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眼科医のための先端医療73.角膜潰瘍-感染微生物,炎症細胞および細胞外マトリックスとの相互作用-

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS角膜実質細胞角膜実質細胞は角膜実質に存在する線維芽細胞系の細胞であり,これまでこの細胞の役割はおもに細胞外マトリックスの代謝を行い,実質組織のintegrityを保つことで,角膜実質細胞は角膜に炎症や感染が生じると炎症細胞や病原微生物により一方的に攻撃を受けると考えられていました.しかしながら,近年では角膜実質細胞も種々のサイトカインやケモカインなどの生体活性物質や接着分子などを発現することで眼表面炎症の増悪,遷延化に重要な役割を果たしていることが解明されつつあります.また角膜実質細胞は異物や病原微生物を貪食することも報告されており,角膜での生体防御に関与している可能性もあります.細菌感染などによる角膜潰瘍では,角膜実質を構成するI型コラーゲンが融解し,病変部には病原微生物に加えて好中球などの炎症細胞の浸潤が認められます.本稿では,角膜実質細胞と炎症細胞や感染微生物,細胞外マトリックスとの相互作用が角膜潰瘍の病態において,どのように関わっているかについて概説します.角膜実質細胞と自然免疫応答角膜上皮細胞は強いバリアー機能を有することや,自然免疫応答を惹起する細菌由来のエンドトキシン(リポポリサッカライド:LPS)やペプチドグリカンに反応しないことより,上皮が健常な状態では細菌と接しても角膜に炎症は生じません.しかし外傷などで上皮が傷害されると,細菌あるいは細菌由来のLPSなどの因子が傷害部位より角膜実質へ浸入します.LPSはグラム陰性菌の細胞外膜を構成する糖脂質で,さまざまな病原体成分のなかでも最も強く宿主の自然免疫機構を活性化し,炎症細胞からの種々のサイトカインの産生を促します.筆者らが検討した結果,角膜実質細胞にもTLR(toll-likereceptor)-4とその細胞外ドメインに会合するMD-2およびCD14から構成されるLPSの受容体が発現しており,LPSは角膜実質細胞からの,好中球や単球に対するケモカインであるインターロイキン(IL)-8やMCP-1(monocytechemoattractantprotein-1)などの産生および接着分子ICAM-1(intercellularadhesionmolecule-1)の発現を促進させました.すなわち,角膜実質細胞はLPSにより活性化されることで細菌感染を認識し,自然免疫応答により感染に引き続いて起こる角膜実質への炎症細胞浸潤をひき起こしているのです.LPSは,コア領域とO抗原からなる親水性の多糖部分と,lipidAと総称される疎水性の糖脂質から構成される両親媒性物質で,通常は細胞壁に強固に結合しています.また,細胞の溶解が起こってLPSが遊離しても,血清の存在しない場合は活性部位である疎水性のlipidAを内側に向けてミセルを形成して受容体に結合できない状態にあります.LPSはLPS結合蛋白(LBP)とよばれる血清蛋白によって細菌の膜から引き抜かれ,単体となり,活性部位が露出することで受容体に結合できるようになります.LPSはさらに可溶性CD14(sCD14)という血清蛋白と結合することで,受容体への親和性が上がります.これらの因子の作用を培養角膜実質細胞を用いて検討すると,LBPやsCD14は単独では何ら角膜実質細胞には作用しませんが,LPSの存在下ではLPSの作用を数十倍も増強し,角膜実質細胞の転写因子NF-kBを活性化してケモカインや接着分子の発現を濃度依存的に促進しました.さらに健常人の涙液中には,LBPとsCD14両者とも培養実験に使用した濃度よりも非常に高濃度に存在していました.これらの結果はグラム陰性菌の感染が生じると,涙液中のLBPとsCD14はLPSに結合し,LPSの活性部位を露出させて角膜実質細胞におけるLPSの信号伝達を増強して自然免疫反応を促進し,生態防御因子として働くことを示しています.角膜実質細胞を介した緑膿菌のコラーゲン分解筆者らは,微生物由来の蛋白分解酵素による直接的な角膜実質の融解に加えて,活性化した角膜実質細胞によるコラーゲン分解も角膜潰瘍の病態に関与していると考え,角膜実質細胞によるコラーゲン分解および微生物,炎症細胞との相互作用を検討しました.コラーゲンゲルに緑膿菌の培養上清を添加すると,コラーゲン分解は促進されますが,コラーゲンゲルに角膜実質細胞を入れて(83)◆シリーズ第73回◆眼科医のための先端医療監修=坂本泰二山下英俊福田憲熊谷直樹西田輝夫(山口大学大学院医学系研究科眼科学)角膜潰瘍─感染微生物,炎症細胞および細胞外マトリックスとの相互作用─———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007おくと,その分解量はさらに促進されました.これは緑膿菌の培養上清によるコラーゲン分解促進作用には,直接的な作用と角膜実質細胞を介した間接的な作用の両者が関与していることを示しています.そこで緑膿菌の病原因子と考えられるLPS,elastase,exotoxinAを角膜実質細胞を含んだコラーゲンゲルに添加すると,elas-taseのみが角膜実質細胞によるコラーゲン分解を促進させました.この結果は,elastaseを分泌しないように遺伝子改変した緑膿菌株の培養上清ではコラーゲン分解は促進されなかったことでも確認されました.さらに,elastaseが角膜実質細胞を介してコラーゲン分解を促進する機序として,角膜実質細胞より分泌された不活性型のpro-MMP(matrixmetalloproteinase)を活性化するためであることがわかりました.好中球による角膜実質細胞の活性化とコラーゲン分解つぎに,角膜実質細胞と炎症細胞の相互作用を検討しました.好中球はそれ単独では,コラーゲン分解能はほとんど認められませんでしたが,角膜実質細胞と好中球を同時に培養するとコラーゲンの融解は相乗的に促進しました.それぞれの培養上清を用いた実験により(図1),角膜実質細胞に好中球培養上清を添加して培養すると,角膜実質細胞からMMPの産生が促進され,コラーゲン分解が相乗的に促進されることがわかりました.すなわち好中球の培養上清自体には,コラーゲン分解活性はありませんが,e?ectorである角膜実質細胞に作用して,MMPの産生を亢進させ,コラーゲン分解を促進させるmodulatorとしての役割を果たしています.さらにこの好中球培養上清の作用は,通常の培養液のみで培養した場合ではあまり認められず,I型コラーゲンゲル内で三次元培養した上清で非常に強い活性をもつことがわかりました(図1).コラーゲンゲル内で培養した好中球培養上清中に含まれる生体活性物質の濃度を測定したところ,IL-1を含む種々の炎症性サイトカインやケモカインの放出が促進していました.そこでIL-1と拮抗する作用をもつIL-1receptorantagonistを好中球の培養上清に添加すると,角膜実質細胞によるコラーゲン分解促進作用が阻害されました.これらの結果より,血管から角膜実質へ浸潤してきた好中球は,角膜実質を構成するI型コラーゲンと接触することにより活性化され,IL-1などの炎症性サイトカインを含む種々の液性因子を放出すること,さらに好中球由来のサイトカインによって活性化された角膜実質細胞がMMPを産生して,コラーゲン分解を促進することが示唆されました.(84)8-LIsetycotareK1-PCMfonoitartlifnIsllecyrotammalfnISPL41DCsPBLlamortSnegalloCnegalloCnoitadargedsPMMo-rpevitcasPMMesatsale1-LInoitavitca.PasonigureaSPLamortSlaenroCsdiulfraeTPBL41DCs図2角膜実質細胞による角膜実質コラーゲン融解のメカニズム100806040200好中球(+)線維芽細胞(+)好中球(-)線維芽細胞(-)a.好中球培養上清:培養液のみ:培養上清:コラーゲンゲル培養の培養上清b.線維芽細胞培養上清**#*#*#†コラーゲン分解量(?gofHYPperwell)NS図1好中球および角膜実質細胞によるコラーゲン分解コラーゲンゲルで培養した好中球の培養上清を角膜実質細胞に添加するとコラーゲン分解が促進される.*p<0.01(培養液のみに対して),#p<0.01(培養上清に対して),†p<0.01.すべてSche?e?stestによる.(文献3より改変)———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??テロイド薬やその他の免疫反応を抑制する薬剤によって制御されます.今後これらの病態解明が進み,状況に応じた角膜潰瘍治療薬が新たに開発,応用されることが期待されます.文献1)KumagaiN,FukudaK,FujitsuYetal:Lipopolysaccha-ride-inducedexpressionofintercellularadhesionmole-cule-1andchemokinesinculturedhumancorneal?broblasts.?????????????????????????46:114-120,20052)FukudaK,KumagaiN,YamamotoKetal:Potentiationoflipopolysaccharide-inducedchemokineandadhesionmole-culeexpressionincorneal?broblastsbysolubleCD14orLPS-bindingprotein.?????????????????????????46:3095-3101,20053)LiQ,FukudaK,LuYetal:Enhancementbyneutrophilsofcollagendegradationbycorneal?broblasts.?????????????74:412-419,20034)LuY,FukudaK,SekiKetal:InhibitionbytriptolideofIL-1-inducedcollagendegradationbycorneal?broblasts.?????????????????????????44:5082-5088,20035)NaganoT,HaoJL,NakamuraMetal:Stimulatorye?ectofpseudomonalelastaseoncollagendegradationbycul-turedkeratocytes.?????????????????????????42:1247-1253,2001線維芽細胞の制御による治療の可能性このように,角膜潰瘍は単に病原微生物が一方的に角膜実質を破壊しているのではなく,角膜実質細胞と微生物,炎症細胞,実質の細胞外マトリックスなどとの複雑な相互作用により病態が形成されると考えられます.角膜実質のコラーゲン融解においては細菌の直接的な破壊だけでなく,緑膿菌由来のelastaseや好中球由来の炎症性サイトカインなどがmodulatorとしての役割をもち,異なる機序でe?ectorとして働く角膜実質細胞を介して間接的にコラーゲン分解を促進しています.好中球などの炎症細胞は,微生物感染初期には細菌の貪食など生体防御に重要である一方,感染が沈静化した後も角膜実質細胞からのケモカインの産生が持続すると,角膜実質への浸潤が継続し,角膜実質細胞を活性化することでコラーゲンを分解するという生体にとって不利益な反応を起こしている可能性が考えられます.無菌性の潰瘍や,感染が治癒した後も角膜融解が進むような状況においては,角膜実質細胞と炎症細胞の相互作用によるコラーゲン融解が持続しているのかもしれません.角膜実質細胞と炎症細胞との相互作用は,抗菌薬では制御されず,ス(85)■「角膜潰瘍─感染微生物,炎症細胞および細胞外マトリックスとの相互作用─」を読んで■今回は福田憲先生・熊谷直樹先生・西田輝夫先生による,角膜潰瘍の分子病態についての総説です.角膜潰瘍は私など角膜の門外漢は病原微生物が角膜実質を分解していく病態を漠然と思い浮かべていましたが,福田先生たちはそこにホスト側の角膜実質細胞の重要な働きを明らかにされました.病原微生物由来の分子が角膜実質細胞に作用してコラーゲンが分解されること,さらに抗微生物の作用のために組織局所に集まる好中球が炎症を長引かせ,かつ角膜実質細胞を活性化することを明らかにしておられます.また,無菌性潰瘍,感染が治癒した後の組織反応もこのメカニズムできわめて明快に理解できます.このような一連の動きを体系だったストーリーとして一つの研究グループで構築されたことに心から敬意を表するものです.このような研究成果はすぐに臨床応用として新しい治療薬の開発へと直結します.角膜感染症は日常の診療できわめて多く遭遇する疾患であり,われわれの治療は病原微生物をたたくという治療にばかり目がいきますが,それをやりつつ角膜組織を保全するための治療は別に行う必要性を福田先生は示しておられます.まさに研究の醍醐味は臨床の現場で有用な知識を供給することですが,この総説はその典型的な成功例を示していると考えます.このような研究は単発的に論文を作るといった研究スタイルからは生まれてきません.福田先生が所属しておられる山口大学眼科は西田輝夫教授の角膜疾患の病態を分子細胞生物学的に解明していくというライフワークともいうべき明快な研究の方向づけがあり,これまでの多くの成功した研究が有機的に結びついてさらに高みに向かっている研究のよい循環があると考えます.また,研究戦略のみでなく,この総説でも随所にみられます実験系がきわめて整備され,自らセットアップした実験系を用いていろいろなアイデアを仮説として立ち上げ,実験をプランし,それを検証し,さらに新しい仮説をつくってつぎへ進むというきわめて魅力的な研究室が想像されます.臨床医学の,特に外———————————————————————-Page4??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(86)科系の忙しい教室でこのような高いactivityをもち続けるには西田教授のような強力なリーダーシップと継続する研究戦略を構築できる能力をもつ優れた指導者の存在,熊谷先生,福田先生のような有能で勤勉な研究者の並々ならぬ努力の賜物と考えられます.日本の眼科研究のレベルは紛れもなく世界のトップレベルですが,このような体系だった研究を連続して生み出していく研究機関が今後,日本になるべく多く存在する必要があると考えます.そのためには公的な研究費(文部科学省や厚生労働省の研究費補助金)が潤沢に供給されることはもちろん必須ですが,新臨床研修制度を乗り切って眼科の高いレベルの研究を目指す若い後継者を連綿と確保し続けることが重要と考えます.山形大学医学部視覚病態学山下英俊☆☆☆

