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高齢者におけるマイボーム腺炎角結膜上皮症の臨床像

2018年3月31日 土曜日

《原著》あたらしい眼科35(3):389.394,2018c高齢者におけるマイボーム腺炎角結膜上皮症の臨床像鈴木智*1,2横井則彦*1木下茂*3*1京都府立医科大学眼科学教室*2独立行政法人京都市立病院機構眼科*3京都府立医科大学感覚器未来医療学講座CClinicalFeaturesofMeibomitis-relatedKeratoconjunctivitisinElderlyPatientsTomoSuzuki1,2)C,NorihikoYokoi1)andShigeruKinoshita3)1)DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,2)KyotoCityHospitalOrganization,3)DepartmentofFrontierMedicalScienceandTechnologyforOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine目的:高齢者におけるマイボーム腺炎角結膜上皮症(meibomitis-relatedCkeratoconjunctivitis:MRKC)の病態について検討し,若年者のCMRKCと比較した.方法:マイボーム腺開口部が閉塞し,発赤・腫脹など明らかな炎症所見を有するマイボーム腺炎とともに,角結膜上皮障害を認めるC60歳以上のCMRKC症例C14例について性別,角膜所見(結節性細胞浸潤,点状表層角膜症〔super.cialpunctatekeratopathy:SPK〕,表層性血管侵入),meibumの細菌培養,抗菌薬内服治療の有効性を検討した.結果:平均年齢はC69.1歳,男性C6例,女性C8例,片眼性C4例,両眼性C10例であった.角膜上皮障害は全症例CSPK主体で結節性細胞浸潤は認めず,表層血管侵入を伴う症例はC4例であった.Meibumの細菌培養を施行できたC11例のうち,6例でCPropionibacteriumCacnes(P.Cacnes)が,5例でCStaphylococcusepidermidis(S.epidermidis)が,1例でCP.acnes+S.epidermidisが検出された(単一症例からの複数検出を含む).治療は,全症例で抗菌薬内服治療が奏効した.結論:高齢者のCMRKCは若年者で診られるCMRKC「非フリクテン型」に相当し,性差は少なく,両眼性であり,ブドウ球菌の検出率が増加していた.治療には抗菌薬内服治療が奏効した.CPurpose:ToCevaluateCtheCclinicalCfeaturesCofCmeibomitis-relatedCkeratoconjunctivitis(MRKC)inCelderlyCpatientsandtocomparethemwithMRKCinyoungpatients.Subjects:FourteenMRKCpatientsover60yearsofageCwereCenrolledCandCevaluatedCasCtoCtheirCcornealCfeatures,CsuchCasCin.ammatoryCcellularCin.ltration,CSPK,Csuper.cialneovascularization,bacterialcultureofmeibum,andthee.ectivenessofsystemicantimicrobialtherapy.Results:Theaverageageofpatientswas69.1years;8ofthe14patientswerefemale;10ofthe14werebilater-al.ThecorneainallcasesshowedSPKbutnocellularin.ltration;4patientsshowedsuper.cialneovascularization.BacterialcultureofmeibumwaspositiveforPropionibacteriumacnesCin6casesandStaphylococcusepidermidisCin5cases.Systemicantimicrobialagentsweree.ectiveforallcases.Conclusion:MRKCinelderlypatientswasbilat-eral,showedlessgenderdi.erenceandhadthesamecorneal.ndingsasnon-phlyctenulartypeMRKCinyoungpatients.Itwastreatedwellwithsystemicantimicrobialagents.