———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.25,No.12,200816950910-1810/08/\100/頁/JCLS幼少の頃より,私は緻密な作業が大好きでした.折り紙で,角と角を丁寧に合わせ,一つの物を作ってゆく作業,プラモデルの小さな部品を何個もはめこんでゆき,作品を完成させる作業には何時間も飽きずに集中していた記憶があります.また,部屋の片隅にはいつもレゴブロックのお城が飾ってありました.そんな私は,学生実習で眼科のマイクロサージェリーを何例か見学させてもらううちに,その繊細な作業と,顕微鏡の奥で展開されていた(その時私が目にしたのはモニター画面ですが)眼球の中のとても広大な世界に,次第に魅かれるようになりました.手術だけではありません,種々の機器を使いこなす眼科独自の診療スタイルや,画像・映像による所見の占めるウェートが高いことも,私にとっては非常に魅力的なものとして映りました.さて,その後研修医となってから,初志貫徹というべきか,眼科学を専攻することに決めた私ですが,これだけは今後特に気を配りたいということが一つあります.それは「大局的見地に立って考える」ということです.確かに,眼科学は「眼」という臓器を対象とする学問ですが,患者さんは内科的疾患を背景にもっていることが往々にしてあります.また,ある病院で日常的に行われている診療行為が,他の病院ではスタンダードではない場合もあるでしょう.日本では認可されていない薬品が,海外では使用されていることもあるかと思います.患者さんにとって最良の医療を提供するためには,常日頃からできるだけ広い視野をもち,国内外の見聞を広め,大局的に物事を考えることが大切だと思います.まだ眼科医としての一歩を踏み出したばかりですが,いろいろな場面・フィールドで活躍できるよう,頑張っていく所存です.◎今回は京都府立医科大学出身の山脇先生にご登場いただきました.種々の機器を使いこなし画像や映像による所見を駆使する眼科独自の診療スタイルは,眼科の大いなる魅力だと思います.また,今までも何人もの先生が学生実習の際のマイクロサージェリーで眼科に魅力を見いだしています.マイクロサージェリーと触れ合う機会を多くすれば,もっと眼科の魅力に気づく人が増えていくのではないでしょうか.(加藤)本シリーズ「“初心”表明」では,連載に登場してくださる眼科に熱い想いをもった研修医~若手(スーパーローテート世代)の先生を募集します!宛先は≪あたらしい眼科≫「“初心”表明」として,下記のメールアドレスまで.全国の先生に自分をアピールしちゃってください!E-mail:hashi@medical-aoi.co.jp(87)眼科専医志者“初心”表明●シリーズ⑫緻密かつダイナミックな世界!山脇敬博(TakahiroYamawaki)京都府立医科大学附属病院1982年兵庫県神戸市生まれ.京都府立医科大学医学部卒業後,現在は同附属病院で初期研修中です.趣味はスキー,旅行など(外国では北欧,国内では東北地方が特に気に入っています).(山脇)編集責任加藤浩晃・木下茂本シリーズでは研修医~若手(スーパーローテート世代)の先生に『なぜ眼科を選んだか,将来どういう眼科医になりたいか』ということを「“初心”表明」していただきます.ベテランの先生方には「自分も昔そうだったな~」と昔を思い出してくださってもよし,「まだまだ甘ちゃんだな~」とボヤいてくださってもよし.同世代の先生達には,おもしろいやつ・ライバルの発見に使ってくださってもよし.連載1周年記念の第12回目はこの先生に登場していただきます!▲一緒にローテートしている同期と