医薬品医療機器等法(以下,薬機法)〕にて認可されたものでないと販売できないようになった.以後,厚労省は,過去に承認されているCL素材であ*YoshikazuUtsumi:宇津見眼科医院〔別刷請求先〕宇津見義一:〒231-0066神奈川県横浜市中区日ノ出町2-112宇津見眼科医院0910-1810/18/\100/頁/JCOPY(31)1479れば,色素の有無とは関係なく承認しており,まったく同じカラーCL製品であっても製品名が異なれば,それを別のCLとして承認しているために,現在,400種類にも及ぶカラーCLが販売されている.2011年以前より,CL販売店(ネット・通販を含む)は医師の処方を経ずにCLを販売しても処罰されることがないために,堂々と処方せん不要とする販売を広告している.装用者は低価格で利便性がよく,医師の処方を経なければ診療費もかからないために,そのような販売店で購入する者が増加した.2011年と2015年に日本コンタクトレンズ学会は処方せんの法制化を認めるよう日眼医に要望したが,日眼医は反対していた.2014年の神奈川県眼科医会調査では,神奈川県内8,000名の中高生のCL全種類の購入先は,一般眼科隣接販売店が高校生11.5%,中学生20.0%であり,カラーCLでも同様であり,一般眼科を受診する子どもたちが激減してきていた(宇津見義一,坂本則敏,小口和久ほか:平成26年度神奈川県の学校のコンタクトレンズ・カラーコンタクトレンズ使用調査.第57回日本コンタクトレンズ学会総会一般口演.2015).2016年4月になり,日眼医はやっとCL販売における処方せんの法的規制に同意し,行政への働きかけをしてきたが,罰則がないために現在でも不適正販売の歯止めとはなっていない.II国民生活センターの注意呼びかけ2014年5月22日に国民生活センターはカラーCLの使用について,注意をよびかけた3).2009年から5年間に全国消費生活センターにはカラーCLトラブルの相談が541件あった.カラーCLは酸素の通りにくい素材の使用が多く,着色の影響などにより透明のCLより眼障害が生じやすいため注意が必要であると報告した.薬事法で認可された17製品のカラーCLを調査し,11製品は色素が角膜・まぶたに直接触れていたが,製品表示には内部に色素が封入と記され,6製品はレンズの厚さ,直径,曲率半径,度数などの基準を満たしていなかった.さらに,度数入りのカラーCL16製品のうち,15製品は8時間装用で角膜浮腫,角結膜上皮障害,輪部充血などの治療や使用中止が必要な眼障害を生じた.アンケート調査(10~20代使用者1千人)では,購入先はインターネット通販が約39%,約43%は購入時に眼科を受診せず,眼異常があった約23%のうち半数も眼科を受診しなかったと報告した.カラーCLを使用する場合はそのリスクを理解したうえで,必ず眼科医を受診し,眼科医の処方に従ったレンズを選ぶこと.粗悪品を消費者が見分けることが困難であるため,必ず眼科を受診して眼科医と相談のうえで商品を選んでほしい.異常時は眼科を受診し,異常がなくても必ず眼科医の定期検査の受診を推奨し,業界団体に安全な商品開発を,厚生労働省に業者に品質管理を指導するよう要望など,国民に使用注意のよびかけをした.それに伴い,消費者庁からは2018年5月28日にカラーCLの販売業者に対する指導要請の通知があった4).III学校でのCLの使用状況日眼医の2015年度の調査では,全国の学校の子どもたちのCL使用率は小学生が0.2%,中学生が8.0%,高校生が27.0%である(表1,図1).とくに中学生は年々使用者が増えている.この調査では,使い捨てソフトCL(以下,ソフト)は1日使い捨てソフト,1週間連続装用ソフト,2週間頻回交換ソフト,消毒して1~6カ月使用する定期交換ソフトとの名称を使用しているために,この報告でも同様の名称とした.2015年の調査でのCLの種類は,小中高生ともに使い捨てソフトがもっとも多く,小学生はオルソケラトロジー(以下,オルソK)が15.9%と多く,オルソKガイドラインを守っていないことが危惧された.中高生はソフト通常が使い捨てソフトに続いた(表2).CLの種類の年度別変化では,中高生は使い捨てソフトがもっとも多く,中学生は2000~2012年まで増加したが,2015年は80.3%と低下した.高校生は2000~2009年まで増加したが,2012年以降低下し,2015年は78.6%と低下した(図2).カラーCL使用者では2009年は中学生が0.2%,高校生が0.6%,2015年は中学生が5.1%,高校生が3.9%であり,6年間で中学生が25.5倍,高校生が6.5倍と増加した.