———————————————————————-Page10910-1810/09/\100/頁/JCLS深さ方向の情報を得るために参照鏡を機械的に動かすことが必要であった.これに対し,フーリエドメインOCTは,光波の干渉をフーリエ空間(周波数領域または波長領域)で行う.すなわち,1回のAスキャンに含まれる波長を分光器を用いフーリエ変換によりスペクトル分解して,一気に深さと反射強度の情報を計算で求めてしまう.よって,フーリエドメインOCTは,深さ方向の機械的走査が不要となるため高速になる.各フーリエドメインOCT製品はAスキャン速度が17~55kHzであり,400HzのタイムドメインOCTよりも43~138倍高速に撮影可能となり,信号感度(シグナル/ノイズ比)も数十倍高くなる.なお,フーリエドメインOCTは,波長固定光源と分光器を用いてフーリエ空間で検出するスペクトラルドメインOCTと光源の発信波長を高速に変化させることにより光波の干渉を同じくフーリエ空間で行う方式である波長走査型OCT(sweptsourceOCT:SS-OCT)とがあるが,近年製品化された眼底用フーリエドメインOCTはすべてスペクトラルドメインOCTのほうである.IIIOCTのBスキャン画像の質を決める因子1.分解能(resolution)OCTによる画像の分解能(resolution)は,深さ分解能(axialresolution)とXY面分解能(lateralresolu-tion)に分けられる(図1).眼底に入る光に平行な方向はじめに近年,スペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)の製品が国内だけでも5社から発売され,高解像度のOCT画像を用いて診療を行うことが可能となったが,「見える」分だけ読影の複雑さも増している.本稿では,初めにOCTの読影や解析を行う際に役に立つであろうと思われる基礎的な知識を紹介し,ついで正常眼の読み方・解析方法について述べる.各論にて諸先生方が述べられる内容の理解にも役立てていただきたい.I光干渉断層計概観1990年に山形大学の丹野らがOCTの原理を提案し,1991年にマサチューセッツ工科大学(MIT)のFujimo-toらがOCTの画像化に成功し,5年後の1996年(国内では1997年)にHumphrey社(現在CarlZeissMed-itec社)から最初の眼底用商用モデルOCT2000が発売された.最初に開発されたのはタイムドメイン(time-domain)という検出方式をとったが,OCTが市場に出て10年目に至り,フーリエドメイン(Fourier-domain)とよばれる異なる検出技術の一つであるスペクトラルドメイン(spectral-domain)方式を用いた新しいOCT製品群の登場に至った.IIタイムドメインとフーリエドメインOCT3000などのタイムドメインOCTは,原則的に1回の測定で1点の情報を得ることしかできないため,(3)583StarOtasariHaai眼6068507眼特集●光干渉断層計(OCT)はこう読む!あたらしい眼科26(5):583~560,2009正常眼はこう読むOpticalCoherenceTomographyinNormalEyes大音壮太郎*板谷正紀*———————————————————————-Page2584あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009(4)らの報告である1).粗いOCT2000の画像を9枚加算平均(multipleB-scanaveraging)してスペックルノイズを取り除くとSD-OCT並の画像に変身することが示された(図2).加算平均処理とはいかなる方法であろうか?画像をの分解能が深さ分解能である.この方向をZ方向ともいうためZ方向分解能ともいう.一方,眼底に入る光に垂直な面がXY面である.単にOCTの分解能をいうとき深さ分解能を指す場合が多い.OCTの深さ分解能は光源によって決まる.すなわち,光源の波長帯域が広ければ広いほど深さ分解能は高くなる.タイムドメインOCTでは深さ分解能が10μm程度であったが,近年,実用化されたスペクトラルドメインOCT(SD-OCT)の製品の深さ分解能はメーカー公表値で3~7μmである.深さ分解能の向上により,外境界膜が可視化されるようになった.また,より正確な網膜厚の測定が可能となる.OCTではXY面分解能は高くない.