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糖尿病黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニド製剤(マキュエイド®)の硝子体内注射の効果

2013年5月31日 金曜日

《原著》あたらしい眼科30(5):703.706,2013c糖尿病黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニド製剤(マキュエイドR)の硝子体内注射の効果杉本昌彦松原央古田基靖近藤峰生三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学教室IntravitrealInjectionofMaqaidR,ANewTriamcinoloneAcetonide,forDiabeticMacularEdemaMasahikoSugimoto,HisashiMatsubara,MotoyasuFurutaandMineoKondoDepartmentofOphthalmology,MieUniversityGraduateSchoolofMedicine目的:トリアムシノロンアセトニド製剤の硝子体内注射は糖尿病黄斑浮腫(diabeticmacularedema:DME)に有効である反面,まれに無菌性眼内炎を生じることがあり,防腐剤がその原因の一つとされている.マキュエイドR(MaQ)は,硝子体可視化に特化された防腐剤無添加のトリアムシノロンアセトニド製剤である.今回,DMEに対してMaQの硝子体内注射を行い,6カ月間経過観察したので報告する.対象および方法:本研究は,当院倫理委員会の承認を得て行った.他の治療が施行困難なDME患者9例10眼を対象とした.清潔下にMaQ4mgを硝子体内注射し,投与後6カ月間の視力,中心窩網膜厚,合併症につき検討した.結果:平均中心窩網膜厚は投与前555.9±207.0μmであったが,投与後6カ月で305.7±131.6μmと有意に改善した(p<0.05).Logarithmicminimumangleofresolution視力は投与前0.70±0.42から投与後3カ月で0.56±0.46と有意に改善した(p<0.05)が,6カ月後では有意差がみられなかった.合併症として無菌性眼内炎や手術を要する眼圧上昇は発生しなかったが,白内障の進行を4眼に認めた.結論:DMEに対するMaQ硝子体内注射の効果を6カ月にわたり観察した.本剤は防腐剤を含まない安全なステロイド製剤としてDMEの治療の選択肢となる.Purpose:Intravitrealtriamcinoloneacetonideinjection(IVTA)isausefultreatmentfordiabeticmacularedema(DME).However,preservativecontentcanoccasionallycausesterileendopthalmitis(SE).MaqaidR(MaQ)isanewpreservative-freetriamcinoloneacetonidethatislimitedtouseinvitrectomy.WeconductedanIRB(InstitutionalReviewBoard)-approvedtrialofIVTAusingMaQforDME.PatientsandMethods:Teneyesof9DMEpatientswhocouldnotreceiveadvancedtherapywereadministereda4-mgvitrealinjectionofMaQinasterileenvironment.Eyeexaminationresults,visualacuity,centralretinalthickness(CRT)andcomplicationswereevaluatedfor6months.Results:CRTdecreasedfrom555.9±207.0μmbeforeinjectionto305.7±131.6μmat6monthsafterinjection(p<0.05).Logarithmicminimumangleofresolutionvisualacuityimprovedfrom0.70±0.42beforeinjectionto0.56±0.46at3monthsafterinjection(p<0.05).Nostatisticallysignificantchangewasseenafter6months.NopatientshowedSEorsevereintraocularpressureelevation;4patientsexhibitedcataractformation.Conclusion:Weshowthatpreservative-freeMaQisusefulandsafeforDMEforatleast6months.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)30(5):703.706,2013〕Keywords:糖尿病黄斑浮腫,トリアムシノロンアセトニド,トリアムシノロンアセトニド硝子体内注射,防腐剤,無菌性眼内炎.diabeticmacularedema,triamcinoloneacetonide,intravitrealtriamcinoloneacetonideinjection,preservative,sterileendopthalmitis.