とくに中学生に急速に広まっていることが危惧された(図3).2015年カラーCLの種類では,カラーCL1480あたらしい眼科Vol.35,No.11,2018(32)表12015年度全国の学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査2000年調査人数2003年調査人数2006年調査人数2009年調査人数2012年調査人数2015年調査人数102,924名92,797名101,571名99,751名97,233名100,239名44校30校54校55校55校56校小学生19,235名中CL使用者12,714名中CL使用者29,792名中CL使用者30,683名中CL使用者30,194名中CL使用者30,402名中CL使用者31名12名36名53名54名63名(0.2%)(0.1%)(0.1%)(0.2%)(0.2%)(0.2%)61校63校53校54校53校55校中学生33,265名中CL使用者30,627名中CL使用者25,598名中CL使用者26,296名中CL使用者25,555名中CL使用者25,174名中CL使用者1,544名(4.6%)1,727名(5.6%)1,511名(5.9%)1,687名(6.4%)1,877名(7.3%)2,008名(8.0%)56校60校55校53校54校57校高校生50,424名中CL使用者49,456名中CL使用者46,181名中CL使用者42,772名中CL使用者41,484名中CL使用者44,663名中CL使用者11,027名(21.9%)11,492名(23.2%)11,640名(25.2%)11,366名(26.6%)11,484名(27.7%)12,075名(27.0%)各調査年度別の小学生,中学生,高校生の調査対象者とコンタクトレンズ使用者の割合.(文献1より引用)■2015年■2012年■2009年■2006年■2003年■2000年27.0%27.7%高校生中学生小学生図1小中高校生のコンタクトレンズ使用割合と年度別変化(文献1より引用)表22015年度調査でのコンタクトレンズの種類小学生中学生高校生ハード通常0.0%3.8%5.6%ハード連続装用0.0%0.4%0.5%オルソK15.9%1.3%0.2%ソフト通常3.2%9.0%13.1%カラーCL0.0%5.1%3.9%使い捨てソフト81.0%80.3%76.6%この調査では,1日使い捨てソフト,1週間連続装用ソフト,2週間頻回交換ソフト,消毒して1~6カ月使用する定期交換ソフトを総称して「使い捨てソフト」とした.オルソケラトロジーはオルソKと略す.(文献1より改変引用)(%)中学生(%)高校生100100808060604040202000図2中高生が使用していたコンタクトレンズ種類と年度別変化2015年と比較し高校生は使い捨て,ソフト通常,定期交換はすべて有意差あり,*p<0.01,c2検定(文献1より改変引用)20%10%0%図3小中高生カラーコンタクトレンズの年度別変化2015年と比較:**p<0.01,*p<0.05,c2検定(文献1より改変引用)■高校生■中学生カラーCL合計カラーCL(度数入)カラーCL(度数なし)カラーCL(度数入)透明CL併用0%1%2%3%4%5%6%図42015年の中高生のカラーコンタクトレンズの種類(文献1より改変引用)50%40%30%20%10%図52015年の中高生カラーコンタクトレンズ購入場所必ずしも医師の処方に基づかない購入が可能な販売店のインターネット・通信販売と雑貨店・化粧品店・CLショップ・薬局の総計は,中学生が81.4%,高校生が68.8%であった.(文献1より改変引用)■毎日■週3~6日■週1~2日■月1~3日■遊びに行く時高校生図62015年の中高生カラーコンタクトレンズの使用頻度(文献1より改変引用)図72015年の中高生カラーコンタクトレンズ購入時の使用方法の説明(文献1より改変引用)6.0%5.7%3.9%中学生3.5%■眼科を受診しなかった■眼科を受診した高校生■ある■ない高校生中学生中学生図82015年の中高生カラーコンタクトレンズで充血,痛み図92015年の中高生カラーコンタクトレンズの使用を中止で使用を中止した割合(文献1より改変引用)した時の対処(文献1より改変引用)中学生CL全体合併症高校生CL全体合併症中高生カラー合併症カラーCL高校生購入前の検査(2015年)中学生カラーCL高校生購入後の検査(2015年)中学生カラーCL高校生定期検査状況(2015年)中学生33.2%66.8%19.0%81.0%30.5%69.5%14.3%85.7%41.1%36.5%22.3%36.7%36.7%26.7%図102015年の中高生カラーコンタクトレンズ購入前後の検査と定期検査(文献1より改変引用)角膜炎・角膜むくみ角膜のキズ角膜新生血管アレルギー性その他病名不明角膜潰瘍中学生は有意差なし結膜炎18.3%16.4%*0.7%1.0%0.9%43.8%*40.7%37.7%38.1%39.3%*13.9%7.4%10.6%5.3%*角膜炎・角膜潰瘍角膜むくみ角膜のキズ角膜新生血管アレルギー性結膜炎その他病名不明■2009年■2012年■2015年*2p<0.01(2015年との比較