角膜や水晶体の収差がXY面分解能を不良にする最大の攪乱因子であり,従来のOCT診断装置のXY面分解能は20μm程度であった.これは,SD-OCTになっても変わらない.2.スペックルノイズ(specklenoise)深さ分解能に匹敵してBスキャンの解像力に関係する重要な因子にスペックルノイズがある.OCTの画像が,ブツブツとしたノイズの多い画像であることはお気づきのことと思う.スペックルノイズは,レーザー光で物体を照明すると出現する斑点模様のことである.OCTは,スペックルノイズに埋もれている画像なのである.OCTにおけるスペックルノイズの影響の大きさ,言い換えるとスペックルノイズを除去するといかに画像が良くなるか,を最初に示したのが,2005年のSander図2加算平均処理(multipleB-scanaveraging)によるスペックルノイズ除去効果A:OCT2000による1枚の断層像.B,C:OCT2000の断層像を9枚加算平均処理し,スペックルノイズを除去した画像.疑似カラー(B),グレースケール(C).(文献1より)図3スペックルノイズを減らすための加算平均法(multipleB-scanaveraging)を説明する模式図スペックルノイズは重ね合わせる枚数で除した強さに弱まる.図1眼底における深さ分解能(Z)とXY分解能———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009585(5)OCT3000には,アラインメント機能(alignment)があり,網膜色素上皮の高さをそろえ直線化することで,歪みを解消していた.より問題となるのは,黄斑部網膜厚や視神経周囲網膜神経線維厚を計測するときに,スキャンラインが歪む,あるいはサークルスキャンや放射スキャンにおける中心(中心窩や乳頭中心)がずれる,といった問題が生じ(図5),計測値が同じ日に同じ検者が検査しても数値が異なるリスクがあることである.ましてや,経過観察において,撮影日が異なる,検者が異なる場合,そのリスクは大きい.そして,固視の不良な患重ね合わせ,重ね合わせた枚数で割ると実体は元と変わらないが,虚像であるノイズはランダムであるため,重ね合わせた枚数で除した分だけノイズシグナルは希釈される(図3).しかし,実際には,スペックルノイズを取り除くには,まったく同じ部位でBスキャンを何枚も撮影することが必要であり,撮影速度の遅いタイムドメインOCTでは困難であった.この点において,スペクトラルドメインOCTの高速性が重要となってくる2,3).ここで,加算平均処理においてもう一つ問題になるのは,後述する固視微動である.スペクトラルドメインOCTの撮影速度をもってしても固視の悪い患者では,同一部位でBスキャンを得ることがむずかしく,加算平均処理を行うと,かえってぼやけた画像になってしまう(図4).Heidelberg社のHRAOCTSpectralisは三次元的に固視微動を追尾して撮影するeyetrackingシステムを導入し固視微動の問題を解決し,加算平均処理の成功率を向上させた.100枚重ねることも可能となった.これにより,スペックルノイズが激減した画像を見ることが可能になり,実に驚くべき病変の情報が描出されるに至っている.3.固視微動(eyemovement)固視微動の問題は,タイムドメインOCTでは,1枚のBスキャン画像の波打つ歪みとして認められた.図4加算平均法の失敗例A:4枚スキャンのうち1枚の撮影のみ眼が動いたため重ね合わせがうまくいかず,亡霊のような画像(矢印)がかぶっている.B:糖尿病網膜症の同一眼における加算平均法の失敗と成功例.図5固視微動によるスキャンラインの歪みやスキャン中心(中心窩や乳頭中心)のずれ———————————————————————-Page4586あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009(6)インOCTであるOCT3000の後極部水平断である.図8がスペクトラルドメインOCTであるHRA-OCTSpectralisによる後極部の水平断・垂直断で,それぞれ50枚加算平均している.図9のアズール染色をしたヒト眼組織切片と同様の構造を示している.図10は3DOCT-1000による黄斑部6mm×6mmの三次元画像である.①反射強度OCT像と組織切片は同様の層状構造を示している.者ほどこのリスクは高まる.スペクトラルドメインOCTで高速化し,1枚のBスキャン画像の歪みは解消され,OCT3000と同じスキャンプロトコールを用いる範囲では上記したリスクは解消された.