ぶどう膜炎診療における半世紀の歴史と変遷TheHistoryandChangesintheClinicalPracticeofUveitisintheLastHalfCentury望月學*はじめに昭和C48年(1973年)に私は大学を卒業して眼科研修医となり,そのC2年後にぶどう膜炎専門外来に所属してぶどう膜炎診療に携わるようになり現在に至っている.いつの間にかC50年近い歳月をぶどう膜炎診療とともに過ごした.期せずして今回の特集テーマ「眼科診療における半世紀の歴史と変遷」を実際に体験したことになる.そこで,当時のぶどう膜炎診療を振り返りながら,このC50年の間に私自身が見聞きし経験したぶどう膜炎診療の歴史と変遷を述べるとする.CIぶどう膜炎診療における半世紀のパラダイムシフト今から約半世紀前のC1973年C4月に私は東京大学眼科で“オーベン”の先生の手ほどきを受けながら眼科医として歩み始めた.その頃の私自身と東京大学眼科のぶどう膜炎診療の結果を思い浮かべてみよう.当時のぶどう膜炎診察機器は,細隙灯顕微鏡,Gold-mann眼圧計,隅角鏡,単眼倒像鏡のほかに眼底カメラ,フルオレセイン蛍光造影(.uoresceinangiography:FA),そしてCBモードエコーくらいだったろうか.治療薬もたとえばCBehcet病に対しては副腎皮質ステロイドとコルヒチン,シクロホスファミドなどのわずかな免疫抑制薬に限られていた.今振り返ると,当時のぶどう膜炎診療の際立った特長は,1)ぶどう膜炎の原因疾患の種類がきわめてわずか,2)Behcet病患者が多く視力予後もきわめて不良,3)感染性ぶどう膜炎,とくにウイルス性疾患の診断と治療はほとんどお手上げ状態,の3点であろう.表1に,1974~1977年の東京大学眼科のぶどう膜炎臨床統計1)とC2016年の全国ぶどう膜炎疫学調査2)を示す.この半世紀の間にぶどう膜炎のリストから消えた疾患(中心性網脈絡膜炎,Reiter病),減少したもの(Behcet病),新たに出現した疾患〔ヘルペス性虹彩炎,急性網膜壊死,サイトメガロウイルス網膜炎,HTLV-1関連ぶどう膜炎などのウイルス性疾患,MEWDS,APMPPEなどの色素上皮関連疾患,悪性疾患(眼内リンパ腫)など〕,あるいは増加した疾患(サルコイドーシス)などさまざまである.1974~1977年のぶどう膜炎臨床統計1)では,中心性網脈絡膜炎を除く本来のぶどう膜炎の原因疾患の第一位はCBehcet病(17.6%),ついでCVogt・小柳・原田病(7.7%),サルコイドーシス(5.6%)で,ぶどう膜炎の原因としてあがっているのはわずかにC15疾患であり,なかでもウイルス性疾患は皆無であった.一方,2016年のぶどう膜炎調査2)で第1位はサルコイドーシス(10.6%),ついでCVogt・小柳・原田病(8.1%),ヘルペス性虹彩炎(6.5%)であり,40以上もの疾患があげられ,ウイルス性と診断された疾患が全体のC10%を超している.さらに重要な変化は治療と視力予後である.50年前にはC50%以上のCBehcet病患者が発病からC5年以内に矯正視力C0.1以下に陥っていた3).一方,生物製剤の登場した現在では失明に至る新規発症のCBehcet病患者はほ*ManabuMochizuki:宮田眼科病院,東京医科歯科大学眼科〔別刷請求先〕望月學:〒180-0005東京都武蔵野市御殿山C2-11-12C0910-1810/21/\100/頁/JCOPY(83)C1447表1ぶどう膜炎疫学における半世紀の変遷(1974~1977年vs.2016年)1974~C1977年*2016年**疾患%疾患%中心性網脈絡膜炎(増田型)Behcet病Vogt・小柳・原田病サルコイドーシスPosner-Schlossman症候群眼トキソプラズマ症眼結核中心性網脈絡膜炎(Rieger型)転移性眼内炎周辺性ぶどう膜炎Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎Reiter病全眼球炎若年性関節リウマチヘルペス性ぶどう膜炎眼ヒストプラズマ症強直性脊椎炎梅毒性ぶどう膜炎糖尿病性虹彩炎分類不能24.1C17.6C7.7C5.6C5.4C3.5C2.5C2.0C0.4C0.4C0.3C0.2C0.2C0.2C0.2C0.1C0.1C0.1C0.1C29.6CサルコイドーシスC10.6Vogt・小柳・原田病C8.1ヘルペス性虹彩炎C6.5急性前部ぶどう膜炎C5.5強膜ぶどう膜炎C4.4Behcet病C4.2悪性疾患C2.6急性網膜壊死C1.7Posner-Schlossman症候群C1.7糖尿病性虹彩炎C1.4サイトメガロウイルス網膜炎C1.2中間部ぶどう膜炎C1.0真菌性眼内炎C0.9HTLV-1関連ぶどう膜炎C0.9細