〔別刷請求先〕杉本昌彦:〒514-8507三重県津市江戸橋2-174三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学教室Reprintrequests:MasahikoSugimoto,M.D.,DepartmentofOphthalmology,MieUniversityGraduateSchoolofMedicine,2-174Edobashi,Tsu-shi,Mie514-8507,JAPAN0910-1810/13/\100/頁/JCOPY(125)703 はじめに黄斑浮腫(macularedema:ME)は,網膜静脈血管閉塞やぶどう膜炎,糖尿病網膜症などに続発して視力低下の原因となりうる.特に糖尿病黄斑浮腫(diabeticmacularedema:DME)は種々の治療にしばしば抵抗を示すが,近年さまざまな薬物の眼内・眼外投与による治療が報告されている1).ステロイド製剤の一つであるトリアムシノロンアセトニド(triamcinoloneacetonide:TA)の硝子体内注射(intravitrealtriamcinoloneacetonideinjection:IVTA)は,DMEに対して有効な治療法の一つである.当初はBristolMyersSquibb社から市販されているケナコルトRが国内外で使用され,その有効性が報告されてきた2).しかし,0.8.1.6%の頻度で無菌性眼内炎を生じることが知られており3,4),防腐剤として添加されているベンジルアルコールがその原因の一つと考えられている5).発症防止には,静置やフィルターなどによる防腐剤の分離除去などが推奨されている6.8).防腐剤のみが無菌性眼内炎発症の原因ではないが,投与前にこのような処置が必要であることはIVTAが普及しにくい理由の一つとなっている.TAは,硝子体手術時の硝子体可視化にも用いられる9).わかもと製薬から2010年に市販された新しいTA製剤マキュエイドR(以下,MaQ)は術中硝子体可視化に特化されて市販された,防腐剤を含有しない製剤である.本剤はケナコルトRと同一成分であるが硝子体手術中使用のみに認可されており,MEに対する硝子体注射への使用は2012年11月にようやく認可された.防腐剤無添加であるので,本剤の使用により無菌性眼内炎の発症が低下し,より安全に治療が行える可能性がある.筆者らは,本剤が未認可であった2011年9月から院内倫理委員会承認のもと,MaQ硝子体内注射によるDMEの治療を開始した.今回は少数例ながらも本剤投与後6カ月間の経過観察を行うことができたので報告する.I対象および方法本研究は当院倫理委員会の承認を得て行った(申請番号9-124).施行前に患者本人もしくは家人から書面で同意を得た当院通院中のDME患者で,種々の問題から他の治療が施行困難な症例に対して行った.除外基準は,全身ないしは眼局所へのステロイド薬投与による合併症既往のある患者,20歳未満の患者,妊娠または授乳中の患者とした.40mgのMaQを清潔下で1mlのbalancedsaltsolution(BSSRPlus,参天製薬,大阪)に溶解し40mg/mlに調整した.患者は術3日前より抗生物質点眼を1日4回点眼し,術眼の減菌化を行った.術直前に0.25%ポビドンヨードにより十分に消毒・洗眼を行った.点眼ならびに結膜下への麻酔を行い,0.1ml(4mg)のMaQを角膜輪部から3.5.4mm704あたらしい眼科Vol.30,No.5,2013の部位で硝子体内注射を行った.直後に眼圧を確認し,眼圧が高ければ前房穿刺により前房水を排出して調整した.その後,抗生物質含有軟膏を塗布し,ガーゼ閉瞼して終了した.感染予防目的で術後1週間,抗生物質点眼を行った.硝子体内注射前および注射後1週間・1カ月・3カ月・6カ月後の各診察時に視力(logarithmicminimumanalogofresolution:logMAR値)・眼圧測定,前眼部・中間透光体・後眼部検査を行った.同時に光干渉断層計(OCT,SpectralisR,Heidelberg社)も行い,中心窩網膜厚(centralretinalthickness:CRT)を測定した.また,本治療を選択した背景とこれまでに行った治療内容も検討した.図1糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する,マキュエイドRの硝子体内注射後の眼底写真と注射前後の光干渉断層計(OCT)の変化注射翌日,眼内にはマキュエイドR粒子の散布(矢頭)が確認された(a).OCTでは,投与前には明らかなDMEがみられた(b,矢印)が,投与後1週間で速やかに改善していた(c,矢印).(126) II結果DMEを有する9例10眼にMaQの硝子体内注射を行った.9例(男性8例,女性1例)の平均年齢は67.4±9.6歳で,水晶体眼8眼,人工水晶体眼2眼であった.本治療を選択した背景としては,脳梗塞など血管閉塞性疾患の既往がありアバスチンRの投与が困難であった例が5眼,経済的理由などから硝子体手術を希望しなかった例が5眼であった.本治療前の治療としては,TATenon.下注射単独施行眼が6眼,TATenon.下注射+アバスチンR硝子体内注射施行眼が4**眼であった.10眼の投与前の平均CRTは555.9±207.0μmであったが,投与後1週間で350.3±122.7μmと速やかに減少し,これは統計学的に有意であった(p<0.05,図1).CRTの改善は投与後6カ月まで維持された(305.7±131.6μm,p<0.05,図2).