しかしながら,三次元撮影が可能になったことで,ここに新たな固視微動の問題が生じている.すなわち,どのメーカーの製品でも,三次元撮影に2秒程度あるいはそれ以上の時間がかかるため,固視微動による三次元像の歪みが生じる(図6).また,中心窩を中心にして三次元スキャンを行った場合,2秒の間に中心がずれたり(図6),スキャン予定範囲をはみ出したりする.すなわち,OCT3000において二次元のBスキャンで起こったのと同じ問題が,スペクトラルドメインOCTでは三次元において起きる.真に三次元を生かすためには,固視微動の問題を解決する必要があり,それには二つの方法がある.一つは,スキャン速度をさらに10倍高速化すること.二つめは,眼球運動を追いかけて(追尾して)スキャンも移動しながら行うこと(eyetracking).現時点で,撮影速度を10倍にする技術の実用化はすぐにはできないため,製品レベルで行われているのはeyetrackingのほうである.最初にeyetrackingを行ったのは,HeidelbergEngineering社のHRA-OCTSpectralisで,同時撮影するSLO画像のパターンからX,Y,Zの3方向にeyetrackingを行っている.IV正常黄斑部網膜像このような技術的な進歩を経て,組織切片に近いOCT像を得ることが可能になった.図7はタイムドメ図6スキャン中心のずれ(A)や固視微動によるスキャンラインのずれ(B)AB7OCT3000における正常網膜水平断ILM:内境界膜,IS/OSline:視細胞内節外節接合部,RPE:網膜色素上皮.ABC図8HRAOCTSpectralisにおける正常網膜黄斑部A:水平断(左が鼻側,右が耳側).矢印:血管によるブロック,矢頭:血管,NFL:神経線維層.B:垂直断(左が下側,右が上側).C:水平断の拡大図.GCL:神経節細胞層,IPL:内網状層,INL:内顆粒層,OPL:外網状層,ONL:外顆粒層,ELM:外境界膜,IS/OS:視細胞内節外節接合部,RPE:網膜色素上皮.———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009587(7)しかし,組織切片で濃染されている顆粒層はOCT像では低反射層になっており,逆に組織切片で淡染された神経線維層と網状層が高反射層になっている.網膜では神経線維成分が多いところ(神経線維層・内外網状層)では反射波が大量に発生する一方,細胞体から構成されている層(神経節細胞層・内外顆粒層)では反射波の発生が少なく,薄く表現される.②測定光のブロック測定光が物体で強く反射したり吸収されると,その後方では測定光が急激に減少する.この場合,物体の後方では反射波が生じずにシャドーとなる.正常眼でも網膜大血管の後方はシャドーとなる(図8).また,網膜色素上皮で測定光は反射・吸収され,急速に減少するため脈絡膜の詳細な画像は得られにくい.③神経線維層(NFL)神経線維層(NFL)は線維の方向が測定光に対し直角であるために高反射になっている.神経線維層は水平断では非対称となる.NFLGCLIPLINLOPLGGNNHHHHISOSRPERPEISOSOPLONLONLChoroidChoroidFoveacentralis図9ヒト眼網膜の中心窩矢状断組織切片H:Henle線維層,NFL:神経線維,G,GCL:神経節細胞層,IPL:内網状層,N,INL:内顆粒層,OPL:外網状層,ONL:外顆粒層,ELM:外境界膜,IS:視細胞内節,OS:視細胞外節接合部,RPE:網膜色素上皮.(岩崎雅行,猪俣孟:中心窩(黄斑)の構築.臨眼40:1248-1249,1986より改変して引用)図103DOCT1000における正常網膜黄斑部三次元画像左上:三次元画像.右上:EarlyTreatmentDiabeticRetinopathyStudyで定義されたセクターにおける平均網膜厚.右下:Thicknessmap表示.———————————————————————-Page6588あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009(8)⑦網膜色素上皮(RPE)単層立方上皮で,後極部では個々の細胞の直径は約14μm,高さは約12μmである.周辺では個々の細胞の径は大きくなり,高さは小さくなる.色素上皮は最も強い後方反射をひき起こすため,輝度の最も高い反射帯として描出される.