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C35(3):389.394,C2018〕Keywords:マイボーム腺炎角結膜上皮症,マイボーム腺炎,点状表層角膜症,抗菌薬内服治療,高齢者.mei-bomitis-relatedkeratoconjunctivitis(MRKC),meibomitis,super.cialpunctatekeratopathy(SPK)C,systemicanti-mi-crobialtreatment,elderlypatients.Cはじめに筆者らは,角膜フリクテンではほとんどの症例でマイボーム腺炎を合併していることに着目し,マイボーム腺炎と角膜病変が関連しており,角膜病変の治療のためには全身的な抗菌薬治療によりマイボーム腺炎をコントロールすることが必須であることを報告し1,2),2000年にマイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害を「マイボーム腺炎角膜上皮症」として呼称することを提唱した3).実際,角膜フリクテンは抗菌薬内服を用いて治療することで寛解し,再発予防も可能であった4).当時は,重症な角膜上皮障害に注目して「角膜上皮症」としたが,その後,より正確にその病態を反映させるため,「マイボーム腺炎角結膜上皮症(meibomitis-relatedCkerato-〔別刷請求先〕鈴木智:〒604-8845京都市中京区壬生東高田町C1-2独立行政法人京都市立病院機構眼科Reprintrequests:TomoSuzuki,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoCityHospital,1-2Higashitakada,Mibu,Nakagyo-ku,Kyoto604-8845,JAPAN図1マイボーム腺炎角結膜上皮症(meibomitis.relatedkeratoconjunctivitis:MRKC)a,b:若年者のCMRKCフリクテン型(19歳,女性).上眼瞼縁の中央部にマイボーム腺炎を認め,その延長線上の角膜には上皮下細胞浸潤(一部結節状)とそこに向かう表層血管侵入を認める(Ca).フルオレセイン染色では,結節に一致した上皮びらんを認めるが,SPKは認めない(Cb).Cc,d:若年者のCMRKC非フリクテン型(16歳,女性).上眼瞼縁の中央部にマイボーム腺炎を認め,その延長線上の角膜には結節性細胞浸潤は認めず(Cc),SPKを認める(Cd).上方輪部に,軽度表層血管侵入を伴っている.Cconjunctivitis:MRKC)」と呼称を改めた5,6).MRKCは,マイボーム腺炎に関連して,角膜の結節性細胞浸潤や表層性血管侵入,点状表層角膜症(super.cialpunctateCkeratopathy:SPK),結膜充血を生じる病態である.その病型は,角膜上の結節性細胞浸潤を特徴とするいわゆる「フリクテン型」(図1a,b)と結節病変は認めずCSPKが主体である「非フリクテン型」(図1c,d)に大別される3).いずれの病型も,マイボーム腺炎の重症度と角結膜上皮障害の重症度は相関し,マイボーム腺炎を治療することが眼表面炎症を消退させるために必須と考えられる5.7).1998年以降,筆者らは,フリクテン型の病態については症例数を追加しながら詳細な検討を続け,特徴的な角膜所見の他,1)若年女性に圧倒的に多いこと,2)霰粒腫の既往が多いこと,3)通常は両眼性であること,4)起炎菌はCPropi-onibacteriumCacnes(P.Cacnes)が多いこと,5)特徴的なヒト白血球抗原(humanCleukocyteCantigen:HLA)が認められること,などの臨床的特徴があることを報告してきた5.7).一方で,MRKC非フリクテン型の臨床像は,2000年の段階では,フリクテン型と同様に女性に多く,マイボーム腺炎の起因菌はCP.Cacnesであると推測されたが3),詳細な検討は行っていなかった.そこで,今回,高齢者におけるCMRKCの臨床像について検討し,若年者のCMRKCと比較検討したうえで,MRKCの臨床像の多様性を報告する.CI対象および方法マイボーム腺開口部が閉塞し,開口部周囲の発赤・腫脹など明らかな炎症所見を有するマイボーム腺炎とともに,角結膜上皮障害を認めるC60歳以上のCMRKC症例C14例について,背景因子(年齢,性別,罹患眼),角膜所見(結節性細胞浸潤,SPK,表層性血管侵入),結膜充血,meibumの細菌培養,抗菌薬内服治療について検討した.さらに,32歳以下の若年者のCMRKC非フリクテン型C12例,既報のC33歳以下の若年者のCMRKCフリクテン型C23例4),の検討結果と比較した.ぶどう球菌性眼瞼炎など明らかな前部眼瞼炎を合併している症例,カタル性角膜浸潤(潰瘍)の症例は除外した.Meibumの採取は,40℃,10分間の眼瞼温罨法(目もと表1MRKCの臨床像高齢者若年者非フリクテン型フリクテン型症例数C14C12C23平均年齢(歳)C69.1C15.1C17.9女性(%)C57.1C83.3C87.0両眼性(%)C71.4C83.3C71.1角膜上皮障害結節性細胞浸潤(%)C0C0C100SPK(%)C100C100C0NV(%)C28.6C16.7C100Meibum培養結果(%)CP.acnesC54.5C57.1C60.0CS.epidermidisC45.5C28.6C5.0CP.acnes+S.epiC7.1C14.3C5.0内服抗菌薬CMINO,CAMCCFPN-PICCFPN-PI,CAMSPK:super.cialpunctatekeratopathy,NV:neovascularization,S.epidermidis:Staphylococcusepidermidis,P.acnes:Propionibacteriumacnes,CAM:Clarithro-mycin(クラリスロマイシン),MINO:Minocycline(ミノサイクリン),CFPN-PI:Cefcapene-Pivoxil(セフカペンピボキシル)エステR,Panasonic)の後,手術用顕微鏡下にて眼瞼縁を10%ポビドンヨード液スワブCRで消毒し,さらに同部位を滅菌綿棒で清拭した後に,吉富式マイボーム腺圧迫鑷子で眼瞼縁を圧迫して,マイボーム腺開口部周囲の皮膚に接触しないように,涙液や皮脂の混在がないように細心の注意を払って,圧出したCmeibumをダビール匙で採取した.