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アスタキサンチンによる房水中Superoxide消去活性への影響

2009年2月28日 土曜日

———————————————————————-Page1(91)2290910-1810/09/\100/頁/JCLS47回日本白内障学会原著》あたらしい眼科26(2):229234,2009cはじめにさまざまな病態の発症進展の要因として過酸化反応(オキシデーション)の関与が明らかになるにつれ,その防御策として抗酸化物質への期待が高まっている.眼科領域においても例外ではなく,白内障や糖尿病網膜症,ぶどう膜炎や加齢黄斑変性(age-relatedmaculardegeneration:AMD)など種々の病態に対し,抗酸化剤が期待されている1).われわれが日常,経口的に摂取する天然抗酸化物質としては,ビタミンAの前駆体であるカロテノイド,ビタミンC,ビタミンEがあげられるが,近年,カロテノイドの一種であるアスタキサンチン(astaxanthin:AX)が,その強力な抗酸化作用や天然抗酸化物質としての安全性から注目され,多方面からの研究が進められている2)(図1).筆者らも,AXに関し現在研究を進めているが,第46回日本白内障学会総会において,AXが白内障手術後の抗炎症効果として有用であったことを報告している3).〔別刷請求先〕橋本浩隆:〒305-0021つくば市古来530つくば橋本眼科Reprintrequests:HirotakaHashimoto,M.D.,TsukubaHashimotoOpticalClinic,530Furuku,Tsukuba-shi305-0021,JAPANアスタキサンチンによる房水中Superoxide消去活性への影響橋本浩隆*1,2新井清美*2高橋二郎*3筑田眞*2小原喜隆*4*1つくば橋本眼科*2獨協医科大学越谷病院眼科*3富士化学工業株式会社*4国際医療福祉大学視機能療法学科EectofAstaxanthinConsumptiononSuperoxideScavengingActivityinAqueousHumorHirotakaHashimoto1,2),KiyomiArai2),JiroTakahashi3),MakotoChikuda2)andYoshitakaObara4)1)TsukubaHashimotoOpticalClinic,2)DepartmentofOphthalmology,KoshigayaHospital,DokkyoUniversitySchoolofMedicine,3)FujiChemicalIndustryCo.,LTD.,4)DepartmentofOrthopticsandVisualSciences,InternationalUniversityofHealthandWelfareアスタキサンチン(AX)摂取によるsuperoxide消去活性(O2・活性)への影響をヒト房水から検討した.対象は両眼の白内障手術を施行した35例であり,両眼の手術をAX摂取(2週間,6mg/日)前後で行い,術中採取した房水からニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元法でO2・活性(U/ml)を測定した.糖尿病(DM)の有無で非DM群19例とDM群16例に分類し,O2・活性,変化率(%),性差から比較した.AX摂取前後のO2・活性は,DM群が摂取後で有意に上昇した.変化率もDM群で大きい傾向があった.性差では,非DM群のAX摂取前後の比較で,O2・活性は有意に男性の摂取後で上昇した.AX摂取前値のO2・活性の男女比較では,有意に男性が低値であった.DM群のO2・活性は,有意に男性の摂取後で上昇した.変化率では,非DM群の男性で有意に変化率が高かった.糖尿病者では低下していたO2・活性がAX摂取で正常人レベルに上昇した可能性があり,特に男性がより有効であった.Weexaminedtheeectofastaxanthin(AX)consumptiononsuperoxide-scavengingactivity(O2・activity)inaqueoushumor.Thesubjectscomprised35patientswhowerescheduledforcataractsurgeryonbotheyes.Sur-geryononeeyewasperformedbeforeAXconsumption(for2weeks,6mg/day);surgeryontheothereyewasperformedafterAXconsumption,andO2・activity(U/ml)wasmeasured.Basedonthepresenceofdiabetes(DM),thesubjectswereclassiedintotwogroups,thenon-DMgroupandtheDMgroup;O2・activityandrateofchange(%)werecomparedbetweenthegroupsbysex.O2・activitywassignicantlyincreasedbyAXconsump-tionintheDMgroup.Regardingdierencesbysex,O2・activitybeforeAXconsumptionwassignicantlylowerinmalesandincreasedsignicantlyafterAXconsumptioninmales.Therateofchangewassignicantlyhighformalesinthenon-DMgroup.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)26(2):229234,2009〕Keywords:アスタキサンチン,房水,スーパーオキサイド,抗酸化,活性酸素.astaxanthin,aqueoushumor,superoxide,antioxidant,activeoxygen.