⑧脈絡膜(choroid)脈絡毛細血管板も高反射帯であるが,網膜色素上皮と脈絡膜の間のBruch膜は2μmしかないため,色素上皮と脈絡毛細血管板は一体化した高反射帯となる.網膜色素上皮離が起こったときなどはBruch膜の界面が分離される.V網膜厚の測定OCTを利用した網膜厚の測定は黄斑浮腫の診断や各種黄斑疾患の治療効果判定に大変有用である.網膜厚の測定・解析時に注意するポイントについて述べる.1.セグメンテーションまだ,聞き慣れない言葉であるが,OCT2000より用いられてきた画像処理用語であり,「画像の注目する部分を抽出する」という意味である.網膜の前縁と網膜色素上皮前縁をセグメンテーションすると神経網膜の厚みが計測できるわけである.自動セグメンテーションにおける問題は,エラーである.OCT3000でセグメンテーションエラーが調べられているが,42~92%もの画像にエラーが生じているとされる4).セグメンテーションエラーは,網膜厚や網膜神経線維厚の自動計測において重大な問題になる.スペクトラルドメインOCTになり,深さ分解能が高くなり,鮮明な画像になったことで,セグメンテーションエラーが減ることが期待されるが,実際には図11や図6に示すようなエラーも認められる.このような例では再測定や手動でのセグメンテーション補正を検討する必要がある.2.網膜厚の定義実は,単純な網膜厚の計測に問題がある.網膜厚の定義の問題である.OCT3000は,視細胞内節外節接合部(IS/OS)の前縁までを網膜厚として計測していたため黄斑の乳頭よりにはpapillomacularbindleが存在し,厚い神経線維層を示すのに対し,中心窩の耳側はrapheに相当し,神経線維層がない領域となる.これに対し垂直断では対称な厚みとなる(図8).④顆粒層と網状層(GCL,IPL,INL,OPL,ONL)中心窩外では神経線維層(NFL)の外側に中等度反射の神経節細胞層(GCL),高反射の内網状層(IPL)を認める.つぎに低反射の内顆粒層(INL)が存在し,さらには高反射の外網状層(OPL),低反射の外顆粒層(ONL)と続く.中心窩には錐体系の視細胞が集中している.中心小窩では低反射の外顆粒層が網膜のほとんどの層を占めており,表層にわずかなHenle線維層を認めるだけである.⑤外境界膜(ELM)外境界膜(ELM)は膜ではなく,視細胞とMuller細胞の接合部に相当するが,光学顕微鏡では連続したラインに見える.視細胞内節と外節は外境界膜から外側に突出している.タイムドメインOCTでは外境界膜の可視化は困難であったが,スペクトラルドメインOCTでは外境界膜が可視化される.⑥視細胞内節外節接合部(IS/OS)OCT1000およびOCT2000モデルで網膜色素上皮層(RPE)と考えられていた外側の高反射層はOCT3000では2層に分離された.内側の層が視細胞内節(IS)と外節(OS)の接合部(IS/OS)であり,外側の層が網膜色素上皮層である(図7).さらにスペクトラルドメインOCTではIS/OSと網膜色素上皮層の間にさらに1本の高反射帯を認める.この線が何を示すかは明らかでないが,中心窩では錐体細胞の外節の先ではないかと推測されている.内節はミトコンドリアが豊富で,低反射である.外節は円板状の内部構造をもち,光粒子を効率的に受け止められるようになっており,多量の反射波を発生する.特に外節の始まりの部分で強い反射波が生じると考えられる.これはOCTの測定光は同質の物体内では急速に減衰し,異質な物体に到達すると再び反射のピークを作るという性質があるためである.組織学的検討では内節が約30μm,外節が約50μmである.———————————————————————-Page7あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009589実際には外節分だけ短く計測していた(図12の①,図7).Optovue社のRTVue-100も当初IS/OSの前縁までを網膜厚として計測していたが,最新のバージョンでは網膜色素上皮の後縁(図12の③)へ変更になった.CarlZeissMeditec社のCirrusやトプコン社の3DOCT-1000は網膜色素上皮の前縁までを網膜厚として計測する.理想的には,網膜色素上皮の前縁まで(図12の②)が本当の神経網膜と考えられるが,実際には網膜色素上皮とIS/OSに挟まれているもう1本の高反射ラインがセグメンテーションエラーの原因となりやすい.高分解能になったが故の悩みでもある.