新しい治療と検査シリーズ168.Heidelberg Ratina Tomograph Ⅱ(HRT Ⅱ)/Rostock Cornea Module(RCM)

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLSModule(RCM)を取り付けることにより,角膜の各層の二次元画像を取り込むことを可能にした生体共焦点角膜顕微鏡である.HRTⅡ/RCMでは波長670nmのダイオードレーザーの焦点を角膜上に置き,焦点面以外からの反射光を抑制することにより,焦点面の位置の二次元画像を鮮明に得ることができる.得られた二次元画像は400×400?mの範囲が384×384ピクセルの解像度で表される.毎秒30フレームまで撮影することができ,撮影モードの選択で動画撮影も可能である.?実際の検査方法システムはHRTⅡと共有している.準備として,HRTⅡにCorneaModuleの対物レンズ,ヘッドレスト,あご台,被検眼を側面から撮影できるCCDカメラを取り付ける(図1).撮影方法は,対物レンズにPMMA(ポリメチルメタクリレート)製のトモキャップを取り付けCCDカメラの画像を観察しながらトモキャップが角膜新しい治療と検査シリーズ(81)?バックグラウンド細隙灯顕微鏡は,その扱いやすさ,100年以上にわたる経験の蓄積から角膜疾患の観察,診断においては必須の検査機器である.しかし細隙灯顕微鏡の最大拡大率は約40倍であり,より細胞レベルでの観察には限界がある.1990年代になると細胞レベルでの観察を可能にしようと,共焦点顕微鏡が角膜の観察に応用されるようになり,角膜の各細胞,神経線維が形として捕らえられるようになった1~3).しかし,その解析能力は十分に満足できるものではなく,改良が加えられてきた1).そして現在,ニデック社製のConfoscan4とハイデルベルグ社製のHeidelbergRetinaTomographⅡ(HRTⅡ)/Ros-tockCorneaModule(RCM)が最新の機種として活躍している.残念なことに,ニデック社のConfoscan4は現在のところ日本では販売されていないため,HRTⅡ/RCMについて解説したい.?原理HRTⅡ/RCMは,後局部の三次元画像解析装置であるHeidelbergRetinaTomographⅡにRostockCornea168.HeidelbergRetinaTomographII(HRTII)/RostockCorneaModule(RCM)プレゼンテーション:白石敦:愛媛大学医学部眼科学教室コメント:小林顕:金沢大学大学院医学系研究科視覚科学図1HRTII/RCMシステムHRTⅡにCorneaModuleの対物レンズ,ヘッドレスト,あご台,被検眼を側面から撮影できるCCDカメラを取り付けた.図2正常角膜のHRTII/RCM観察像a:角膜上皮最表層,b:角膜上皮基底細胞層,c:Bowman膜神経線維叢,d:角膜実質層.abcd———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007表面に接触するまでカメラを進める.角膜表層細胞が観察できたら焦点面位置(角膜表面からの距離)を“0?m”にセットし,焦点面調整リングを手動で調整し,観察したい角膜層に焦点を合わせ,撮影を開始する.撮影モードは3種類ある.セクション:フットスイッチを踏むごとに静止画を取り込む.シーケンス:最大100枚までの連続画像(焦点面は手動で調整)を取り込むことができ,動画として再生も可能である.ボリューム:2?mごと(連続した2枚の焦点面の間隔が2?m)に30~40枚の画像を連続して自動的に撮影する.撮影にあたっては,被検者の固視が非常に重要であり,わずかなずれが観察部位,深度の判定に影響する.カメラ操作,焦点調整ともに手動であるため多少の経験が必要であるが,慣れれば角膜中央での角膜表層上皮細胞層から内皮面までの観察が可能であるのみならず,周辺角膜,さらには結膜まで観察が可能となる(図2).?本装置の利点本装置の利点は,従来の共焦点顕微鏡から飛躍的に改良された解像度にある.重症ドライアイや角膜の炎症性疾患では,個々の上皮細胞の質的観察が可能であるとともに,進入してきた炎症細胞が,リンパ球であるかLangerhans細胞であるかの観察までが可能である4)(図3).このようにHRTⅡ/RCMによって角膜のより詳細な構造,細胞レベルでの観察,診断が可能となった.もう一つの大きな利点は,非侵襲的にくり返し検査が可能である点があげられる.これは診断困難例をくり返し観察し,診断確定に役立てるとともに病状の変化を把握するうえで大きな利点であると思われる.今後,多方面からの経験が集積されることにより角膜診断における重要な検査機器となると推測される.文献1)CavanaghHD,JesteJV,EssepianJetal:Confocalmicroscopyofthelivingeye.??????16:65-73,19902)P?sterDR,CameronJD,KrachmerJHetal:Confocalmicroscopic?ndingsofAcanthamoebakeratitis.???????????????121:119-128,19963)Oliveira-SotoL,EftronN:Morphologyofcornealnervesusingconfocalmicroscopy.??????20:374-384,20014)ZhivovA,StaveJ,VollmarBetal:InvivoconfocalmicroscopicevaluationofLangerhanscelldensityanddis-tributioninthenormalhumancornealepithelium.????????????????????????????????243:1056-1061,2005(82)?本方法に対するコメント?生体レーザー共焦点顕微鏡の特徴は何といってもその驚くべき解像度である.角膜上皮,Bowman層,上皮下神経叢をはじめ,角膜のさまざまなコンポーネントがこれまでの白色光源共焦点顕微鏡で観察される画像よりもはるかに高解像度で観察できるようになった.また角膜のみならず,結膜やマイボーム腺の生体観察を可能にした点も新しい.一方,問題点としては,①得られる画像サイズが400?m四方と小さく,検査したい領域を素早く探すのには若干の慣れが必要,②本体と合わせると高価である,③モジュールの取り外しが面倒,④内皮の可視化がやや劣る,などがあげられる.とはいいつつも,本装置で得られる高解像度の眼表面の生体画像は多くの情報を提供してくれるため,筆者らの施設では,角結膜疾患に対する研究目的の用途のみならず,アカントアメーバ角膜炎の補助診断や,各種角膜疾患の詳細な経過観察などに大変重宝している.ab図3重症ドライアイのHRTII/RCM観察像a:角膜上皮表層.低輝度に抜けている範囲は点状表層角膜症に一致したdefect,炎症細胞の浸潤が高輝度な細胞として認められる.b:角膜上皮基底細胞~Bowman膜.多数のLanger-hans細胞浸潤が認められる.