菌性眼内炎C0.9眼結核C0.9眼トキソプラズマ症C0.9多発消失性白点症候群C0.8網膜血管炎C0.8関節リウマチ関連ぶどう膜炎C0.7ぶどう膜炎患者総数(人)C1,066Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎C0.7C炎症性腸疾患関連ぶどう膜炎C0.7他の色素上皮脈絡膜炎C0.6水晶体起因性ぶどう膜炎C0.6間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(TINU)C0.5JIA以外の若年性虹彩毛様体炎C0.5梅毒性ぶどう膜炎C0.5若年性特発性関節炎関連ぶどう膜炎(JIA)C0.5急性後部多発性斑状色素上皮症(APMPPE)C0.5多巣性脈絡膜炎C0.4地図状脈絡網膜症C0.3Bartonellahenselaeぶどう膜炎C0.2乾癬性ぶどう膜炎C0.2交感性眼炎C0.1眼トキソカラ症C0.1他のウイルス性ぶどう膜炎C0.1風疹関連ぶどう膜炎C0.1Epstein-Barrウイルス関連ぶどう膜炎C0.1その他C0.7分類不能C36.6Cぶどう膜炎患者総数(人)C5,378C*文献C1の表C2と表C3を合わせ,疾患名は日本眼科学会眼科用語集(第C6版)に準じ患者数に順じ並べ,許可を得て転載した.**文献C2のCTable1を許可を得て転載した.疾患名は日本眼科学会『眼科用語集』(第C6版)に準拠して和訳表示した.Yearsnanoporetargetedsequencing2020OCTAadalimumabcomprehensivePCRwide-viewophthalmoscope2010EDI-OCTin.iximabSD-OCT2000OCTmycophenolatePCRICGAmofetil1990lasercell-.arecyclosporinemeter19801970ImagingtestsImmunosuppressantsMoleculardiagnosis&Biologics図1半世紀のぶどう膜炎パラダイムシフトとぶどう膜炎診療の変遷X軸はぶどう膜炎診療の変遷に大きく貢献したC3つの要素(imagingCtests,CimmunosuppressantsC&biologics,Cmoleculardiagnosis)の主要な項目を示す.Y軸はそれらの項目がぶどう膜炎診療に応用されはじめたおおよその年代(西暦)を示すEDI-OCT:enhanceddepthimagingopticalcoherencetomography,ICGA:indocyaninegreenangiography,OCT:opticalCcoherenceCtomography,OCT-A:opticalCcoherenceCtomographyCangiography,PCR:polymeraseCchainCreaction,SD-OCT:spectralCdomainCopticalCcoherenceCtomographyCと病態の理解が飛躍的に進展した.さらに,1990年代後半に登場した光干渉断層法(optiC-calcoherencetomography:OCT)はぶどう膜炎に限らずあらゆる眼科分野の進展に大きく貢献した.その後,高解像度のCspectralCdomainOCT(SD-OCT)が開発され,患者に侵襲をまったく与えることなく網膜の微細構造をあたかも病理標本でみるがごとくに詳細に描出することが可能になった.これらのCOCTでは網膜より深層にあり多くのぶどう膜炎の主たる病変部位である脈絡膜の描出は不鮮明であった.しかし,Spaideら9)により開発されたCenhancedCdepthCimagingOCT(EDI-OCT)は脈絡膜の描出を可能にし,これにより患者に侵襲を加えることなく多くの眼底疾患の病態診断ができるようになった.しかも,周辺網膜までC1枚の写真で撮影できる広角度(wide-view,super-wideviewophthalmoscope)の眼底撮影機器の開発と相まって,眼底病変を周辺まで見落とすことなく診断できるようになった.FAとCIAは造影剤を静注する必要があり,造影剤に対するアレルギー反応のリスクが常に存在する.光干渉断層血管撮影(OCTangiography:OCTA)は造影剤を投与せずに網膜と脈絡膜の血管,新生血管,血管閉塞などを描出できる画期的な検査である10).ただし,現在のOCTAは血管炎の診断に必要な情報のひとつである血管からの漏出(vascularleakage)は描出できない.CIIIMoleculardiagnosis半世紀前の眼科医にとって眼内の感染症(感染性ぶどう膜炎,感染性眼内炎)は悪夢であった.