視力のlogMAR値は投与前に0.70±0.42であったが,投与後3カ月には0.56±0.46と統計学的に有意に改善した(p<0.05).6カ月後では,0.59±0.45と依然改善傾向がみられたものの,有意ではなかった(図3).投与後合併症として,無菌性眼内炎や手術を要する眼圧上昇はみられなかったが,3眼で緑内障点眼1剤以上を必要とする眼圧上昇がみられた.また,4眼で白内障が進行し,その2眼で白内障手術900800500400300200100**投与前1週1カ月3カ月6カ月経過期間700600CRT(μm)図2マキュエイドR硝子体内注射前後のCRTの経時的変化を施行した.III考察わが国でのDME加療は,TATenon.下注射,抗血管内皮増殖因子(VEGF)製剤(アバスチンR)硝子体内注射や硝子体手術が行われている.TATenon.下注射は最も簡便でわが国で広く用いられているが,欧米では有効性が確認されておらず10),十分に普及していない.抗VEGF製剤の硝子体内注射も簡便な治療ではあるが,脳梗塞などの血管閉塞性疾患の既往がある患者には施行がためらわれる.硝子体手術も選択肢の一つであるが,経済的背景や全身状態により患者が望まないことがある.このように,DMEに対して他の治療が困難な症例に対して,特にMaQは防腐剤無添加であ糖尿病黄斑浮腫(DME)9例10眼に対する,マキュエイドRの1.4硝子体内注射前後の平均CRTおよび標準偏差を示す.投与後1週間でCRTは速やかに減少し,有意な減少は6カ月まで観るので安全なIVTA治療が行えると考えた.今回筆者らは,本剤の投与適応を他の加療が施行困難な症察された.*:p<0.05.例に限定した.その理由の一つは,本剤を用いても無菌性眼内炎が生じうる可能性や白内障,眼圧上昇が生じる可能性が1.5*投与前1週1カ月3カ月6カ月経過期間あると考えたからである11).もう一つの理由は,国内外ともにDMEに対してIVTAは第一選択とされていないという実情である.昨年度の米国網膜硝子体学会による網膜専門医へのアンケート調査結果(2012年度PATsurvey)では,DMEへのIVTAを行わないとする回答が48%もあった.さらに,わが国の網膜硝子体専門医に対する同様なアンケート(2011年度PAT-Jsurvey)でもIVTAを選択するのは15%程度と小数であった.そのため今回の研究ではDME治療に対する第一選択としてIVTAを行った症例はなく,症例の選択にバイアスがかかっている点が既報と大きく異なっている.MaQは2012年末になってDMEに対する使用がわが国でLogMAR値1.31.21.11.00.90.80.70.60.50.40.30.20.1図3マキュエイドR硝子体内注射前後の視力の経時的変化糖尿病黄斑浮腫(DME)9例10眼に対する,マキュエイドRの硝子体内注射前後のlogMAR値の平均および標準偏差.投与後3カ月でのみ有意な改善がみられた.6カ月の時点でも改善傾向はみられたが,術前との差は有意ではなかった.*:p<0.05.(127)認可された.薬剤添付文書によると,34眼を対象とした臨床試験ではMaQ非投与群に比し,投与後12週で有意な視力改善とCRT改善を認めている.今回,筆者らの検討でも3カ月までは同様の結果であった.しかし,臨床試験で報告されていない術後6カ月では,CRTは改善したものの視力あたらしい眼科Vol.30,No.5,2013705 改善は有意ではなかった.IVTAの単回投与の効果をみた既報でも,投与後に視力は4カ月間改善を示したが,その後視力は低下して6カ月後にはコントロール群と有意差が認められていない12).抗VEGF製剤硝子体内注射とIVTAの繰り返し投与を比較した報告では,観察期間2年で視力改善はコントロール群と差がなかったが,偽水晶体眼に限定した解析では良好な改善を得ており,ステロイド薬による白内障が視力低下の一因としている13).筆者らの検討でも白内障進行が4眼でみられた.偽水晶体眼を除くと対象症例中8眼中の半数で生じたことになる.また,手術を行った2例では各々初診時の矯正視力が0.3と0.03であったが,注射後白内障が徐々に進行した.白内障手術直前には各々0.2と0.02に低下し,羞明感が強くなり後.下白内障を呈していた.これらの変化が視力の結果に影響した可能性があると考えている.今回,筆者らは防腐剤無添加のTA製剤であるMaQを用いて,重篤な合併症なく安全にIVTAを行うことができた.少数例ながらも6カ月間経過観察することができた点で,視力やCRTの変化に関して興味深い所見が得られた.しかし,IVTAによる無菌性眼内炎の発症頻度は既報では2%以下と低いので,今回の症例数では出現しなかっただけかもしれない.また,筆者らはDMEに対する第一選択治療としてIVTAを行ったわけではないため,限定された症例に対する研究といえる.本剤のDMEに対する使用が認可されたこともあり,今後はさらに多数例における効果や副作用の詳細な研究が期待される.文献1)後藤早紀子,山下英俊:糖尿病黄斑浮腫の薬物治療.あたらしい眼科29(臨増):139-142,20122)JonasJB,KreissigI,SofkerAetal:Intravitrealinjectionoftriamcinolonefordiffusediabeticmacularedema.ArchOphthalmol121:57-61,20033)MoshfeghiDM,KaiserPK,BakriSJetal:Presumedsterileendophthalmitisfollowingintravitrealtriamcinoloneacetonideinjection.OphthalmicSurgLasersImaging36:24-29,20054)坂本泰二,石橋達朗,小椋祐一郞ほか;日本網膜硝子体学会トリアムシノロン調査グループ:トリアムシノロンによる無菌性眼内炎調査.