———————————————————————-Page10910-1810/08/\100/頁/JCLS結膜領域については,角膜感染症に的を絞って宇野敏彦先生(愛媛大学)に,網膜硝子体領域については,病原体を幅広く網羅した形で,鈴木潤先生と後藤浩先生(東京医科大学)に解説していただいた.一方では,分子レベルでの病態解析に基づいて治療ターゲットを設定し,治療薬を開発していくという試みも盛んとなっている.そこで,アレルギー性結膜疾患については,軽症例と重症例とのメカニズムの違いとそれに立脚した治療戦略を福島敦樹先生(高知大学)に,網膜硝子体疾患については,抗VEGF(血管内皮増殖因子)治療に焦点を当て,白神千恵子先生と白神史雄先生に解説していただいた.これらの疾患に対しては,実にさまざまな治療薬が上市あるいは開発の途上にあるが,臨床医としても,それぞれの長所,短所を把握しつつ,使い分ける工夫をしていく必要がある.また,近年,疾患概念がより明確となってきた緑内障やドライアイについては,その病態に応じた適切な治療法の選択が肝要である.誰でもが診療する機会のあるきわめてポピュラーな疾患であるため,患者の満足度を向上させるための手順を十分に理解しておく必要がある.ここでは,澤口昭一先生(琉球大学)から,緑内障の薬物療法の基本的な原則と最近のトレンドについて,横井則彦先生(京都府立一般に,外科系の診療においては,比重の差こそあれ,薬物治療と手術治療の両者の組み合わせにより治療目的を達成するが,この原理は眼科診療においても同様である.近年,分子細胞生物学,分子遺伝学,あるいは種々のITテクノロジーなどの進歩により,眼疾患の病態解明が急速に進みつつある.また,得られた成果に基づいて多様な新薬がつぎつぎと開発されており,その一部は日常診療ですでに使用されている.本特集では,「眼科薬物治療トレンド2008」と銘打ち,各専門領域における薬物治療の進歩を総括することとした.各領域のオピニオンリーダーにご執筆をお願いしたところ,大変読み応えのある総説集がここに完成した.むろん,「あたらしい眼科」のコンセプトである「専門家による一般的な眼科医のための」啓発的な原稿ばかりであり,日常診療にすぐに応用できる情報が満載されている.是非ともご一読され,刻々と進歩する薬物治療の2008年時点のトレンドをご理解いただきたいと考えている.さて,どの領域においても薬物治療は重要な治療戦略の柱であるが,眼感染症の臨床においてはまさに主役である.臨床所見からの診断予測,適切な治療薬の選択,臨床効果の判定,そして手術治療の適否など,臨機応変な判断が必要であり,難治性の場合には対応に苦慮することも多い.本特集では,角(1)275*HidetoshiYamashita:山形大学医学部情報構造統御学講座視覚病態学分野**YuichiOhashi:愛媛大学大学院感覚機能医学講座視機能外科学分野(眼科学)説あたらしい眼科25(3):275276,2008眼科薬物治療トレンド2008MedicalTreatmentinOphthalmology─Trendsof2008山下英俊*大橋裕一**———————————————————————-Page2276あたらしい眼科Vol.25,No.3,2008(2)経験と高度な技量が必要であるが,総説では,「Behcet病」に対する最新の治療戦略を中心に園田康平先生(九州大学)に解説していただいた.近年,薬物治療も手術治療と同様に,基礎研究の成果を臨床現場へフィードバックする(いわゆるbenchtobedside)という大きな流れのなかで急速に進歩している.本特集からの新鮮な情報が,一般眼科医あるいは眼科研修医の先生方のお役に立つことを心より願っている.医科大学)からは,「眼表面の悪循環」を断ち切るうえでのリスクファクターを回避するコツについて,専門家の凝縮された「知恵」をわかりやすく解説していただいた.さらに,眼感染症と同様,薬物治療が主役となる内因性ぶどう膜炎に対しても,副腎皮質ステロイド薬に加えて,非ステロイド消炎薬,免疫抑制薬,抗TNF(腫瘍壊死因子)-a抗体(インフリキシマブ)など多くの新薬が開発されている.診療には長年のお申込方法:おとりつけの書店,また,その便宜のない場合は直接弊社あてご注文ください.メディカル葵出版年間予約購読ご案内眼における現在から未来への情報を提供!あたらしい眼科HFFNVol.25月刊/毎月30日発行A4変形判総140頁定価/通常号2,415円(本体2,300円+税)(送料140円)増刊号6,300円(本体6,000円+税)(送料204円)年間予約購読料32,382円(増刊1冊含13冊)(本体30,840円+税)(送料弊社負担)最新情報を,整理された総説として提供!眼科手術HFFNVol.21(本体2,400円+税)(送料160円)年間予約購読料10,080円(本体9,600円+税)(4冊)(送料弊社負担)日本眼科手術学会誌【特集】毎号特集テーマと編集者を定め,基本的事項と境界領域についての解説記事を掲載.【原著】眼科の未来を切り開く原著論文を医学・薬学・理学・工学など多方面から募って掲載.【連載】セミナー(写真・コンタクトレンズ・眼内レンズ・屈折矯正手術・緑内障・眼感染アレルギーなど)/新しい治療と検査/眼科医のための先端医療他【その他】トピックス・ニュース他■毎号の構成■【特集】あらゆる眼科手術のそれぞれの時点における最も新しい考え方を総説の形で読者に伝達.【原著】査読に合格した質の高い原著論文を掲載.【その他】トピックス・ニューインストルメント他株式会社〒113-0033東京都文京区本郷2-39-5片岡ビル5F振替00100-5-69315電話(03)3811-0544http://www.medical-aoi.co.jp