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パノラマ広角光干渉断層血管撮影が病態の進行評価に有用であった閉塞性網膜血管炎の1例

2024年11月30日 土曜日

《原著》あたらしい眼科41(11):1361.1365,2024cパノラマ広角光干渉断層血管撮影が病態の進行評価に有用であった閉塞性網膜血管炎の1例安藤諒太*1木村雅代*1加藤亜紀*1物江孝文*1野崎実穂*1丸山和一*2安川力*1*1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学*2大阪大学大学院医学系研究科視覚情報制御学寄附講座CACaseofOcclusiveRetinalVasculitisEvaluatedbyPanoramicOpticalCoherenceTomographyAngiographyRyotaAndo1),MasayoKimura1),AkiKato1).TakafumiMonoe1),MihoNozaki1),KazuichiMaruyama2)andTsutomuYasukawa1)1)DepartmentofOphthalmologyandVisualScience,NagoyaCityUmiversityGraduateSchoolofMedicalSciences,2)DepartmentofAdvancedDeviceMedicine,GraduateSchoolofMedicine,OsakaUniversityC目的:パノラマ広角光干渉断層血管撮影(OCTA)が病態の進行評価に有用であった閉塞性網膜血管炎のC1例を経験したので報告する.症例:43歳,女性.右眼の見えにくさがあり近医受診し,当院へ紹介された.両眼に網膜出血と網膜血管の白鞘化を認めた.フルオレセイン蛍光造影(FA)では蛍光漏出および周辺部に広範な無灌流領域が存在し,両眼の閉塞性網膜血管炎と診断した.プレドニゾロン(PSL)内服を開始したが,FAで無灌流領域の拡大を認めたため,初診C22カ月後にステロイドパルス療法を施行した.経過中に施行したパノラマ広角COCTAでは,右眼黄斑部上方および両眼耳側周辺部の無灌流領域が描出可能で,受診のたびに撮影し,無灌流領域拡大の有無を評価した.考察:パノラマ広角COCTAは短時間で周辺部まで鮮明に無灌流領域の撮影が可能であり,閉塞性網膜血管炎の病態評価に有用と考えられた.CPurpose:ToCreportCaCcaseCofCocclusiveCretinalvasculitis(ORV)inCwhichCpanoramicwide-.eld(WF)opticalCcoherencetomographyCangiography(WF-OCTA)wasCusefulCforCassessingCtheCprogressionCofCtheCdisease.CCasereport:AC43-year-oldCfemaleCwithCtheCprimaryCcomplaintCofCblurredCvisionCinCherCrightCeyeCwasCreferredCtoCNagoyaCityUniversityHospital.Bilateralretinalhemorrhageandretinal-vesselsheathingwasobserved.Fundus.uorescenceangiography(FA)showedleakageandextensivenonperfusionarea(NPA)intheperiphery.ShewasdiagnosedCwithCbilateralCORVCandCtreatedCwithCoralCadministrationCofCprednisolone.CAtC22CmonthsCafterCtheCinitialCdiagnosis,CFACshowedCenlargementCofCtheCNPAs,CdespiteCtreatment.CThus,CintravenousCmethylprednisoloneCpulseCtherapyCwasCadministered.CPanoramicCWF-OCTACwasCperiodicallyCperformed,CandCrevealedCthatCNPAsCatCtheCregionsuperiortothemaculaintherighteyeandatthetemporalperipheryofbotheyesremainedstable.Conclu-sionsPanoramicWF-OCTAdetectedNPAsevenintheperiphery,andwasusefulforevaluatingthepathologicalprogressionineyeswithORV.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C41(11):1361.1365,C2024〕Keywords:閉塞性網膜血管炎,パノラマ広角光干渉断層血管撮影,フルオレセイン蛍光造影.occlusiveretinalvasculitis,panoramicwide-.eldopticalcoherencetomographyangiography,.uorescein.uorescencefundusangiog-raphy.Cはじめにかし,造影剤によるアナフィラキシーなどの副作用のリスク網脈絡膜疾患の診断および経過観察にはフルオレセイン蛍や患者への侵襲を考えると頻回に施行することはむずかし光造影検査(.uoresceinangiography:FA)が望ましい.