日眼会誌115:523-528,20115)MaiaM,FarahME,BelfortRNetal:Effectsofintravitrealtriamcinoloneacetonideinjectionwithandwithoutpreservative.BrJOphthalmol91:1122-1124,20076)NishimuraA,KobayashiA,SegawaYetal:Isolatingtriamcinoloneacetonideparticlesforintravitrealusewithaporousmembranefilter.Retina23:777-779,20037)井上真,植竹美香,武田香陽子ほか:ベンジルアルコールを除去した硝子体内投与用トリアムシノロンアセトニド溶液の作成.眼紀55:445-449,20048)坂本泰二,樋田哲夫,田野保雄ほか:眼科領域におけるトリアムシノロン使用状況全国調査結果.日眼会誌111:936-945,20079)SakamotoT,MiyazakiM,HisatomiTetal:Triamcinolone-assistedparsplanavitrectomyimprovesthesurgicalproceduresanddecreasesthepostoperativeblood-ocularbarrierbreakdown.GraefesArchClinExpOphthalmol240:423-429,200210)DiabeticRetinopathyClinicalResearchNetwork,ChewE,StrauberSetal:Randomizedtrialofperibulbartriamcinoloneacetonidewithandwithoutfocalphotocoagulationformilddiabeticmacularedema:apilotstudy.Ophthalmology114:1190-1196,200711)JonasJB,KreissigI,DegenringR:Intravitrealtriamcinoloneacetonidefortreatmentofintraocularproliferative,exudative,andneovasculardiseases.ProgRetinEyeRes24:587-611,200512)JonasJB,HarderB,KamppeterBA:Inter-eyedifferenceindiabeticmacularedemaafterunilateralintravitrealinjectionoftriamcinoloneacetonide.AmJOphthalmol138:970-977,200413)ElmanMJ,BresslerNM,QinHetal:Expanded2-yearfollow-upofranibizumabpluspromptordeferredlaserortriamcinolonepluspromptlaserfordiabeticmacularedema.Ophthalmology118:609-614,2011***706あたらしい眼科Vol.30,No.5,2013(128)

網膜静脈分枝閉塞症に対する硝子体手術およびトリアムシノロン硝子体内投与の短期効果についての検討

2011年2月28日 月曜日

0910-1810/11/\100/頁/JCOPY(133)287《原著》あたらしい眼科28(2):287.292,2011cはじめに網膜静脈分枝閉塞症(branchretinalveinocclusion:BRVO)は,随伴する黄斑浮腫によりしばしば視力低下をきたす.BRVOに対する治療として,新生血管の抑制を目的とする網膜光凝固術1)や,黄斑浮腫に対する光凝固治療の有効性2)が示され,広く行われてきた.近年BRVOに伴う黄斑浮腫に対する治療として,硝子体手術3~6),トリアムシノロン7)や他の薬物(組織プラスミノーゲンアクチベータ8),ベバシズマブ9,10)など)硝子体内投与などの治療の有効性が多数報告されている.一方,自然経過により黄斑浮腫が軽減し視力改善する症例もある11~14)ことから,BranchVeinOcclusionStudy1,2)では治療開始前に3カ月間の経過観察を行うようにしている.また,opticalcoherencetomography(OCT)の普及により,BRVOに伴う黄斑浮腫の定量および形態の変化が観察できるようになってきている15).