細菌と真菌については前房水や硝子体液も用いて顕微鏡検査と培養が可能であるが,陽性率が低く診断がつかないことが多く,ウイスルは顕微鏡検査も培養も臨床レベルでは不可能であった.したがって,血清中の特異抗体や皮内反応に基づいて診断していたが,当時の私はこのような状況証拠のような根拠に基づく診断ではなくて,眼内の病変局所検体を用いてウイルス,細菌,真菌の存在を直接的に同定する診断法ができないものかと,強く願望していたことを覚えている.1985年にCSaikiら11)により初めて報告されたポリメラーゼ連鎖反応(polymeraseCchainreaction:PCR)法は,短時間のうちに特定の標的CDNAを何百万倍にも増幅する方法で,ごくわずかな検体に含まれるウイスルなどの病原微生物のCDNAを高い感度(sensitivity)と特異度(speci.city)で検出同定できる.入手可能な検体が0.1Cml程度の微量な眼内液で勝負しなければならない感染性ぶどう膜炎の診断にCPCR法はきわめて有用であり,臨床へのインパクトは計り知れないものであった12).実際にC1992年にCNishiらはCPCR法を用いてC3症例の急性網膜壊死患者の前房水から水痘帯状疱疹ウイルスのDNAを検出し,ぶどう膜炎診断への有用性を初めて報告した13).当時のCPCRは単一の病原体の同定に限られていたが,その後,多くの病原体CDNAを同時に測定できるCmultiplexPCRが開発され,さらに,8種類のヒト・ヘルペスウイルス,トキソプラズマのCDNAを定性PCRでスクリーニングし,陽性のCDNAをさらに定量PCRによりウイルス量を測定するCcomprehensiveCPCRCsystem14),最近では検体からCDNAを抽出する過程を省いて直接検体をCPCR測定できるCdirectPCRなど,さまざまな開発・改良が行われた.PCR検査により初めて診断が可能になった疾患は数多くあり,ぶどう膜炎の原因疾患が増加したのはCPCRによるところが大きい.その代表例が単純ヘルペス,水痘帯状ヘルペスウイルス,サイトメガロウイスルなどによるヘルペス性前部ぶどう膜炎で,その診断と臨床像の解析15)はCPCR法なくしては不可能である.感染性ぶどう膜炎を扱う眼科医にとって夢のような検査法と思われるCPCR法にも制約がある.PCR法は,既知の病原微生物のCDNAの特定の領域を標的として増幅するので未知の病原微生物に対応できないこと,またウイルスCDNAの検出には優れているが,種類とバリエーションがきわめて多い細菌や真菌には不向きなことなどである.最近の病原微生物の検出同定はCPCRからCDNAシークエンスの時代へと移行しつつある16).十数年前に開発された第三,第四世代のCDNAシークエンサー(nano-poreCtargetedsequencing:NTS)は電流により直接的にCDNA情報を読み取ることができる.したがって,PCRのように既知の標的CDNA(probe)を用いてCDNA増幅する必要がないため,未知の病原微生物のCDNAを1450あたらしい眼科Vol.38,No.12,2021(86)検出でき,検出したCDNAは日々集積され更新されているCDNAデータバンクの遺伝子情報とコンピューター照合して病原微生物の同定を行う16).Huangら17)は,臨床的に感染性眼内炎と診断されたC18例の前房水または硝子体液を用いて,従来の培養とCNTSとを比較した.培養の陽性率はC47.1%であったのに対して,NTSの陽性率はC18例中C17例(94.4%)であり,培養で陽性であった検体の菌種とCNTSで同定された菌種はほぼ完全に一致していた.このように次世代シークエンサーを用いることで,ごく微量の眼内液検体でウイルス,細菌,真菌の病原微生物が同定できて,感染性ぶどう膜炎の診断,あるいは,その除外が可能な時代が到来しつつある.CIV生物製剤1980年代までのCBehcet病の治療には副腎皮質ステロイドとシクロホスファミド,アザチオプリン,コルヒチンなどの限られた免疫抑制薬しかなく,これらの治療でも約半数の患者が発病からC5年以内に視力C0.1以下の失明状態に陥っていた3).1980年代になり登場したシクロスポリン,タクロリムス,あるいはミコフェノレール酸モフェチル(セルセプト)などの新しい免疫抑制薬によりCBehcet病の視力予後はそれ以前に比べて改善した.しかし,Behcet病をはじめとする難治性非感染性ぶどう膜炎の治療と予後に画期的な変革をもたらしたのは,生物製剤による分子標的治療である.炎症性サイトカインであるCTNF-aに対するキメラ型モノクローナル抗体であるインフリキシマブ(点滴静注)のCBehcet病に伴う難治性ぶどう膜炎への有効性と安全性がわが国での臨床試験で証明され18,19),従来のシクロスポリンや副腎皮質ステロイドでは治療困難であったCBehcet病の眼炎症が抑制され,Behcet病の視力予後が著しく改善した.