採取したmeibumは,ただちに滅菌綿棒(直径C2Cmm)にてCANAポート微研C2CR培地に接種し,C.20℃のフリーザーで凍結保存した.後日,大阪大学微生物病研究所にて好気性および嫌気性培養へ供した.CII結果若年者および高齢者のCMRKCの臨床的特徴を表1に示す.高齢者の患者の平均年齢はC69.1歳,男性C6例,女性C8例,両眼性C10例,片眼性C4例であった.角膜上皮障害は全症例でCSPK主体であり,結節性細胞浸潤は認めず,角膜表層血管侵入を認める症例はC4例であった.Meibumの細菌培養を施行できたのはC11例であり,6例でCP.Cacnesが,5例でCS.epidermidisが,1例でCP.acnes+S.epidermidisが検出された(単一症例からの複数検出を含む).治療は,抗菌点眼薬(ガチフロキサシン)に加え,ミノマイシンあるいはクラリスロマイシン内服を併用し,全症例で眼表面炎症は著明に改善した.しかしながら,14例中C8例では,抗菌薬内服治療によりマイボーム腺炎に伴うCSPKが軽快した後に,蒸発亢進型ドライアイに伴うCSPKが残存していると考えられたため,ドライアイ点眼薬(レバミピド)による治療に移行し,全症例で寛解した(表2).典型例を図2,3に示す.表2MRKC非フリクテン型の治療高齢者(n=14)若年者非フリクテン型(n=12)抗菌薬治療後SPK残存なし(%)C42.9C100SPK残存あり(%)C57.1C0+ドライアイ治療追加後SPK残存なし(%)C86.7SPK残存あり(%)C13.3高齢者では抗菌薬内服治療によりCSPKは軽快するが,後にドライアイ治療を追加しなければ寛解できない症例がある.若年者では抗菌薬内服治療のみでCSPKは消退し寛解導入できる.一方,若年者では,MRKC非フリクテン型では,患者の平均年齢はC15.1歳,男性2例,女性C10例,両眼性C10例,片眼性C2例であった.細菌培養を行えたC7例中,4例でCP.acnesが,2例でCS.epidermidisが,1例でCP.acnes+S.epi-dermidisが検出された.セフェム系抗菌薬(フロモックスCR)による内服治療が奏効し,全症例で抗菌薬治療のみで寛解し,SPKは消退した.追加のドライアイ治療は必要なかった.若年者のCMRKCフリクテン型は4),患者の平均年齢は17.9歳,男性C3例,女性C20例,両眼性C16例,片眼性C7例であった.細菌培養を行えたC20例中,12例でCP.Cacnesが検出された.重症例ではセフェム系抗菌薬内服のみならず点滴も用いることで,全症例で寛解した.図2高齢者のMRKC(62歳,男性)初診時(Ca,b,c),マイボーム腺開口部は閉塞し(plugging),その周囲に炎症を伴っている(Ca).角膜全体のびまん性の密なCSPKとともに(Cc),球結膜充血を認める(Cb).ミノマイシン内服C1カ月後(Cd,e,f),マイボーム腺開口部周囲の閉塞所見,炎症所見ともに軽快してきており(Cd,e),角膜のCSPKは著明に改善している(f).III考按マイボーム腺の異常と眼表面の異常には密接な関連がある.1977年CMcCulleyとCSchiallisは,両眼性にびまん性のマイボーム腺異常(開口部でCmeibumがうっ滞しCplugが形成される)とともに,角膜のCSPKと球結膜充血を認める病態を最初に報告し,“meibomianCkeratoconunctivitis”と名付けた8).この病態で認められるCSPKは,涙液の不安定さ(unstabletear.lm)によって生じるCSPKに類似していると考えられている.MeibomianCkeratoconjunctivitisでは,約3分のC2の症例が脂漏性皮膚炎や酒さ(acneCrosacea)などの皮脂腺の機能不全と関連していると報告されている.今回の検討で,高齢者のCMRKCは,SPKが主体で,角膜の結節性細胞浸潤を伴わない「非フリクテン型」であり,若年者の「非フリクテン型」と同様に両眼性が多いものの,女性の割合は若年者の「非フリクテン型」(83.3%)より少なくなっていた(57.1%).若年者のCMRKCは,幼少時より霰粒腫を繰り返すなど,もともとマイボーム腺機能が低下しやすい傾向にある人に発症しやすい4).また,月経周期とともに女性ホルモンの影響を受けてマイボーム腺機能が周期的に低下することは9),MRKCが思春期.若年女性に生じやすい理由の一つと考えられる.一方,高齢者になると性ホルモン濃度は低下し,男女ともに加齢に伴うマイボーム腺機能の低下がCMRKCの発症に影響している可能性が考えられる.