———————————————————————-Page10910-1810/06/\100/頁/JCLSニズム」はある生物や臓器・器官のみに当てはまるメカニズムである.「共通メカニズム」のなかで確信がありそうなのはフリーラジカル(活性酸素)のみであるとMartinらは述べている.個々の寿命は活性酸素の発生量とそれに対する防御機構の能力とのバランスにより決定されている可能性がある.興味あることに,この活性酸素を老化仮説の中心に考えると,他の多くの仮説がそこに関連づけられてしまう(図1)2).細胞内で発生する活性酸素のおよそ90%がエネルギー代謝の過程で電子伝達系から発生し,その量は総酸素消費量の0.1~2%になると考えられている3,4).電子伝達系は80以上のサブユニットからなり,それを構築するための遺伝子が100以上も必要となる.複合体Iは40以上ものサブユニットからなり,唯一,立体構造がはじめに「アンチエイジング(抗老化)」はヒトの心身ともに健康な長寿の実現を目指すものであるが,老化をひき起こすメカニズムを明らかにしないかぎり,科学的根拠に乏しい勘や経験によって抗老化の方法を模索せざるをえない.しかし老化は長くて複雑な過程を経るために,そのメカニズムはいまだに未解明で,そのためこれまで多くの老化仮説が考えられてきた(表1).これらの仮説はどれも魅力的なものであるが,すべての生物や臓器・器官の老化に当てはめることはむずかしかった.そのなかでMartinらは,1996年のNatureGenetics誌のなかで,老化のメカニズムを「共通メカニズム」と「個別メカニズム」に分けて考えることを提唱した1).「共通メカニズム」はこれまで考えられてきた,すべての生物や臓器・器官に当てはまる老化のメカニズムであり,「個別メカ(3)????*NaoakiIshii:東海大学医学部基礎医学系分子生命科学〔別刷請求先〕石井直明:〒259-1193伊勢原市望星台東海大学医学部基礎医学系分子生命科学特集●眼科におけるアンチエイジング医学の流れあたらしい眼科23(10):1245~1250,2006フリーラジカルとアンチエイジング医学??????????????????????-??????????????石井直明*表1さまざまな老化の仮説個体レベル神経内分泌説ストレス説免疫説細胞機能レベル体細胞分裂寿命限界説遺伝子機能レベルプログラム説体細胞突然変異説遺伝子翻訳エラー説分子レベル老廃物蓄積説高分子架橋説フリーラジカル説DNA傷害説分子から個体へエラーカタストロフ説ホルモン神経エネルギー代謝(酸素消費)細胞傷害DNA傷害修復機構代謝速度の調節(神経内分泌説)遺伝子による代謝速度の決定(プログラム説)ストレス説フリーラジカル説老化体細胞突然変異説遺伝子翻訳エラー説老廃物蓄積説DNA傷害説エラーカタストロフ説活性酸素抗酸化機構図1酸素が関わる老化説〔石井直明:分子レベルで見る老化.講談社ブルーバックスより転載〕———————————————————————-Page2????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006解明されていない大きな複合体である.複合体Iは少なくとも1つのFMN(?avinmono-nucleotide)と8つの硫酸鉄をもち,これらの個所から活性酸素が発生すると考えられている.複合体IあるいはIIから電子が複合体IIIに渡される.複合体IIIのなかではユビセミキノンが自動酸化されるときに酸素に電子が渡されることで活性酸素が発生すると考えられている(図2).電子が複合体IIIからIVと渡り,ATP(アデノシン三リン酸)は最終段階の複合体Vで合成される.酸素を一番消費するのは,電子伝達系の終末酵素であるシトクローム?オキシダーゼであるので,ここから多量の活性酸素が発生しても不思議ではないが,その証拠は得られていない.活性酸素はエネルギー代謝の副産物としてミトコンドリアから発生する以外にも,HAD(P)Hオキシダーゼやキサンチンオキシダーゼなどの生体酵素反応から,また放射線やタバコなどの外的要因からも発生する.活性酸素は細胞傷害や細胞死(アポトーシス)を起こし,それによって老化や老年性疾患が生じ,さらに傷害が遺伝子に及べば癌化が生じることが分子遺伝学的な基礎研究から明らかになってきた.I活性酸素と老化1960年から70年代にかけて行われた若い動物(細胞)と老いた動物(細胞),あるいは寿命の異なる動物間の比較研究のなかから,生物学的な老化のメカニズム解明に重要なヒントを与えてくれたものがある.一つは,体重の大きい動物(体重の重い動物)ほど長生きする傾向があることが明らかになった.さらに,体重の大きい動物ほどエネルギー代謝が低い傾向がある5).