今回,BRVOに対する硝子体手術およびトリアムシノロンアセトニド硝子体内投与(intravitrealtriamcinoloneacetonide:IVTA)の短期の効果について,自然経過と比較し検討した〔別刷請求先〕神尾聡美:〒999-3511山形県西村山郡河北町谷地字月山堂111山形県立河北病院眼科Reprintrequests:SatomiKamio,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KahokuPrefecturalHospitalofYamagata,111Gassanndo,Yachiaza,Kahokucho,Nishimurayama-gun,Yamagata999-3511,JAPAN網膜静脈分枝閉塞症に対する硝子体手術およびトリアムシノロン硝子体内投与の短期効果についての検討神尾聡美*1山本禎子*2三浦瞳*2桐井枝里子*2山下英俊*2*1山形県立河北病院眼科*2山形大学医学部眼科学講座VitrectomyandTriamcinoloneAcetonideforMacularEdemawithBranchRetinalVeinOcclusionSatomiKamio1),TeikoYamamoto2),HitomiMiura2),ErikoKirii2)andHidetoshiYamashita2)1)DepartmentofOphthalmology,KahokuPrefecturalHospitalofYamagata,2)DepartmentofOphthalmologyandVisualScience,YamagataUnivercitySchoolofMedicine目的:網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に対する硝子体手術,トリアムシノロンアセトニド硝子体内注射(IVTA)の効果について自然経過と比較検討した.対象および方法:BRVOに伴う黄斑浮腫症例102例118眼(硝子体手術群37眼,IVTA群29眼,経過観察群52眼).術前,術後1~3カ月の視力,網膜厚を検討した.結果:網膜厚は硝子体手術群とIVTA群で術後1カ月から,経過観察群で2カ月から減少した.視力はIVTA群で術後1カ月,硝子体手術群で術後2カ月から改善したが,経過観察群では3カ月後まで改善しなかった.結論:硝子体手術,IVTAは黄斑浮腫および視力を早期に改善させる効果がある.Purpose:Toevaluatetheefficacyofvitrectomyandintravitrealtriamcinoloneacetonide(IVTA)forbranchretinalveinocclusion(BRVO),incomparisonwithnaturalprogress.ObjectandMethods:Of118eyes(102patients)withBRVO-associatedmacularedema,37weretreatedbyvitrectomy,29byIVTAand52(controls)werenottreated.Best-correctedvisualacuity(BCVA)andretinalthickness(RT)weremeasuredatenrollmentand1,2,and3monthsthereafter.Results:RTwasdecreasedat1monthaftervitrectomyandIVTA,andat2monthsafterinthecontrols.BCVAwasimprovedat1monthafterIVTAandat2monthsaftervitrectomy,butshowednoimprovementat3monthsinthecontrols.Conclusion:VitrectomyandIVTAaremoreeffectivethanthenaturalcourseforearlyimprovementofRTandBCVA.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)28(2):287.292,2011〕Keywords:網膜静脈分枝閉塞症,硝子体手術,トリアムシノロンアセトニド硝子体内注射,自然経過,光干渉断層計(OCT).branchretinalveinocclusion,vitrectomy,intravitrealtriamcinoloneacetonideinjection,naturalcourse,opticalcoherencetomograph(OCT).288あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011(134)ので報告する.I対象および方法本研究は山形大学医学部倫理委員会の承認をうけた.対象は2004年1月から2006年9月までに山形大学医学部眼科でBRVOに伴う黄斑浮腫を認め,評価開始時矯正小数視力0.5以下であった症例102例118眼である.男性44眼,女性74眼,年齢は44.82歳,平均65.6(±9.7)歳であった.治療法は,硝子体手術を施行した症例37眼(以下,vitrectomy群),IVTAを施行した症例29眼(以下,IVTA群),自然経過観察52眼(以下,経過観察群)であった.治療法のフローチャートを図1に示す.治療法の選択については,患者本人と相談のうえ選択した.治療前に自然寛解の可能性のあることが報告されている11~14)ことをもとに患者に説明して,3カ月間経過を観察した期間および治療を希望しなかった症例を経過観察群とし,3カ月経過観察後に症状が改善せず治療を希望した場合にはいずれかの治療を行った.