———————————————————————-Page2230あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009(92)眼疾患においては,カロテノイドの一種であるルテインがサプリメントとしてAMDに対し有効とされ広く推奨されている3,4)が,AXも眼内における抗酸化作用が明らかとなれば,白内障をはじめとしてオキシデーションが関連した種々の疾患に有用な物質として認識される可能性がある.今回筆者らは,AX摂取による眼内への影響について,ヒト房水中のsuperoxide消去活性の変化から検討を行うこととした.I対象および方法1.対象対象は,つくば橋本眼科にて両眼の白内障手術を施行した35例である.ぶどう膜炎など,炎症をきたしやすい疾患を有する例や8ジオプトリー以上の高度な屈折以上を有する例,核の硬化が著しい例,散瞳が不良な例,手術に難渋が予想された例,また,他のサプリメントを摂取している者は除外した.AXの摂取にあたっては,対象者に研究の趣旨をよく説明し,本人の同意を得て研究を行った.研究のためAXの摂取が必要である期間中において,何らかの理由により摂取継続を希望しない例は,速やかに摂取を中止することとし対象外とした.糖尿病者は過酸化反応が進行しやすいことから,対象者を糖尿病の有無で分類し,非糖尿病群(以下,非DM群と略)19例と,糖尿病群(以下,DM群と略)16例の2群に分けて比較検討した.平均年齢は,非DM群71.5±7.6歳,DM群70.3±6.2歳であり両群に差はなかった.2.方法両眼の白内障手術を行うにあたり,1眼目の手術の直後からAX摂取を開始し,2週間後に2眼目の手術を施行した.各々の手術において術中に1次房水を採取し,採取液(房水)を速やかに窒素ガス充のうえ,40℃で測定までの間冷凍保存した.その採取液から,ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元法でsuperoxide消去活性の測定を行った5).試薬は,和光純薬のSODテストワコーRを用いた.今回用いたこの方法では,superoxidedismutase(SOD)のほか,還元型グルタチオン(GSH:glutathione)やL-アスコルビン酸などSOD以外のsuperoxide消去物質の活性も含めたtotalのsuperoxide消去活性を測定している.得られたデータを解析し,非DM群とDM群の2群で,消去活性値,変化率,性差から比較検討を行った.AX摂取前後のsuperoxide消去活性の変化率は,以下の式を用いて算出した.AX摂取前後のsuperoxide消去活性の変化率(%)=(摂取後のsuperoxide消去活性摂取前のsuperoxide消去活性)/摂取後のsuperoxide消去活性×100データの解析には,Mann-WhitneyのU検定とWilcoxonの符号付順位和検定を,比較する対象に応じて用いた.AXの摂取量は6mg/日であり,1眼目の手術当日から2眼目の手術までの間,毎日継続して摂取した.AXの摂取には,市販品サプリメントであるアスタビータR(富士化学工業株式会社製)を用いた.II結果(図26)1.DMの有無での比較1)AX摂取とsuperoxide消去活性値の関係は,非DM群で摂取前18.8±3.1U/ml,摂取後19.7±2.5U/ml,DM群で摂取前17.5±5.1U/ml,摂取後20.1±4.7U/mlであり,両群ともに摂取後にsuperoxide消去活性が高くなったが,特にDM群では有意(p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定)に上昇した(図2).2)AX摂取前後の変化率は,非DM群で3.6±18.3%,DMHOOHOO図1アスタキサンチンの構造式変化率(%)806040200-20-40非DM群(n=19)DM群(n=16)図3AX摂取によるsuperoxide消去活性の変化率消去活性摂取摂取=19):DM群(n=16)**:p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定図2AX摂取とsuperoxide消去活性の関係———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009231(93)群で12.0±20.6%であり,DM群で変化率は高い傾向があったが,両群間で有意差はなかった(図3).2.男女の比較1)性差による比較では,非DM群でsuperoxide消去活性値をAX摂取前後で比べると,男性はAX摂取前16.9±1.7U/ml,AX摂取後20.0±1.4U/ml,女性ではAX摂取前20.0±3.3U/ml,AX摂取後19.6±3.0U/mlであり,AX摂取後において有意(p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定)に男性が上昇した.AX摂取前値においては,男女比較で,有意(p<0.05,Mann-WhitneyのU検定)に男性が低値であった(図4-a).DM群の男性はAX摂取前16.7±5.2U/ml,AX摂取後20.0±5.0U/ml,女性はAX摂取前18.7±5.3U/ml,AX摂取後20.2±5.2U/mlであり,男性の摂取前後で有意(p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定)に上昇した.DM群ではAX摂取前後で男女差はなかった(図4-b).2)変化率では,非DM群で男性15.2±9.1%,女性3.2±19.2%,DM群で男性16.1±20.7%,女性6.8±20.6%であり,両群ともに男性で変化率が高くなっていた.