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低加入度数分節型眼内レンズ挿入後の3 年間の成績

2023年1月31日 火曜日

《原著》あたらしい眼科40(1):106.110,2023c低加入度数分節型眼内レンズ挿入後の3年間の成績松本栞音蕪龍大岩崎留己福田莉香子古島京佳竹下哲二上天草市立上天草総合病院眼科CThree-YearFollow-UpofClinicalEvaluationofaBiaspheric,Segmented,RotationallyAsymmetricIntraocularLensImplantationAfterCataractSurgeryKanonMatsumoto,RyotaKabura,RumiIwasaki,RikakoFukuda,KyokaFurushimaandTetsujiTakeshitaCDepartmentofOphthalmoiogy,KamiamakusaGeneralHospitalC目的:白内障手術にて低加入度数分節型眼内レンズ(IOL)を挿入した患者のC3年間の長期成績について調べた.対象および方法:上天草総合病院で白内障手術を受け,レンティスコンフォート(以下,LC)を両眼に挿入したC19例(38眼)の患者を対象に,3年間の術後視機能および満足度を評価した.術後C1週間,1カ月,3カ月,1年,2年,3年に,遠見視力(裸眼・矯正),遠見矯正下C70Ccm・50Ccm視力,眼鏡処方率,Nd:YAGレーザーによる後.切開術施行率(以下,YAG施行率)を調べた.結果:術後C3年時の遠見視力はClogMAR±標準偏差値(小数換算値)で裸眼・矯正視力の順に.0.03±0.13(1.07),.0.06±0.05(1.15),遠見矯正下C70cm視力はC0.05±0.15(0.89),遠見矯正下50Ccm視力はC0.16±0.22(0.69)で,術後C1週間からC3年時まで有意な経時的変化はなかった.眼鏡処方率はC15.8%,YAG施行率はC10.5%だった.結論:LC挿入後C3年間の成績は,遠見,70Ccm視力ともに良好で安定し,眼鏡処方率が低く,高い患者満足度が維持されていた.CPurpose:Toinvestigatethe3-year-postoperativeoutcomesinpatientswhounderwentLENTISComfort(LC)Cintraocularlens(IOL)implantationduringcataractsurgery.SubjectsandMethods:In19patients(38eyes)whounderwentCcataractCsurgeryCandCLCCimplantationCinCbothCeyesCatCKamiamakusaCGeneralCHospital,CvisualCfunctionCandCsatisfactionCwasCevaluatedCforC3-yearsCpostoperative.CCorrectedCdistanceCvisualacuity(VA),CcorrectedC70CcmCVACatCfromC1CweekCtoC3CyearsCpostCsurgery,CandCrateCofNd:YAGClasercapsulotomy(YAG)wasCexamined.CResults:AtC3-yearsCpostoperative,CtheClogMARC±standarddeviation(decimalequivalent)ofCdistanceCVACwasC.0.06±0.05(1.15)forCcorrectedCVA.CTheCdistance-correctedC70cmCVACwasC0.05C±0.15(0.89),CshowingCnoCsigni.cantchangeovertimefrom1-weekto3-yearspostoperative.TherateofYAGimplementationwas10.5%.Conclusions:AtC3CyearsCpostCLCCimplantation,CbothCdistanceCvisionCandC70CcmCVACwereCgoodCandCstableCwithCaChighpercentageofpatientsatisfaction.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)40(1):106.110,C2023〕Keywords:レンティスコンフォート,3年,長期成績,アンケート,満足度.LentisComfort,three-year,long-termoutcomes,questionnaire,satisfaction.Cはじめに近年,白内障手術は乱視矯正用(トーリック)眼内レンズ(intraocularlens:IOL)や多焦点CIOLといった付加価値のあるCIOLの登場によって,従来の混濁した水晶体を除去するだけの手術ではなく,屈折矯正としての意味合いが強くなった1).良好な裸眼視力を求める患者のなかには,矯正視力がよくても手術結果に満足しない人が存在する.