しい1,2).〔別刷請求先〕木村雅代:〒467-0001愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1名古屋市立大学病院眼科Reprintrequests:MasayoKimura,M.D.,DepartmentofOphthalmology,NagoyaCityUniversityHospital,1,Kawasumi,Mizuho-cho,Mizuho-ku,Nagoya,Aichi467-0001,JAPANC図1初診時超広角走査型レーザー検眼鏡(OptosCalifornia)所見網膜出血(C.),網膜血管白鞘化(C.),軟性白斑(.)を認める.図2初診時フルオレセイン蛍光造影(OptosCalifornia)所見周辺部に広範な無灌流領域(C.)と蛍光漏出(C.)を認める.光干渉断層血管撮影(opticalcoherencetomographyangi-ography:OCTA)は光干渉断層計(opticalCcoherencetomography:OCT)の静的シグナルを減算し血球由来の動的シグナルを検出することにより,網脈絡膜の血管構造を非侵襲的に画像化する装置であり,FAに代替しうるものであるが,初期のCOCTAでは撮像範囲が後極部に限られていた.しかし,機器の進歩により,最近ではパノラマ合成により広範囲の眼底撮像が可能となっている.今回,パノラマ広角OCTAが病態の進行評価に有用であった閉塞性網膜血管炎のC1例を経験したので報告する.CI症例患者:43歳,女性.主訴:右眼のみえづらさ現病歴:患者は,以前よりCRaynaud症状および抗核抗体640倍と異常高値の指摘があり,近医膠原病内科にて混合性結合組織病の疑いとされていた.しかし,確定診断はついておらず経過観察となっていた.1週間前より右眼の見えにくさが出現したため,近医眼科を受診した.近医では右眼視力C1.2(n.c.),左眼視力C1.0(1.2C×sph+0.25D(cyl.0.50DAx160°),右眼眼底に軟性白斑,両眼に網膜出血および血管の狭小化を認めたため,翌日当院眼科紹介受診となった.既往歴:混合性結合組織病疑い,月経困難症(低用量ピル内服中),偏頭痛,副鼻腔炎,両眼近視に対してClaser-assistedinsitukeratomileusis(LASIK)施行(30代の頃)家族歴:特記すべき事項なし.妊娠,出産歴:なし.初診時所見:初診時視力は右眼C1.5(n.c.),左眼C1.5(n.c.),前眼部・隅角・中間透光体には異常所見は認めなかった.眼底には両眼とも血管に沿った網膜出血,網膜動静脈の白鞘化,軟性白斑が存在し(図1).FAでは周辺部に広範な無灌流領域と蛍光漏出がみられた(図2).毛細血管瘤は認められなかった.図3ステロイドパルス療法前パノラマ広角OCTA(XephilioCanonA1)17.5mm×17.5mm画像右眼黄斑部上方および両眼耳側の無灌流領域が描出可能であった.図4最終受診時パノラマOCTA(XephilioCanonS1)約33mm×約27mm画像XephilioCanonA1による撮影範囲(点線枠内)より広角で,OptosFAとほぼ同じ範囲が描出されている.ステロイドパルス療法前と比較し両眼周辺部無灌流領域の拡大はみられない.肝炎,梅毒,結核,ヘルペスウイルス,サイトメガロウイルス,ヒト免疫不全ウイルス,ヒトCT細胞白血病ウイルスC1型,トキソプラズマといった感染症の採血検査は陰性であり感染症に伴う血管炎は否定的であった.自己免疫疾患に伴う網膜血管炎を疑い膠原病内科にて精査となった.採血では抗カルジオリピン抗体がC1,785Cmg/ml,IgGがC12CU/mlと弱陽性であったが,抗CSm抗体,抗CDNA抗体,抗CRNP抗体,抗CScl-70抗体抗CSS-A抗体,抗セントロメア抗体,PC3-ANCA,MPO-ANCAは陰性であった.また,眼底以外に明らかな臓器病変は認められず全身疾患の診断には至らなかったため,特発性閉塞性網膜血管炎の診断となった.II経過広範囲にわたって網膜血管の閉塞を認めたが視力低下はなく,自覚症状も軽度であり,治療介入行わず経過観察を行っていた.しかし,初診時よりC9カ月後に再度CFA検査を行ったところ,周辺部の無灌流領域の拡大を認めた.そのため,膠原病内科に相談のうえ,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)1日C30Cmgで内服を開始した.しかし,PSL内服による自覚的倦怠感が強く,内服早期に減量を開始し,内服開始からC3カ月後にはCPSL15Cmg内服とし,その後継続した.初診C22カ月後からはCFA検査の代わりにパノラマ広角OCTA(XephilioCanonA1およびCXephilioOCT-S1,キヤノン)を用いて無灌流領域の評価を行った.初診時より継続的に周辺部無灌流領域の拡大が進行したため(図3),初診22カ月後にステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1,000Cmg点滴静注/日をC3日間)施行し,バイアスピリン内服(100Cmg)も開始した.ステロイドパルス療法後はCPSL40mg内服とし,その後,漸減した.初診24カ月後にはPSL減量のためシクロスポリン(cyclosporinA:CyA)をC1日C150Cmgから開始し,パノラマ広角COCTAで周辺部無灌流領域の拡大がないことを確認しながら,PSLを漸減した.