「フリクテン型」の原因は,マイボーム腺内で増殖しているCP.acnesに対する遅延型過敏反応が関与している可能性があるC図3高齢者のMRKC(図C2と同一症例,2週後)クラリスロマイシン内服に変更しC2週間後,マイボーム腺炎はさらに軽快し(Ca),SPKはさらに減少し下方へとシフトしている(Cb).この時点でレバミピド点眼を追加すると,1カ月には涙液の安定性が改善しCSPKは消退した(Cc,d).が10),高齢者でいわゆる「フリクテン型」がほとんど認められなかったのは,加齢に伴い免疫反応の主体がCTh1からTh2へと変化するため,P.Cacnesに対する遅延型過敏反応を起こしにくくなっている可能性が推測される.一方で,高齢者のみならず若年者のCMRKC非フリクテン型でCmeibumから検出されたCP.CacnesやCS.Cepidermidisは,結膜.や眼瞼縁からもっともよく検出される細菌でもある.これらの細菌は,どちらもCmeibumに含まれる脂質を分解するリパーゼを有している11).とくに,S.Cepidermidisは,P.Cacnesにはないコレステロールエステルを分解するリパーゼを有しており,リパーゼによって生じる遊離脂肪酸(freeCfattyacid:FFA)そのものが細胞傷害性を有すること11),涙液中にある一定濃度以上CFFAが増加すると,濃度依存性に涙液油層が破綻すること12)などが知られており,「非フリクテン型」のCSPKの原因となっている可能性がある.そのため,ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系抗菌薬の内服を用いることで,細菌のリパーゼによるCmeibum脂質の分解を抑制することが眼表面炎症の治療に有効であることが報告されているが13),実際にはマクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシンの内服も有効であった.これは,どちらの抗菌薬も細菌のCMICが低く,マイボーム腺内の細菌を減菌することが結果としてCmeibumのCFFAを減らし,眼表面上皮障害の改善につながると考えられる.高齢者に認められる閉塞性マイボーム腺機能不全(meibo-mianCglandCdysfunction:MGD)における炎症の有無についてはしばしば議論の的になるところである.「眼瞼縁の炎症を伴わないマイボーム腺の異常」については,1980年にKorbとCHenriquezにより初めて報告され14),その後の多くの病理組織学的な検討から,閉塞性CMGDには明らかな炎症所見が存在しないと考えられるようになってきた15,16).炎症がない閉塞性CMGDに伴うCSPKは,蒸発亢進型ドライアイによって生じていると考えられるため,ドライアイ点眼薬でSPKをコントロールすることは可能である.一般的に,日常臨床では,SPKを見かけるとドライアイと診断してドライアイ点眼薬が処方されているのが現状と思われる.そのため,ドライアイ点眼薬で改善しないCSPKは,難治例として涙点プラグまで挿入されることもある.MRKC非フリクテン型のように,マイボーム腺炎とCSPKが同時に認められるC症例では,先に抗菌薬内服治療を用いてマイボーム腺炎をコントロールしなければ,ドライアイ治療のみではCSPKは消退しない.逆に,今回の検討結果のように,高齢者では約半数で,マイボーム腺炎がほぼ軽快してもなかなかCSPKが消退しきらない.これは,長期にわたるマイボーム腺炎によりMGDが高度なため,閉塞性CMGDに伴う蒸発亢進型ドライアイによるCSPKが残存している状態と考えられる.マイボーム腺炎が軽快した段階でドライアイ点眼薬を用いた治療に切り替えると,SPKを消退させることができる.このように,とくに高齢者でCSPKを認める症例では,眼瞼縁,とくにマイボーム腺開口部周囲に炎症がないかを確認し,適切な治療を開始することが重要である.すなわち,若年者ではマイボーム腺炎の治療のみで眼表面上皮障害を消退させることは可能であるが,高齢者では,マイボーム腺炎の治療後に非炎症性閉塞性CMGDに伴うCSPKの治療を行う必要が生じる場合があると考えられる.抗菌薬の選択については,若年者のフリクテン型では,meibumの細菌培養の結果および動物実験の結果から10),マイボーム腺炎および角膜の結節性細胞浸潤の原因としてCP.acnesが関与している可能性が高いと考えられ1.7),P.Cacnesをターゲットとして初期の炎症が非常に強い場合には殺菌的なセフェム系抗菌薬の内服や点滴を,その後常在細菌のコントロールのために静菌的なクラリスロマイシンの内服を継続することが多い.若年者の非フリクテン型も,セフェム系抗菌薬内服が奏効した.ミノサイクリンは,他のテトラサイクリン系抗菌薬に比べ脂溶性が高いこと,細菌のリパーゼ産生を抑制すること13),メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(methicillin-resistantCStaphylococcusCepidermidis:MRSE)などにも感受性がよいことなどの利点がある一方で,「めまい」などの体調不良を訴える患者にもしばしば遭遇する.そのような症例では,マクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシンに切り替えることも多いが,クラリスロマイシンには抗菌作用以外に抗炎症作用を有するという利点もある17).