良好な裸眼遠見視力,中間から近見視の際の眼鏡からの解放は,患者満足度の向上につながる.2019年発売の低加入度数分節型屈折型CIOLであるレンティスコンフォート(LS-313MF15,参天製薬:以下,LC)は,+1.50D加入の分節部分をもつプレートハプティクス型CIOLで,厚生労働省が保険診療適用としているCIOLにはCLCに類似した光学特性を有するものは現在のところな〔別刷請求先〕松本栞音:〒866-0293熊本県上天草市龍ヶ岳町高戸C1419-19上天草市立上天草総合病院眼科Reprintrequests:KanonMatsumoto,DepartmentofOphthaimoigy,KamiamakusaGeneralHospital,1419-19RyugatakemachiTakado,Kamiamakusa-shi,Kumamoto866-0293,JAPANC106(106)い2).LCはその特異的な形状と性質から術後視機能が注目されているが,術後C1年を超えた長期成績の報告はない.LC挿入からC3年経過した成績および術後アンケートによる満足度を後ろ向きに検討した.CI対象および方法対象はC2018年C12月.2019年C4月に,上天草総合病院にて白内障手術で非トーリックのCLCを挿入した患者のうち,術前検査にて視力に影響を及ぼす疾患の既往がなく,発売当初トーリックモデルがなかったため,角膜乱視がおよそ0.50D以下で他社CwebカリキュレーターではトーリックIOLの適応とならない症例を対象に,LCを挿入しC3年の経過を追うことができた症例とした.また,術後C1週間の矯正遠見視力がC0.7以上で,LCを両眼挿入した患者を対象とし,僚眼未手術および片眼挿入の患者は除外した.本研究は,上天草総合病院の倫理審査委員会の承認を得たのち,ヘルシンキ宣言に準拠して実施した.IOL度数は角膜曲率波面収差解析装置COPDCScanIII(ニデック)および眼軸長はCUS-4000エコースキャン(ニデック)で測定しCSRK/T式を用いて球面度数を決定した(A定数:118.0).OPDCScanIIIの測定設定は0.01Dステップだった.目標屈折値は全例C0Dとした.LCは健康保険が適用されるCIOLで,発売当初は単焦点レンズに分類されており,低加入度数で近方視力は望めず,中間視力もどの程度見えるか不明であったため患者に過大な期待をもたせないよう,あえてCIOL特性についての事前説明はしなかった.白内障手術はすべて同一の術者が行った.前.切開は連続円形切.(continuousCcurvilinearcapsulorhexis:CCC)でIOL前面をCcompletecoverできる大きさとし,2.2Cmm幅の上方強角膜切開から水晶体乳化吸引術を行った.IOL挿入にはエタニティCLCJインジェクターと専用カートリッジ(いずれも参天製薬)を用いた.挿入時の粘弾性物質にはヒアルロン酸CNa(千寿製薬)を用い,IOL挿入後にCI/AチップでIOLをタッピングする方法で十分に除去した.切開創は無縫合とした.検討項目は視機能評価として,術後C1週間,1カ月,3カ月,1年,2年,3年の遠見視力(裸眼・矯正),遠見矯正下のC70CcmおよびC50Ccm視力,自覚等価球面度数(sphericalequivalent:以下,自覚CSE)および他覚屈折等価球面度数算して行った.自覚CSEは遠見矯正視力測定時の屈折値から,他覚CSEはオートレフラクトメータ(ニデック:TONOREFII)の値から求めた.アンケートは術後C3カ月およびC3年経過時に行い,内容は術後満足度および日常生活満足度とした.術後満足度はCNEIVFQ-25(日本語版Cver1.4)を使用しC0.10点のスコアとした.日常生活満足度はCCatquest-9SFの英語版を翻訳した項目を使用し,「新聞・読書」「値札・ラベル」「顔・表情」「テレビの字幕」のC4項目について各C1.4点のスコアとした.両スコアとも高得点のほうがより満足度が高くなるよう設定した.連続変数に対してCShapiro-Wilk検定にてデータの正規性を評価し,視力および屈折の経時的な変化に対してはCFried-man検定を行い,有意な変動がある場合にはCHolmの多重比較を行った.自覚CSEと他覚CSEの差についてはCMann-WhitneyU検定を用いた.アンケート結果の比較では,Wilcoxonの符号付順位検定を行った.統計解析ソフトはIBMSPSSStatisticsVer25.0forWindows(日本IBM)を使用し,統計学的有意水準をC5%未満(両側検定)とした.結果は,平均±標準偏差で標記する.CII結果LCはC65眼に挿入されていたが,選択基準に合わない症例(僚眼未手術C4眼,片眼CLC挿入C1眼,術後C3年まで経過観察できなかった症例など)を除き,19例(男性C6例,女性13例)38眼を解析対象とした.手術時の平均年齢はC70.7C±4.7歳だった.対象者の術前平均眼軸長はC23.54C±1.40Cmm,平均角膜乱視度数はC0.55C±0.28D,挿入されたCIOLの平均度数はC19.59C±3.93Dだった.術後C3年時の遠見視力値は,裸眼C.0.03±0.13,矯正C.0.06±0.05で,ともに平均小数視力がC1.07以上と良好となり,どちらも術後C1週間からC3年にわたり有意な差はなかった(裸眼:p=0.41,矯正:p=0.13)(図1a).