ステロイドパルス療法後から最終受診時(初診C36カ月後,ステロイドパルス療法後C14カ月)までパノラマ広角COCTAで無灌流領域の拡大は認めなかった(図4).最終受診時にはCPSL17.5Cmg内服を継続しており,右眼視力C1.2(n.c.),左眼視力C0.9(1.0C×cyl.0.50DAx150°)と視力低下は認めていない.CIII考按パノラマ広角COCTAが病態評価と治療方針の決定に有用であった閉塞性網膜血管炎のC1例を経験した.OCTAはCOCTを用いて非侵襲的に網膜の血流情報を層別に捉え評価が可能なイメージング技術でありC2006年に初めて報告された3).網膜動脈閉塞症4),網膜静脈閉塞症5),糖尿病網膜症6)などの疾患において新生血管や無灌流領域の描出に有用であるとされており,ぶどう膜炎の診断においても網脈絡膜血管の循環動態の評価にCOCTAが有用であるとの報告がある7).網膜血管閉塞が病態の一因となる特発性の網膜血管炎,網膜血管瘤,視神経網膜炎をきたすCidiopathicCretinalCvasculitis,CaneurysmsCandneuroretinitis(IRVAN)症候群8)や自己免疫機序により頭蓋内,内耳,網膜の微小血管に炎症をきたし,脳症,難聴,視力障害を生じるCSusac症候群9)でも,その診断および経過観察にCOCTAが有用であったと報告されている.初期のCOCTAの撮像範囲はC3C×3Cmm程度と撮像範囲が狭く後極部に限られていた.OCTAを撮像する際に+20Dのレンズを装用することで,より広範囲のCOCTA画像を撮像するCextendC.eldimaging法も発表されていたが10),器械性能の向上により近年撮影可能範囲が飛躍的に拡大した.今回,筆者らは,キヤノンのC2種類のCOCTAを用いて閉塞性血管炎のC1例を経過観察した.XephilioOCT-A1Angiogra-phyModelではC1回の撮影で最大C10C×10mmのCOCTA画像を取得し,パノラマ画像合成ソフトウェアによりC5枚のOCTA画像を合成することで最大C17.5C×17.5Cmmのパノラマ画像を構築できる.XephilioOCT-S1ではC1回の撮影で最大C23C×20Cmm(画角約C80°)の画像を取得し,パノラマ合成により最大約C33CmmC×約C27mm(画角約C110°)の画像を構築できる.周辺無灌流領域の評価を要した本症例の病態評価にも有用であった.従来,網膜血管病変の診断にはCFAが用いられてきた.造影剤を用いることにより網膜血管形態や無灌流領域の描出とともに,網膜血管内から血漿成分が血管外に移動する現象は蛍光漏出としてとらえられ,これらを経時的に観察することで網膜疾患の診断法の一つとして用いられてきた.しかし,造影剤に対する反応として嘔気や嘔吐,アナフィラキシーなどの副作用が出現する可能性があり,また腎不全患者や小児,妊婦などには積極的に施行できないというデメリットも有している1,2).これに対し,OCTAは造影剤を用いずに血管を描出することが可能であるため,造影剤使用による副作用がなく,また検査時間も短いという利点がある.一方で,OCTAではCFAで確認できる蛍光漏出や蛍光貯留をとらえることはできず,完全なCFAの代用にはならないが,非侵襲的に頻回に施行できるメリットは大きい.糖尿病網膜症,網膜静脈分枝閉塞症,加齢黄斑変性のいずれかの疾患を有する患者に対しCFAとCOCTAを施行し病変検出率を検討した論文では,FAとCOCTAの病変検出率ほぼ同等であったとされている11).また,Hiranoら12)はCswept-source(SS)C-OCTAC15Cmm×15Cmm硝子体網膜界面(vitreoretinalCInter-face:VRI)画像と同じC15CmmC×15Cmm領域のCFAによって検出された新生血管の数を比較し,FAによって検出された100本の新生血管うちC73本の新生血管をCSS-OCTAVRI画像で検出することができ,さらにセグメンテーションを手動で修正した場合には感度はC73%からC84%まで改善したと報告している.本症例では周辺部の無灌流領域や新生血管の描出が病態評価に重要であるため,頻回なCOCTAでの経過観察および病態評価が治療方針決定に有用であった.閉塞性網膜血管炎は膠原病に伴う続発性と特発性に分けられる.膠原病に伴う閉塞性網膜血管炎では全身性エリテマトーデス,多発性筋炎および皮膚筋炎,結節性多発動脈炎,全身性進行性硬化症(強皮症),関節リウマチ,混合性結合組織病,Sjogren症候群などにより,さまざまな網膜病変を示す.網膜出血,軟性白斑,網膜毛細血管床閉塞,網膜動静脈閉塞,網膜色素上皮異常などの所見を呈し,閉塞性血管炎の結果,新生血管を伴うこともある.今回の症例でも膠原病の関与が疑われ精査を重ねたが全身性疾患の診断には至らず,特発性閉塞性網膜血管炎として加療,経過観察を行った.本症例ではもともと月経困難症に対し低用量ピルを内服していたが初診C18カ月後のタイミングで内服は中止となっている.現在までに低用量ピル内服による網膜静脈閉塞症または網膜動脈閉塞症の症例報告がなされている13).一方で,CSongら14)のコホート研究では低用量ピルでは網膜静脈閉塞症および網膜動脈閉塞症のリスクは増加しないと報告されている.今回のような閉塞性網膜血管炎に低用量ピルが関連しているという報告はなされていないが,病態的に発症や進行に関与していた可能性は考えられる.特発性閉塞性網膜血管炎はCJampolら15)によって提唱された疾患であり,網膜微小梗塞とそれに続発する網膜血管新生を特徴とし網膜出血と硝子体出血を引き起こすが疾患原因や病態は不明な点も多い.