その後,2010年代にヒト型CTNF-aモノクローナル抗体であるアダリムマブ(ヒュムラ)が非感染性ぶどう膜炎の治療に有効であることが前向き国際多施設共同臨床試験で示され20,21),多くの国で非感染性ぶどう膜炎の治療に用いられている.今日,関節リウマチや炎症性腸疾患など膠原病の分野では,TNF-a阻害薬のほかにも抗CIL-6モノクローナル抗体など非常に多くの種類の生物製剤が用いられ,今後,これらの生物製剤はぶどう膜炎の診療にさらに大きな変化をもたらすであろう.CVぶどう膜炎の診断基準前述の要素のほかにも,この半世紀の間にぶどう膜炎診療を大きく変化させたものが多くある.なかでも疾患の診断基準は診療に大きく影響するので,ぶどう膜炎疾患の診断基準の変遷に少し触れる.Behcet病やサルコイドーシスはわが国の厚生省ベーチェット病研究班や日本サルコイドーシス肉芽腫性疾患学会などが主導していち早く診断の手引きや診断基準が確立されわが国で広く用いられていた.サルコイドーシスについては,本症に特徴的な眼所見(肉芽腫性ぶどう膜炎)と全身検査との組み合わせで眼サルコイドーシス(ocularsarcoidosis:OS)の国際診断基準が提唱され22),2019年に改定された23).急性網膜壊死はその病因がヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルスと水痘帯状疱疹ウイルス)であることが解明されたにもかかわらず,その後も長く臨床所見と臨床経過とだけに基づいた国際基準24)が用いられていた.最近,PCRの時代にふさわしいウイルス診断を取り入れた新しい診断基準が提唱されている25).眼結核(oculartuberculosis)は古くて新しい病気である.PCRと免疫学的検査が普及した過去C15年間にその診断と治療について活発な研究がなされ,多くの成果が国際誌に報告され,大きな注目を集めている.その多数の論文を引用するのは控えるが,代表的なものを一つだけあげる26).これらの診断基準は,ぶどう膜炎の専門家の間でアンケート調査や各人の経験に基づいたデータを持ち寄って討議するコンセンサス・ミーティングで作られるのが常であった.しかし,ごく最近,StandardizationofUveitisNomenclature(SUN)ワーキンググループは従来と異なるアプローチを用いて,25種類のぶどう膜炎疾患(急性網膜壊死27),Behcet病28),サイトメガロウイルス前部ぶどう膜炎29),サルコイドーシス30)など)の“classi.cationcriteria”を提唱した.その手法は,①世界中のぶどう膜炎専門家に依頼してそれぞれのぶどう膜炎疾患に典型(87)あたらしい眼科Vol.38,No.12,2021C1451的と思われる症例を集め(casecollection),②集まった症例の中から典型的な症例を選別し(caseselection),③最後にその典型的な症例の臨床像をコンピューターに入力して他の疾患と分類できる点を学習(machinelearning)させる方法である31).いろいろな分野で取り入れられている人工知能(arti.cialintelligence:AI)を用いた方法といえよう.今後,提案されたCSUNワーキンググループのぶどう膜炎各疾患のCclassi.cationcrite-riaの有用性が検討されるであろう.おわりに半世紀にわたるぶどう膜炎診療の実体験と現在に至るまでの歴史と変遷を思いつくままに述べてきた.現在は,目を凝らして眼底を観察し隅々まで自らの手でスケッチしながら眼底疾患を学ぶこともなく,手軽に広角眼底写真をC1枚撮るだけで正確に眼底の隅々まで記録できて,それに基づいて容易に診断ができる時代になった.今から半世紀後といわずに近未来において網脈絡膜,視神経の再生が臨床レベルで治療に用いられ,あるいは,医師があたかも網膜や脈絡膜の中に立って病変を観察できる眼内三次元バーチャル画像診断の実現も夢ではないであろう.一方で,さまざまな画像情報,全身検査結果,眼内液の検査結果をコンピューターに入れれば,「x%の確率で診断はCA疾患,もっとも勧められる治療オプションはCBです」,などとプリントアウトさされる時代が来るのであろうか.便利ではあるが,正確でもあろうが,本当にそんな時代の到来を望むだろうかと自問する.先日,テレビで兵器を搭載しコンピューター制御だけで動くドローンのニュースをみた.人智の関与を一切排除しているので,敵と判断すれは躊躇なく攻撃する冷たく不気味な近未来兵器であった.