同様に,遠見矯正下C70cm視力は0.05C±0.15(p=0.16),遠見矯正下50Ccm視力はC0.16C±0.22(p=0.052)で経時的変化に有意な差0.38D)C±0.22.週間(C1).自覚SEは,術後C1b図はなかった(と比較しC3年(-.0.07C±0.35D)で,有意に遠視化していた(p<0.01).他覚CSEも遠視化しており術後C1週間(C.1.06±0.41D)とC3カ月(C.0.73±0.46D)(p<0.05),1年(C.0.61±(以下,他覚CSE),術後C3年間の眼鏡装用率,Nd:YAGレ4.0.,3年.05)C0<p)(D8C0±0.59.,2年(.01)C0<p)(D04Cーザー後.切開術の施行率(以下,YAG施行率)とした.後.切開術はC1.0以上出ていた視力が後発白内障によってC0.9以下に低下したときや,1.0以上あっても患者が霧視を訴えそれが後発白内障によるものと判断した場合に行った.視力はC5Cm小数視力表にて最高C1.2まで測定し,統計解析の際にはClogarithmicminimumangleofresolution(logMAR)に換(.0.58D±0.58D)(p<0.01)で有意差を認め,また術後C1カ月(C.0.85±0.46D)とC1年でも有意差を認めた.また,自覚CSEと他覚CSEの差については術後C1週間からC3年まですべて有意差を認めた(すべてp<0.01)(図2).眼鏡を使用していたのはC3例で,使用目的は遠方視用C0例,近方視用C2例,遠近両用C1例で,装用率はC15.8%,近a(logMAR)-0.20p=0.13-0.10-0.07-0.07-0.08-0.06-0.07-0.060.00-0.01-0.010.010.00-0.030.000.020.10矯正0.20裸眼p=0.410.30BasedonFriedmantest0.390.40術前1週間1カ月3カ月1年2年3年b(logMAR)p=0.16BasedonFriedmantest-0.20-0.100.00-0.020.050.100.130.160.200.300.401週間1カ月3カ月1年2年3年図1術後視力の経時変化a:術前から術後C3年までの遠見裸眼および矯正視力の経時変化を示す.術後C1週間からC3年までの経時変化は統計学的な有意差を認めず視力が維持された.Cb:は遠方矯正下のC70CcmおよびC50Ccmの経時変化を示す.遠見視力と同様,術後C1週間からC3年までの経時変化は統計学的な有意差を認めず視力が維持された.方視用の平均加入度数はC2.00C±0.43Dだった.YAG施行率はC10.5%(4眼)で,施行時期は術後C22.37カ月(平均C31カ月)だった.アンケートによる術後満足度のスコアは術後C3カ月ではC8.13±2.28,術後C3年ではC8.44C±1.21で,有意な変化はなかった(p=0.76).日常生活満足度では術後C3カ月・3年の順に,「新聞・読書」はC3.2C±0.9,3.3C±1.2(p=0.99),「値札・ラベル」はC3.8C±0.8,3.8C±1.0(p=0.71),「顔・表情」はC3.6C±0.9,3.8C±1.0(p=0.94),「テレビの字幕」はC3.5C±0.8,3.6C±1.1(p=0.92)でいずれも有意差はなかった(図3).CIII考按LC挿入後C3年間の成績について調査した.遠見視力は裸眼も矯正も術後C1週間で良好だったがそのままC3年間維持されていた.術後C1年の成績の報告2)と比較しても差異はなかった.中間視力に該当するC70Ccm視力については術後C1週間でClogMAR値C.0.02(小数視力C1.05)と日常生活に十分と思われる視力が得られており,3年間変化はなかった.50Ccm視力は術後C1週間でClogMAR値C0.13(小数視力C0.74)ではあったがC3年間で低下することはなく,眼鏡装用率は15.8%で眼鏡は不要とする患者のほうが多かった.術後C1週間では自覚CSEC.0.22D,他覚CSEC.1.06Dと乖離しており,これは筆者らの過去の報告同様である3).また,高須らは術後1カ月での乖離量がC0.75Dだと報告4)しているが同等の乖離量だといえる.他覚CSEは術後C3年の間に徐々に遠視化したが,術後C3年目でも自覚CSEと他覚CSEの間には有意差があった.FindlらはCIOLデザインの違いによって術後C1カ月までは前房深度変化が顕著であり,術後C1年まで図2術後屈折値の変化自覚等価球面および他覚等価球面の経時変化と両者の差を示す.両者ともFriedman検定にて有意差を認め,Holm法による多重比較を行ったところ,自覚等価球面は術後C1週間とC1年の屈折値に有意差を認めた.また,他覚等価球面は術後C1週とC3カ月以降の各値,術後C1カ月とC1年の屈折値に有意差を認めた.他覚等価球面の術後C1年以降は値が維持された.自覚等価球面と他覚等価球面の値の差は術後C1週間からC3年までのすべてで有意差を認めた.変化することを報告した5).また,杉山らは術後C4日を起点として術後C1年までは前房深度が有意に深くなり,他覚屈折値もC3カ月までは徐々に遠視化したとしている6).LCは水晶体.の変化によって後方に移動するため,遠視化するものと思われる.術後C1カ月と術後C1年の間でも他覚CSEに有意差があったことから,LCも術後C1年は他覚CSEの遠視化が続くといえる.