本症例についても今後十分な経過観察が必要である.今回,パノラマ広角COCTAにて病態把握と治療効果を評価した閉塞性網膜血管炎のC1例を経験した.広角COCTAのパノラマ合成画像を用いた周辺部の無灌流領域や新生血管評価は,経過観察や治療方針の決定に有用と考えられた.文献1)XuCK,CTzankovaCV,CLiCCCetal:IntravenousC.uoresceinCangiography-associatedadversereactions.CanJOphthal-molC51:321-325,C20162)湯澤美都子,小椋祐一郎,髙橋寛二ほか:眼底血管造影実施基準委員会.眼底血管造影実施基準(改訂版).日眼会誌C115:67-75,C20113)MakitaCS,CHongCY,CYamanariCMCetal:OpticalCcoherenceCangiography.OptExpressC14:7821-7840,C20064)deCCastro-AbegerCAH,CdeCCarloCTE,CDukerCJSCetal:COpticalCcoherenceCtomographyCangiographyCcomparedCtoC.uoresceinangiographyinbranchretinalarteryocclusion.OphthalmicCSurgCLasersCImagingCRetinaC46:1052-1054,C20155)SuzukiCN,CHiranoCY,CYoshidaCMCetal:MicrovascularCabnormalitiesConCopticalCcoherenceCtomographyCangiogra-phyinmacularedemaassociatedwithbranchretinalveinocclusion.AmJOphthalmolC161:126-132,C20166)TakaseN,NozakiM,KatoAetal:Enlargementoffovealavascularzoneindiabeticeyesevaluatedbyenfaceopti-calcoherencetomographyangiography.RetinaC35:2377-2383,C2015C7)DingerkusVLS,MunkMR,BrinkmannMPetal:OpticalcoherencetomographyCangiography(OCTA)asCaCnewCdiagnostictoolinuveitis.JOphthalmicIn.ammInfectC9:C10,C20198)OuederniCM,CSassiCH,CChellyCZCetal:OpticalCcoherenceCtomographyCangiographyCinCidiopathicCretinalCvasculitis,aneurysmsandneuroretinitis(IRVAN)syndrome:acasereport.EurJOphthalmolC32:144-148,C20229)Alba-LineroC,Liscombe-SepulvedaJP,LlorencVetal:CUseCofCultra-wideC.eldCretinalCimagingCandCopticalCcoher-enceCtomographyCangiographyCinCtheCdiagnosisCofCincom-pleteCSusacCsyndrome.CEurCJCOphthalmolC31:3238-3247,C202110)KimuraM,NozakiM,YoshidaYetal:Wide-.eldopticalcoherenceCtomographyCangiographyCusingCextendedC.eldCimagingCtechniqueCtoCevaluateCtheCnonperfusionCareaCinCretinalCveinCocclusion.CClinCOpththalmolC10:1291-1295,C201611)野崎実穂,園田祥三,丸子一郎ほか:網脈絡膜疾患における光干渉断層血管撮影と蛍光眼底造影との有用性の比較.臨眼C71:651-659,C201712)HiranoCT,CHoshiyamaCK,CHirabayashiCKCetal:VitreoretiC-nalCinterfaceCslabCinCOCTCangiographyCforCdetectingCdia-beticCretinalCneovascularization.COphthalmolCRetinaC4:C588-594,C202013)ChapinCJ,CCarlsonCK,CChristosCPJCetal:RiskCfactorsCandCtreatmentCstrategiesCinCpatientsCwithCretinalCvascularCocclusions.ClinApplThrombHemostC21:672-677,C201514)SongCD,CNadelmannCJ,CYuCYCetal:AssociationCofCretinalCvascularCocclusionCwithCwomenC.llingCaCprescriptionCforCfemaleChormoneCtherapy.CJAMACOphthalmolC139:42-48,C202115)JampolLM,IsenbergSJ,GoldbergMF:Occlusiveretinalarteriolitiswithneovascularization.AmJOphthalmolC81:C583-589,C1976C***