つまり,エネルギー代謝が低い動物ほど寿命が長いことになる.このようなデータは,寿命決定の遺伝子とエネルギー代謝の関係を明らかにした最近の分子遺伝学的な研究結果をすでに暗示していたことになる.線虫の一種,??????????????????????(??????????)の長寿突然変異体の???-?や???-?の遺伝子解析から明らかになったインスリン様シグナル伝達系はこのエネルギー代謝を制御している.現在では,インスリン様シグナル伝達系を介した寿命制御のメカニズムは??????????のみならず,ショウジョウバエ,マウス,ヒトと,多くの生物に共通であると考えられるようになってきた6).(4)複合体I複合体IV複合体V複合体III複合体IIコエンザイムQ電子ATP,熱O2O2-H2O2H2OSODカタラーゼGPxOH?Fe3+(エネルギー産生)(活性酸素産生)NADHNAD+FADFADH2電子活性酸素種O2-:スーパーオキシドOH?:ヒドロキシルラジカルH2O2:過酸化水素図2ミトコンドリア電子伝達系と活性酸素■用語解説■線虫,??????????線虫は種の数,生息数ともに他の生物を圧倒するほど多く,ヒトに寄生する回虫や,カミキリムシを媒体として松を枯らすマツノザイ・センチュウなど,その多くは寄生性であり特定の宿主の中で生息している.??????????は非寄生性の線虫であり,細菌を餌にして地中で自活している.体長1mmあまりの虫であるが,表皮,神経,筋肉,消化器官,生殖器官という動物に必要最小限の体制をもつ.SydneyBrennerが遺伝子のレベルで行動のメカニズムを解明するために開発したモデル動物であり,さまざまな突然変異体を分離され,分子遺伝学的手法が確立されている.多細胞動物で初めてゲノムの全塩基配列(約1億塩基対)が決定されている.??????????の成虫は,たった959個の体細胞から成り立っており,JohnsSulstonは,受精から成虫に至るまでのすべての細胞の分裂様式や運命を記述した細胞系統樹を完成させた.これは他の動物と比べて細胞数が少ない??????????でのみ可能な偉業であり,世界中で賞賛された.線虫の発生分化の段階ではプログラムされた細胞死が現れるが,BobHorvitzはそのメカニズムを遺伝子のレベルで解明し,ヒトを含むさまざまなアポトーシスのメカニズムの解明に先駆者的な役割を果たした.この3人はこれらの業績により2002年のノーベル医学生理学賞を受賞している.??????????は約1カ月の短い最長寿命をもつことから,老化の研究にも盛んに使われるようになった.———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006????さらにもう一つの長寿突然変異体,???-?の原因遺伝子産物は電子伝達系に必要な酵素であり,エネルギー代謝に関与している7).興味あることに,これらの遺伝子の突然変異体はエネルギー代謝に関係することに加えて,酸素に耐性を示す.エネルギー代謝は,解糖系から,TCA(トリカルボン酸)サイクル,電子伝達系を介して,体温維持のための熱や,生体内の化学エネルギーであるATPを作りだす生化学反応である.多くの生物はこの反応のなかで酸素を必要とする.体内に取り込まれた酸素の多くはエネルギー代謝の最終反応で無害な水となるが,一部が無差別に細胞構成生物に傷害を与える活性酸素に変化する.生体内で生じる活性酸素の約90%は,このエネルギー代謝の副産物としてミトコンドリアに存在する電子伝達系から発生する.エネルギー代謝が高くなれば,活性酸素の発生量が増加する.これが,エネルギー代謝が高い動物ほど寿命が短くなることや,男性ホルモンによりエネルギー代謝が高い雄のほうが雌よりも寿命が短くなる一因になっていると考えられる.筆者らは複合体IIのサブユニットの一つである,シトクローム?大サブユニット(CYT-1)に欠損が生じた??????????の突然変異体(???-?)を分離した8~10).この変異は複合体IIから活性酸素の過剰産生をひき起こし11),その結果,大気中でも野生株に比べて短命で,酸素濃度に依存して寿命の短縮がみられ,さらにミトコンドリアの形態異常,老化のマーカーとして知られるリポフスチン(老人斑)や酸化蛋白質の早期蓄積などの早老症の兆候を示すようになる12,13).さらに,???-?の胚では正常な発生・分化とは無関係な野生株にはみられない細胞死も多数生じる14).??????????ではある細胞が胚発生期にアポトーシス(線虫では「プログラムされた細胞死」と定義)を起こし,それが個体の発生・分化に重要な役割を担っていることが知られている.アポトーシスには実行因子である???-?(カスペース3)が必要となり,これが欠損するとアポトーシスは起こらなくなる.???