そのC1年の間に約C0.50Dの変化があるものの,遠見.70,50Ccm視力は屈折の変化に伴うことなく維持しており,LCのCIOL特性と考えられる.後発白内障に対し術後C3年までにC10.5%でCNd:YAGレーザー後.切開術が施行されていた.LCと同形状,同素材で加入度数のみが異なるCLS-313MF20およびCMF20Tの報告では発生率がC10.2%(93/913眼)とされており,本研究でも同等の結果だった7).疎水性アクリル素材の多焦点CIOLについてC3年間追跡した報告ではCYAG施行率がC2.4.5.1%とされている8).LCにおける後発白内障の発生頻度は高いと思われる.LCは親水性アクリル素材であるが,それが後発白内障のリスクに影響するのかどうか,さらに長期の経過観察が必要である.筆者らは前回,満足度に関するアンケート調査の結果,LCを挿入した患者のなかには手術直後は視力が良好にもかかわらず満足度が低く,満足度が上昇するのに時間がかかる患者がいると報告した9).今回の調査で,術後C3カ月ではC10点満点中C8.13点,術後C3年においてもC8.44点と,術後C3カ月からC3年では高い満足度が維持されることがわかった.今21BasedonWilcoxonsignedranktestp=0.71p=0.94p=0.92図3日常生活満足度の比較日常生活満足度の術後C3カ月とC3年のアンケートスコアを示す.すべての項目で経時的変化は認めずスコアは維持された.回は術直後のアンケートは行っていないが,一定期間日常生活を送るうちに順応が生じ,LCの明視域の広さを理解できるようになったものと推察する.LCは挿入後C3年間,良好で安定した遠見およびC70Ccm視力が得られ,眼鏡処方率は低く,患者満足度が高かった.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)神谷和孝:眼内レンズ度数計算の現状と今後.視覚の科学C42:39-43,C20212)OshikaT,AraiH,FujitaYetal:One-yearclinicalevalu-ationofrotationallyasymmetricmultifocalintraocularlenswith+1.5dioptersnearaddition.SciRepC9:13117,C20193)橋本真佑,蕪龍大,川下晶ほか:低加入度数分節型眼内レンズ挿入眼の測定機器による他覚屈折値の相違.眼科C62:69-72,C20204)高須逸平,高須貴美,貝原懸斗ほか:レンティスCRコンフォート挿入眼のオートレフラクトメータ値と自覚的屈折値との乖離.臨眼78:965-969,C20205)FindlO,HirnschallN,MaurinoVetal:Capsularbagper-formanceCofCaChydrophobicCacrylicC1-pieceCintraocularClens.JCataractRefractSurgC41:90-97,C20156)杉山沙織,後藤聡,小川佳子ほか:低加入度数分節型眼内レンズの術後前房深度経時的変化.日眼会誌C124:395-401,C20207)KimCWJ,CEomCY,CYoonCGECetal:ComparisonCofNd:CYAGClaserCcapsulotomyCratesCbetweenCrefractiveCseg-mentedCmultifocalCandCmultifocalCtoricCintraocularClenses.CAmJOphthalmolC222:359-367,C20218)HawardCT,CEnderCF,CSamavedamCSCetal:E.ectCofCAcrySofCversusCotherCintraocularClensCpropertiesConCtheCriskCofNd:YAGCcapsulotomyCafterCcataractsurgery:ACsystematicCliteratureCreviewCandCnetworkCmeta-analysis.CPLoSOneC14:e0220498,C20199)蕪龍大,川下晶,岩崎留己ほか:レンティスコンフォートR挿入後における満足度に影響する因子の検討.IOLC&RSC35:623-631,C2021***

緑内障患者が意識している点眼治療の煩わしさに対する手術療法の影響

2018年7月31日 火曜日

《第28回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科35(7):962.966,2018c緑内障患者が意識している点眼治療の煩わしさに対する手術療法の影響小竹修丸山勝彦禰津直也後藤浩東京医科大学臨床医学系眼科学分野CE.ectivenessofSurgicalTreatmentinReducingtheBurdenofEyedropInstillationPerceivedbyPatientswithGlaucomaOsamuKotake,KatsuhikoMaruyama,NaoyaNezuandHiroshiGotoCDepartmentofOphthalmology,TokyoMedicalUniversity緑内障手術が施行された症例C53例(平均年齢:63.2±15.0歳)に対して手術前後の点眼治療に関するアンケート調査を行い,患者が感じている点眼治療の煩わしさに対する手術療法の影響を検討した.