発症から3カ月未満で治療を行った症例はvitrectomy群で11眼,IVTA群で2眼であった.Vitrectomy群では,経毛様体扁平部硝子体切除術を施行し,白内障を認めた症例では超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を施行した.Vitrectomyの術中に黄斑浮腫の治療目的でトリアムシノロン4mgを注入した症例は28例で,それ以外は黄斑部の残存硝子体の有無を確認し除去する目的でごく微量のトリアムシノロンを網膜表面に塗布し,確認後は吸引除去した.IVTA群では,トリアムシノロンアセトニド(ケナコルトR)4mgを30ゲージ針にて硝子体内に注入した.IVTA群においては治療前にリン酸ベタメタゾンナトリウム(リンデロンRA)の6回/日点眼を3週間行い,眼圧が有意に上昇した症例は除外した.経過観察群については初診から3カ月の経過観察中に治療の希望があり治療を行ったものは対象から除外した.除外して治療された症例は治療群のなかには含まれない.また,発症推定時期から1年以上経過している陳旧例は対象から除外した.評価項目は,術前または観察開始時,1カ月,2カ月,3カ月後の視力および網膜厚,評価開始時の年齢,性別,発症推定時期から治療または観察開始までの期間,血管閉塞部位,閉塞領域,フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)での虚血の有無,黄斑部虚血の有無とした.なお,FAにて5乳頭面積以上の虚血があったものを虚血型とした.視力は小数視力をlogMAR(logarithmicminimumangleofresolution)視力に換算し,視力の平均はlogMAR視力の相加平均で算出して評価した.視力変化に関してはlogMAR視力で0.3以上の変化を改善または悪化と定義した.網膜厚はOCTのretinalmapプログラムを使用し,中心窩平均網膜厚の値を用いた.網膜厚変化は術前網膜厚の20%以上の減少または増加を改善または悪化と定義した.また,各群での視力および網膜厚の改善率の変化について比較検討した.視力(網膜厚)改善率は「[治療後の視力(網膜厚).術前または観察開始時の視力(網膜厚)]/術前または観察開始時視力(網膜厚)の絶対値」と定義した.有意差検定には,平均値にはMann-WhitneyUtest,Kruskal-Wallistest,Kolmogorov-Sminov検定にて正規分布を示すデータに対しては一元配置分散分析,比率はFisherBRVOと診断黄斑浮腫ありVA≦0.5早期治療を希望3カ月間の経過観察希望経過観察群n=52Vitrectomyn=27IVTAn=23改善なしn=41改善または治療希望なしn=11Vitrectomyn=10*IVTAn=6*Vitrectomy群n=37IVTA群n=29図1治療のフローチャート*:治療後3カ月以上経過観察可能であった症例.(135)あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011289直接法,また,各群の視力および網膜厚の推移については分散分析を用いた.有意確率は0.05未満を有意と判断した.II結果各群の術前観察開始時の状態を表1に示す.治療または観察開始までの期間が経過観察群で有意に短い(p<0.001)が,その他の因子では3群間に有意差を認めなかった.治療および観察開始から3カ月後の各群の視力変化を図2に示す.Vitrectomy群は改善18眼(48.6%),不変16眼(43.2%),悪化3眼(8.1%),IVTA群では改善15眼(51.7%),不変14眼(48.3%),悪化0眼,経過観察群では改善11眼(21.2%),不変34眼(65.4%),悪化7眼(13.5%)であり,vitrectomy群およびIVTA群では経過観察群に比較し改善例が多かった(vitrectomy群p=0.006,IVTA群p=0.001).3カ月後の網膜厚変化を図3に示す.Vitrectomy群では改善18眼(48.6%),不変16眼(43.2%),悪化3眼(8.1%),IVTA群では改善17眼(58.6%),不変12眼(41.4%),悪化0眼,経過観察群では改善30眼(57.7%),不変19眼(36.5%),悪化3眼(5.8%)であり,3群間で有意差は認められなかった.つぎに,視力および網膜厚の推移を図4a,bに示す.3群の視力の推移では,IVTA群が治療後1カ月(p=0.001),vitrectomy群が治療後2カ月で有意に治療前に比較し視力が改善した(p=0.007)のに対し,経過観察群では最終観察時点の3カ月目においても改善しなかった.網膜厚の推移では,IVTA群およびvitrectomy群で治療後1カ月の時点で有意に減少した(IVTA群:p=0.001,vitrectomy群:p=0.012)のに対し,経過観察群では1カ月目181511161434037100%80%60%40%20%0%Vitrectomy(n=37)IVTA(n=29)経過観察(n=52)**□:改善■:不変■:悪化*p<0.01Fisher直接法図2視力(3カ月後)グラフ内の数字は眼数を示す.IVTA:intravitrealtriamcinoloneacetonide.181730161219100%30380%60%40%20%0%Vitrectomy(n=37)IVTA(n=29)経過観察(n=52)□:改善■:不変■:悪化図3網膜厚(3カ月後)グラフ内の数字は眼数を示す.IVTA:intravitrealtriamcinoloneacetonide.