広角光干渉断層血管撮影を用いた網膜無灌流領域の 各象限ごとの検討

2024年2月29日 木曜日

《第28回日本糖尿病眼学会原著》あたらしい眼科41(2):201.205,2024c広角光干渉断層血管撮影を用いた網膜無灌流領域の各象限ごとの検討山本学平山公美子居明香本田聡河野剛也本田茂大阪公立大学大学院医学研究科視覚病態学CInvestigationofEachQuadrantoftheRetinalNonperfusionAreausingWide-FieldOpticCoherenceTomographyAngiographyManabuYamamoto,KumikoHirayama,AkikaKyo,SatoshiHonda,TakeyaKohnoandShigeruHondaCDepartmentofOphthalmologyandVisualSciences,OsakaMetropolitanUniversityGraduateSchoolofMedicineC目的:広角フルオレセイン蛍光造影(FA)と広角光干渉断層血管撮影(OCTA)を用いて糖尿病網膜症(DR)の無灌流領域(NPA)の評価を各象限ごとに比較検討した.対象および方法:2021年C1月.2022年C8月に大阪公立大学医学部附属病院眼科で広角CFAと広角COCTAを撮影したC38例C76眼.広角CFAの撮影にはCOptos200Tx(Optos社,撮影画角200°)を,広角OCTAはCOCT-S1(キヤノン)を使用した.NPAの検討は,眼底を上下内外のC4象限に分け,FAを基準にCNPAの一致率を検討した.結果:各象限の所見一致率は上下内外それぞれ,80.6%,96.2%,96.8%,81.8%で下方,内側に高い傾向にあったが有意差はなかった(p=0.076).OCTAでのCNPAの感度はC72.7%,100%,100%,73.3%で有意差を認め(p<0.01),特異度はC100%,87.5%,85.7%,88.9%で有意差はなかった(p=0.737).結論:各象限ごとでCNPAの検出に違いがみられた.OCTAの特性を理解し活用することで,日常診療におけるCFAの機会の減少やより確実なCDRの評価につながると考えた.CPurpose:Tocompareandevaluatenon-perfusionareas(NPA)ofdiabeticretinopathy(DR)usingwide-.eld(WF)fundus.uoresceinangiography(FA)(WF-FA)andWFopticalcoherencetomographyangiography(WF-OCTA)ineachfundusquadrant.SubjectsandMethods:Thisstudyinvolved76eyesof38patientswhounder-wentWF-FAandWF-OCTAimaging.TheOptos200TxUltra-Wide.eldRetinalImagingDevice(OptosPlc)wasusedCforWF-FA(200°CangleCofview)C,CandCtheCXephilioOCT-S1(CanonInc.)wide-.eldCretinal-imagingCdeviceCwasusedforWF-OCTA.ForNPAexamination,thefunduswasdividedintofourquadrants(upper,lower,inner,andouter)C,andtheagreementrateofNPAwasexaminedbasedonFA.Results:Fortheupper,lower,inner,andouterCquadrants,CtheCagreementCratesCwere80.6%,96.2%,96.8%,Cand81.8%,respectively(p=0.076)C,withnosigni.cantdi.erencebetweenthelowerandinnerquadrants.ThesensitivityofNPAinOCTAwas72.7%,100%,100%,and73.3%,respectively,withasigni.cantdi.erence(p<0.01)C,andthespeci.citywas100%,87.5%,85.7%,and88.9%,respectively,withnosigni.cantdi.erences(p=0.737)C.CConclusion:Althoughthereweredi.erencesintheCdetectionCofCNPACinCeachCquadrant,CunderstandingCandCutilizingCtheCcharacteristicsCofCOCTACmayCleadCtoCaCmorereliableevaluationofDR.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C41(2):201.205,C2024〕Keywords:糖尿病網膜症,フルオレセイン蛍光造影,光干渉断層血管撮影.diabeticretinopathy,.uoresceinan-giography,opticcoherencetomographyangiography.CはじめにFA)が広く行われてきた.撮影には眼底カメラ型のものか糖尿病網膜症(diabeticretinopathy:DR)は糖尿病患者ら最近ではレーザー光を使用した広角に撮影できる広角CFAにおける重大な眼合併症であり,その病期分類の評価には従も登場し,その有用性は確立している1.4).