妥協策として,厚みにばらつきの少ないと考えられる網膜色素上皮層を含む網膜色素上皮の後縁(③)の採用が増えそうである.セグメンテーションが高度化すれば,網膜色素上皮の前縁(図12の②)に回帰する可能性もある.網膜厚は多くのソフトでEarlyTreatmentDiabeticRetinopathyStudy(ETDRS)で定められた9つのセクターにおける平均網膜厚として表示される(図10).3.スキャン方法タイムドメインOCTを用いての網膜厚測定ではわずか6つ以下のBスキャン(図13)を用いて平均網膜厚が(9)図11セグメンテーションエラー矢印の部分では硝子体混濁を網膜前縁と誤認識してセグメンテーションエラーが発生している.図12複数ある網膜厚の定義①:OCT3000,Optovue社のRTVue-100の前バージョン.②:トプコン社の3DOCT-1000やCarlZeissMeditech社のCirrus.③:RTVue-100の最新のバージョン,HeidelbergEngineering社のHRA-OCTSpectralis,3DOCT-1000変更予定.理想的には,②が本当の神経網膜厚と考えられるが,実際には網膜色素上皮とIS/OSに挟まれているもう1本の高反射ライン(青矢印)がセグメンテーションエラーの原因となる.次善の策として③を採用する機種が増えている.———————————————————————-Page8590あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009測定されていた.これはスキャンスピードが遅く,黄斑部の全領域を密にスキャンすることが不可能であったためである.そのため各部位の正確な網膜厚算出は困難であったといえる.スペクトラルドメインOCTでは高速化により,黄斑部の全領域をくまなくスキャンすることが可能となった.OCT3000では6つのradialscan上の768点で計測を行っていたが,トプコン社の3DOCT-1000では3Dラスタースキャンを用いると黄斑部6mm×6mmの領域を65,536点で計測可能である(図10).このようにスペクトラルドメインOCTの三次元スキャンを用いることにより,正確で再現性の高い網膜厚解析が可能になると考えられる.VI日本人の正常黄斑部網膜厚最後に筆者らが行った日本人の正常黄斑部網膜厚に関する研究について紹介する.国内7施設(東京大学・群馬大学・大阪大学・新潟大学・金沢大学・多治見市民病院・京都大学)の共同研究として,三次元光干渉断層計(3D-OCT)を用いて日本人健常眼の黄斑部網膜厚を測定し,正常黄斑部網膜厚に関与する因子について検討したところ,男女間で黄斑部平均網膜厚に差を認め(男性の平均網膜厚>女性の平均網膜厚),男性では年齢に相関して中心窩以外の黄斑部網膜厚が減少することが示された(投稿中).網膜厚に年齢・性別が関与していることは大変興味深い.網膜厚の検討には,年齢・性別による補正が必要であると考える.文献1)SanderB,LarsenM,ThraneLetal:Enhancedopticalcoherencetomographyimagingbymultiplescanaverag-ing.BrJOphthalmol89:207-212,20052)HangaiM,YamamotoM,SakamotoAetal:Ultrahigh-resolutionversusspecklenoise-reductioninspectral-domainopticalcoherencetomography.OpticsExpress17:4221-4235,20093)SakamotoA,HangaiM,YoshimuraN:Spectral-domainopticalcoherencetomographywithmultipleB-scanaver-agingforenhancedimagingofretinaldiseases.Ophthal-mology115:1071-1078:20084)SaddaSR,JoeresS,WuZetal:Errorcorrectionandquantitativesubanalysisofopticalcoherencetomographydatausingcomputer-assistedgrading.InvestOphthalmolVisSci48:839-848,2007(10)図13タイムドメインOCTでの網膜厚測定6つ以下のBスキャン像で黄斑部平均網膜厚を測定.