表1術前または観察開始時所見Vitrectomy群n=37IVTA群n=29経過観察群n=52p値観察開始時視力0.75±0.260.72±0.380.61±0.320.226*観察開始時網膜厚(μm)447.3±155.0458.6±114.7503.8±119.60.071年齢(歳)66.3±9.866.0±7.964.8±10.00.562性(女性/男性)2.11.641.890.951観察開始までの期間3.8±2.25.7±2.21.7±1.4<0.001*虚血型(%)37.844.844.20.951黄斑部虚血(%)21.620.719.20.650閉塞部位上(%)下(%)黄斑枝(%)54.135.110.855.234.510.349.035.615.40.688第1分枝閉塞(%)59.555.248.00.759第2分枝閉塞(%)29.734.536.60.837Kruskal-Wallistest*:one-wayANOVA.290あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011(136)ではほとんど減少せず2カ月から減少した(p<0.001).つぎに,各群での視力および網膜厚改善率の推移を比較検討した(図5a,b).IVTA群は経過観察群に比べ視力改善率は術後1カ月から3カ月まで有意に高かった(術後1カ月p<0.001,術後2カ月p=0.001,術後3カ月p=0.04).Vitrectomy群では術後1カ月,2カ月では経過観察群に比べ有意に改善率が高く(術後1カ月p=0.025,術後2カ月p=0.015),術後3カ月では改善率が高い傾向にあった(p=0.09).Vitrectomy群とIVTA群間では術後3カ月まで改善率に有意差を認めなかった.一方,網膜厚改善率では術後1カ月でvitrectomy群,IVTA群とも経過観察群に比べ有意に改善率が高かった(vitrectomy群p=0.016,IVTA群p<0.001)が,術後3カ月では経過観察群との間に有意差は認められなかった(vitrectomy群p=0.881,IVTA群p=0.621).IVTA群とvitrectomy群を比較すると,IVTA群はvitrectomy群に比べ術後1カ月で有意に改善率が高かった(p=0.048)が,術後3カ月では有意差を認めなかった(p=0.43).術後合併症の発生の内訳を表2に示す.IVTAで術後21mmHg以上の眼圧上昇を2眼(6.9%)に認めたが,眼圧上昇は最高20mmHg台後半であり,点眼治療にて改善した.術後細菌性眼内炎,網膜裂孔および網膜.離は3群とも認められなかった.表2術後合併症Vitrectomy群IVTA群経過観察群眼圧上昇(≧21mmHg)02眼(6.9%)0細菌性眼内炎000網膜.離000網膜裂孔0000.60.50.40.30.20.10013平均網膜厚改善率+SD経過観察期間(月)****:Vitrectomy:IVTA:Control図5b網膜厚改善率*p<0.05,**p<0.01Mann-WhitneyUtest.(3群間で有意差のあったものを*,**で表示)0123経過観察期間(月)***************7006005004003002001000中心窩平均網膜厚(μm)+SD:Vitrectomy:IVTA:Control図4b網膜厚*p<0.05,**p<0.01ANOVA(Bonferroni).(治療前または経過観察時視網膜厚と術後網膜厚との間に有意差のあったものを*,**で表示)0123経過観察期間(月)1.210.80.60.40.20-0.2平均視力改善率+SD*******:Vitrectomy:IVTA:Control図5a視力改善率*p<0.05,**p<0.01Mann-WhitneyUtest.(3群間で有意差のあったものを*,**で表示)1.210.80.60.40.200123経過観察期間(月)平均logMAR視力+SD**********:Vitrectomy:IVTA:Control図4a視力**p<0.01ANOVA(Bonferroni).(治療前または経過観察時視力と術後視力との間に有意差のあったものを**で表示)(137)あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011291III考按これまで,BRVOの治療には光凝固1,2),硝子体手術3~6),薬物治療(トリアムシノロン7),組織プラスミノーゲンアクチベータ8),ベバシズマブ硝子体内投与9,10)などの有効性が報告されている.一方でBRVOは症例により自然経過が大きく異なる疾患であり,自然経過により視力および網膜厚の改善を認める症例がしばしば認められる11~14).光凝固治療はBranchVeinOcclusionStudy1,2)の大規模臨床研究によりその有効性がすでに報告されているが,最近の治療による視力および網膜厚の改善が,治療によって改善しているのか自然経過で改善しているのかを判断することはむずかしく,治療によって改善したように思われる症例のなかには,自然経過で改善したものが含まれている可能性がある.以上の理由から,最近の治療法による結果とコントロールを比較することが必要であると考えられる.しかし,光凝固治療の有効性がすでに報告されている現在,本疾患の多数の症例において無治療で長期経過を観察することは倫理的にも非常に困難であり,無治療群をランダムに振り分けるのはさらに問題がある.しかし,BranchVeinOcclusionStudyの研究においても,治療介入に入る前に発症後3カ月は自然経過を観察していることから,3カ月間の経過観察は現在のところ倫理上問題が少ないと考えられる.したがって,治療群と経過観察群との比較を行う場合は,検討期間を自然経過観察期間の3カ月に合わせざるをえないため,今回の検討は3カ月間という短期間の観察となった.