しかし,FAは来からフルオレセイン蛍光造影(.uoresceinangiography:造影剤を使用し,アナフィラキシーショックなどの合併症リ〔別刷請求先〕山本学:〒545-8585大阪市阿倍野区旭町C1-4-3大阪公立大学大学院医学研究科視覚病態学Reprintrequests:ManabuYamamoto,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmologyandVisualSciences,OsakaMetropolitanUniversityGraduateSchoolofMedicine,1-4-3,Asahi-machi,Abeno-ku,Osaka545-8585,JAPANC表1症例の内訳特徴症例数;例(眼)38(76)性別(例)男性C26,女性C12年齢;平均(範囲)60.7(C32.C87)高血圧;例(%)28(74)高脂血症;例(%)11(29)HbA1c(%);Median(Range)7.7(C4.9.C11.6)インスリン使用歴;例(%)15(39%)糖尿病網膜症重症度;眼(%)網膜症なし2(3%)軽症増殖前網膜症11(14%)中等度増殖前網膜症22(29%)重症増殖前網膜症20(26%)増殖網膜症21(28%)スクもあるため,眼底の経過観察のために頻回に行うことは躊躇される5).FAがCDRの詳細な眼底評価検査としてゴールドスタンダードであることは論をまたないが,DRの国際重症度分類では眼底観察所見が主体であり,FA所見が採用されていないことも日常診療での判断に制約を与えているともいえる.近年,眼底の断層像撮影が可能な光干渉断層計(opticCcoherencetomography:OCT)の,動的シグナルを抽出し眼底の血流を同定する光干渉断層血管撮影(opticcoherencetomographyCangiography:OCTA)が登場し,無侵襲に網膜血流を評価できるようになってきた6).当初COCTAは画角が小さいことが欠点であったが,最近では撮影技術の向上により,広角でCOCTAを撮影できる装置も市販化されてきた.OCTAでの血流シグナルの同定はいまださまざまな問題点もあるが,DRにおいてはCOCTAを活用する報告も多くなってきている7.9).今回筆者らは,DRの活動性評価に重要な所見である無灌流領域(nonperfusionarea:NPA)について,広角COCTAを用いてCFAと比較評価し,所見の一致率や病期分類の妥当性を検討したので報告する.CI対象および方法本研究はヘルシンキ宣言に基づき,大阪公立大学医学系研究等倫理審査委員会の承認のもと,オプトアウトによる後ろ向き観察研究である.対象はC2021年C1月.2022年C8月に大阪公立大学医学部附属病院眼科を受診し,広角CFAおよび広角COCTAを同時期に行ったCDR症例C38例C76眼である.表1に症例の内訳を示す.男性C26例,女性C12例,平均年齢は60.7歳(32.87歳)であった.広角CFAの撮影にはCOptos200TX(Optos社,撮影画角約C200°)を,広角COCTAにはOCT-S1(キヤノン,撮影画角約C80°)を用いた.FAとOCTAの撮影時期はC1週間以内のものを採用した.FAの画像には造影後C1分後以降の静脈相のものを使用した.また,OCTAの画像の検出にはCdefaultのCOCTAモード(20C×23mm)で撮像し,denoise処理を行ったCsuper.cialCperiphery(網膜内層用モード)で解析したものを採用した.NPAの検討方法は,眼底を上下内外のC4象限に分け,各象限ごとにCNPAの有無を比較した(図1).NPAは長径がC1乳頭径以上のものをCNPAありとし,二人の専門医(M.Y.,A.K.)でCNPAあり,NPAなし,判定不能のC3段階で評価した.判定不能の基準は,FA,OCTAともに網膜血管の陰影が追えていることを目安とし,各象限ごとの範囲内にC50%以上判定できない領域がある場合を判定不能とした.検討項目は,FAとCOCTAで判定が可能であった割合,FA所見を基準としたCOCTAによるCNPAの検査精度(全体および各象限ごと),NPAの程度のみでレーザー網膜光凝固術の適応判定を行うと仮定した場合の一致率(NPAがC1.2象限:局所光凝固,3象限以上:汎網膜光凝固)を検討した.統計学的手法として,各機器の診断可能であった割合にはCMcNemar’stestを,各象限同士のCFAとCOCTAでの判定可能率および所見の一致率にはCChi-squaredtestを,レーザー網膜光凝固術の一致率にはCChi-squaredtestを用いた.統計解析の有意水準はCp=0.05とし,多重比較の補正にはBonferroni法を用いた.統計解析ソフトはCSPSSCver24.0(IBM社)を使用した.CII結果76眼C304カ所の象限中,NPAの判定不能であった箇所を除いた総数は広角CFAではC281カ所(92.4%),広角COCTAではC238カ所(78.3%)で,両者で判定可能であったものは225カ所(全体のC74.0%,広角CFAで判定できたもののうち80.1%)であった.このC225カ所を両機器のCNPA判定比較に採用した.また,広角CFAで判定不能とされたC23カ所では,13カ所(56.5%)が広角COCTAでCNPAの判定が可能であった.