眼感染症:眼感染症クライシス-世界の感染症と薬剤耐性菌-

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS交通網の発達に伴う経済・文化交流は,同時に世界の感染症や薬剤耐性菌の交流をも顕著に増大させた.このため日常の患者診療においてもグローバルな観点から感染症を把握することが重要となり,感染対策はウイルス感染症をも含み,より複雑になった.眼科診療においても例外ではなく2003年3月16日にオランダで家禽の選別に濃密に従事している関係者18名とその家族1名に結膜炎,流涙,腫脹,眼痛などを主症状としたHPAI(高病原性鳥インフルエンザ)による眼感染症が確認された.さらに,この症例でHPAIがヒトからヒトへと感染伝播する1)ことが証明され,以後,家禽業者・家族や周辺住民へのワクチン接種と抗ウイルス薬の予防投与が徹底された.このようにパンデミックな感染症も眼科と無縁ではなく,またエンデミックな結核や麻疹患者も絶えず外来を訪れている.医療の危機管理が社会的問題となり病院の情報公開が実施される今日,世界の感染症を対岸の火事と侮ってはいけない.■危機管理の必要な感染症とは世界の感染症を危機管理の立場から分類すると,表1のように大きく5群に分けられる.表には代表的な疾患名または略名を明記した.EIDクライシス:新興感染症とは,過去20年以内に発見された伝播力の強い感染症を意味し,現在,世界流行が危惧されているHPAIやSARS(重症急性呼吸器症候群)などが該当する.WHO(世界保健機構)は,インフルエンザの世界流行を防止する目的で,表2に示すよ(77)44.眼感染症クライシス─世界の感染症と薬剤耐性菌─眼感染症セミナー─クライシスコントロール講座─●連載?監修=浅利誠志井上幸次大橋裕一浅利誠志大阪大学医学部附属病院感染制御部/検査部2007年4月施行予定の改正医療法ですべての医療機関の情報公開が義務づけられ,専門医数,手術件数,対応可能疾患などが都道府県のホームページに掲載される.今後は,死亡率,手術成功率など「病院の実力」を示すデータの公示が義務づけられると思われるが,病院の実力を支える最も大きな支柱の一つは,感染症危機管理の徹底である.表1危機管理の必要な感染症とはERIDクライシス院内感染クライシスNBCクライシスEID:パンデミック多剤耐性菌バイオテロ対策・HPAI:高病原性鳥インフルエンザ・SARS:重症急性呼吸器症候群・ウエストナイル熱・エボラ出血熱・MRSA,MDRP,PRSP,MRSE,BLNAR,VRE,ESBLs・炭疽菌・ペスト菌・鼻疽菌・類鼻疽菌・野兎病菌ウイルス感染症・麻疹,水痘,風疹,ムンプス,EKC,HSVRID:エンデミックSTDクライシスNIDクライシス・結核・HIV/AIDS・土壌伝播線虫症・マラリア・性器クラミジア症・住血吸虫症・コレラ・淋病・リンパ系フィラリア症・赤痢・梅毒・トラコーマ・狂犬病・B型肝炎・オンコセルカ症ERID:新興・再興感染症,EID:新興感染症,RID:再新興感染症,NBC:核・生物・化学,STD:性行為感染症,NID:Neglectedinfectiousdiseases,MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌,MDRP:多剤耐性緑膿菌,PRSP:ペニシリン耐性肺炎球菌,MRSE:メチシリン耐性白色ブドウ球菌,BLNAR;b?ラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性ヘモフィルス属,VRE:バンコマイシン耐性腸球菌,ESBIs:拡張型b?ラクタマーゼ産生菌,EKC:流行性角結膜炎,HSV:単純ヘルペスウイルス,HIV:ヒト免疫不全ウイルス,AIDS:後天性免疫不全症候群.感染症は危機管理上,5群に分類すると理解しやすい.———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007うに「パンデミックインフルエンザ警報」を発し注意を促しており,現在はパンデミックアラート期のフェーズ3に位置している.このフェーズ3は,「新しい亜型によるヒト感染(複数も可)がみられるが,ヒト?ヒト感染による拡大はみられない,あるいは非常にまれではあるが密接な接触者への感染に留まる.」と,定義されており,今後の動向には注意が必要である.RIDクライシス:再新興感染症とは過去20年以前に発見されたがその後,継続的に強い伝播力を発揮している感染症である.経済大国世界第2位である日本の最大の感染症は結核で,2004年の新登録結核患者数は29,736人である.院内感染クライシス:院内感染対策上重要な微生物は,基本的に接触感染予防(①)の徹底で防止可能である.飛沫感染予防(②)が必要な感染症としては,風疹,ムンプス,インフルエンザ(Flu)などがあり,さらに,空気感染予防(③)が必要な感染症としては,麻疹,水痘,結核およびFluがある.標準予防策を体で習得し,これに重ねて①~③を適時使い分ける実践訓練が必要である.また,世界中で重要視されている薬剤耐性菌は表3に示すように9種あるが,VRSA(バイコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)は国内では検出されていない.治療に際しては,耐性菌の特性を十分に知ることが治療成績の向上と耐性菌の発生防止につながる.STDクライシス:性行為感染症のなかで毎年増加傾向がみられているのはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)で,2004年に新たに報告されたHIV感染者は780人(男性698人,女性82人),AIDS(後天性免疫不全症候群)患者は385人(男性344人,女性41人)であり,ともに前年を大きく上回り過去最高となっている.特徴としては,25~34歳群での報告数が顕著に増加している.また,淋病の特徴としては,多剤耐性化した淋菌が多く検出されているため,淋菌性結膜炎では薬剤感受性試験の実施により耐性菌の確認が必要である.NBCクライシス:核・生物・化学物質によるテロのなかで,炭疽菌やペスト菌などの微生物を用いたテロを生物テロとよぶ.2002年に米国内で発生した炭疽菌テロを契機に米国臨床検査標準化協会(CLSI:臨床検査の標準化を国際的に推進する組織)は,WHOの勧告に準じて表1の5菌種に対する検査法と薬剤感受性薬剤を標準化した.国内にはバイオテロ対策の検査基準がないため,有事の際はこの基準に準じて検査が行われる.NIDクライシス:おもに開発途上国で蔓延している感染症で軽視・無視されている感染症を意味する.近年はendemictropicaldiseasesとよばれている.土壌伝播線虫症に感染している患者は10億人以上,住血吸虫症2億人,フィラリア症1億2千万人,トラコーマ1億5千万人,オンコセルカ症1千8百万人と膨大な患者数(78)表3重要視されている薬剤耐性菌略号グラム染色日本語名英名MRSA陽性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌methicillin-resistant?????????????????????MR-CNSメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌methicillin-resistantcoaglasenegative?????????????VRSAバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌vancomycin-resistant?????????????????????VREバンコマイシン耐性腸球菌vancomycin-reisitant????????????spp.PRSPペニシリン耐性肺炎球菌penicillin-resistant????????????????????????BLNAR陰性b?ラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性ヘモフィルス属b-lactamasenegativeampicillinresistant????????????ESBLs拡張型b?ラクタマーゼ産生菌extended-spectrumb-lactamaseproducingbacteriaMDRP多剤耐性緑膿菌multidrug-resistant??????????????????????MDR-NG多剤耐性淋菌multidrug-resistant?????????????????????検査結果にこのような耐性菌コメントが付記されていたら治療薬剤を再考する!表2WHOによる現在のパンデミックインフルエンザ警報フェーズパンデミック間期12パンデミックアラート期345パンデミック期6国立感染症情報センターまたはCDCのホームページへアクセスし確認!———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??が推定されているが,一部の感染症を除き治療薬の開発は著しく遅れているのが現状である.今後,地球の温暖化と国際交流に伴い熱帯・亜熱帯特有の感染症は急激に増加すると思われるが,パンデミック・エンデミック感染症に対する感染防止対策の習得は医療従事者の責務である.■本年,施行される改正感染症法とは1999年4月1日に感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)が施行されてから間もなく8年を経過しようとしている.この間,感染症法は何度か見直しがされたが,さらに2006年12月8日に改正感染症法(法律第一〇六号,厚生労働省)が公布され本年より大幅に変わる.主な改正事項としては,1.生物テロや事故による感染症の発生・まん延を防止するため,一種病原体(ペスト菌など)~四種病原体(狂犬病など)までの病原微生物の所持,輸入等の禁止,許可,届出,基準の遵守等の規則が設けられ,無許可での病原菌保管や譲渡ができなくなる.2.近年の医学的知見に基づき感染症の分類が見直され,医師・獣医師の届出や慢性感染症に関する情報の収集および発生状況等の情報が公開される.3.これまで独立していた結核予防法が感染症法に位置付けられ,総合的な対策(健康診断,就業制限,入院及び医療など)が実施される.■シリーズ:眼感染症クライシスとは本シリーズでは,1年間を通じて主に薬剤耐性菌に関するわかりやすい情報を検査室から眼科医に提供する.具体的には,本総説(1)で概説した薬剤耐性菌について,2.グラム染色の効用について解説後,3.MRSA,4.MRSE,5.MDRP,6.ESBLs,7.PRSP,8.BLNAR,9.VRE,10.多剤耐性淋菌,11.????????????????????????と???????????????,12.エビデンスに基づく点眼剤の使い分け,という順番で掲載予定である.検査室からのアドバイスが眼感染症治療の一助になれば幸甚である.文献1)DuRyvanBeestHolleM,MeijerA,KoopmansMetal:Human-to-humantransmissionofavianin?uenzaA/H7N7,TheNetherlands,2003.?????????????10(12):264-268,2005(79)■コメント■「眼感染症セミナー─クライシスコントロール講座─」と題するシリーズが今回から始まる.企画を大阪大学医学部附属病院感染制御部/検査部の浅利誠志先生にお願いして,眼科医のためのワンポイントレッスンを多数組んでいただいた.よく考えれば,われわれの周囲は微生物だらけである.眼,特に角結膜は外界と接しており,感染の好発部位と言えるが,鳥インフルエンザウイルスで結膜炎が起こるという話には背筋がぞっとした.このシリーズで感染制御学の知識レベルをワンランク,アップさせていただければ幸いである.愛媛大学医学部眼科大橋裕一☆☆☆