,x検定)80.0%(2015年)0%角膜炎・角膜むくみ角膜のキズ角膜新生血管アレルギー性その他病名不明角膜潰瘍結膜炎図112015年の中高生コンタクトレンズ(全体,カラーCL)合併症(複数回答))有効回答数CL全体:中学生211名(10.5%),高校生1,864名(15.4%)カラーCL:中学生5名(4.9%),高校生466名(19.5%)(文献1より改変引用)40%20%0%60%40%20%0%80%60%40%20%表3まとめ(文献1より改変引用)表4平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業「カラーコンタクトレンズの規格適合性に関する調査研究」(文献5より改変引用)売している.また,カラーCLを含むCL使用者は眼科を受診しないでCLを購入している方が増加している.今までの多くのCL(カラーCLを含む)調査ならびに啓発活動が実施されているが,CL販売側とCL使用者のコンプライアンスが改善する見通しはきわめて暗い.罰則を含めた行政の対応が必須である.2016年6月~2017年4月に日眼医と日本コンタクトレンズ学会は共同で,CL処方せん,適正販売などに関する検討会を立ち上げた.オブザーバーとして,日本CL協会とともに厚労省医薬・生活衛生局,医政局と保険局の担当者を迎えて協議した.その後,2017年5月に日本コンタクトレンズ学会,日眼医と日本CL協会は共同でCL処方せんと適正販売についての要望書を厚労省へ提出した.要望の概要は,「CLの不適正な販売に対する罰則規定を定める法律改正」「CL処方せん不要,検査不要の広告等への行政指導を行う通知の発出」「CLに関する話題を提供し,適正販売への一層の注意喚起」などである.その結果,厚労省は2017年6月29日から1カ月間にCL適正販売に対するパブリックコメントを求め,その後に正式な通知を発出する予定とした.2017年9月26日に厚労省医薬・生活衛生局長から「CLの適正使用に関する情報提供等の徹底について」の通知10)が発出された.その概要では,今までの通知ではCL販売・製造販売業者に対しては日本CL協会の販売自主基準の周知徹底を図ることとしているが,今回の通知は,厚労省が自らの基準を守るよう通知しているために,CL販売・製造販売業者がその基準に違反した場合に,都道府県がCL販売の規制ができることであるが,CLの不適正な販売に対する罰則規定は含まれていない.2018年8月現在,CL処方せん不要を広告するなどの不適切販売は収まっていないのが現状である.VカラーCL装用者のコンプライアンスと啓発活動カラーCLを含めてCL装用者のコンプライアンスを改善するためには,啓発活動がある.CLを初めて装用する時期は,前述のように中学生以上が多い1).初めてCLを装用する者に適切な指導があれば,医師の処方を経て,CLを購入し装用するし,医師の指導に従いやすい.さらに将来にわたってCLの基礎知識として記憶に残る.最初に適切な処方を受けないで,数年以上経過し問題がなかった装用者は,説明しても聞こうとしない場合が多くなり,コンプライアンスが低くなる.学校の眼科学校医はCLの健康教育,学校保健委員会などを有効に利用して,子どもたちにCLの基本的な知識を周知すべきである.さらに,保護者,養護教諭などの学校関係者,教育委員会,医師会などへの啓発活動も同様である.横浜市では学校や学校関係者,教育委員会,医師会などCLの啓発活動を積極的に実施してきた(宇津見義一,池田桐子,戸倉純ほか:横浜市中学・高等学校のコンタクトレンズ教育による装用状況の効果.第44回日本コンタクトレンズ学会総会,展示,2001).2000年頃は定期健康診断にて中学生に「CLはトラブルを生じやすいでしょうか」と問うとほとんどが返答できなかった.帰宅したらCLをはずしてメガネを使用するようにと指導しても,怒りだす子どももいた.しかし,啓発活動を実施してからは,それに従う子どもたちがほとんどとなった.学校,地区での啓発活動,そしてマスコミ報道などにより,正しいCLの基礎知識の周知が必要である.もっとも有効な啓発活動はTVなどのマスコミ報道であるが,マスコミ報道が数年ないと再度コンプライアンスは低下する.カラーCLを含むCLのコンプライアンスの向上を図るために日本コンタクトレンズ学会,日眼医,日本CL協会は個々で,さらにその3団体で構成されている日本CL協議会,そして日本学校保健会などの各団体は,今までに学会発表,論文,ポスター,冊子・チラシ,ネットでの注意喚起,メディア(TV,新聞など),学校など地域での啓発活動,そして前述のような行政対応などによっても,コンプライアンスの向上を図ってきたが,その改善はむずかしい.啓発活動は継続的に実施することが不可欠である.現在,費用負担や時間が必要となる医師の処方を受けないCL装用者は激増し,価格が安く,ネットなどで簡単に手に入る利便性に優れた方法で装用しているCL装用者は激増している.CL添付文書には,「定期検査を受けること」と必ず記載されている.