特に,非DM群では値にばらつきも少なく,男性で有意(p<0.05,Mann-WhitneyのU検定)に変化率が高くみられた(図5).3)全体的に性差の影響を検討するため,非DM群とDMSuperoxide消去活性値(U/ml)262422201816141210摂取前a.非DM群b.DM群2週間摂取後:非DM群男性(n=7):非DM群女性(n=12)****:p<0.05,Mann-WhitneyUtest**:p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定Superoxide消去活性値(U/m?)262422201816141210摂取前2週間摂取後:DM群男性(n=9):DM群女性(n=7)**:p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定図4AX摂取とsuperoxide消去活性の関係(男女比較)*a.非DM群b.DM群*:p<0.05,Mann-WhitneyUtest変化率(%)806040200-20-40男性(n=7)女性(n=12)変化率(%)806040200-20-40男性(n=9)女性(n=7)図5AX摂取によるsuperoxide消去活性の変化率(男女比較)Superoxide消去活性値(U/ml)262422201816141210摂取前2週間摂取後:総男性群(n=16):総女性群(n=19)****:p<0.05,Mann-WhitneyUtest**:p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定図6AX摂取とsuperoxide消去活性の関係(総男女比較)———————————————————————-Page4232あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009(94)群を合わせて(非DM+DM)総男性群と総女性群として検討すると,総男性群で摂取前16.8±3.9U/ml,摂取後20.0±3.5U/ml,総女性群で摂取前19.5±4.0U/ml,摂取後19.8±3.8U/mlであり,総男性群においてAX摂取前後で有意(p<0.05,Wilcoxonの符号付順位和検定)な上昇がみられ,AX摂取前値において総男性群と総女性群の間に有意(p<0.05,Mann-WhitneyのU検定)な差がみられた(図6).III考按好気性生物には,活性酸素・フリーラジカルによる酸化的障害を防御する抗酸化物質機構として,その産生を抑制する予防的抗酸化物(preventiveantioxidant)と,生成された活性酸素・ラジカルを捕捉する連鎖切断型抗酸化剤(chain-breakingantioxidant)がある.前者にはSOD,カタラーゼ,グルタチオンリダクターゼ,グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathioneperoxidase:Gpx)などの酵素類があり,後者には水溶性のL-アスコルビン酸など還元糖,GSH,尿酸,ビリルビン,脂溶性のビタミンE,ユビキノール,カロテノイド類があげられる.また,カテキンなどポリフェノール類のなかには,水溶性・脂溶性双方に親和性をもつ両親媒性の抗酸化物質も知られている.脂溶性の抗酸化剤は脂質膜内で脂質ペルオキシラジカルを捕捉してラジカル連鎖反応を停止する作用をもっている6).カロテノイドは主として炭素数40個からなる一種のテルペノイド色素であり,カロテン類とキサントフィル類に大別される.キサントフィル類の代表例として,高等植物や藻類の光合成色素として重要なルテインやフコキサンチン,魚介類の体表などに広く分布するAX,ツナキサンチン,ゼアキサンチンなどがあげられる2).カロテノイドは,植物や微生物によってのみ合成され,動物は生合成することができないため,食餌などの方法により体内に取り込み,代謝・蓄積をして抗酸化剤として役立てている.AXは,エビ,カニなどの甲殻類,サケ,タイなど魚類に広く分布する赤橙色の色素であり,1937年にKuhnとSoe-rensenによりロブスターから初めて分離された物質7)である(図1).AXは,強力な抗酸化作用があることが報告されており,その活性の強さはビタミンEの約1,000倍,b-カロテンの約40倍とされている8,9).AXは近年注目されているものの,存在自体は古くから知られており,色素として食品添加物への使用実績が長く,そして,食品として通常に摂取していることからその安全性は高く評価されている物質である10,11).活性酸素・フリーラジカルによる障害の生体内標的分子としては脂質,核酸,蛋白質などが重要であるが,なかでも脂質が活性酸素の作用を受けやすい.特に生体膜の脂質中に局在する高度不飽和脂肪酸がそのターゲットとなりやすく,脂質過酸化連鎖反応を介して過酸化脂質を生成する.生体膜の脂質過酸化反応は膜構造の破壊だけでなく,機能も障害を被ることになる.図7は,AXの活性酸素種に対する消去効果として,今回の結果をふまえて,現段階で筆者らが考えている各活性酸素の生成と消去機構についての経路の模式図である.非水系内では,幹らによると,invitroの実験でAXは,一重項酸素消去と過酸化脂質への抑制効果は大きいが,superoxideの消去作用は弱いことが報告されている2).非水系内ではAXは蛋白質と結合していないfreeタイプで存在していると考えられており,この「freeタイプのAX」は脂溶性で,膜などおもに脂質richな部位で抗酸化に機能していると考えられる.一方,水系内ではAXは蛋白質あるいはアミノ酸などと結合して存在している可能性が高いと考えられ,AXの輸送と代謝にはリポ蛋白質などが関与していると推察されている.今回筆者らが測定を行った房水中でも,AXは蛋白質結合型で存在している可能性が高いと考えられるが,この蛋白質と結合した「蛋白質結合型のAX」の水溶液中での生体への影響については,近年,各方面で検討が始まったばかりである.