光線力学的療法(PDT):照射範囲の決定

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS滲出型加齢黄斑変性(AMD)は視力予後が不良で,欧米では失明原因の第1位であり,わが国でも急増している疾患である.ベルテポルフィン(ビスダイン?,ノバルティスファーマ株式会社)を用いた光線力学的療法(photodynamictherapy:PDT)は,2004年5月より日本に導入され,脈絡膜新生血管(CNV)を伴うAMDに対して視力低下を抑制する目的で行われており,広く臨床的に適用されている1,2).PDTの適応は中心窩下CNVを伴うAMDであり,その適応の判断およびPDTの照射範囲の決定には,フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)をもとにして行うのが原則である.まずFA所見をもとに病変サイズを決める必要があるが,ここでいう「病変」とは,FA像から,classicおよびoccultCNV,出血,網膜色素上皮?離(PED),瘢痕を含めたものすべてを指す.CNVはclassicCNVが病変の50%以上を占めるpredominantlyclas-sicCNV,50%未満のminimallyclassicCNV,classic成分のないoccultwithnoclassicCNVに分けられる1).「病変」の範囲のなかで最大直径に値するものを最大病変直径(greatestlineardimen-sion:GLD,?m)とよぶ.PDT照射の際に使用するスポットサイズは病変部を完全にカバーできるようにするために,病変に500?mの縁どりを行い,つまりGLDに1,000?mを加えた値とする(図1).測定に使用するFA写真は機種により拡大率は異なるが,TOPCONの眼底カメラでは,実際の眼底の2.5倍に拡大される35?の写真を用いて測定する.しかし,視神経乳頭の耳側縁より200?m以内は照射を行ってはいけないので注意が必要である.また推奨されるGLDは5,400?m以下である1,2).網膜下出血が多い症例やPEDを伴う症例では,GLDは大きくなりやすい(図2,3).AMDの一型であるポリープ状脈絡膜血管症(PCV)は脈絡膜血管に由来する枝状の異常血管網とその先端の拡張したポリープ状病巣からなり,インドシアニングリーン蛍光眼底造影(IA)によって異常血管像が証明される.PCVは日本人に多く,PDTを行うケースに遭遇しやすい疾患である.PCVは網膜下出血や,PEDを伴いやすく,この場合IA所見から得られるポリープ状病(75)齋藤昌晃福島県立医科大学眼科光線力学的療法(PDT)セミナー監修/石橋達朗湯沢美都子4.照射範囲の決定ベルテポルフィン(ビスダイン?)を用いた光線力学的療法(PDT)は脈絡膜新生血管を伴う滲出型加齢黄斑変性に対して視力低下を抑制する目的で広く行われている.照射範囲の決定には,フルオレセイン蛍光眼底造影所見を参考にするのが原則であるが,症例によってはインドシアニングリーン蛍光眼底造影所見を参考にする場合もある.提供図2網膜下出血を伴う例:MinimallyclassicCNV網膜下出血のためGLDは大きくなる,GLD:5,944?m.図1GLDの測定:PredominantlyclassicCNVFAでのGLD測定,GLD:5,350?m.———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(00)巣と異常血管網の範囲は,FA所見で決めたGLDよりも小さくなりやすい.照射の際にFA所見を参考にするのか,IA所見を参考にするのか迷うことが多い(図3).最近ではPCVでの照射範囲の決定の際に,FAをもとにした標準的な方法(FA-guidedPDT)3)のほかに,IAをもとにした方法(IA-guidedPDT)の報告4)があり,いずれも治療成績は良好である.IA-guidedPDTの場合,IA像からポリープ状病巣および異常血管網を含む最大直径である「PCV病変サイズ」(?m)を測定する.なお,漿液性網膜?離,色素上皮?離,出血などの,滲出性病変はPCV病変サイズに含めない.PCV病変サイズに1,000?mを加えた値をスポットサイズとするのが一般的である.しかし,これまでにわが国ではPDTの治療成績に関する前向き研究の報告がなく,照射範囲の方法のどちらが臨床的に適しているかの検討もない.そこで現在,眼科PDT研究会がPCVに対するFA-guidedPDT,IA-guidedPDTに関しての前向き試験を行っており,その結果が待たれる.文献1)TreatmentofAge-RelatedMacularDegenerationwithPhotodynamicTherapy(TAP)StudyGroup:Photody-namictherapyofsubfovealchoroidalneovascularizationinage-relatedmaculardegenerationwithvertepor?n:one-yearresultsof2randomizedclinicaltrials─TAPreport.???????????????117:1329-1345,19992)JapaneseAge-RelatedMacularDegenerationTrial(JAT)StudyGroup:Japaneseage-relatedmaculardegenerationtrial:1-yearresultsofphotodynamictherapywithverte-por?ninJapanesepatientswithsubfovealchoroidalneo-vascularizationsecondarytoage-relatedmaculardegener-ation.???????????????136:1049-1061,20033)SpaideRF,Donso?I,LamDLetal:Treatmentofpolyp-oidalchoroidalvasculopathywithphotodynamictherapy.??????22:529-535,20024)ChanWM,LamDS,LaiTYetal:Photodynamictherapywithvertepor?nforsymptomaticpolypoidalchoroidalvas-culopathy.One-yearresultsofaprospectivecaseseries.?????????????111:1576-1584,2004図3網膜色素上皮?離を伴った症例:PCVa:橙赤色隆起病巣を認める.b:FA所見をもとにしたGLDの測定,GLD:7,289?m.c:IA所見を基にしたGLDの測定,GLD:3,290?m.PEDを伴う症例ではFA所見と,IA所見とではGLDに差がでやすい.bac