ミノサイクリンとクラリスロマイシンは,それぞれ作用機序,特性が異なる抗菌薬であるが,いずれもマイボーム腺炎に有効である.このことから,どちらの抗菌薬にも感受性がある細菌が腺内で増殖している可能性があると考えられる.以上,マイボーム腺と眼表面を一つのユニットとしてとらえるコンセプト(meibomianCglandsCandCocularCsurface:MOS)7)を念頭に,前眼部の観察を行うことがCMRKCの効果的な治療へとつながると考えられる.文献1)鈴木智,横井則彦,佐野洋一郎ほか:角膜フリクテンの起炎菌に関する検討.あたらしい眼科C15:1151-1153,C19982)鈴木智,横井則彦,木下茂:角膜フリクテンに対する抗生物質点滴大量投与の試み.あたらしい眼科C15:1143-1145,C19983)鈴木智,横井則彦,佐野洋一郎ほか:マイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害(マイボーム腺炎角膜上皮症)の検討.あたらしい眼科17:423-427,C20004)SuzukiT,MitsuishiY,SanoYetal:Phlyctenularkerati-tisCassociatedCwithCmeibomitisCinCyoungCpatients.CAmJOphthalmolC140:77-82,C20055)SuzukiT,KinoshitaS:Meibomitis-relatedkeratoconjunc-tivitisCinCchildhoodCandCadolescence.CAmCJCOphthalmolC144:160-161,C20076)SuzukiT:Meibomitis-relatedkeratoconjunctivitis:Impli-cationsCandCclinicalCsigni.canceCofCmeibomianCglandCin.ammations.Cornea31(Suppl1):S41-S44,20127)SuzukiCT,CTeramukaiCS,CKinoshitaCS:MeibomianCglandsCandCocularCsurfaceCin.ammation.COculCSurfC13:133-149,C20158)McCulleyCJP,CSchiallisCGF:MeibomianCkeratoconjunctivi-tis.AmJOphthalmolC84:85-103,C19779)SuzukiCT,CMinamiCY,CKomuroCACetCal:MeibomianCglandCphysiologyCinCpre-andCpostmenopausalCwomen.CInvestCOphthalmolVisSciC58:763-771,C201710)SuzukiCT,CSanoCY,CSasakiCOCetCal:OcularCsurfaceCin.am-mationCinducedCbyCPropionibacteriumCacnes.CorneaC21:C812-817,C200211)DoughertyJM,McCulleyJP:Bacteriallipasesandchron-icCblepharitis.CInvestCOphthalmolCVisCSciC27:486-491,C198612)ArciniegaCJC,CNadjiCEJ,CButovichCIA:E.ectCofCfreeCfattyCacidsonmeibomianlipid.lms.ExpEyeResC93:452-459,C201113)ShineCWE,CMcCulleyCJP,CPandyaCAG:MinocyclineCe.ectConCmeibomianCglandClipidsCinCmeibomianitisCpatients.CExpCEyeResC76:417-420,C200314)KorbCDR,CHernriquezCAS:MeibomianCglandCdysfunctionCandcontactlensintorelance.JAmOptomAssocC51:243-351,C198015)GutgesellVJ,SternGA,HoodCL:Histopathologyofmei-bomianglanddysfunction.AmJOphthalmolC94:383-387,C198216)ObataCH:AnatomyCandChistopathologyCofChumanCmeibo-miangland.Cornea21(Suppl7):S70-S74,200217)UeharaH,DasSK,ChoYKetal:Comparisonoftheanti-angiogenicCandCanti-in.ammatoryCe.ectsCofCtwoCantibiot-ics:ClarithromycinCversusCMoxi.oxacin.CCurrCEyeCResC41:474-484,C2016***

難治性角膜フリクテンの1例

2015年3月31日 火曜日