また,invivoのAX摂取後の水系内での影響についての研究も徐々に進んでおり,AX摂取後のラットでは,幹らにより血液中の過酸化脂質の生成抑制が報告されている2,8).水溶液中でのAXのsuperoxide消去に関する報告としては,invitroの系では,アミノ酸(L-リジン:di-L-lysinate)結合型のAXが,水溶液中での高い拡散を示しsuperoxideを直接消去するという報告12)や,invivoの系では,ラット,O2・-H2O・OHLHLOOHAX1O2消去産生抑制Superoxide消去活性補助SODカタラーゼGpx+GSHFe,Cuイオン存在下Gpx+GSH消去H2O2L・,LO・,LOO・L-AAGSH活性酸素の生成経路と過酸化脂質の生成1O2:一重項酸素O2・-:スーパーオキシドアニオンラジカルH2O2:過酸化水素・OH:ヒドロシキルラジカルAX:アスタキサンチンSOD:スパーオキシドジスムターゼL-AA:L-アスコルビン酸Superoxide消去物質LH:脂質L・:脂質ラジカルLO・:アルコキシルラジカルLOO・:ペルオキシラジカルLOOH:過酸化脂質GSH:還元型グルタチオンGpx:グルタチオンペルオキシダーゼH2O2消去物質図7AXの活性酸素種に対する消去効果———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009233(95)ウサギ,イヌなどで二ナトリウム二コハク酸塩のAX(CardaxTM,disodiumdisuccinateastaxanthin:DDA)が虚血再還流時に産生されるsuperoxideを直接消去し,心臓の保護効果を示す報告などがある13).最近,水溶液中での蛋白質結合型のAXのsuperoxide消去効果についても明らかとなりつつあり,今後,これらの複合体は臨床医学的な応用を含め,水系内での作用の解明に期待が寄せられている.現時点においては,DDAのような複合体を形成していないAXの摂取後における水系内でのsuperoxide消去活性についてはまだ報告がないため,今回,水系である房水中で本研究を行う意義があると考え検討を行うこととした.今回筆者らが測定を行った房水では,superoxideの消去活性が摂取後の房水で高値であり,直接あるいは間接的にAXがsuperoxideの消去に関与した可能性が考えられる.すなわち,房水中のAXが蛋白質結合型で存在し,その蛋白質結合型のAXが直接superoxideの消去能を示したか,あるいはAXが直接superoxide消去に働かない場合でも,間接的に他のsuperoxide消去物質の活性を高める補助効果を示したことも考えられる.たとえば,ビタミンE(a-トコフェロール)が過酸化物消去に働くGpxの必要量を減少させるのと同様に,AX摂取によって,房水中のGpxやGSHが過酸化脂質,過酸化水素など過酸化物の消去に消費される割合が減少したために,相対的にGSHが増加し,superox-ide消去活性に余裕が出たという可能性も考えられる.あるいは,AXが血液あるいはリンパ液中など体液中や肝臓などその他全身の各組織で抗酸化機能を発揮して過酸化率が減少し,その結果として房水中へ移行する以前で過酸化度合いが減少し,L-アスコルビン酸,GSHなどのsuperoxide消去物質の半減期が延長など,間接的な効果も推察される.今回の測定結果によると,両群ともにAX摂取後でsuper-oxide消去活性値が高くなり,DM群で有意な上昇がみられた(図2).糖尿病者は過酸化反応が進行しやすいので,AX摂取前のDM群のsuperoxide消去活性値は非DM群に比べ低値であったが,AX摂取により低下していた消去活性が非DM群レベルに上昇した.変化率でみても,非DM群に比べDM群は高い傾向があった(図3).性差による検討では,両群ともに男性で変化が大きくみられた(図46).AX摂取前値では総男性と総女性の間で有意に男性が低値であったが,特に非DM群において男性が女性に対し低値であった.現時点においてヒト房水のsuper-oxide消去活性の性差に関する報告はないが,今回の結果は,元来,抗酸化作用に性差の影響があることを反映しているものと予想される.性差の原因として喫煙の関与を検討したが,本研究の対象者のなかで喫煙の習慣がある例は女性に1例(1日20本未満)のみであり,データ解析に影響したことは考えられない.今回は6mg/日のAX摂取量で測定を行ったが,AX摂取量の増加により性差の影響が変わる可能性も考えられる.今後,AX摂取量を各段階に分けた用量設定での測定に興味がもたれる.今回は,市販品サプリメントであるアスタビータR(富士化学工業株式会社製)を用いて研究を行ったため,サプリメントとしての推奨摂取量であるAX6mg/日をそのまま用いて研究を行った.推奨量の決定に関しては,健常成人を対象とした摂取量設定試験が報告14)されており,そのなかでAX6mg/日以上の摂取で眼の調節力向上および眼精疲労でみられる自覚症状改善効果があったとされていることから,アスタビータRの摂取量としてAX6mg/日が現在採用されている.今回の研究から,糖尿病時など,ヒト房水中でsuperox-ide消去活性が不足している場合には,AXは活性を補助し高める可能性が考えられ,特に男性でその効果が高いことが判明した.AXは今後,白内障をはじめとして,オキシデーションが関連した種々の疾患に有用な抗酸化剤として期待される.文献1)小原喜隆:第99回日本眼科学会総会宿題報告Ⅰ活性酸素・フリーラジカルと眼疾患活性酸素・フリーラジカルと白内障.日眼会誌99:1303-1341,19962)幹渉:カロテノイドの食品機能性─特に「抗酸化」活性について─.ILSI76:27-35,20033)橋本浩隆,高橋二郎,筑田眞ほか:白内障手術後におけるアスタキサンチンの炎症抑制効果.