緑内障:マイトカイシンC併用繊維柱帯切除術後の眼圧日内変動

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS線維柱帯切除術は,マイトマイシンC(MMC)の併用で眼圧を長期に低くコントロールできるようになったため,緑内障の観血的手術として最も一般的な術式となっている.MMC併用線維柱帯切除術を含む濾過手術の眼圧日内変動に及ぼす効果については,これまで術前の平均眼圧を大きく下降させ,眼圧変動幅も著しく減少させることが報告されている1,2)が,MMC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動についての詳細な報告は少ない.そこで,筆者らは熟練した同一術者による初回のMMC併用線維柱帯切除術後で術後2カ月以上経過した原発開放隅角緑内障(広義)20例31眼を対象に,術後の眼圧日内変動をGoldmann圧平眼圧計で測定した3).その結果,全対象の各測定時刻の平均眼圧は終日低く安定していたが,わずかではあるが日内変動を認め10時の眼圧が1時の眼圧より有意に高かった(10時の眼圧9.9±3.9mmHg,1時の眼圧8.8±3.5mmHg,p<0.05)(図1).また,術後1日平均眼圧(眼圧日内変動で得られた全測定時刻の眼圧の平均値)と術後眼圧変動幅(術後最高眼圧-術後最低眼圧)の間には,有意な正の相関を認め,術後1日平均眼圧が低いほど,術後眼圧変動幅は小さかった(相関係数r=0.456,p<0.05)(図2).このことから,手術による治療効果を高めるためには,術後合併症を招かない範囲でできるだけ低い眼圧を目指す必要があるといえる.しかし,実際には,術後1日平均眼圧がかなり低くても,ある測定時刻だけ眼圧が上昇したため,術後眼圧変動幅が大きい症例もみられた.以下,具体例を2例呈示する.〔症例1〕69歳,男性で,2001年2月1日に左眼のMMC併用線維柱帯切除術を施行された.外来での左眼術後眼圧は5mmHgであった.2001年4月3日(術後62日)に眼圧日内変動を測定したところ,術後1日平均眼圧は7.8mmHgと低いものの,10時と19時で眼圧はspike状に上昇していたため,術後眼圧変動幅は7(73)●連載?緑内障セミナー監修=東郁郎岩田和雄79.マイトマイシンC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動中元兼二東京警察病院眼科マイトマイシンC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動を測定したところ,術後1日平均眼圧と術後眼圧変動幅の間には正の相関があり,術後1日平均眼圧が低いほど術後眼圧変動幅は小さかった.しかし,術後眼圧が低くても特定の時刻だけ眼圧がspike状に上昇する症例があり,術後眼圧の評価には注意が必要である.*平均値±標準誤差*p<0.05測定時刻(時)眼圧(mmHg)12111098761013161922137図1MMC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動原発開放隅角緑内障(広義)20例31眼を対象に,術後の眼圧日内変動を測定したところ,全対象の各測定時刻の平均眼圧は終日低く安定していたが,有意な日内変動があり,10時の眼圧が1時の眼圧より有意に高かった.(文献3より)術後1日平均眼圧(mmHg)術後眼圧変動幅(mmHg)8765432104681012141618r=0.456,p<0.05図2術後1日平均眼圧と術後眼圧変動幅との相関関係術後1日平均眼圧と術後眼圧変動幅の間には,有意な正の相関を認め,術後1日平均眼圧が低いほど術後眼圧変動幅は小さかった.(文献3より)———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007mmHgと大きかった(図3a).2001年5月1日レーザー切糸術を施行し,2001年6月9日(術後99日)に再度眼圧日内変動を測定すると10時と19時のspike状の眼圧上昇は消失し,術後1日平均眼圧は5.5mmHgとさらに下降し,術後眼圧変動幅も2mmHgと終日低く変動の少ない眼圧日内変動となった(図3b).〔症例2〕78歳,男性で,1995年11月16日に左眼のMMC併用線維柱帯切除術を施行された.外来での左眼術後眼圧は5~8mmHgであった.術後2,014日に眼圧日内変動を測定したところ,10時から3時までは眼圧は5~7mmHgと低く安定していたが,7時にspike状の眼圧上昇を認めた.しかし,続く10時には6mmHgまで下降していた(図4).以上のように,原因は明らかでないが,MMC併用線維柱帯切除術後においても外来眼圧が低くても眼圧日内変動を測定すると,ある測定時刻でspike状に眼圧が上昇するものがあることがわかった.このことから,特に外来の眼圧コントロールが良好で視野障害が進行する症例では,術後であっても積極的に眼圧日内変動を測定し,24時間を通して眼圧が良好にコントロールされているか評価したほうがよいと考えられる.文献1)佐藤出,陳進輝,大野重昭:緑内障手術前後における眼圧日内変動の検討.臨眼58:1973-1976,20042)MedeirosFA,PinheiroA,MouraFCetal:Intraocularpressure?uctuationsinmedicalversussurgicallytreatedglaucomatouspatients.?????????????????????18:489-498,20023)福田匠,中元兼二,安田典子ほか:マイトマイシンC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動.臨眼60:1961-1963,2006(74)測定時刻(時)眼圧(mmHg)2016128401013161922137測定時刻(時)眼圧(mmHg)2016128401013161922137ab図3症例1(69歳,男性)のレーザー切糸術前後の眼圧日内変動(左眼)a:術後62日の眼圧日内変動では,術後1日平均眼圧は低いが,術後眼圧変動幅は7mmHgと大きかった.b:レーザー切糸術後(術後99日)の眼圧日内変動では,眼圧変動幅が2mmHgと終日低く変動の少ない眼圧日内変動となった.測定時刻(時)眼圧(mmHg)14121086420101316192213710図4症例2(78歳,男性)のMMC併用線維柱帯切除術後の眼圧日内変動(左眼)術後2,014日に眼圧日内変動測定した.7時にspike状の眼圧上昇を認めたが,続く10時には6mmHgまで下降していた.☆☆☆

屈折矯正手術:屈折矯正手術-エンハンスメントの適応と実際-

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS屈折矯正手術後に予定矯正量より低矯正または過矯正となったため,あるいは裸眼視力が再度低下し(regression)追加矯正手術を行うことを一般にエンハンスメントと呼称している.現在ではエンハンスメントの対象症例はその大半がLASIK(laser???????keratomile-usis)手術後の低矯正またはregression症例に対する近視矯正であるため,本稿ではLASIK後の近視エンハンスメントの適応と手技に関して述べる.●エンハンスメントの適応エンハンスメントの適応決定には視力,年齢,屈折値,角膜厚,角膜形状,術後経過や経過期間などを考慮する必要がある.視力に関しては,患者が術後裸眼視力に満足できない状態がエンハンスメントの適応となり,裸眼視力が幾つ以下ならエンハンスメントを行うという絶対的な境界値は存在しない.エンハンスメント適応に年齢制限はないが,エンハンスメントを行う際に年齢を考慮するには二つの理由がある.一つは,高齢の患者にとって軽度の近視残存は良好な近方裸眼視力という利点を有するため,この点を十分に患者に説明してから適応決定を行う.もう一つは,若年者に比べ30歳以上の患者では術後regres-sion頻度がやや高く,屈折値の変化もやや長期にわたる傾向がある.このため高齢者のエンハンスメント適応は,若年者に比べ十分な経過観察を行い,できれば初回手術後6カ月は経過してから決定する.屈折値に関しては,初回手術前の屈折値と術後の残存近視量の値を考慮する必要がある.初回手術前屈折値が6D未満の症例では術後1カ月程度で屈折値はほぼ安定し,術後3カ月経過した時点でエンハンスメントの適応を判断しても問題はないが,術前9Dを超える強度近視の場合,術後のregressionが3カ月以上の長期にわたる場合があり1),屈折値が十分,安定するのを確認してからエンハンスメントの適応を決定する.術後残存近視量が0.5D未満とわずかな場合は,b-遮断薬点眼加療によるregression加療を優先するとともにエンハンスメントに伴う角膜上皮迷入などのリスクを十分説明してから手術を行う.角膜厚測定はkeratectasia予防のために重要である.確定した値ではないが,一般にはエンハンスメント後の残余角膜厚が400?mおよびフラップ厚が既知な場合はベッド厚250?mを残せる症例が適応となる.初回手術の角膜フラップ厚が不明な場合は慎重な検討を要する.初回LASIK術後に角膜上皮が肥厚したために角膜厚が増大し,残存ベッド厚が過大評価されしまう症例があることを忘れず,角膜厚に十分な安全量を残す2).角膜形状測定も角膜厚と並んでエンハンスメント適応(71)屈折矯正手術セミナー─スキルアップ講座─●連載?監修=木下茂大橋裕一坪田一男80.屈折矯正手術-エンハンスメントの適応と実際-江口秀一郎江口眼科病院屈折矯正手術後のエンハンスメントは患者の視力,年齢,術前および初回手術後の屈折状態,角膜厚,角膜形状,さらには術後経過や経過期間などを考慮して適応を決定する.特に角膜厚と角膜形状は術後keratectasia予防のために重要である.手術はリフティング法を基本とし,角膜上皮迷入防止に配慮した手技を要する.図1エンハンスメント術前にkeratectasiaを疑われた症例のOrbscan?結果角膜後面のエレべーションマップ(右上)で突出したエリアがある.前面エレベーションマップ(左上)の突出頂点と後面の突出頂点が非対称で位置が不一致である.Axialマップで上下の非対称性が強い.以上の所見が初回LASIK術前に円錐角膜が存在していた疑いが強い.———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007決定にきわめて重要である.特に走査型角膜形状解析装置Orbscan?を用いて,角膜前面のみならず角膜後面の形状と変化を定量的に測定することが重要である.角膜厚が十分に厚くとも,角膜後面の前方偏位量が大きい症例や,角膜前後面で突出頂点の位置が著しく異なる症例は,もともと円錐角膜症例であった疑いが強く,エンハンスメント適応としないほうが安全である(図1).初回手術の術後経過において,術後に角膜上皮?離,角膜上皮迷入やDLK(di?uselamellarkeratitis)がなかったか,ステロイド緑内障の既往がなかったかなどを確認し,これらの術後合併症を有した症例に対してはエンハンスメントを避ける.術後経過期間に関しては屈折値の安定を確認するため,最低でも初回手術後3カ月経過してからエンハンスメントを行うべきであるが,術前屈折値や年齢なども併せて考慮する必要がある点は前述した.●エンハンスメントの手術手技エンハンスメントは,初回手術時に作製したフラップを再?離するリフティング法と新たなフラップをマイクロケラトームで作製するリカット法に分かれる.初回手術後2~3年経過してもフラップとベッドの間の癒着はきわめて緩く,エンハンスメントにはリフティング法が主として用いられている.リフティング法でエンハンスメントを行う場合は,まず,細隙灯顕微鏡下にて27ゲージ注射針などを用いてフラップ縁をマーキングまたは小さく再?離し,エキシマレーザーに付随した顕微鏡下にてもフラップ縁を見失わないよう準備する.ときに細隙灯顕微鏡下でもフラップ縁の同定が困難な症例がある.そのような場合は,角膜をフルオレセイン染色してみると,フラップ縁が淡い混濁として観察でき,マーキングが容易となる.消毒後,顕微鏡下でフラップを正しい位置に戻すためのマークを置き,細隙灯顕微鏡下で付けたマーキングをガイドとしながらスパーテルを用いてフラップエッジを全周にわたり?離する(図2).この際,術後角膜上皮迷入やDLKを防止するため,角膜上皮損傷,欠損が最小限になるように留意する.初回手術でパンヌスからの出血があった部位ではフラップとベッドの癒着が強固で,フラップの?離はきわめて困難である.このような場合は,無理にフラップを牽引せずに剪刀にて癒着部位のフラップを切断したほうが手術侵襲が少ない.フラップ中央部?離はスパーテルや鑷子を用いてもよいが,層間洗浄針でBSS(balancedsaltsolution)を注入していくと容易に?離することが可能であるとともにフラップの乾燥も防止可能である(図3).フラップ?離後,エキシマレーザー照射を行う.レーザー照射後,角膜ベッドを十分に洗浄し,フラップをもとの位置に戻し,フラップ下に異物,角膜上皮細胞片がないことを確認する.初回手術に比べ角膜上皮に対する侵襲が強いので,治療用コンタクトレンズを装用させて手術を終了する.文献1)ChayetAS:Regressionanditsmechanismsafterlaserinsitukeratomileusisinmoderateandhighmyopia.??????????????105:1194-1199,19982)BrahmaA,McGheeCN,CraigJPetal:Safetyandpre-dictabilityoflaserinsitukeratomileusisenhancementby?apreelevationinhighmyopia.???????????????????????27:593-603,2001(72)図2エンハンスメント術中所見スパーテルを用いて術前マーキング地点よりフラップエッジを?離していく.図3エンハンスメント術中所見フラップエッジの?離が終了したら層間洗浄針でBSSを注入していくと容易に?離することが可能である.