行き過ぎた科学技術が生み出したCSFアニメのような世界が現実のものとなっていることに少なからずショックを受けた.優れた画像診断,分子・遺伝子診断,標的治療,再生医療,AI医療,コンピューター管理などは,われわれにとって便利で享受すべき恩恵であろう.しかし,行き過ぎてあのドローンのようにならないように,便利さに頼り過ぎて基本的な鍛錬を忘れることがないように,コンピューター管理やCAIの脆弱性の被害にあわないように,そして,いつの時代にも人の温かみある診療を忘れないようにしたい.これまでの半世紀はわれわれの夢が実現したしあわせな変遷の歴史であったと思う.これから半世紀後にもそういえるようなぶどう膜炎診療であってほしい.文献1)伊澤保穂,難波克彦,望月學:東京大学眼科のブドウ膜炎統計(1974年~1977年)とベーチェット病患者の視力予後等について.臨眼35:855-860,C19812)SonodaCK-H,CHasegawaCE,CNambaCKCetal:EpidemiologyCofCuveitisCinJapan:aC2016CretrospectiveCnationwideCsur-vey.JpnJCOphthalmol32:184-190,C20213)MishimaS,MasudaK,IzawaYetal:Behcet’sdiseaseinJapan:ophthalmologicCaspects.CTransCAmCOphthalmolCSoc77:225-279,C19794)SawaCM,CTsurimakiCY,CTsuruCTCetal:NewCquantitativeCmethodCtoCdetermineCproteinCconcentrationCandCcellCnum-berCinCaqueousCinCvivo.CJpnCJCOphthalmolC32:132-142,C19885)SawaM:Clinicalapplicationoflaser.are-cellmeter.JpnJOphthalmolC34:346-363,C19906)SawaM:LaserC.are-cellphotometer:principleCandCsigni.canceinclinicalandbasicophthalmology.JpnJOph-thalmolC61:21-42,C20177)TheCStandardizationCofCUveitisNomenclature(SUN)WorkingCGroup:StandardizationCofCuveitisCnomenclatureCforreportingclinicaldata.Resultsofthe.rstinternationalworkshop.AmJOphthalmolC140:509.516,C20058)HerbortCCP,CLeHoangCP,CGuex-CrosierY:SchematicCinterpretationofindocyaninegreenangiographyinposte-riorCuveitisCusingCaCstandardCangiographicCprotocol.Oph-thalmologyC105:432-440,C19989)MargolisCR,CSpaideRF:ACpilotCstudyCofCenhancedCdepthCimagingCopticalCcoherenceCtomographyCofCtheCchoroidCinCnormaleyes.AmJOphthalmolC147:811-815,C200910)SpaideRF,FujimotoJG,WaheedNKetal:Opticalcoher-enceCtomographyCangiography.CProgCRetinCEyeCResC64:C1-55,C201811)SaikiCRK,CScharfCS,CFaloonaCFCetal:EnzymaticCampli.cationCofCbeta-globinCgenomicCsequencesCandCrestrictionsiteanalysisfordiagnosisofsicklecellanemia.ScienceC230:1350-1354,C198512)MochizukiM,SugitaS,KamoiKetal:Aneweraofuve-itis:impactofpolymerasechainreactioninin.ammatoryintraoculardiseases.JpnJOphthalmolC61:1-20,C201713)NishiCM,CHanas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