あたらしい眼科24:1357-1360,20074)MoellerSM,ParekhN,TinkerLetal:Associationsbetweenintermediateage-relatedmaculardegenerationandluteinandzeaxanthinintheCarotenoidsinAge-relatedEyeDiseaseStudy(CAREDS):ancillarystudyoftheWomen’sHealthInitiative.ArchOphthalmol124:1151-1162,20065)花田寿郎,茂手木晧喜:血清(漿)スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)測定法の基礎的検討と臨床的意義.臨床検査機器・試薬8:629-635,19856)二気鋭雄,野口範子:生体のもつ活性酸素・フリーラジカルの消去作用.フリーラジカル(近藤元治編),p22-26,メジカルビュー社,19937)KuhnR,SoerensenNA:Thecoloringmattersofthelob-ster(AstacusgammarusL.).ZAngewChem51:465-466,19388)MikiW:Biologicalfunctionsandactivitiesofanimalcaro-tenoids.Pure&ApplChem63:141-146,19919)ShimizuN,GotoM,MikiW:Carotenoidsassingletoxy-genguenchersmarineorganism.FishSci62:134-137,199610)塚原寛樹,福原育夫,竹原功:アスタキサンチン含有ソフトカプセル食品の健常成人に対する長期摂取における安全性の検討.健康・栄養食品研究8:27-37,2005———————————————————————-Page6234あたらしい眼科Vol.26,No.2,2009(96)11)高橋二郎,塚原寛樹,湊貞正:ヘマトコッカス藻アスタキサンチンの毒性試験─Ames試験,ラット単回投与毒性試験,ラット90日反復経口投与亜慢性毒性試験─.臨床医薬20:867-881,200412)ZsilaF,FitosI,BikadiZetal:Invitroplasmaproteinbindingandaqueousaggregationbehaviorofastaxanthindilysinatetetrahydrochloride.BioorgMedChemLett14:5357-5366,200413)LockwoodSF,PennMS,HazenSLetal:TheeectsoforalCardax(disodiumdisuccinateastaxanthin)onmulti-pleindependentoxidativestressmarkersinamouseperi-tonealinammationmodel:inuenceon5-lipoxygenaseinvitroandinvivo.LifeSci79:162-172,200614)新田卓也,大神一浩,白取謙治ほか:アスタキサンチンの調節機能および疲れ眼におよぼす影響─健常成人を対象とした摂取量設定試験─.臨床医薬21:543-556,2005***

アスタキサンチンの家兎眼内動態の検討

2008年10月31日 金曜日

———————————————————————-Page1(133)14610910-1810/08/\100/頁/JCLSあたらしい眼科25(10):14611464,2008cはじめにアスタキサンチン(astaxanthin:AX)はb-カロチンなどと同じカロテノイドの仲間で,サケ・エビ・カニや海藻などの魚介類に多く含まれる赤い色素である13).近年,AXには強力な抗酸化作用,抗動脈硬化作用など多くの分野での作用効果が報告されている4,5).さらに,近年,AXの抗炎症作用を介した脈絡膜新生血管抑制効果についても明らかにされている6).眼科領域では実験的ラット眼内炎症モデルに対する抗炎症作用,visualdisplayterminals(VDT)作業者における調節力改善,ヒトにおける調節機能改善などが報告され,これら調節機能改善効果の作用機序として毛様体機能の改善の可能性が考えられている719)が,経口投与されたAXの眼内動態に関する報告はなく,その詳細は不明である.今回,機能性食品素材であるAXの経口投与後の眼内移行動態を家兎で検討した.I実験材料および方法1.使用動物ニュージーランド成熟白色家兎(NZW;体重2.73.1kg)雄性24羽を用いた.2.検討した機能性食品素材アスタキサンチン(AX)含有ヘマトコッカス藻抽出物ア〔別刷請求先〕福田正道:〒920-0293石川県河北郡内灘町大学1-1金沢医科大学感覚機能病態学(眼科学)Reprintrequests:MasamichiFukuda,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,KanazawaMedicalUniversity,Uchinada,Ishikawa920-0293,JAPANアスタキサンチンの家兎眼内動態の検討福田正道*1高橋二郎*2西田康宏*2佐々木洋*1*1金沢医科大学感覚機能病態学(眼科学)*2富士化学工業株式会社ライフサイエンス事業部IntraocularPenetrationofAstaxanthininRabbitEyesMasamichiFukuda1),JiroTakahashi2),YasuhiroNishida2)andHiroshiSasaki1)1)DepartmentofOphthalmology,KanazawaMedicalUniversity,2)LifeScienceDivision,FujiChemicalIndustryCo.,Ltd.目的:アスタキサンチン(astaxanthin:AX)の経口投与後の眼内移行濃度および血中濃度を測定した.