-????-?の二重突然変異体では,細胞死がまったくみられなくなることから,???-?に生じる過剰な細胞死も線虫がもつプログラムされた細胞死の経路が必要になる.???-????-?の平均寿命は???-?単独の寿命より長く,野生株よりも短い14).これは細胞死が寿命短縮に少なからず寄与していることがわかる.これらの結果から,加齢とともに電子伝達系に傷害が蓄積すれば,活性酸素が複合体IやIII以外からも発生するようになり,老化が加速されることを示唆している.線虫の???-?遺伝子に相当するSDHC遺伝子に???-?と同様の変異をもつマウスのNIH3T3培養細胞でも,ミトコンドリアから活性酸素が過剰に産生されるようになる15).その結果,ミトコンドリアの形態変化や膜電位の低下,酸化蛋白質の蓄積,核のDNA中のoxo8dG(8-oxo-2¢-deoxyguanosine)蓄積量と突然変異頻度の増加が起こる15).培養を続けるうちに,細胞はアポトーシスを生じるようになり,増殖速度が低下する.しかし培養をさらに続けると,アポトーシスを逃れた細胞が形質転換を生じ,増殖能力が復帰する15).これらの細胞をヌードマウス皮下に移植すると,アポトーシスを盛んに起こしている時期の細胞は短時間で貪食されるが,形質転換を生じた細胞を移植すると腫瘍を形成するようになる15).この現象は,個々の細胞の機能低下やアポトーシスにより生じる「老化」と,核DNAの遺伝子変異により生じる「癌化」が,活性酸素の傷害を起因とした同じ過程のなかで生じることを示した初めての例である(図3).家族性傍神経節腫(パラガングリオーマ)の患者に複合体IIのSDHCやSDHDサブユニットの遺伝子変異が見いだされたことから16),最近では,これらの遺伝子(5)図3ミトコンドリアが関わる老化や疾患のメカニズムエネルギー代謝細胞・遺伝子傷害細胞機能の低下器官・臓器の機能低下個体老化・疾患癌細胞の出現アポトーシス癌ミトコンドリア活性酸素———————————————————————-Page4????あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006は腫瘍抑制遺伝子と定義されている17).TCAサイクルや電子伝達系を含む細胞小器官であるミトコンドリアは,エネルギー産生と,その過程の副産物である活性酸素を発生させ,さらにアポトーシスも制御しており,老化の鍵を握っているといっても過言ではない.とはいえ,エネルギー代謝・活性酸素と老化との関係には,一つの矛盾がある.活性酸素はエネルギー代謝の副産物としてミトコンドリアから産生されるため,エネルギー代謝が活発になれば,当然,活性酸素の発生量も増えることになる.活性酸素はあらゆる細胞内の分子を攻撃するので,これを産生するミトコンドリア自身にも傷害を与える.その結果,ミトコンドリアの機能低下が生じてエネルギー代謝が低下することになる.エネルギー代謝が低下すれば活性酸素の産生量が低下するはずである.これが正しければ,加齢とともに活性酸素の発生量は低下することになり,ミトコンドリアへの傷害は減少するはずである.現に??????????の実験で,ミトコンドリア電子伝達系の複合体のサブユニットをコードする遺伝子の発現を抑制すると,寿命が延長することが報告されている18,19).これらの遺伝子発現の抑制はエネルギー代謝の低下を招くことから,寿命延長効果は産生する活性酸素の量が低下するためと考えられている.しかし,前述したように,筆者らの研究では電子伝達系の傷害は活性酸素の過剰産生をひき起こし,??????????を短命にする.これは電子伝達系の複合体の傷害が電子の正常な流れを妨げ,電子伝達経路の先に進めなくなった電子がその場から逸脱し,近傍の酸素と反応して活性酸素を生じるためと考えられる.筆者らは最近,活性酸素の発生量は加齢で変化しないことを突き止めている20).これは,老化によるミトコンドリア傷害は活性酸素の産生量に影響を与えることはないためと考えられるが,ミトコンドリアの傷害により電子伝達系のなかで活性酸素量が増える個所と減少する個所が存在するために,総発生量としては変化が表れてこないことが原因であるとも考えられる.II活性酸素と老年性疾患活性酸素は老化のみならず,前述した癌をはじめ,加齢とともに増加するさまざまな疾患にも関与している(表2).最近は過食,運動不足によって内臓脂肪が蓄積し,メタボリックシンドロームとよばれる,高血圧症,高脂血症(コレステロールやトリグリセライドの高値),糖尿病(インスリン抵抗性)など複数の生活習慣病を合併する人が増えている.これらの病気はお互いが密接な関係をもって発生しており,多く合併するほど動脈硬化を促進して脳梗塞や心筋梗塞などを起こしやすくなる.