《原著》あたらしい眼科32(3):405.408,2015c難治性角膜フリクテンの1例新澤恵*1冨田隆太郎*1伊勢重之*1齋藤昌晃*1伊藤健*1,2石龍鉄樹*1*1福島県立医科大学医学部眼科学講座*2伊藤眼科ACaseofSeverePhlyctenularKeratitisMegumiShinzawa1),RyutaroTomita1),ShigeyukiIse1),MasaakiSaito1),TakeshiIto1,2)andTetsujuSekiryu1)1)DepartmentofOphthalmology,FukushimaMedicalUniversitySchoolofMedicine,2)ItoEyeClinic難治性角膜フリクテンに,抗菌薬の局所および全身投与が有効であった症例を経験した.症例は14歳,女児.4年前から結膜炎・霰粒腫を繰り返していた.複数の医療機関を受診し,確定診断がつかないまま点眼による加療が行われたが,眼痛と視力低下が進行し福島県立医科大学眼科へ紹介された.初診時,視力は右眼矯正0.4,左眼矯正1.0,両眼に球結膜の充血・角膜周辺に複数の小円型の浸潤病巣を,右眼には角膜耳側に結節性細胞浸潤とそれに向かう血管侵入,瞳孔領に及ぶ角膜上皮下混濁を認め,角膜フリクテンと診断した.また,マイボーム腺開口部に閉塞を認めた.抗菌薬とステロイド薬の点眼にて加療したが改善せず,ステロイド薬の中止と抗菌薬の頻回点眼,ミノマイシンの内服で加療したところ,治療に反応し右眼矯正視力は1.2に改善した.本症例はマイボーム腺炎に関連した病態を呈しており,マイボーム腺炎角結膜上皮症を示唆する症例と考えられた.A14-year-oldfemalewithoverfouryears’historyofrecurrentconjunctivitisandchalazionwasreferredtoourhospital.Shealsocomplainedofeyepainandblurredvisionatpresentation.Althoughshehadbeentreatedwitheyedropsatseveralclinics,herconditionhadnotimproved.Oninitialexamination,herbest-correctedvisualacuity(BCVA)was20/50righteyeand20/20lefteye.Shehadbilateralconjunctivalhyperemiaandinfiltrations,withanoduleinherrighteyeconsistingofsub-epithelialtostromalcellularinfiltration,andsuperficialcornealneovascularization.Meibomianglandorificeobstructionswerealsoobserved.Shewasthereforediagnosedwithphlyctenularkeratitisandtreatedwithtopicalantibioticsandcorticosteroids,netherofwhich,however,waseffective.Wechangedthetreatmenttotopicalandoralantibioticswithoutcorticosteroids.Finally,theinflammationsubsided.Inthisparticularcase,mibomitismayhavebeenstronglyrelatedtothephlyctenularkeratitis.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)32(3):405.408,2015〕Keywords:角膜フリクテン,マイボーム腺炎角結膜上皮症,マイボーム腺機能不全,プロピオニバクテリウムアクネス,抗菌薬.phlyctenularkeratitis,meibomitis-relatedkeratoconjunctivitis,meibomianglanddysfunction,Propionibacteriumacnes,antibiotictherapy.はじめに角膜フリクテンは,マイボーム腺炎を高率に合併し再発を繰り返すことが知られている.近年,細菌増殖によると考えられるマイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害を生じる疾患群を,マイボーム腺炎角結膜上皮症として捉えることが提唱されている1,2).その病型は,角膜に結節性細胞浸潤と血管侵入を伴う「フリクテン型」と,点状表層角膜症を主体とした「非フリクテン型」の2つに大別される1,2).両病型ともに,マイボーム腺内における細菌増殖がその病因であると考えられている1,3).今回,フリクテン型のマイボーム腺炎角結膜上皮症に対し,抗菌薬を使用し改善をみたが,抗菌薬減量とステロイド薬点眼の追加により悪化した症例を経験したので報告する.I症例患者:14歳,女性.主訴:右眼視力低下,眼痛,流涙.既往歴:アレルギー性鼻炎.