方法:白色家兎にAX100mg/kgを単回経口投与し,0,3,6,9,12,24,48,72,168時間後の各時点で前房水,虹彩・毛様体および血清内移行濃度を測定した.AX濃度測定は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)で行った.AXの移行動態の濃度解析はノンコンパートメントモデルによる解析を行った.結果:最高濃度は,虹彩・毛様体では投与24時間後,血清では9時間後にみられた.モデル式から算出した最高濃度Cmaxは,虹彩・毛様体では79.3ng/g,血清では61.3ng/ml,前房水では検出されなかった.結論:AXは虹彩・毛様体内に達することが明らかになった.この結果はAXが眼内炎症への抗炎症効果や疲労改善に寄与する科学的根拠の一つになるものと考える.Weinvestigatedtheintraocularpenetrationofastaxanthin(AX)afteroraladministrationinalbinorabbiteyes.Theanimalsreceived100mg/kgofAXorallyinasingledose.Theobservationtimepointswereat0,3,6,9,12,24,48,72and168hoursafteradministration.AXconcentrationsinoculartissuesweredeterminedbyhigh-perfor-manceliquidchromatography(HPLC).Pharmacokineticparameterswerecalculatedusingthenon-compartmentmethod.MaximumAXconcentrations(Cmax)iniris/ciliarybodyandserumweremeasurableafter24and9hours,respectively.ThecalculatedCmaxwere79.3ng/gforiris/ciliarybodyand61.3ng/mlforserum.TheCmaxforaque-ouscouldnotbedetectedbythenon-compartmentmethod.AXshowedgoodpenetrationintheserumandiris/ciliarybody.WefeelthatthisresultoersscienticgroundforconcludingthatAXcontributestotheimprove-mentofeyefatigue.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)25(10):14611464,2008〕Keywords:アスタキサンチン,白色家兎眼,眼内動態,高速液体クロマトグラフィー法(HPLC),経口投与.astaxanthin,albinorabbiteyes,intraocularpenetration,high-performanceliquidchromatography(HPLC),orally.———————————————————————-Page21462あたらしい眼科Vol.25,No.10,2008(134)スタリールオイル50F(富士化学工業株式会社製)を用いた(図1).3.実験方法a.AXの家兎血中および眼内移行動態家兎にAX100mg/kgを単回経口投与し,0(非投与),3,6,9,12,24,48,72,168時間後の各時点で左後耳静脈より約3mlを採血し,その後,前房水を約0.2ml採取し,眼球を摘出した.摘出した眼球は一旦20℃で凍結し,24時間以内に融解後各組織を分離,再度80℃以下の温度で試料処理時まで凍結保存した.b.試料処理法眼組織中の抽出は,Yeumらの方法を改変した方法で行った20).簡略に述べると,眼組織を冷PBS(リン酸緩衝液)中でハサミで細断し,冷却しながらポリトロンホモジナイザー(ポリトロン)を用いホモジナイズした.血清は,2倍にPBSで希釈し,そのまま試料として用いた.得られたホモジネートあるいは血清に50Uのコレステロールエステラーゼ(和光純薬),500Uのリパーゼ(Candidarugosa由来,シグマ-アルドリッチ),10μgのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し,窒素充後,37℃で1時間インキュベートした.250ng/mlの内部標準(8¢-apo-b-carotene-8¢-oate),10μg/mlのBHTを含む冷EtOH溶液を同容積添加し激しく懸濁し,4倍量の冷塩化メチレンを添加し,窒素ガス充後4℃で60分間振盪した.振盪後,4倍量の冷PBS,20倍容の冷ヘキサンを添加し,再度,窒素ガス充後4℃で30分間振盪した後,4℃,4,000rpmで15分間遠心分離し,上清を集めた.残った下層は塩化メチレン-ヘキサンで3回抽出し,上清を集めた.集められた上清は,窒素ガス気流下で減圧乾固後,tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)に再溶解し高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した.4.AX濃度測定方法a.HPLC装置および条件HPLC装置と使用条件は,デガッサ:DGU-20A,ポンプ:島津製作所LC-20A(流速:0.1ml/min),オートインジェクター:島津製作所SIL20A(設定温度4℃),検出器:島津製作所SPD-M20A(フォトダイオードアレイ検出器:測定波長250750nm,定量には474nm,リファレンス波長として630nmを用いた),カラムオーブン:島津製作所CTO20A(設定温度:16℃)分析カラムは,YMCCarote-noidColumn3S(2.0×150mm,YMC社)を用い移動相としてA液:MeOH/MTBE/0.1%リン酸=93:5:2,B液:MeOH/MTBE/0.1%リン酸=8:90:2を用い以下のようにグラジエント溶出を行った.