各象限ごとの両機器の比較では,全象限で広角CFAのほうが広角COCTAより判定できた割合は高く(p<0.001,CMcNemar’stest),象限ごとの判定可能率は下側で低い傾向はあったが有意差はみられなかった(p=0.18,Chi-squaredtest)(図2).広角CFA所見を基準とした場合のCNPAの検査精度を表2に示す.所見の一致率は下側,鼻側で高く,上側,耳側で低い傾向にあった(p<0.01,Chi-squaredtest).とくに上側では感度は低いが特異度は高く,外側では感度・特異度とも低い傾向にあった.NPAの象限数のみでレーザー網膜光凝固術の適応判定を行った場合,広角COCTAで非適応はC10眼(17.9%),局所網膜光凝固術はC18眼(32.1%),汎網膜光凝固術はC28眼図1FAとOCTAでの各象限の区分け黄斑部を中心とし,上側,下側,内側,外側のC4象限に分けて,各象限ごとに無灌流領域を比較した.糖尿病網膜症の診療におけるCFAの役割は,網膜症の病期判定できた割合を判定し,治療適応の可否を決定することが主体である.網膜症の病期ごとに比較した検討では,軽症よりも重症網膜症でCFAの重要性が高いという報告もある.重症であればあるほど頻度は厭わず網膜症を詳細に評価することが望ましくなる一方で,FAでは造影剤を使用するため,頻回な評価は困難である.OCTAでは,非侵襲的に網膜や脈絡膜の循環動態を観察でき,臨床上はCFAより簡便に施行できるのがメリットである7).今回の検討では,広角CFAでの診断可能率がC92.4%,広角COCTAではC78.2%であり,OCTAで割合が劣るものの,非侵襲,頻回の評価が可能なことは使用に足るものと思われる.広角CFA・OCTAで検出率の違いが生じた原因として,検出方法の違いがあげられる.今回使用したCOCTAでは,約1分程度の固視が必要であり,固視が不十分であるとCcomb-ingnoiseといわれる横縞様の水平のずれが生じてしまい,評価が困難となる.今回の検討でも,OCTAで評価不能であったもののほとんどはこのCcombingnoiseによるものであった.一方,FAでは固視不良であっても撮影可能であり,新生児や乳幼児であっても撮影可能との報告もある4,10).これが診断可能な割合の大きな原因となっているが,現行の診断機器ではCOCTAの検出技術上はむずかしい.しかし,さらなる機器の発展により克服できる可能性は十分にある.逆に,FAで評価不能であったもののうち,56.5%でCOCTA評価が可能であった.この理由の一つとして光源波長の違いがある.FAで使用されている波長はC488Cnmであるのに対表2広角FA所見を基準とした広角OCTAによるNPAの一致表3広角OCTAでのNPAの象限数によるレーザー適応判定と率と検査精度広角FAとの一致率一致率86.7%81.4%95.9%94.8%76.3%感度84.8%71.1%97.1%97.8%66.7%特異度90.0%100.0%92.9%84.6%84.4%陽性的中率93.8%100.0%97.1%95.7%78.3%陰性的中率76.6%65.6%92.9%91.7%75.0%偽陽性率10.0%0.0%7.1%15.4%15.6%偽陰性率15.2%28.9%2.9%2.2%33.3%陽性尤度比C8.48C∞C13.60C6.36C4.27陰性尤度比C0.17C0.29C0.03C0.03C0.40では,鼻側から進行しやすく周辺部へと進むものが多いこと,前述のように下側の最周辺部は検出しにくいことから,撮影画角が狭いCOCTAとの一致率は下側・鼻側で高い傾向にあったと考えられる12.14).Zengらの広角COCTAの画角に広角CFAを合わせて検討した研究では,FAとCOCTAで検出できたCNPAの面積には差はみられなかったと報告している15).この研究での画角はC81°C×68°とほぼCOCT-S1と同等のものであり,画角が同一であった場合は両者ともほぼ同一の検出率であるかもしれない.ただし,この報告では全例でCFAとCOCTAの撮影が可能であったとされているので,前述した硝子体出血などの画像構築に支障をきたす病態があると両者に違いが生じる可能性はあり,対象の違いは考慮する必要がある.さらに,富安らは,広角CFAを使用しC7.7%で最周辺部のみにCNPAを認める症例があるとしており,画角が狭いCOCTAではこのような所見を検出できていなかった可能性がある2).OCTAでも,撮影枚数を増やしパノラマ画像を作製することも可能であり,簡便さとのトレードオフになるが,眼底所見で疑わしい場合にはそのような工夫も必要かもしれない.NPAのみを判断基準とした網膜光凝固術の治療適応基準では,OCTAで非適応となったものはCFAでも非適応であり,汎網膜光凝固術が適応となったものはCFAでも適応となっていた.あくまでCNPAに限定した適応基準であり,実臨床では総合的に判断する必要はあるものの,OCTAを活用することでCFAの施行回数を少なくすることはできると考えられる.糖尿病網膜症診療ガイドラインにも示されているように,NPAの出現を早期に判断して汎網膜光凝固術を行うほうが網膜症の重症化を予防できるとされているため,頻回に検査ができることはCOCTAでの利点である1,16).今回の結果をふまえ,軽症非増殖網膜症以上の進行や前回よりも悪化がみられた場合には,FA施行の前にCOCTAを撮影することで,FAの機会を少なくしつつ網膜光凝固の適応を適切な時期に考慮できると思われる.今後もさらなる症例の蓄積,解析を行い,より精密な評価が必要と考えられる.非適応10(C17.9)C100局所網膜光凝固術18(C32.1)C66.7汎網膜光凝固術28(C50.0)C100C文献1)瓶井資,石垣泰,島田朗ほか:糖尿病網膜症診療ガイドライン(第C1版).