術前後の点眼の煩わしさを記入方式で調査し,煩わしさの変化に影響する臨床因子を検討した.術前に使用していた点眼薬の本数はC3.1±1.0(レンジ:1.5)本,点眼回数はC5.9±3.0(1.13)回で,59%の症例は点眼行為を煩わしいと感じていた.術後,点眼本数はC1.7±0.7(0.4)本,点眼回数はC3.1±2.0(0.8)回と術前に比べ有意に減少し(p<0.0001),72%の症例は点眼の煩わしさが軽減したと回答した.その理由として,点眼本数が減ったことや副作用が減ったとする回答が多かった.手術によって使用薬剤を減少させることで,緑内障患者が日頃感じている点眼治療に対する煩わしさを軽減できる可能性がある.CWeinvestigatedthein.uenceofsurgicaltreatmentontheburdenofeyedroptreatmentperceivedbyglauco-mapatients.Toeachof53patientsstudied(meanage63.2±15.0years),aquestionnaireontheburdenofinstilla-tionwasadministeredbeforeandaftertheoperation.Aftersurgery,themeannumberofeyedropsuseddecreasedsigni.cantlyCfromC3.1CtoC1.7,CandCtheCmeanCnumberCofCinstillationsCdecreasedCfromC5.9CtoC3.1(p<0.0001),C59%Cofthepatientsfeelingthatinstillationwasburdensomebeforetheoperation.Aftertheoperation,however,72%ofthesubjectsrespondedthattheburdenwasreduced.Thereasonsgivenweredecreaseinnumberofeyedropsused,andreductionofadversee.ects.Eyedropnumberreductionbysurgerymaymitigatetheburdenofmedicalthera-pyperceivedbyglaucomapatients.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)35(7):962.966,C2018〕Keywords:緑内障,手術療法,薬物療法,煩わしさ,アンケート.glaucoma,surgicaltreatment,medicaltreat-ment,burden,questionnaire.Cはじめに現在,緑内障に対する治療としては何らかの眼圧下降処置が行われ,その手段はおもに点眼薬を中心とした薬物療法と手術療法からなる.このなかで,多くの症例に行われている薬物療法は治療の成功に患者のアドヒアランスが影響し1,2),アドヒアランスが不良であるほど視機能が悪化しやすいことが報告されている3.5).また,多剤併用療法となった場合にはさらにアドヒアランスは低下することが知られている6.8).すなわち,緑内障が進行すると多剤併用療法が必要となり,結果としてアドヒアランスが低下し,さらに緑内障が進行するという悪循環を招くことになる.一方,手術療法にも合併症による視機能低下をきたす可能性があること,眼圧下降が確実とは言い難いこと,どこの施設でも行うことができる治療方法ではないことなど,いくつかの欠点がある.しかし,手術によって十分な眼圧下降が得られ,緑内障点眼薬を中止,あるいは減少させることができ〔別刷請求先〕小竹修:〒160-0023東京都新宿区西新宿C6-7-1東京医科大学臨床医学系眼科学分野Reprintrequests:OsamuKotake,M.D.,DepartmentofOphthalmology,TokyoMedicalUniversity,6-7-1,Nishi-shinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo160-0023,JAPAN962(112)0910-1810/18/\100/頁/JCOPY(112)C9620910-1810/18/\100/頁/JCOPYれば,点眼治療の煩わしさを軽減させアドヒアランス改善に貢献できる可能性がある.したがって,点眼治療に対するアドヒアランスに不安がある症例に対しては積極的に手術の適応を考慮してもよいと考えられるが,それを裏付ける検討は今のところ行われていない.本研究は,緑内障手術が施行された症例に対して手術前後の点眼治療に関するアンケートを行い,患者が感じている点眼治療の煩わしさが手術療法によってどの程度変化するかを調査して,結果に影響する因子を検討することを目的とした.CI対象および方法対象は過去にC6カ月以上点眼治療が行われていた緑内障患者で,緑内障手術が施行された後,6カ月以上が経過した53例(男性C31例,女性C22例)である.なお,緑内障病型や施行された緑内障手術の術式(白内障手術との同時手術か否かを含む),緑内障手術前後に行われた白内障手術の既往の有無は問わないものとした.