———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.26,No.5,20096610910-1810/09/\100/頁/JCLS火曜日火曜日から金曜日までは各専門外来があり,担当の先生方がそれぞれの曜日に月1回ずつ,朝8時から勉強会を開いてくださっています.この日は緑内障グループの勉強会でした.私達が日々疑問に思っていることや,実際の臨床で役立つポイントなどを講義してくださっています.火曜日も午前中は手術で助手に入ります.症例は白内障・緑内障・外眼部・硝子体手術などで,さまざまな症例の助手を経験することができます.午後は病棟当番といって,病棟の雑務とおもに出張などのため不在となる先生方の担当患者さんの診察をしたりします.先輩は大学病院でしか経験できないような症例が多いので頑張るようにとアドバイスをくださいますが,とにかく目の前の患者さんの診察と管理でそんなことを感じる余裕はありません.眼圧が高いけれどこのままでいいのかな,どうしよう,そばにいる先輩に聞いたり,術者に相談したり,はたまた,指示の書き換えができていませんよという看護師さんの声に,思わずうなってしまう毎日です.でも,術者や先輩方の診察所見と自(81)岩手医科大学医学部眼科学講座は,現在後期研修医が7人在籍しています(同期は3人です).決して多い人数とはいえないなかで多くの仕事をこなさなくてはならず,忙しい毎日です.しかし,それだけ豊富な症例に接する環境であるともいえ,各専門の先生方の下,日々切磋琢磨しながら学んでいます.そんな私達の1週間の様子を少しご紹介したいと思います.月曜日毎週月曜日は朝7時45分から抄読会と症例検討会があります.ここでは,その週に行われる予定手術の術前検討を行います.当科では術者と一緒に,担当医としておもに私達研修医が患者さんを受けもっているため,研修医がプレゼンを行います.「本当に手術適応があるのか」「診察所見は合っているか」「なぜその術式を選択したのか」などが検討されますが,私達がその患者・疾患についてちゃんと診察し病態などを正しく理解しているのかが試さる場でもあり,前日の日曜夜には重い気分になります.抄読会の担当と重なると,もう日曜日はパニックです.9時には一般業務が始まるので,症例検討会の前後は入院患者さんの診察のため病棟の診察台は椅子取りゲーム状態です.この日は手術日でもあるので,午前中は手術助手に入るか新患・一般外来に入ります.13時からは教授回診で経過や治療方針,今後の予定をプレゼンし,その後は引き続き手術か外来・病棟業務に戻ります.手術映像は,医局にも同時中継されますが,なかなか見る時間がないのが残念です.夕方6時からは午後のカンファランスです.術後の問題症例,難症例についての検討会が行われます.各学会前には発表練習も行われるため,学会直前はここに間に合わせるため皆必死です.カンファランス後はまた病棟に戻り,手術記録を書き山積みの書類を終えて,ようやく帰路へ…長い長い1日の終了です.後期臨床研修医日記●シリーズ⑩岩手医科大学医学部眼科学講座鎌田有紀▲後期研修医一同(上段左から横山大輔先生,玉田邦房先生,石川陽平先生,西村智治先生,下段左から筆者,早川真奈先生,浦上千佳子先生)———————————————————————-Page2662あたらしい眼科Vol.26,No.5,2009(82)医が輪読会を行っています.自分一人では近づき難く,慣れない英語の教科書のため,少しずつですが皆で読み進めています.こうしてじっくり読んでいるからこそ気づく発見があったり,教授からコメントを頂いたりして,新しい知識を吸収することのできる貴重な時間です.9時からは外来で新患担当です.私達の仕事は,初診の患者さんの問診をとり,診察してカルテに記入し,必要な検査をオーダーすることです.ときには新患担当の上級医の先生からその場で「炎症所見があるからもう一度診察」「どうして☆☆の検査をしてないの?」と注意されます.また,上級医が週1回その週の新患・入院患者のカルテチェックをしてくださり,私達のアナムネの取り方,カルテの記載方法,さらにそれぞれの検査所見の判断のしかたなどいろいろ質問されます.実際の症例の所見をどう考えるか聞かれると,なかなか初めは答えられませんが,実践的で一番勉強になるかもしれません.以上,1週間の流れを簡単にご紹介しました.これら通常業務以外に,角膜摘出当番や,毎日のように訪れる網膜離をはじめ角膜感染症や眼球破裂などの緊急手術の対応にも迫られます.四国と同じ面積(人口は少ないけど)の岩手県中から患者さんが大学病院目指してやって来るのですから,当然といえばそれまでですが….緊急手術は夜遅くまで,日付を越えることもあり,多忙な毎日です.しかし,これらの症例を各専門の先生方の指導の下で経験することができるのは,大学病院にいる今だけであり,貪欲に多くのことを吸収していきたいと思います.分の所見とを比べたり,一緒に見てもらって診察のポイントや適切な処置を教えていただくチャンスでもあるので頑張っています.水曜日水曜日は,私は週に1度の研究日です.本学は,社会人大学院制度を導入しており,後期研修中に臨床もしつつ研究や論文作成を行うことになります.そのため後期研修医は週に1度研究日を頂いているのです.私は現在,基礎の教室にお世話になって研究を行っていますが,臨床研究を行っている同期もいます.もちろんこの日だけでは時間が足りず,日々の診察や業務の終了後に時間をつくっては研究を行っています.臨床と研究を両立させながら充実した日々です…と書きたいのですが,それぞれ波があり,山場が重なってしまうともう大変で同期に手助けしてもらうこともあります.同期がいることのありがたさを感じる瞬間です.木曜日私にとって大学外の病院へ出張の日です.東北の地域医療の医師不足を補うべく,私たちの出張先は岩手県の病院だけでなく秋田県,青森県にまで及んでいます.午前中は外来診察です.患者数は平均60人,多いときは90人近くになることもあります.まだ自分の診断に自信をもてないこともあり,教科書を見て悩みつつ…なんとかこなしています.午後は手術です.おもに外眼部と白内障手術を行っていて,先輩が出張先の病院にまで来て,私たちの手術指導をしてくださっています.震える手を押さえながら,手術中は緊張の連続です.手術終了後,回診をして手術所見や書類を書たりすると,もう帰りの時間.新幹線に飛び乗り,盛岡に戻ったら大学の患者さんの診察をしないと….金曜日金曜日の朝8時からは黒坂大次郎教授と伴に後期研修?プロフィール?鎌田有紀(かまだゆき)平成17年岩手医科大学医学部卒業,岩手県立中央病院で初期臨床研修終了.平成19年4月より岩手医科大学眼科学講座後期研修医.平成20年4月岩手医科大学社会人大学院入学.教授からのメッセージ4年前に赴任し,この間7名の後期研修医が入局した.以前にいたところと大分勝手も違い,教育体制も試行錯誤を繰り返したが,1年くらい前から何とか落ち着いてきた.若い人は,案外と物をよく見,考えているのに驚かされる.そして彼らが驚き,うろたえ,感動する姿に日々励まされている.ただ,彼らはときに狭い視野で物事を捉えてしまうことがあるので,視野を広げるように,あの手この手を駆使しているつもりである.自分の可能性を信じ,凛として立ち,思いっきり活動して欲しい.岩手医科大学医学部眼科学・教授黒坂大次郎