日眼会誌C124:955-981,C20202)富安胤,平原修,野崎実ほか:超広角蛍光眼底造影による糖尿病網膜症の評価.日眼会誌C119:807-811,C20153)FalavarjaniGK,TsuiI,SaddaSR:Ultra-wide-.eldimag-ingCinCdiabeticCretinopathy.CVisionCResC139:187-190,C20174)MagnusdottirCV,CVehmeijerCWB,CEliasdottirCTSCetal:CFundusCimagingCinCnewbornCchildrenCwithCwide-.eldCscanninglaserophthalmoscope.ActaOphthalmolC95:842-844,C20175)大矢佳,中村裕,安藤伸:フルオレセイン蛍光眼底造影における副作用の危険因子と安全対策.日眼会誌C122:95-102,C20186)石羽澤明:OCTアンギオグラフィーのすべて糖尿病網膜症への応用.眼科グラフィックC5:335-339,C20167)HorieS,Ohno-MatsuiK:ProgressofimagingindiabeticretinopathyC─CfromCtheCpastCtoCtheCpresent.CDiagnostics(Basel):12,C1684,C20228)ZhangCQ,CRezaeiCKA,CSarafCSSCetal:Ultra-wideCopticalCcoherenceCtomographyCangiographyCinCdiabeticCretinopa-thy.QuantImagingMedSurgC8:743-753,C20189)SawadaCO,CIchiyamaCY,CObataCSCetal:ComparisonCbetweenCwide-angleCOCTCangiographyCandCultra-wideC.eldC.uoresceinCangiographyCforCdetectingCnon-perfusionCareasandretinalneovascularizationineyeswithdiabeticretinopathy.CGraefesCArchCClinCExpCOphthalmolC256:C1275-1280,C201810)KothariCN,CPinelesCS,CSarrafCDCetal:Clinic-basedCultra-wideC.eldCretinalCimagingCinCaCpediatricCpopulation.CIntJRetinaVitreousC5:21,C201911)CoscasCF,CGlacet-BernardCA,CMiereCACetal:OpticalCcoherenceCtomographyCangiographyCinCretinalCveinCocclu-sion:evaluationCofCsuper.cialCandCdeepCcapillaryCplexa.CAmJOphthalmolC161:160-171Ce161-e162,C201612)JacobaCMP,AshrafM,CavalleranoJDetal:AssociationofmaximizingvisibleretinalareabymanualeyelidliftingwithCgradingCofCdiabeticCretinopathyCseverityCandCdetec-tionCofCpredominantlyCperipheralClesionsCwhenCusingCultra-wide.eldimaging.JAMAOphthalmolC140:421-425,C202213)FluoresceinCangiographicCriskCfactorsCforCprogressionCofCdiabeticCretinopathy.CETDRSCreportCnumberC13.CEarlyCTreatmentCDiabeticCRetinopathyCStudyCResearchCGroup.COphthalmologyC98:834-840,C199114)JungCEE,CLinCM,CRyuCCCetal:AssociationCofCtheCpatternCofCretinalCcapillaryCnon-perfusionCandCvascularCleakageCthalmolC15:1798-1805,C2022CwithCretinalCneovascularizationCinCproliferativeCdiabetic16)JapaneseCSocietyCofCOphthalmicCDiabetologyCSotSoDRT,Cretinopathy.JCurrOphthalmolC33:56-61,C2021CSatoY,KojimaharaNetal:Multicenterrandomizedclini-15)ZengQZ,LiSY,YaoYOetal:Comparisonof24C×20CmmCcalCtrialCofCretinalCphotocoagulationCforCpreproliferative(2)swept-sourceOCTAand.uoresceinangiographyfordiabeticretinopathy.JpnJOphthalmolC56:52-59,C2012Ctheevaluationoflesionsindiabeticretinopathy.IntJOph-***