また,緑内障手術を複数回施行されている症例や,緑内障術後に白内障以外の疾患に対して手術が施行された症例は対象から除外した.さらに,両眼に緑内障を有する症例の場合,片眼のみ手術を行い僚眼は点眼治療を継続している症例は点眼治療の煩わしさを患者単位で評価するのは困難と考え対象から除外し,両眼とも手術が施行されている症例のみを組み入れた.本研究は東京医科大学医学倫理委員会の承認を受け,患者に本研究の主旨を説明し,同意を得たうえで行った.対象の背景を表1に示す.年齢はC63.2C±15.0歳(25.82歳)で,病型は狭義原発開放隅角緑内障C27例,正常眼圧緑内障C9例,原発閉塞隅角緑内障C2例,落屑緑内障C6例,ぶどう膜炎続発緑内障C9例で,片眼のみが緑内障であったのがC9例,両眼とも緑内障であったのがC44例であった.また,施表1対象の背景年齢C63.2±15.0歳(C25.C82歳)病型狭義原発開放隅角緑内障27例正常眼圧緑内障9例原発閉塞隅角緑内障2例落屑緑内障6例ぶどう膜炎続発緑内障9例片眼/両眼9例C/44例術式線維柱帯切除術90眼線維柱帯切開術6眼アルコンRエクスプレスR緑内障フィルトレーションデバイスを用いた緑内障チューブシャント手術1眼眼圧術前C22.4±7.5CmmHg(12.5C4mmHg)アンケート調査時C10.7C±3.6CmmHg(3.2C6mmHg)平均±標準偏差(レンジ)(113)行された術式は線維柱帯切除術C90眼,線維柱帯切開術C6眼,アルコンRエクスプレスR緑内障フィルトレーションデバイスを用いた緑内障チューブシャント手術C1眼であった.なお,32眼は白内障との同時手術が行われ,4眼には緑内障手術前に,5眼には緑内障手術後に白内障手術が施行されていた.術前の眼圧はC22.4C±7.5CmmHg(12.54CmmHg),アンケート調査時の眼圧はC10.7C±3.6CmmHg(3.26CmmHg)であった(両眼手術例の場合,両眼を含めた延べ眼での値).アンケートの内容を表2に示す.術前に本人が自覚していた点眼の煩わしさと点眼アドヒアランスについて質問し,術後の点眼の煩わしさの改善度を問い,その理由を回答していただいた.なお,アンケートは自己記入方式で行った.手術からアンケート調査までの期間はC33.4C±31.1カ月(6.111カ月)であった.次に,診療録をもとにデータを収集し,緑内障点眼薬のみならず,すべての点眼薬の本数,点眼回数を手術前,手術後で比較した.なお,配合点眼薬はC1剤C1本と集計した.ま表2緑内障手術前後の点眼治療の煩わしさに関するアンケート調査<手術をお受けになる前のことをお尋ねします>1.目薬を点眼することを大変だ,煩わしいと思っていましたか?□思っていた□少し思っていた□あまり感じていなかった□まったく感じていなかった2.目薬は決められた通りに点眼していましたか?□欠かさず点眼していた(忘れることはなかった)□ほぼ欠かさず点眼していた(忘れるのはC1カ月にC1回程度)□だいたい決められた通りに点眼していた(忘れるのはC1カ月に2.3回)□忘れることが多かった(忘れるのはC1週間に1.2回)□決められた通りに点眼できなかった(忘れるのはC1週間にC3回以上)<手術をお受けになった後のことをお尋ねします>3.目薬を点眼する煩わしさは軽減されましたか?□かなり軽減された□少し軽減された□変わらない□少し負担が増えた□かなり負担が増えた4.その理由は何ですか?患者さまによって目薬の本数や点眼する回数が減った方も増えた方もいらっしゃると思いますが,ご自分に当てはまる回答をしてください(複数回答可)□目薬の本数が減ったから/増えたから□点眼する回数が減ったから/増えたから□目薬の副作用が減ったから/増えたから□目薬の種類が変わったから□その他()あたらしい眼科Vol.35,No.7,2018C963表3術前後の点眼薬の本数と点眼回数術前術後p*全点眼薬本数C点眼回数C3.1±1.0本(1.5本)C5.9±3.0回(1.1C3回)C1.7±0.7本(0.4本)3.1±2.0回(0.8回)<C0.0001<C0.0001眼圧下降薬本数C点眼回数C2.7±0.9本(1.4本)C4.4±1.9回(1.9回)C0.2±0.5本(0.2本)0.4±1.2回(0.5回)<C0.0001<C0.0001眼圧下降薬以外本数C点眼回数C0.4±0.7本(0.3本)C1.5±2.4本(0.8本)C1.5±0.6本(0.3本)2.6±1.8本(0.8本)<C0.0001C0.0008た,点眼アドヒアランスと煩わしさはアンケートの結果を点数化して評価し,煩わしいと感じている理由をアンケート調査の結果から考察した.さらに,煩わしさの変化に影響する臨床因子(年齢,性別,緑内障病型,術式,術前後の点眼薬の本数,術前後の点眼薬の点眼回数)をCSpearman順位相関係数で検討した.統計解析は対応のあるCt-検定を用い,p<0.05を統計上有意とした.CII結果術前後の点眼薬の本数と点眼回数を表3に示す.術前に使用していたすべての点眼薬の本数,点眼回数は,術後有意に減少し,眼圧下降薬に限った検討でも同様であった.一方,眼圧下降薬以外の点眼薬は,本数,点眼回数とも術後有意に増加し,その内容は,術前はドライアイ治療薬や抗アレルギー薬が多く,術後は副腎皮質ステロイドや抗菌薬が主であった.