動脈硬化には活性酸素が深く関与している.コレステロールの輸送に関わる低比重リポ蛋白質(LDL)は血中から血管の内皮細胞下に侵入すると,内皮細胞や平滑筋細胞で作られた活性酸素によって酸化LDLに変化する.一方,内皮細胞下に侵入したマクロファージは酸化LDLに結合する受容体をもつために,これを介して酸化LDLを取り込む.すると酸化LDLからコレステロールが切り離され,マクロファージ内に蓄積するようになる.この過程でマクロファージは泡沫細胞を形成する.この泡沫細胞が血管内膜に蓄積し,そこにリンパ球や血小板が集まってくる.血小板からは血小板由来増殖因子(PDGF)が放出され,これが平滑筋細胞の増殖を招くことで,血管の柔軟性が失われたり,血管の内腔が狭められたりしていく.このような経過により生じる,高齢者の大動脈にみられるアテローム性動脈硬化症に活性酸素がトリガーの役目を果たしている.最近,筆者らは電子伝達系複合体サブユニットであるSDHCの変異遺伝子を導入した遺伝子組換えマウス(トランスジェニック・マウス)の作製に成功した(未発表).この変異マウスは,同様の変異をもつ線虫や培養細胞と同様にミトコンドリアから活性酸素が過剰に産生(6)表2活性酸素が関与する傷害や疾患炎症リウマチ関節炎,高尿酸血症,熱傷癌癌の発生,癌の増殖,癌の転移神経Alzheimer病,Parkinson病,家族性筋萎縮性側索硬化症組織・臓器動脈硬化,潰瘍,糖尿病,白内障,加齢黄斑変性症,虚血,膵炎(鈴木?之:老化の原点をさぐる.裳華房,谷口直之,淀井淳司:酸化ストレス・レドックス.共立出版より改変)———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.23,No.10,2006????され,さらに視力の低下といった老人性の疾患が野生型に比べて早期に認められるようになった.これにより,このマウスが生体内酸化ストレスを原因とする老化や老人性疾患のモデル動物として,老化の基礎研究のみならず臨床研究にも応用され,老化および老人性疾患の発症機構の解明から治療や予防まで幅広い分野で貢献することが期待される.III活性酸素とアンチエイジング実験動物で長寿を実現させる最も簡単な方法が,「腹八分目」,つまりカロリー制限である.これは単細胞から霊長類のサルまで,実験に使用した生物すべてに当てはまる.このメカニズムはいまだに不明であるが,カロリー制限という一種の飢餓状態を細胞が感知し,そのシグナルが抗酸化や免疫などの生体防御能力を高めることが一つの理由にあげられている21).活性酸素は細胞毒性が強いため,生物はそれに対する防御機構を進化させてきた.これらのなかには活性酸素を除去するスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)カタラーゼ,グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)などの酵素や,ビタミンCやEなどの低分子物質などが知られており,寿命が長い動物ほど,これらの酵素や低分子物質を多くもつことが知られている.??????????のインスリン様シグナル伝達系の下流では???-??(ヒトではHOXO)とよばれる転写因子が発生,老化,抗酸化にかかわる遺伝子を制御していると考えられ6),マンガン-SODの発現量が長寿突然変異体である???-?で上昇していることが知られている22).最近は,適度な運動が活性酸素に対する防御機構の能力を上げると考えられるようになった.これは運動によるエネルギー代謝亢進で発生する活性酸素の適応応答(ホルミシス効果)である可能性がある23).ホルミシスとは,これは軽度な傷害が防御機構をより強くし,大きな傷害に備えるような適応応答とよばれる現象である.ホルミシスは最初に放射線傷害から発見されたが,電離放射線による傷害の原因の90%が,放射線が水と反応して生じた活性酸素によるものであることや,あらかじめ酸素ストレスをかけた??????????が放射線に耐性を示すことから,ホルミシスの本来の役割は活性酸素に対する生体防御機構と考えられる.つまり,活性酸素は細胞構成成分に傷害を与える一方で,細胞伝達のシグナルとして発生や癌化の過程に関与すると同時に,活性酸素のシグナルが活性酸素に対する防御機構の活性化にも働いている.老化の促進や老年性疾患を防ぐには,活性酸素を必要のない場所で過剰に発生させず,一方で栄養や運動で抗酸化能力を高めることが必要になる.おわりに老化の研究者は,誰にでも生じる「生理的老化」以外に,誰にでも生じるわけではないが,加齢とともに増える疾患を「病的老化」として考えている.生理的老化による死亡は老衰であるが,これは総死亡数の3%にすぎない.