すなわち,100%A液から7.6分でB液が13%,13.3分で20%,29分で50%,43分で100%になるようにリニアグラジエント溶出を行い,その後15分間B液で溶出を行った.b.眼組織および血清中のAX濃度測定法AXの濃度測定は内部標準法を用いた.AXは21,000ng/mlの濃度範囲内で良好な直線性を確認された.本実験に先立って虹彩・毛様体を用い添加回収試験を行った.AX非投与動物から摘出した虹彩・毛様体に100ng/mlになるようにAXおよび200ng/mlの濃度の内部標準を添加し,実験方法で述べた方法で抽出したところ回収率は,それぞれ80110%,85110%であった.AX定量値のCV(coecientsofvariation)値は5.4%であった.また,抽出動作の前後でそれぞれの化合物の分解および幾何異性化などの反応産物はほとんど認められなかったため,本実験で用いた抽出方法は,眼組織内のカロテノイド抽出において妥当な方法であると考えられた.定量下限値は前房水で2ng/ml,血清で2ng/ml,虹彩・毛様体では3ng/gであった.c.AXの薬物動態の解析AXの血清および虹彩・毛様体内移行の濃度推移についてノンコンパートメントモデルによる解析を行った.血清および虹彩・毛様体のCmax(ng/gorng/ml),AUCt(ng・h/gorng・h/ml),Tmax(h),およびT1/2(h)を算出した.〔Cmax:最高組織中濃度,AUCt:最終時点tまでの組織中濃度-時間曲線下面積,Tmax(h):最高組織中濃度到達時間,T1/2(h):組織中濃度半減期〕.II結果1.AX100mg/kgの単回経口投与後の経時的変化(表1,図2)血清および虹彩・毛様体では,経時的なAX濃度の増加および消失が認められた.血清中では,投与後9時間で最高濃度値61.26±26.87ng/ml(mean±SD,n=5)を示し,その後,徐々に減少し,投与72時間後には完全に消失した.一方,虹彩・毛様体では,投与後6時間目から徐々に増加し,24時間で最高濃度値(79.35±37.35ng/g)(mean±SD,n=6)となった.その後,緩やかに低下し,投与後7日目では完全に消失した.前房水では全経過を通してAXは測定限界以下であった.AXを経口投与前の前房水,血清および虹彩・毛様体においてはAXは検出されなかった.2.血清および虹彩・毛様体におけるAX濃度推移のノンコンパートメントモデルによる解析(表2)虹彩・毛様体のCmax(ng/g)は79.3,AUCt(ng・h/g)はOHOOHO図1アスタキサンチンの化学構造式———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.25,No.10,20081463(135)2955.7,Tmax(h)は24,T1/2(h)はN.C.であった.一方,血清ではCmax(ng/ml)は61.3,AUCt(ng・h/ml)は524.7,Tmax(h)は9,T1/2(h)は5.9であった.III考按AXの調節機能改善効果の機序を考えるうえで,その作用部位と考えられている毛様体へのAX移行動態の検討はきわめて重要である.本研究の目的は経口投与されたAXの眼内動態を明らかにすることである.AXの経口投与後の眼内移行濃度および血中濃度を測定することは投与法の設定,眼に対する安全性および有効性を知るうえで眼科用薬剤と同様に基礎的検討事項の一つであると考える.ところが,これまでにAXの眼内での定量法は筆者らが知る限りにおいては十分に検討されておらず,本研究に先立ちAXの眼組織内濃度測定法の設定を検討した.カロテノイド抽出法による眼組織からのAXの抽出やAXの定量にHPLC法を用いたことで,AXの眼組織内濃度測定が可能になった.AXの経口投与後の眼内移行動態を家兎で検討した今回の結果では,AXは虹彩・毛様体に移行することが確認できた.虹彩・毛様体では,投与6時間から徐々に上昇し,24時間で最高濃度値に達し,その後,徐々に減少した.一方,血清中では投与9時間まで濃度の増加が認められ,その後,徐々に減少傾向がみられた.ヒトの血中濃度の最高値もやはり投与後約9時間である21)ことより,今回の家兎の虹彩・毛様体における成績はヒトの眼内動態に近似している可能性が示唆された.血清に比べAXの虹彩・毛様体内での移行濃度が高く,最高濃度到達時間が遅れた原因については不明であるが,虹彩・毛様体は豊富な血管構造を有すること,また,メラニン色素も豊富なことも,AXが血清濃度以上に組織内濃度に滞留する原因の一つになっている可能性も考えられる.今回の実験で,AXの虹彩・毛様体内への移行が確認できたことはこれまでの種々のAXの眼の調節機能改善効果を証明するうえでも,意義ある結果であると考える.経口投与された抗菌薬が,投与12時間前後で血中最高濃度値に到達し,わずかに遅れて眼組織内最高濃度値に達することと比べると,AXの血中および眼組織内移行濃度の最高濃度到達時間が明らかに遅く,この点はAXの大きな特徴として把握しておく必要があると考える.IT機器の普及により,VDT作業はますます増加することが予想され,眼精疲労改善に寄与すると考えられるカロテノイドの一種であるAXの眼内移行動態の基礎的検討の意義は大きいと考える.