なお,白内障手術との同時手術例,ならびに白内障手術追加例のなかで,アンケート調査時に非ステロイド性抗炎症薬を継続していた症例はなかった.また,ぶどう膜炎続発緑内障症例のなかで,術後ぶどう膜炎の炎症発作が原因で副腎皮質ステロイドが投与されているものはなかった.患者が感じていた術前の点眼の煩わしさの内訳を図1に示す.手術を受ける前に「目薬を点眼することを大変だ,煩わしいと思っていましたか?」という問いに対し,59%の症例が「思っていた」「少し思っていた」と回答した.術前の点眼アドヒアランスの内訳を図2に示す.手術を受ける前に「目薬は決められた通りに点眼していましたか?」という問いに対し,多くの症例は「欠かさず点眼していた(忘れることはなかった)」「ほぼ欠かさず点眼していた(忘れるのはC1カ月にC1回程度)」と回答し,忘れると答えた方はほとんどいなかった.術後の点眼の煩わしさの内訳を図3に示す.手術を受けた後,「目薬を点眼する煩わしさは軽減されましたか?」という問いに対して,72%の症例が「かなり軽減された」「少し軽減された」と回答し,負担が増えたと答えた方はほとんどいなかった.質問C3で術後,点眼する煩わしさが「かなり軽減された」「少し軽減された」と回答した症例(38例)の煩わしさが軽減した理由を図4に示す.「目薬の本数が減ったから」「目薬の副作用が減ったから」と回答したものが多かった.その他の理由として,「点眼にさほど煩わしさは感じない」「点眼はまったく気にならない」「将来,点眼が減ると思う期待感があるため」という回答もみられた.質問C3によって得られた術後の点眼に関する煩わしさの変化と,臨床因子(年齢,性別,緑内障病型,術式,術前後の点眼薬の本数,術前後の点眼薬の点眼回数,術前後の点眼本数の差,術前後の点眼回数の差)との関係を表4に示す.今回検討した各項目のなかには,煩わしさの改善度に相関する臨床因子はなかった.CIII考按本研究では,緑内障手術が施行された症例に対して手術前後の点眼治療に関するアンケート調査を行い,患者が感じている点眼の煩わしさに対する手術療法の影響を検討した.その結果,まず,自己申告による術前の点眼アドヒアランスの評価では,8割以上の患者が欠かさず,あるいは,ほぼ欠かさず点眼をしていた.これまで緑内障患者の点眼アドヒアランスに関して,アドヒアランス良好な症例は自己申告では82.97%9.11)であるのに対して,モニター監視などの他覚的評価ではC51.59%10,11)と報告されており,自己申告では現実を上回る結果となることがわかっている12).本研究で点眼アドヒアランスが良好であったのは,対象が手術適応のある症例であり,点眼遵守による手術の回避を期待した結果である可能性や,診療に携わっている医師が直接アンケートを依頼した影響が考えられる.また,過去の点眼状況を手術後に振り返った調査であったため,過大評価につながった可能性も否定できない.本研究では約C7割の症例が術後の点眼の煩わしさが軽減したと回答したが,その理由として点眼薬の本数が減少したこ(114)まったく感じていなかった11%思っていた25%あまり感じていなかった30%少し思っていた34%図1患者が感じていた術前の点眼の煩わしさの内訳「目薬を点眼することを大変だ,煩わしいと思っていましたか」少し負担が増えたかなり負担が増えた2%0%変わらない26%かなり軽減された57%少し軽減された15%図3術後の点眼の煩わしさの内訳「目薬を点眼する煩わしさは軽減されましたか?」表4術後の点眼する煩わしさの変化と臨床因子との関係相関係数p値年齢C0.13C0.36性別C.0.08C0.58緑内障病型C0.25C0.07術式C.0.01C0.97術前本数C.0.01C0.95回数C.0.02C0.92術後本数C0.12C0.40回数C0.14C0.31術前後本数の差C.0.10C0.49回数の差C.0.04C0.76(Spearman順位相関係数)とがあげられた一方で,点眼回数が減ったことを理由としてあげた症例は少なかった.点眼薬の本数が減少すれば結果的に点眼回数も減少するにもかかわらず,回数の減少が点眼する煩わしさの改善の理由になっていない結果を考えると,多剤併用療法そのものが「多くの点眼薬を使用しなければならない」という患者の精神的負担になっている可能性がある.一方,副作用が減少したことが煩わしさの改善の理由となっ(115)忘れることが多かった決められた通りに点眼できなかった(忘れるのは1週間に1~2回)(忘れるのは1週間に3回以上)目薬の種類その他5%目薬の副作用が減ったから36%目薬の本数が減ったから45%点眼する回数が減ったから8%その他:「点眼にさほど煩わしさは感じない」「点眼は全く気にならない」「将来,点眼が減ると思う期待感があるため」「特にない」図4術後,点眼する煩わしさが軽減した理由「目薬を点眼する煩わしさが軽減された理由は何ですか?」(複数回答可)(質問C3(図C3)で術後,点眼する煩わしさが「かなり軽減された」「少し軽減された」と回答したC38例C72%の結果)ているのは,角膜上皮障害や点眼アレルギーなどの副作用からも解放されたためと考えられることから,点眼薬による副作用が生じ,かつ点眼が煩わしいと感じている症例に対しては,手術療法をより積極的に考慮してもよい可能性がある.今回,手術療法により点眼薬の本数,点眼回数は減少したが,点眼の煩わしさの改善度は術前後の点眼本数,点眼回数,そして術前後の差と,いずれも相関しない結果となった.