眼内レンズ:Intraoperative Floppy Iris Syndrome(1)-症状と機序-

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS前立腺肥大症に対して排尿障害改善剤a1ブロッカーを内服している患者において,白内障手術中に「水流による虹彩のうねり」,「虹彩の脱出・嵌頓」,「進行性の縮瞳」を三徴とするintraoperative?oppyirissyndrome(IFIS,術中虹彩緊張低下症候群)が生じることが最近報告されている.2005年のASCRS(TheAmericanSocietyofCataractandRefractiveSurgery)において米国のChangとCampbellが提唱したのが最初で1),その後,種々の施設から同様の症例が報告され,わが国でも報告が相次いでいる.IFISは虹彩のトーヌスが低下し,rigidity(剛性)が損なわれている状態であり,術中のさまざまな段階において認められる.水流によって虹彩がうねる(図1,2),創口やサイドポート,あるいは超音波チップに虹彩が嵌頓・脱出する(図3,4),進行性に縮瞳する(図5)など(69)図4a超音波チップへの虹彩の嵌頓大鹿哲郎筑波大学大学院人間総合科学研究科機能制御医学専攻眼科学眼内レンズセミナー監修/大鹿哲郎245.IntraoperativeFloppyIrisSyndrome(1)─症状と機序─Intraoperative?oppyirissyndrome(IFIS,術中虹彩緊張低下症候群)とは,前立腺肥大症に対して排尿障害改善剤a1ブロッカーを内服している患者において,白内障手術中に「水流による虹彩のうねり」,「虹彩の脱出・嵌頓」,「進行性の縮瞳」を三徴とする虹彩異常が生じるものである.図1aUS時の水流による虹彩のうねり図1b図1aのシェーマ図2b図2aのシェーマ図2aI/A時の水流による虹彩のうねり図3a創口からの虹彩の脱出傾向図3b図2aのシェーマ図4b図3aのシェーマ———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(00)の症状がみられる.当初,米国では前立腺肥大症の排尿障害改善剤である塩酸タムスロシン(ハルナール?)を服用している患者に集中してIFISが発現するとされていたが,その後の調査で,a1受容体サブタイプ(a1A,a1B,a1D)のうちa1A受容体サブタイプに選択性が高い薬剤によってIFISが生じることが明らかになっている.前立腺と同じく,虹彩の散大筋でもa1A受容体がドミナントであることから,これらの薬剤が両者に影響しているものと考えられる.わが国では6種類の排尿障害改善剤が市販されているが,そのなかでa1A受容体サブタイプに選択性が高く,IFISを生じる可能性の高いものは3種類である(表1).なお,点眼のaブロッカーであるブナゾシンは受容体サブタイプ選択性が異なるため,IFISをひき起こすことはない.発生頻度は白内障手術患者中,米国で約2%1),わが国で約1%2)と報告されている.a1A受容体選択性ブロッカーを内服している患者ではさらに高く,40~60%でIFISが発症するとされている.文献1)ChangDF,CampbellJR:Intraoperative?oppyirissyn-dromeassociatedwithtamsulosin.???????????????????????31:664-673,20052)OshikaT,OhashiY,InamuraMetal:Incidenceofintra-operative?oppyirissyndromeinpatientsoneithersys-temicortopicala1-adrenoceptorantagonist.????????????????143:150-151,2007表1IFISを生じる可能性が高い排尿障害改善剤メーカー一般名商品名アステラス製薬塩酸タムスロシンハルナールハルナールD旭化成ファーマ日本オルガノンナフトピジルフリバスアビショットキッセイ薬品第一製薬シロドシンユリーフ図5進行性の縮瞳

コンタクトレンズ:カラーソフトコンタクトレンズを処方するうえでの注意点

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLSカラーソフトコンタクトレンズ(以下,カラーSCL)には,医療用として虹彩欠損症,無虹彩症,瞳孔異常などに処方される虹彩付きレンズと,整容用としてファッション目的,角膜白斑,虹彩異色症などに処方される美容用レンズ(表1)がある.本稿では,一般に屈折異常の矯正にも広く用いられている後者を処方するうえでの注意点について述べる.●処方適応の注意点本来,眼科医は屈折異常を矯正する医療を目的とした症例に対してのみコンタクトレンズ(CL)を処方するべきであるが,CLの処方と処方後の安全管理を行い得るのは眼科医のみであるため,ファッション目的でカラーSCLの処方を希望する症例に対しても関わらなければならないのが現状である.屈折異常の矯正を目的とする症例の適応は,一般的な球面ソフトコンタクトレンズ(SCL)と同様である.屈折矯正を必要としないファッション目的の正視やカラーSCLの規格外の度数の遠視,乱視の症例では,CL装用による視力が裸眼視力より低下しない状態(planoレンズあるいはレンズ下の涙液レンズによっても屈折が変化しない場合)であれば適応となる.カラーSCLの見え方への影響が大きいと予想される生活環境(暗所での就労者,運転手,良好な近方視力を要する近業従事者など)にある症例は適応とならない.カラーSCLに独特な注意点として,レンズのセンタリングに影響の出る極端な下三白眼(下方球結膜露出が著しい場合)や閉瞼不全(メイキャップによる二重瞼眼も含む)は適応とならないことがあげられる.着色部分に金属成分が含まれているカラーSCLでは,金属アレルギーの既往のある症例は適応とならないことがある.●フィッティングの注意点一般的なSCLのベースカーブ(BC)の選択時には,涙液交換が十分になるよう適度な動きがあることが優先される.カラーSCLでも,基本的には同様の考え方でBCを選択する.カラーSCLでは光学部の周辺に同心円状に着色部分があるため,見え方に影響を及ぼさないためと装着時の整容的観点から,一般的なSCLの処方時よりもセンタリ(67)塩谷浩しおや眼科コンタクトレンズセミナー監修/小玉裕司渡邉潔糸井素純TOPICS&FITTINGTECHNICS271.カラーソフトコンタクトレンズを処方するうえでの注意点表1カラーソフトコンタクトレンズ一覧レンズ名イリュージョンエレガンス(ナチュラルタッチ)デュラソフトカラーフレッシュルックカラーフレッシュルックカラーブレンドスーパーカラビュータイプFDA分類含水率ベースカーブ直径度数瞳孔径従来型Ⅰ37.5%8.3,8.6,8.9mm13.8mm±0~-10.00D5.2mm従来型Ⅰ38%8.4,8.7mm13.8mm±0~-6.00D5.1mm従来型Ⅲ38%8.3,8.6,8.9mm13.8,14.5mm+3.00~-20.00D5.0mm2週間頻回交換型Ⅳ55%8.6mm14.5mm+0.25~-8.00D5.0mm2週間頻回交換型Ⅳ55%8.6mm14.5mm+0.25~-8.00D5.0mm2週間頻回交換型Ⅰ38.5%8.7mm13.8mm-0.25~-8.00D5.0mmレンズ名フレッシュルックデイリーズカラーブレンドワンデーアキュビューカラーワンデーアキュビューディファインタイプFDA分類含水率ベースカーブ直径度数瞳孔径1日交換型Ⅱ69%8.6mm13.8mm-0.50~-6.00D5.0mm1日交換型Ⅳ58%8.5mm14.2mm+1.00~-9.00D5.4mm1日交換型Ⅳ58%8.5mm14.2mm+1.00~-9.00D7.7mmFDA:アメリカ食品医薬品局.———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(00)ングが重視される.さらに瞬目時と上下左右への視線の移動時のレンズの動きが少ないことが重視される.図1,2は上眼瞼圧が強く,角膜曲率半径(角膜形状)が小さいためレンズが下方にずれている例である.このような症例では,たとえ角膜曲率半径が小さくても標準のBC(?atなBC)を初めに装用させフィッティングを観察し,その結果によりBCに種類があれば,つぎにsteepなBCを選択する.センタリングが良好になっても,レンズの動きが少なく,装用経過中にtight?t化することが予想される場合には,レンズの種類を変えるか,処方を断念する.●屈折矯正の注意点カラーSCLでの見え方は,レンズの光学部以外が不透明あるいは半透明であるため,レンズの角膜上での安定位置と動き,瞳孔の大きさ,昼夜の時間帯,環境の明暗による影響を受けやすい.そのため処方検査時に視力が出にくく,過矯正を生じやすいので注意する必要がある.また検査室内では自覚的な見え方に満足が得られても,実際の使用で不満が出る場合があることを想定し,予想される見え方について説明しておく必要がある.●カラー選択の注意点カラーSCLは同じ系統のカラーであっても,種類により着色部分の虹彩紋理や透光性などの特徴が異なっている.レンズのカラーを選択する際には,この特徴により,装着時には装用者の虹彩の色とその濃淡の影響を受けて,色合いが異なって見えることを説明する.また装着状態での色合いの判断時には,他人と接する距離まで鏡から離れて観察するよう指導する.●装用指導時の注意点軽度の屈折異常,正視やoccasionaluseの症例では,カラーSCLをファッション装具としてのみ認識していることが多いと思われる.レンズ,ケア方法,装用方法の説明や指導の際には,高度管理医療機器としての理解が得られるようにレンズの角膜や結膜への影響や定期検査の必要性について十分に説明する.また,貸し借りの危険性,従来型カラーSCLでの一般的な使用期間(半年から1年以内)について装用開始前に理解させる.さらに,着色部分に金属成分を含むカラーSCLの装着状態でMRI(磁気共鳴画像)検査が施行されると,角膜障害を惹起する可能性があることを説明する.●定期検査一般的なCLの定期検査と同様に屈折検査,細隙灯顕微鏡検査,詳細な使用状況の聴取を行う.細隙灯顕微鏡検査では,必ずレンズをはずして角膜の状態を観察する.また使用中の従来型カラーSCLは実体顕微鏡で観察する.←図1カラーSCLの下耳側へのずれ→図2カラーSCLの下方へのずれ