多くの人たちは老化でなく,病的老化で亡くなるために100歳まで行き着かない.日本人の総死亡数の60%が脳と心臓の血管傷害と癌の疾患であり,これらの病的老化による疾患を克服すれば,「平均寿命」は今よりもさらに延びることになる.最近の研究から,活性酸素は生理的老化のみならず,病的老化にも密接に関与していることが明らかになってきた.生体内の活性酸素を制することは,寿命や老化を制することといっても過言ではないかもしれない.分子遺伝学にもとづいた老化のメカニズムの研究は,確かなヒトの健康的な長寿実現の方法を見いだしてくれるに違いない.文献1)MartinGM,AustadSN,JohnsonTE:Geneticanalysisofageing:Roleofoxidativedamageandenvironmentalstresses.?????????13:25-34,19962)石井直明:分子レベルで見る老化.講談社,20013)NichollsP,ChanceB:MolecularMechanisminOxygenActivation(edbyHayaishiO),p479-534,Academic,NewYork,19744)ImlayJA,FridovichI:Assayofthemetabolicsuperoxideproductionin????????????????.???????????283:6957-6965,19915)鈴木?之:老化の原点を探る.裳華房,19886)KenyonC:Theplasticityofaging:Insightfromlong-livedmutants(Review).????120:449-460,20057)StenmarkP,GrunlerJ,MattssonJetal:Anewmemberofthefamilyofdi-ioncarboxylateproteins.Coq7(???-?),amembrane-boundhydroxylaseinvolvedinubiquinonebiosynthesis.???????????276:33297-33300,2001(7)———————————————————————-Page6????あたらしい眼科Vol.23,No.10,20068)IshiiN,TakahashiK,TomitaSetal:Amethylviologen-sensitivemutantofthenematode??????????????????????.???????237:165-171,19909)HondaS,IshiiN,SuzukiKetal:Oxygen-dependentper-turbationoflifespanandagingrateinthenematode.????????:???????48:57-61,199310)IshiiN,FujiiM,HartmenPSetal:Amutationinsucci-natedehydrogenasecytochrome?causesoxidativestressandageinginnematodes.??????394:694-697,199811)Senoo-MatsudaN,YasudaK,TsudaMetal:Adefectinthecytochrome?largesubunitincomplexIIcausesbothsuperoxideanionoverproductionandabnormalenergymetabolismin??????????????????????.???????????276:41553-41558,200112)HosokawaH,IshiiN,IshidaHetal:Rapidaccumulationof?uorescentmaterialwithaginginanoxygen-sensitivemutant???-?of??????????????????????.???????????????????74:161-170,199413)AdachiH,FujiwaraY,IshiiN:E?ectsofoxygenonpro-teincarbonylandagingin??????????????????????mutantswithlong(???-?)andshort(???-?)lifespan.????????:???????53A:240-244,199814)Senoo-MatsudaN,HartmanPS,AkatsukaA:AcomplexIIdefectsmitochondrialstructur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