また,過去のBRVOの自然経過の報告ではOCTを用いた網膜厚の詳細な経過観察は行われていない.以上の理由から,本研究では3カ月といった短期間ではあるが,自然経過を観察した群と最近の新しい治療法を行った群の視力および網膜厚について比較検討を行った.その結果,治療および観察開始後3カ月の時点で視力が改善したのは硝子体手術では48.6%,IVTAでは51.7%であったが,経過観察群では21.2%のみでありvitrectomy群およびIVTA群に比較し有意に経過観察群で不良であった.一方,網膜厚の改善は,硝子体手術で43.2%,IVTAで58.6%の症例で認められ,経過観察群でも57.7%で改善した.この理由は,経過観察群のなかには,予後がきわめて良好で,観察開始後3カ月で視力が著しく改善する症例もあるが,ほとんどの症例が自然経過では浮腫の減少速度が治療群に比較して緩除であり,このために経過観察群では3カ月の経過観察期間内で十分な視力改善が得られなかったと考えられる.また,経過良好例がある一方,まったく浮腫は軽減せず,逆に一時的に浮腫が増強し視力も増悪する症例もあり,このような症例に対しては3カ月経過観察後に早急に治療を開始すべきであると考えられる.視力改善率は,術後1カ月から2カ月ではIVTA群およびvitrectomy群が経過観察群に比べて有意に高く,術後3カ月ではIVTA群は経過観察群より高く,vitrectomy群は経過観察群に比較し高い傾向にあった.この結果から,経過観察群に比較し治療群は早期から視力が改善しており,IVTAや硝子体手術などの治療法は少なくとも短期的には有効な治療法と考えられた.網膜厚改善率では経過観察群が観察開始後1カ月ではほとんど改善していないのに対し,IVTA群およびvitrectomy群では有意に高い改善率を認め,視力改善と同様に治療をすることによって早期から網膜厚が改善することがわかった.また,網膜厚の改善率は,観察開始後1カ月の時点で,vitrectomy群に比較しIVTA群で有意に高い改善率であった.この結果はIVTAでは硝子体手術より早く浮腫が減少することが示され,視力予後の点からIVTAが望ましい可能性も考えられる.しかし,IVTAでは投与後3~6カ月で再発が多いことが報告されている7).もし,再発した場合,再度のIVTAあるいは他の治療を行うことになるが,再発をくり返した場合は最終視力にどのように影響するかは不明であり,硝子体手術とIVTAの効果の優劣に関してはさらに長期の経過を観察する必要がある.今回の検討では,治療後の合併症として,IVTA群で2眼(6.9%)に眼圧上昇が認められた.IVTAによる術後眼圧上昇の報告によると,約26%で21mmHg以上の眼圧上昇が認められ16),トリアムシノロンの薬剤効果は約8~9カ月継続するため,少なくとも6カ月以上の経過観察が必要17)とされている.今回検討した症例では認められなかったが,IVTAでは,術後眼内炎の発生の可能性18,19),硝子体手術では術中網膜裂孔や術後網膜.離の発生の可能性20,21)などが存在するため,治療にあたっては十分な説明と術後管理が必要であると思われた.黄斑浮腫は遷延化すると.胞様黄斑浮腫の形態をとることが多い.組織学的な.胞様黄斑浮腫の形成メカニズムは,黄斑浮腫の遷延化によりMuller細胞の細胞内浮腫が生じ,引き続いてMuller細胞の細胞構造が破壊されると細胞間液の吸収が遅延することで形成されると考えられている22).したがって,黄斑浮腫が長期に及ぶと不可逆的な組織変化および機能障害が生じ,浮腫が消失しても視力が改善しない可能性があることから,早期に浮腫を改善することは視力予後を良好にする可能性がある.しかし,どれくらい早期に浮腫を改善させることが長期的な視力予後に影響するかについては,さらに症例数を増やし,長期間の治療経過を観察しなければならない.また,発症後3カ月間は無治療で経過観察するという治療方針が長期的な視力予後に影響するかについても,より長期の観察を行う必要がある.今回の検討では,経過観察群は治療群に比較して観察開始までの時間が少なく,観察開始時での視力が比較的良好な症292あたらしい眼科Vol.28,No.2,2011(138)例が多い傾向があった.経過観察群には,初診時より視力が良好で浮腫も軽度な症例,あるいは短期間で視力および浮腫が改善した症例が多く含まれている可能性がある.本検討が治療方針を患者の希望により決定しており,無作為割り付け試験でない以上,経過観察群と治療群の間に何らかのバイアスが入ることは否めない.しかし,経過観察群で予後が良い症例を多く含んでいる可能性があるにもかかわらず,経過観察群と比較し治療介入群で有意に視力改善度は大きかった.この結果から考えて,IVTAや硝子体手術は視力の改善という点において短期的には有効であると考えられた.以上の結果より,3カ月間の経過観察において,自然経過観察に比較しIVTAや硝子体手術などの治療は,早期から浮腫を軽減させ視力が改善することがわかった.また,短期的には浮腫の軽減は硝子体手術に比べIVTAでより早期から認められたが,IVTAは再発もあるので,最終的な視力予後を知るためには長期での検討が今後必要であると思われた.文献1)BranchVeinOcclusionStudyGroup:Argonlaserscatterphotocoagulationforpreventionofneo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