写真:Glistening(グリスニング)

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page1あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??0910-1810/07/\100/頁/JCLS(65)柴琢也東京慈恵会医科大学眼科写真セミナー監修/島﨑潤横井則彦272.Glistening(グリスニング)①②③④図2図1のシェーマ①:glistening,②:レンズ前面,③:瞳孔縁,④:前?縁.図1Grade3のglistening(76歳,男性)水晶体乳化吸引術+眼内レンズ(PEA+IOL)術後6カ月頃よりglisteningを認め,術後1年6カ月頃には写真のようにgrade3(200/mm3)まで増加した.既往歴にコントロール不良の糖尿病があり,術中合併症はない.図3Grade2のglistening(82歳,男性)PEA+IOL術後4カ月頃よりglisteningを認め,術後1年頃には写真のようにgrade2(100/mm3)まで増加した.既往歴は特記すべきことはなく,術中合併症はない.図4Grade1のglistening(71歳,女性)PEA+IOL術後6カ月頃よりglisteningを認め,術後2年を経過しても写真のようにgrade1(50/mm3)のままである.既往歴にコントロール良好の糖尿病と高血圧症があり,術中合併症はない.———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(00)10年ほど前よりアクリルソフト眼内レンズAcrySof?(Alcon?)の光学部に,小輝点が認められることが報告されるようになった1).この小輝点はglisteningとよばれており,術後しばらく経過してから観察される.Glisteningはアクリルレンズに認めることが多いが,他素材のレンズにおいても発生することが報告されている2,3).すべての症例にglisteningを認める訳ではなく,程度もさまざまであるため(図1,3,4),その発生にはさまざまな要因が関与していることが推察される.その要因の一つにmolding製法とよばれる鋳型製法があげられている.この製法で作製されたレンズ内には材質の不均一な部分があり,そこにmicrovoidとよばれる小間隙が形成される.このレンズが眼内に挿入されることにより,房水がmicrovoidに取り込まれてきらきらと輝いて見えるという説である1).また,温度がその発生に関与しているとする報告も多く,レンズを高温環境や温度変化が大きい環境に暴露すると発生しやすくなるとされている4,5).前の説で解釈すると,温度変化によってレンズ内の不均一性が増すことによりmicrovoidが形成されやすくなり,そのことがglisteningの発生につながると考えられる.したがって,アクリルレンズを温水に浸水させて折りたたみやすくすることは,glisteningを発生しやすくする可能性があるため行うべきではない.Glisteningは,古くはアメリカで発売されていたアクリパックとよばれるレンズケースとともに滅菌処理されることにより出現し,日本や欧州で発売された車輪型のケースでは出現しないとされていた6).しかし,車輪型のケースで包装されたAcrySof?においても高頻度にglisteningを生じるという報告もされている7).当初は,glisteningが視機能に影響を与えることはなく,美容的な問題とされてきた.しかし,glisteningが発生したことによってコントラスト感度が低下した症例1)や,後発白内障治療のためのYAGレーザーのターゲット光が集光しない症例8)などが報告されていることより,美容的な問題と簡単に処理してよいものかは疑問である.現在のアクリルソフト眼内レンズは,各メーカーの技術開発により従来のものに比べてglisteningが発生しにくくなっているが,完全になくなったわけではない.視機能に異常がないという報告があることに甘んじることなく,一生涯患者の水晶体として機能する人工臓器である以上は,glisteningのまったく発生しないフォルダブル眼内レンズが開発されることが望まれる.文献1)DhaliwalDK,MamalisN,OlsonRJetal:Visualsigni?-canceofglisteningsseenintheAcrySofintraocularlens.???????????????????????22:452-457,19962)MilauskasAT,KershnerRM,ZiembaSL:Siliconeintra-ocularlensimplantdiscolorationinhumans.????????????????109:913-915,19913)宮田章,内田信隆,中島潔ほか:シリコーン眼内レンズのグリスニング発生実験.日眼会誌106:112-114,20024)ShibaT,MitookaK,TsuneokaHetal:InvitroanalysisofAcrySofintraocularlensglistening.????????????????13:759-763,20035)宮田章,内田信隆,中島潔ほか:アクリルレンズに発生する輝点とその発生モデル.日眼会誌104:349-353,20006)OmarO,PirayeshA,MamalisNetal:InvitroanalysisofAcrySofintraocularlensintheAcryPakandwagonwheelpackaging.???????????????????????24:107-113,19987)三戸岡克哉:眼内レンズの変化グリスニング.眼科診療プラクティス52:66-67,19998)三戸岡克哉,柴琢也,常岡寛ほか:Glisteningにより視機能低下を認めた眼内レンズ挿入眼の1症例.眼科40:1501-1504,1998