「自覚症状がなく装用していても,眼(39)あたらしい眼科Vol.35,No.11,20181487やレンズにキズがついたり,眼障害が進行していることがあります.異常がなくても医師に指示された定期検査を必ず受けてください」と赤字の警告として表紙に記載されている.禁忌として,「医師の指示に従うことができない人」ともある.一方,インターネットの書込みどには,「眼科医は自らの利益のために眼科受診を勧めている」などの主張がある.高度管理医療機器であるCLを安全に使用するには,添付文書のように定期検査は不可欠であることを理解しているのであろうか.VIカラーCLの処方筆者は平成20年(2008年)頃まではカラーCL処方には否定的であった.しかし,一般眼科での処方を拒めば,装用者は医師の処方なしで,不適切な販売所で購入する.CL販売業者は医師の処方は不要であるとして,不適切な販売していることで,さらなる眼障害の増加が懸念されたために,どうしてもカラーCLを希望する場合には処方している.現在,薬機法で認可されたカラーCLは約400品目である.その多くはグループIのHEMA素材であり,前述したように多くの問題点がある.一部,酸素透過性の高い素材のカラーCLもある.筆者は従来からグループIのカラーCLは角結膜上皮への影響が大きいために,酸素透過性の高いグループのカラーCLを処方してきている.筆者らは,グループIのカラーCLを使用していた者が,グループIVのカラーCLに変更すると,著明に角結膜上皮障害が軽減することを報告した(植田喜一,宇津見義一,渡邉潔:カラーコンタクトレンズの安全使用を目指して,日本コンタクトレンズ学会モーニングセミナー講演,2017).以上より筆者のカラーCL処方は,コンプライアンスが保たれている者,酸素透過性の高い素材,1日使い捨てタイプ,1日6~8時間の短い時間での使用を条件に,通常は透明なCLを使用し,カラーCL使用が必要な場合のみの使用を推奨している.カラーCLの使用は美容目的であり,風紀上の問題もあるため学校現場には好ましくないと考える.おわりに「カラーCLの使用は通常のCLに比して眼に負担がかかる.通常のCLは酸素透過性の高い素材が多いが,カラーCLはまったく逆で酸素透過性の低い素材が多くを占めていることに,十分に注意してほしい.現在,装用者のコンプライアンスを上げることが困難となっており,カラーCLを含めて,CL販売には罰則のある行政の積極的な介入が不可欠となっている.文献1)宇津見義一,柏井真理子,宮浦徹ほか:平成27年度学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査,日本の眼科88:179-199,20172)植田喜一,宇津見義一,佐野研二ほか:インターネット・通信販売による購入者のコンタクトレンズ眼障害の集計結果報告(平成21年度).日本の眼科81:75-84,20103)国民生活センター:カラーコンタクトレンズの安全性─カラコン使用で目に障害も─.国民生活センター報道発表資料,平成26年5月22日4)消費者庁消費者安全課長:カラーコンタクトレンズの安全性,消費者庁消費者安全課長通知,消安全第186号,平成26年5月28日5)渡邉潔,植田喜一,佐渡一成ほか:カラーコンタクトレンズ装用にかかわる眼障害調査報告.日コレ誌56:2-10,20146)金井淳,澤充,小野浩一:学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査データの2次解析(分担研究課題),平成26年度厚生科学研究費補助金特別研究事業カラーコンタクトレンズの規格適合性に関する調査研究(H26-特別-指定-009).50-60,平成27(2015)年3月7)厚生労働省医薬食品局長:コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について,厚生労働省医薬食品局長通知,薬食発0718第17号,平成24年7月18日8)厚生労働省医薬食品局長:コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について(再周知).厚生労働省医薬食品局長通知,薬食発0628第17号,平成25年6月28日9)厚生労働省医薬食品局長:コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について(再周知).厚生労働省医薬食品局長通知,薬食発0628第17号,平成26年10月1日10)厚生労働省医薬生活衛生局長:コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について.厚生労働省医薬生活衛生局長通知,薬生発0926第5号,平成29年9月26日1488あたらしい眼科Vol.35,No.11,2018(40)