現病歴:2009年頃から,結膜炎・霰粒腫を繰り返し,複数の医療機関を受診していた.2013年1月頃より,眼痛と〔別刷請求先〕新澤恵:〒960-1295福島県福島市光が丘1番地福島県立医科大学医学部眼科学講座Reprintrequests:MegumiShinzawa,M.D.,DepartmentofOphthalmology,FukushimaMedicalUniversity,1Hikarigaoka,Fukushima960-1295,JAPAN0910-1810/15/\100/頁/JCOPY(95)405 abcdeabcde図1初診時の右眼前眼部写真a:著明な球結膜充血,角膜耳側に結節性細胞浸潤と血管侵入.b,c:上下眼瞼縁全体に,マイボーム腺開口部の閉塞と炎症.d,e:角膜上皮下混濁は瞳孔領に及び,一部潰瘍を形成.e:フルオレセイン染色.abcde図2初診時の左眼前眼部写真a:球結膜充血.b,c:眼瞼縁の不整と瞼結膜の充血.d,e:輪部中心に角膜浸潤病巣が多発.e:フルオレセイン染色.視力低下が進行したため,近医眼科より福島県立医科大学眼科(以下,当科)へ紹介され,2013年7月,当科を受診した.初診時所見:視力は右眼0.4(n.c.),左眼0.8(1.0)であった.右眼前眼部は,球結膜の著明な充血と,角膜耳側に結節性細胞浸潤と血管侵入を認めたため,角膜フリクテンと診断した(図1).角膜上皮下混濁は瞳孔領に及び,一部潰瘍を形成しており,視力低下の原因と考えられた.また,上下眼瞼縁全体に,マイボーム腺開口部の閉塞と炎症所見を認めた(図1b,c).左眼前眼部にも球結膜充血を認め,角膜輪部を主体に角膜浸潤病巣が多発しており,上下眼瞼縁の不整と瞼結膜の充血を認めた(図2).また,顔面には著明な皮疹を認めた.結膜.ぬぐい液,マイボーム腺分泌物の培養を施行したが,結果は陰性であった.顔面の皮疹に関しては,皮膚科専門医により.瘡と診断された.皮膚膿疱の培養も施行したが,結果は陰性であった.406あたらしい眼科Vol.32,No.3,2015経過:マイボーム腺炎が原因の角膜フリクテンと考えられたため,抗菌薬の局所投与による治療を開始した.0.5%セフメノキシム点眼,0.3%トブラマイシン点眼,エリスロマイシン眼軟膏を投与したところ,初診より10日目には,球結膜充血と角膜浸潤所見が軽快したため,抗菌薬の減量と0.1%フルオロメトロン点眼を追加したところ,19日目,マイボーム腺炎および角膜病変が悪化した(図3).そこで,0.1%フルオロメトロン点眼の中止,上下眼瞼縁全体のマイボーム腺梗塞に対しマイボーム腺圧迫鉗子での圧出を,マイボーム腺炎の強いところには開口部にメスでの小切開を加え圧出を施行,および抗菌薬を,0.5%セフメノキシムと0.5%モキシフロキサシンの頻回点眼(1時間毎),0.3%オフロキサシン眼軟膏に変更し,ミノマイシン200mgの内服を追加したところ,数日で速やかに眼表面の炎症は軽減し,右眼視力は24日目には(0.9),39日目には1.2(n.c.)に改善した(図4).その後は点眼を漸減継続し,寛解を維持している(96) (図5).II考按角膜フリクテンは若年女性に好発し,再発を繰り返す難治性の疾患である.その所見は,角膜に結節性細胞浸潤とそれに向かう表層性血管侵入を認め,対応する球結膜に充血を認ab図3悪化時の右眼前眼部写真(病日19)a:マイボーム腺炎の悪化と同期して,角膜病変も悪化した.b:マイボーム腺部の拡大.開口部にメスでの小切開を加えた.めるのが特徴的である1).フリクテンの発症には,遅延型過敏反応(IV型アレルギー反応)が関与すると考えられており,種々の細菌をはじめとする病原体成分が抗原になると考えられてきた4).1950年代の結核蔓延期には,非衛生的な環境で暮らすツベルクリン反応陽性の小児に多いとされ,抗原として結核菌が注目された5).また,1951年には,Thygesonにより非結核性のフリクテン症例でStaphylococcusaureusによるものが報告されている5).他にも,Candida,Chlamydia,Coccidioides,線虫などさまざまな報告がある6,7).わが国でも,結膜.および眼瞼縁などの細菌培養から,Corynebacterium,a-Streptococcus,coagulasepositiveStaphylococcus,Staphylococcusaureus,Staphylococcusepidermidis,Neisseriaなどが報告されているが,各菌種の検出率は11.75%とばらつきがあり,いずれも症例数が4.8例と少ない8.10).角膜フリクテンではマイボーム腺炎を高率に合併し,マイ図4寛解時の右眼前眼部写真(病日39)マイボーム腺炎は改善し,結節病巣は瘢痕化した.図5治療経過抗菌薬の点眼を開始し一旦軽快したが,抗菌薬の減量とステロイド薬点眼の追加で悪化した.ステロイド薬点眼の中止とマイボーム腺の切開・圧出,および抗菌薬の頻回点眼と全身投与で速やかに改善し,その後は寛解を維持している.(97)あたらしい眼科Vol.32,No.3,2015407 ボーム腺炎の改善に伴って角膜病変も改善することが知られており,稲毛らは,自験例15眼において,マイボーム腺梗塞や霰粒腫の合併または既往は73%にみられたと報告している8).2005年,鈴木らは,角膜フリクテン患者20例におけるマイボーム腺分泌物の細菌培養において,12例(60%)でPropionibacteriumacnesが検出され,コントロール群に比べ有意差があったことから,P.acnesが角膜フリクテンの起炎菌となりうる可能性を報告し,角膜フリクテンを含めたマイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害を主体とする疾患群を「マイボーム腺炎角結膜上皮症」と呼ぶことを提唱した1,3).