磁気共鳴画像(MRI)を用いた網膜,脈絡膜腫瘍の診断

2007年1月31日 水曜日

———————————————————————-Page10910-1810/07/\100/頁/JCLS眼内の腫瘍性病変に対するMRI検査の問題点としては,硝子体もT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を示すので,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈する一般的な病変はコントラストの面で判別しにくい.さらにMRIの解像度から,ある程度,腫瘍に厚み(3mm以上)がないと検出困難である.しかし,MRI検査が診断に非常に有用な情報をもたらす眼内腫瘍の症例もあるので,今回,MRI検査を用いた網・脈絡膜腫瘍の診断について概説する.I悪性腫瘍悪性の網・脈絡膜腫瘍で頻度が高いのは,脈絡膜悪性黒色腫,網膜芽細胞腫,転移性脈絡膜腫瘍,眼内悪性リはじめに一般に腫瘍性病変の確定診断は,生検あるいは摘出した腫瘍の病理組織学的検索によって行われることが原則である.最近の網膜硝子体手術の発達によって眼内に存在する網膜,脈絡膜腫瘍に対しても生検や摘出術が行われるようになってきたが,ある程度の視機能低下をひき起こすことは避けられない.また,悪性腫瘍を疑って眼球摘出を行い,術後の病理組織学的検索で良性であったという場合には患者のqualityoflife(QOL)を著しく損なってしまうこともある.そこで網膜,脈絡膜腫瘍に対してはさまざまな非侵襲的な方法を駆使して診断を目指すことが重要である.検眼鏡的所見,フルオレセイン蛍光眼底造影検査,インドシアニングリーン赤外蛍光眼底造影検査,超音波検査,シンチグラフィー,コンピュータ断層撮影(CT)検査,磁気共鳴画像(MRI)検査などが行われている.一般にMRI検査はT1およびT2強調画像での信号強度の特異性から種々の病変の診断に頻用されている(表1)1).多くの病変はT1強調画像で低~等信号,T2強調画像で等~高信号を示す.T1強調画像で高信号を示す病変は比較的少なく,脂肪を含む病変,高蛋白の?胞,悪性黒色腫,発症数日後から数カ月の出血などである.T2強調画像で低信号を示す病変も比較的まれで,悪性黒色腫,髄膜腫の一部,転移性腫瘍の一部,石灰化,出血後数日までの急性期血腫と数カ月以上経過した陳旧性血腫などである1,2).(59)??*HiroshiTakamura:山形大学医学部情報構造統御学講座視覚病態学分野〔別刷請求先〕高村浩:〒990-9585山形市飯田西2-2-2山形大学医学部情報構造統御学講座視覚病態学分野特集●最新の網膜硝子体検査あたらしい眼科24(1):59~63,2007磁気共鳴画像(MRI)を用いた網膜,脈絡膜腫瘍の診断???????????????????????????????????????????????????????????????高村浩*表1いろいろな病変の信号強度低信号高信号T1強調画像大部分の病変脂肪腫特に水を成分とする?胞奇形腫高い内容濃度,出血を伴う?胞黒色腫亜急性期の血腫T2強調画像黒色腫大部分の病変髄膜腫特に海綿状血管腫線維腫骨腫急性期,陳旧性の血腫(文献1の表1を改変)———————————————————————-Page2??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(60)ンパ腫である.1.脈絡膜悪性黒色腫脈絡膜悪性黒色腫は腫瘍に含まれるメラニン色素が磁性体であるためMRI検査でT1とT2が短縮し,T1強調画像で高信号,T2強調画像で低信号を呈するので,硝子体と鮮明なコントラストがみられるのが特徴である1,3).ガドリニウム(Gd-DTPA)造影では腫瘍は均一に造影される(図1).悪性黒色腫と同様のT1,T2強調画像のパターンを示すものに網膜芽細胞腫がある.発症年齢である程度区別できるが,比較的年齢の進んだ網膜芽細胞腫症例との鑑別が困難な場合がある4).また,腫瘍内のメラニンの多寡によってT1,T2強調画像の信号強度が変化することもある(図2).そこで,脈絡膜悪性黒色腫を診断するためのその他の検査所見として以下のようなものがあげられる.検眼鏡的に,黒色調で,ときに出血や網膜?離を伴う隆起性病変がみられること.フルオレセイン蛍光眼底造影検査でmultiplepinpointleaks,二重循環(doublecirculation),コロナ状の蛍光色素漏出などがみられること.インドシアニングリーン赤外蛍光眼底造影検査で腫瘍内血管が検出されること3,5).超音波検査でchoroidalexcavationやcollarbuttonshapeの所見がみられること6)などである.特に最近はN-isopro-pyl-p-[123I]-iodoamphetaminsinglephotonemissionCT(123I-IMPSPECT)の有用性が強調されている5,7)(図3).2.網膜芽細胞腫網膜芽細胞腫も脈絡膜悪性黒色腫と同様にMRI検査でT1強調画像で高信号,T2強調画像で低信号を示すが,T1強調画像で硝子体よりわずかに高信号を呈する8),T1強調画像で硝子体と等信号を呈する9),造影で腫瘍はほぼ均一に造影され著明な高信号を呈する8)とすa図1脈絡膜悪性黒色腫(72歳,男性)a:眼底所見.腫瘍は豊富なメラニン色素を伴って著明に隆起している.b:T1強調画像.腫瘍は著明な高信号を呈している.c:T2強調画像.腫瘍は著明な低信号を呈している.d:造影T1強調画像.腫瘍は均一に造影されている.bcd———————————————————————-Page3(61)あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??るものもある.網膜芽細胞腫では腫瘍内に石灰化がみられることがあるのでCT検査が有用である.その石灰化に対応してMRI検査では腫瘍内の信号強度が不均一にみられることがある(図4).3.転移性脈絡膜腫瘍転移性脈絡膜腫瘍のMRI所見は,T1およびT2強調画像とも外眼筋と等信号を呈するとか,T1強調画像で等~高信号,T2強調画像で低~等信号を呈し,中等度の造影効果を示すなどさまざまな所見を呈するとされる2,8).腫瘍は比較的扁平なものが多いと思われ,MRI検査での検出は困難である.肺や乳房などの他臓器の悪性腫瘍の既往があり,眼底で黄白色調の腫瘤をみた場合は,転移性腫瘍の可能性を考えるべきである.4.眼内悪性リンパ腫眼内悪性リンパ腫は,硝子体混濁を主とする病型と網膜滲出斑を主とする病型に大別される.網膜の病巣が隆起してみられることもあるが,MRI検査で検出できる図2脈絡膜悪性黒色腫(78歳,女性)a:眼底所見.b:眼球摘出時の腫瘍の肉眼所見.腫瘍はメラニン色素が乏しく,白色調である.c:T1強調画像.腫瘍は淡い高信号を呈している.d:T2強調画像.腫瘍は低信号を呈している.e:造影T1強調画像.腫瘍は不均一に造影されている.cdeab図3脈絡膜悪性黒色腫の123I-IMPSPECT所見腫瘍に一致して集積がみられる(矢印).(文献5より)———————————————————————-Page4??あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007(62)ほどの厚みはないので,眼内悪性リンパ腫をMRI検査で診断することは困難である.ステロイド治療が無効であるぶどう膜炎(仮面症候群)の臨床経過や網膜や硝子体の生検による細胞診,免疫組織化学的検討,遺伝子再構成,フローサイトメトリーなどの検索から確定診断に至る.硝子体液中のinterleukin-10/interleukin-6の比が1以上であることも悪性リンパ腫と炎症を鑑別するうえで有用とされている.II良性腫瘍良性の網膜,脈絡膜腫瘍には,脈絡膜血管腫,網膜血図4網膜芽細胞腫(3歳,女児.両眼性)a:T1強調画像.腫瘍は硝子体よりわずかに高信号である.b:T2強調画像.腫瘍は低信号で内部が一部不均一である.c:造影T1強調画像.腫瘍は不均一に造影されている(国立がんセンター中央病院眼科の鈴木茂伸先生のご厚意による).d:CT所見(0歳,男児.両眼性).腫瘍内の石灰化がみられる.abcd図5脈絡膜骨腫(41歳,女性)a:CT所見.右眼球の後壁に骨と同じ吸収値をもつ扁平な病変がみられる.b:T1強調画像.c:T2強調画像.MRI検査では病変は検出できない.abc———————————————————————-Page5(63)あたらしい眼科Vol.24,No.1,2007??管腫,脈絡膜母斑,網膜色素上皮肥大,視神経乳頭上黒色細胞腫,脈絡膜骨腫などがあるが,一般に扁平で,サイズも小さいのでMRI検査で検出されることは少ない.そのなかで,脈絡膜血管腫はT1強調画像で硝子体よりわずかに高信号を呈するが,メラニンに富んだ悪性黒色腫に比べて信号強度は低いとされる.T2強調画像では硝子体より若干低い程度で,造影すると均一に高信号を呈するとされている2,8).また,脈絡膜骨腫の診断にはCT検査が有用である2)(図5).おわりに網膜,脈絡膜腫瘍のなかでも著明な隆起を示す悪性黒色腫や網膜芽細胞腫に対してはMRI検査が診断に大きな威力を発揮する.しかし,ときに典型的なMRI所見を呈さない場合もあるので,MRI検査以外の種々の検査を組み合わせて総合的に診断することが必要である.稿を終えるにあたりまして,貴重な網膜芽細胞腫症例のMRI検査画像をご提供いただきました国立がんセンター中央病院眼科の鈴木茂伸先生に深く感謝いたします.文献1)百島祐貴:MRI.眼科診療プラクティス90,眼窩疾患の診療(丸尾敏夫,坂上達志,本田孔士ほか編),p84-87,文光堂,20032)木村肇二郎,志賀逸夫,中村裕ほか:MRI診断のポイント.症例編.眼科MRIガイドブック(慶應義塾大学病院眼科眼窩外来編),p29-57,金原出版,19983)高村浩,佐藤武雄,高橋茂樹:脈絡膜悪性黒色腫の蛍光眼底造影所見と病理組織学的所見の比較検討.眼臨93:50-57,19994)笠木靖夫,山口克宏,高橋茂樹:11歳の男児に発症した片眼性網膜芽細胞腫の1例.眼臨93:78-81,19995)後藤浩:眼科領域の悪性黒色腫と悪性リンパ腫のマネージメント:眼と全身の連携.あたらしい眼科19:593-602,20026)佐野秀一:眼内腫瘍.眼科診療プラクティス50,眼科で診る腫瘍性疾患(柏井聡,丸尾敏夫,本田孔士ほか編),p34-37,文光堂,19997)GotoH:Clinicale?cacyof123I-IMPSPECTforthediag-nosisofmalignantuvealmelanoma.????????????????9:74-78,20048)佐野秀一:ぶどう膜腫瘍.眼内腫瘍(箕田健生編),p29-130,金原出版,19999)志賀逸夫:MRI.眼科診療プラクティス24,眼窩疾患と画像診断(小口芳久,丸尾敏夫,本田孔士ほか編),p78-87,文光堂,1996