本研究の対象は,緑内障手術によってある程度の眼圧下降が達成されている症例が多く,手術によって十分な眼圧下降が得られたことが患者に満足感や達成感を与え,ポジティブな心理状態につながったと考えられる.本研究にはいつくかの問題点があるが,その主たるものは選択バイアスである.まず,緑内障手術の術式によっては術あたらしい眼科Vol.35,No.7,2018C965後も何らかの点眼薬の併用が必要となるが,本研究の対象の多くは線維柱帯切除術が施行されており,点眼薬が中止できた症例が多く含まれている.また,術後の投薬内容は治療効果や合併症発生の有無でも変わってくるが,本研究ではこれらについての検討は行っていない.さらに今回は,両眼とも手術を施行された症例のみを対象に組み入れたが,片眼には手術を行って,もう片眼は薬物療法で経過観察しているような,臨床的には多くみられる症例が組み入れられていない可能性がある.その他にも本研究では,複数回手術例や白内障以外の眼疾患の手術既往例といった,いわゆる難治例も対象から除外していることや,術前の点眼状況を手術後に振り返った調査であるなどの問題点がある.以上より本研究の対象は実際の臨床像と異なっている点は否定できず,今回の結果が緑内障手術全般に当てはまるとは断言できない.以上のような問題点はあるが,手術によって使用薬剤を減少させることで,緑内障患者が感じている点眼治療に対する煩わしさを軽減することができる可能性があることを明らかにすることができた.今後はまず術前にアンケート調査を行い,術後一定期間の後に再度アンケートを行って縦断的に評価し,また多数の術式を対象として手術成績を加味した検討を行っていく必要があると思われる.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)SchwartzCGF,CQuigleyCHA:AdherenceCandCpersistenceCwithCglaucomaCtherapy.CSurvCOphthalmolC53:S57-S68,C20082)NordstromCBL,CFriedmanCDS,CMoza.ariCE:PersistenceCandadherencewithtopicalglaucomatherapy.AmJOph-thalmolC140:598-606,C20053)ChenCPP:BlindnessCinCpatientsCwithCtreatedCopen-angleCglaucoma.OphthalmologyC110:726-733,C20034)StewartCWC,CChorakCRP,CHuntCHHCetCal:FactorsCassoci-atedwithvisuallossinpatientswithadvancedglaucoma-tousCchangesCinCtheCopticCnerveChead.CAmCJCOphthalmolC116:176-181,C19935)DiMatteoCMR:VariationsCinCpatientsC’CadherenceCtoCmedi-calCrecommendations:aCquantitativeCreviewCofC50CyearsCofresearch.MedCareC42:200-209,C20046)DjafariCF,CLeskCMR,CHarasymowyczCPJ:DeterminantsCofCadherenceCtoCglaucomaCmedicalCtherapyCinCaClong-termCpatientpopulation.JGlaucomaC18:238-243,C20097)SleathCB,CBlalockCS,CCovertCD:TheCrelationshipCbetweenCglaucomaCmedicationCadherence,CeyeCdropCtechnique,CandCvisualC.eldCdefectCseverity.COphthalmologyC118:2398-2402,C20118)高橋真紀子,内藤知子,溝上志郎ほか:緑内障点眼薬使用状況のアンケート調査“第二報”.あたらしい眼科C29:555-561,C20129)兵頭涼子,林康人,鎌尾知行:緑内障点眼患者のアドビアランスに影響を及ぼす因子.あたらしい眼科C29:993-997,C201210)NorellSE,GranstromPA,WassenR:AmedicationmoniC-torCandC.uoresceinCtechniqueCdesignedCtoCstudyCmedica-tionbehaviour.ActaOphthalmologyC58:459-467,C198011)佐々木隆弥,山林茂樹,塚原重雄ほか:緑内障薬物療法における点眼モニターの試作およびその応用.臨眼C40:731-734,C198612)RobinCAL,CNovackCGD,CCovertCDWCetCal:AdherenceCinglaucoma:objectiveCmeasurementsCofConce-dailyCandCadjunctiveCmedicationCuse.CAmCJCOphthalmolC144:533-540,C2007***(116)