MAIT細胞とぶどう膜炎MAIT細胞とは従来型のCT細胞は多様性に富むCT細胞受容体(TCcellreceptor:TCR)を発現し,抗原提示細胞により提示されたペプチドを認識します.それら従来型のCT細胞とは異なる,単一性のCTCRをもつ自然免疫型CT細胞が自己免疫性疾患,癌,感染症といったさまざまな病態制御にかかわることが明らかとなり,近年注目されています.自然免疫型CT細胞の一つであるCmucosal-associatedCinvariantCTcells(MAIT)細胞は,固有のインバリアントなCTRAV1-2/TRAJ33鎖と限られたCTCRCb鎖とペアになったCT細胞受容体を介して,主要組織適合性複合体クラスCI関連遺伝子蛋白質(MR1)によって提示された微生物のビタミンCBC2前駆体由来の代謝物を認識します.MAIT細胞は末梢血,腸管粘膜固有層,肝臓に存在し,とくにヒト末梢血ではCT細胞中のC5.10%を占め,インターロイキン(interleukin:IL)-2,IL-17A,IL-10,IL-22,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyteC-macrophageCcolony-stimulatingfactor:GM-CSF),グランザイムB,腫瘍壊死因子(tumornecrosisfactor:TNF)C-aといった炎症性サイトカインや組織修復因子を分泌し,免疫制御にかかわることが報告されています1).炎症性疾患の中でも,Crohn病や潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患,関節リウマチや強直性脊椎炎を含む自己免疫性関節炎では,それぞれ活性化したCMAIT細胞が炎症粘膜組織や滑膜組織に移行し,各種サイトカインを産生していることが明らかになっています.また,多発性硬化症においては,MAIT細胞がCB細胞を介したCIL-10産生により病態改善に働くことが,マウスモデルを用いた実験で報告されています1).近年,疾患ごとに腸内細菌叢が異なることがあいついで報告され,その病態制御メカニズムが注目されています2).またCMAIT細胞と腸内細菌との関連性も明らかになってきており1),今後それぞれの疾患において,MAIT細胞の機能制御にかかわる腸内細菌や,それらが産生するCMAIT細胞認識代謝産物が明らかとなれば,新たな創薬ターゲットとなる可能性があり注目されています.眼の領域ではどうでしょうかぶどう膜炎の中で典型的な自己免疫疾患といえば,Vogt・小柳・原田病(Vogt-Koyanagi-Haradadesease:VKH)があげられます.VKHは,ステロイド治療開始後も炎症が遷延化する例がC20%程度あります.これまでCCD4陽性CT細胞が発症に関与することが知られていましたが,遷山名智志九州医療センター眼科IL-22産生ぶどう膜炎の軽減視機能保護MR1MAIT細胞微生物のビタミンB2前駆体由来の代謝物図1MAIT細胞の自己免疫性ぶどう膜炎における役割MAIT細胞がCIL-22を介してぶどう膜炎を軽減した.延化する原因は明らかになっていません.そこで,筆者らはマスサイトメトリー解析にて,炎症が遷延化した症例と寛解した症例の末梢血単核球の比較を行いました.解析の結果,遷延化した症例ではCMAIT細胞が有意に減少していることがわかりました.そこで実験的自己免疫性ぶどう膜炎マウスモデルを用いてぶどう膜炎におけるCMAIT細胞の働きを解析したところ,おもにCIL-22産生を介してぶどう膜炎の軽減や視機能保護に寄与していることがわかりました3)(図1).今後の展望腸内細菌は約C1千種,40兆個以上存在すると考えられており,消化吸収の促進,免疫系の調節に関与し,そこでは腸内細菌由来代謝産物が重要な役割を担います2).実際に炎症性腸疾患,糖尿病,肥満症,自己免疫疾患では,腸内細菌由来代謝産物を認識するCMAIT細胞が病態制御にかかわることが明らかとなっています1).さらに筆者らは,MAIT細胞が自己免疫性眼疾患において病態改善効果を有することを見いだしました3).今後さらに腸内細菌によるCMAIT細胞の機能制御機構が明らかとなれば,ステロイドなどの免疫抑制薬を用いずに,腸内細菌を利用したぶどう膜炎治療を行うことが可能になる時代も来るかもしれません.文献1)GodfreyCDI,CKoayCH-F,CMcCluskeyCJCetal:TheCbiologyCandCfunctionalCimportanceCofCMAITCcells.CNatCImmunolC20:1110-1128,C20192)DurackJ,LynchSV:Thegutmicrobiome:RelationshipswithCdiseaseCandCopportunitiesCforCtherapy.CJCExpCMedC216:20-40,C20193)YamanaS,ShibataK,HasegawaEetal:Mucosal-associ-atedCinvariantCTCcellsChaveCherapeuticCpotentialCagainstCocularCautoimmunity.CMucosalCImmunolC15:351-361,C2022C(67)あたらしい眼科Vol.41,No.1,2024C670910-1810/24/\100/頁/JCOPY