本症例は,若年女性の角膜フリクテンで,霰粒腫の既往があり,マイボーム腺炎と角膜病変の増悪と軽快が同期していたことから,マイボーム腺炎角結膜上皮症(フリクテン型)と考えられた.起因菌としてP.acnesを疑い培養などを行ったが,同定には至らなかった.培養が陰性であった理由には,採取できる検体量が少なかったこと,嫌気培養ができなかったことなどが考えられ,採取および培養条件の再検討が必要であると考えられた.筆者らは,培養が陰性であることから,カタル性角膜浸潤,ブドウ球菌性眼瞼炎,酒.性眼瞼炎なども鑑別し治療を行った.角膜フリクテンは,前眼部感染アレルギーと認識されており,治療には病巣の消炎療法としてのステロイド薬と,感染病巣の治療としての抗菌療法に分けて考えられている4).ステロイド薬の使用は,一見,遅延型過敏反応の病態の理に沿うものと考えられるが,一時的な効果はみられるものの,遷延化する症例も多いことや感染症を悪化させることが報告されている11).本症例の経過から,初診時には結節および潰瘍が形成され細胞浸潤が角膜実質深層に及んでおり,旺盛な結節形成期であったと考えられる.抗菌薬の点眼を開始し一旦軽快したが,抗菌薬の減量とステロイド薬点眼の追加で悪化した.ステロイド薬点眼の中止とマイボーム腺の切開・圧出,および抗菌薬の頻回点眼と全身投与で改善を得るに至った.既報でも,ステロイド薬の併用は必須ではなく,ステロイド薬単独あるいは不十分な抗菌薬とステロイド薬の併用投与では再発あるいは遷延化を促す可能性について報告されていることからも,注意を要する12).しかしながら本症例では,当初,培養結果の確認までの間,前医よりの抗菌薬をそのまま継続してしまったこと,培養が陰性であったことより,鑑別疾患を広くカバーしようと抗菌薬の選択に一貫性を欠く結果となった.初期の段階で,的を絞った抗菌薬の投与ができなかったところに,ステロイド薬を併用したため,マイボーム腺内の除菌が不十分となり,細菌関連抗原が残留したことで再燃に至り,難治性となったものと推測される.ステロイド薬を併用する際には,抗菌薬の適切な使用による十分な除菌が重要であると考えられた.この経過は,マイボーム腺内における細菌増殖がその病因と捉える「マイボーム腺炎角結膜上皮症」の定義を裏付けるものと考えられた.既報にも,難治性角膜フリクテンの治療として,抗生物質点滴大量療法が有効であったとする報告もあり13),本症例においても,十分な抗菌薬投与によりアレルギー反応を引き起こす起因菌を除去することが治療の鍵であったと考えられた.本症例は,2014年3月現在も経過観察を続けているが,寛解を維持し,視力も良好に保たれている.寛解増悪を繰り返す若年女性の角膜フリクテンでは,マイボーム腺炎角結膜上皮症を念頭に置き,本症例のような重症例では抗菌薬の頻回点眼,全身投与が有効であると考える.文献1)鈴木智,横井則彦,佐野洋一郎ほか:マイボーム腺炎に関連した角膜上皮障害(マイボーム腺炎角膜上皮症)の検討.あたらしい眼科17:423-427,20002)SuzukiT:Meibomitis-relatedkeratoconjunctivitis:implicationsandclinicalsignificanceofmeibomianglandinflammation.Cornea31:S41-S44,20123)SuzukiT,MitsuishiY,SanoYetal:Phlyctenularkeratitisassociatedwithmeibomitisinyoungpatients.AmJOphthalmol140:77-82,20054)齋藤圭子:フリクテン.眼科46:667-673,20045)ThygesonP:Theetiologyandtreatmentofphlyctenularkeratoconjunctivitis.AmJOphthalmol34:1217-1236,19516)ThygesonP:Observationsonnontuberculousphlyctenularkeratoconjunctivitis.TransAmAcadOphthalmolOtolaryngol58:128-132,19547)JefferyMP:Oculardiseasescausedbynematodes.AmJOphthalmol40:41-53,19558)稲毛佐知子,齋藤圭子,伊東眞由美ほか:角膜フリクテン10例の臨床的検討.日眼会誌102:173-178,19989)西信亮子,原英徳,日比野剛ほか:角膜フリクテンの起炎菌に関する検討.眼紀49:821-825,199810)窪野裕久,水野嘉信,重安千花ほか:難治性とされたフリクテン性角結膜炎,カタル性角膜潰瘍の要因.あたらしい眼科27:809-813,201011)金指功,秦野寛,内尾英一ほか:フリクテン性角膜炎の臨床的検討.眼臨88:1222-1227,199412)高橋順子,外園千恵,丸山邦夫ほか:免疫不全症に合併したマイボーム腺炎角膜上皮症に抗菌薬投与が奏功した1例.眼紀55:364-368,200413)鈴木智,横井則彦,木下茂:角膜フリクテンに対する抗生物質点滴大量投与の試み.あたらしい眼科15:11431145,1998408あたらしい眼科Vol.32,No.3,2015(98)