文献1)JohnsonEA,AnGH:Astaxanthinfrommicrobialsources.CritRevBiotechnol11:297-326,19912)KobayashiM,KakizonoT,NishioNetal:AntioxidantroleofastaxanthininthegreenalgaHaematococcusplu-vialis.ApplMicrobiolBiotechnol48:351-356,19973)OshimaS,OjimaF,SakamotoHetal:Inhibitoryeectofb-caroteineandastaxanthinonphotosensitizedoxidationofphospholipidbilayers.JNutrSciVitaminol39:607-615,19934)MikiW:Biologicalfunctionsandactivitiesofanimalcaro-tenoids.PureApplChem63:141-146,19915)ShimizuN,GotoM,MikiW:Carotenoidsassingletoxy-genquenchersinmarineorganism.FishSci62:134-137,19966)Izumi-NagaiK,NagaiN,OhgamiKetal:Inhibitationof表1AX100mg/kgの単回経口投与後の経時的変化時間(h)369122472168血清9.10±6.8836.88±17.7761.26±26.8720.46±12.758.26±6.91NDND虹彩・毛様体ND4.76±2.2233.55±12.7446.51±24.1679.35±37.354.43±3.33ND眼房水NDNDNDNDNDNDNDND:検出限界以下.(ng/ml,g)1,0001001010.10.01020406080100120140160180:虹彩・毛様体:血アスタキサンチン濃度(ng/ml,g)投与後時間(分)図2アスタキサンチン100mg/kgの単回経口投与後の経時的変化表2アスタキサンチンの血清および虹彩・毛様体内移行の濃度推移をノンコンパートメントモデルによる解析組織薬物動態パラメータCmax(ng/gorng/ml)AUC(ng・h/gorng・h/ml)Tmax(h)血清61.3524.79虹彩・毛様体79.32955.724———————————————————————-Page41464あたらしい眼科Vol.25,No.10,2008(136)choroidalneovascularizationwithananti-inammatorycarotenoidastaxanthin.InvestOphthalmolVisSci49:1679-1685,20087)OhgamiK,ShiratoriK,KotakeSetal:Eectsofastaxan-thinonlipopolysaccharide-inducedinammationinvitroandvivo.InvestOphthalmolVisSci44:2694-2701,20038)SuzukiY,OhgamiK,ShiratoriKetal:Suppressiveeectsofastaxanthinagainstratendotoxin-induceduveitisbyinhibitingtheNFkBsignalpathway.ExpEyeRes82:275-281,20069)KimJH,KimYS,SongGGetal:Protectiveeectofastaxanthinonnaproxen-inducedgastricantralulcerationinrat.EurJPharmacol514:53-59,200510)UchiyamaK,NaitoY,HasegawaGetal:Astaxanthinprotectsb-cellsagainstglucosetoxicityindiabeticdb/dbmice.RedoxRep7:290-293,200211)AoiW,NaitoY,YoshikawaTetal:Astaxathinlimitsexercise-inducedskeletalandcardiacmuscledamageinmice.AntioxidRedoxSignal5:139-144,200312)NagakiY,HayasakaS,YamadaTetal:Eectsofastax-anthinonaccomodation,criticalickerfusion,andpatternvisualevokedpotentialinvisualdisplayterminalworkers.JTradMed19:170-173,200213)中村彰,磯部綾子,大高康博ほか:アスタキサンチンによる視機能の変化.臨眼58:1051-1054,200414)新田卓也,大神一浩,白取謙治ほか:アスタキサンチンの調節機能および疲れ眼におよぼす影響─健常成人を対象とした摂取量設定試験─.臨床医薬21:543-556,200515)白取謙治,大神一浩,新田卓也ほか:アスタキサンチンの調節機能および疲れ眼におよぼす影響─健常成人を対象とした効果確認試験─.臨床医薬21:637-650,200516)長木康典,三原美晴,塚原寛樹ほか:アスタキサンチン含有ソフトカプセル食品の調節機能及び疲れ眼に及ぼす影響.臨床医薬22:1-14,200617)岩崎常人,田原昭彦:アスタキサンチンの眼疲労に対する有用性.あたらしい眼科23:829-834,200618)高橋奈々子,梶田雅義:アスタキサンチンが調節機能の回復に及ぼす影響.臨床医薬21:432-436,200519)長木康典,三原美晴,高橋二郎ほか:アスタキサンチンの網膜血管血流におよぼす影響.臨床医薬21:537-542,200520)YeumKJ,TaylorA,TangGetal:Measurementofcaro-tenoids,retinoids,andtocopherolsinhumanlenses.InvestOphthalmolVisSci36:2756-2761,199521)OdebergJM,LignellA,PetterssonAetal:Oralbioavail-abilityoftheantioxidantastaxanthininhumansisenhancedbyincorporationoflipidbasedformulations.EurJPharmSci19:299-304,2003***