《原著》あたらしい眼科29(7):1013.1017,2012c緑内障患者における自動車運転実態調査青木由紀国松志保原岳川島秀俊自治医科大学眼科学教室FactualSurveyofMotorVehicleDrivingbyGlaucomaPatientsYukiAoki,ShihoKunimatsu-Sanuki,TakeshiHaraandHidetoshiKawashimaDepartmentofOphthalmology,JichiMedicalUniversity目的:緑内障性視野障害と自動車事故の関係を検討するため,緑内障患者の自動車運転実態調査を施行した.対象および方法:自治医科大学附属病院緑内障外来受診中の初期,中期,後期の緑内障患者各29名を対象とし,各群に対して自動車運転に関する質問を行い,各群間の年齢,logMAR(logarithmicminimumangleofresolution)視力,運転時間,事故率を比較した.つぎに後期緑内障患者36名を事故歴のあるもの(事故群)とないもの(無事故群)に分類し,年齢,運転歴,運転時間,視力,視野検査結果の比較を行った.結果:初期・中期・後期群間の比較では後期群で有意に事故が多かった(p=0.0003).後期群における事故群と無事故群の比較では事故群で視力不良眼の視力が有意に悪く(p=0.0002),視野不良眼のMD値が有意に低かった(p=0.02).また,Goldmann両眼視野立体角の比較ではV/4視標における60°以内および30°以内の上半視野,下半視野で事故群が有意に狭かった(p=0.02.0.03).結論:視野障害が高度であるほど自動車事故が起きる可能性があることが示唆された.Objective:Toinvestigatetherelationshipbetweentypeofvisualfielddefectandfrequencyofmotorvehicleaccidentsinglaucomapatients.SubjectsandMethods:Chosenforthisstudywere29patientsofvariousglaucomastages(early,intermediateandadvanced).Weexaminedage,historyofaccidentsandmeandeviation(MD)viaHumphreyFieldAnalyzer(HFA).Additionally,patientsinadvancedstageweredividedintotwogroups:thosewithaccidenthistoryandthosewithout.Wethencomparedage,drivingrecord,actualhoursspentdriving,visualacuityandvisualfieldastestedbyHFAandGoldmannperimeter.Result:Patientswithadvancedglaucomacommittedsignificantlymoretrafficaccidentsthantheothertwogroups.Intheadvancedpatients,thosewithaccidenthistoryhadworsevisualacuityanddecreasedMDvaluesinthelessereye,aswellasmorerestrictedvisualfieldsinbothupperandlowerhemifields.Conclusions:Themorethevisualfieldlossprogressed,thegreaterthenumberofaccidentsthepatientsexperienced.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)29(7):1013.1017,2012〕Keywords:緑内障,緑内障性視野障害,自動車運転,自動車事故,両眼視野.glaucoma,glaucomatousvisualfieldloss,driving,motorvehicleaccident,binocularvisualfield.はじめに公共交通機関に乏しい地方都市では,通勤,通学,買い物などの日常生活に自動車は欠かせない移動手段となっている.そのため地方では,自動車運転に支障をきたす視野障害を認める場合でも,必要に迫られて運転を継続し,安全確認不足が原因と考えられる交通事故を起こしている症例にしばしば遭遇する.しかし,日常臨床の場では医師側が,患者が運転しているかどうかについて知る機会は少ない.また,視野障害と自動車事故との関連を示唆する過去の報告は多いものの1.5),どの程度の視野障害であれば自動車運転に支障をきたさないのか明確な基準はない.筆者らは以前,自治医科大学附属病院(以下,当院)緑内障外来にて交通事故の既往を認めた末期緑内障患者の2症例について報告した6).今回筆者らは,緑内障性視野障害と自動車事故の関係を検討するため,緑内障患者の自動車運転実態調査を施行した.〔別刷請求先〕青木由紀:〒329-0498栃木県下野市薬師寺3311-1自治医科大学眼科学教室Reprintrequests:YukiAoki,M.D.,DepartmentofOphthalmology,JichiMedicalUniversity,3311-1Yakushiji,Shimotsuke,Tochigi329-0498,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY(137)1013I対象および方法2007年7月から2010年3月までに当院緑内障外来受診中の成人患者,264人中,過去5年間に自動車運転歴のあるもの,良いほうの視力が0.7以上であるもの,緑内障以外の視力および視野障害をきたすと思われる疾患の既往のないものを対象とした.視野障害の分類はAnderson分類に準じて7),Humphrey視野検査中心30-2プログラム(HFA30-2)meandeviation(MD)値で,初期緑内障は両眼ともに.6dB以上(以下,初期群),後期緑内障は両眼ともに.12dB以下(以下,後期群)のものとし,どちらも満たさない場合を中期緑内障(以下,中期群)とした.1.緑内障患者の自動車運転実態調査年齢をマッチングできた初期群,中期群,後期群各29名を対象とした.各群に対して自動車運転に関する質問(運転歴,過去5年間の事故歴,運転時間,運転目的)を行った.また,3群間で年齢,男女比,視力〔logMAR(logarithmicminimumangleofresolution)視力〕,Humphrey視野検査MD値,運転歴,1週間当たりの運転時間,事故率の比較を行った.2.後期緑内障患者における視野障害と自動車事故との関連つぎに,後期群36名(平均年齢59.7±9.5歳)を対象とした.過去5年間に事故歴のある群(事故群)と事故歴のない群(無事故群)に分類した.事故群および無事故群において,年齢,運転歴,運転時間,運転目的,logMAR視力,視野検査結果の比較を行った.視野検査結果は下記の項目を比較した.a.Humphrey視野検査両群における視野良好眼および視野不良眼のHFA30-2MD値を比較した.b.Esterman視野生活不自由度を評価するために開発された両眼開放下で行うHFAの視野プログラム8)で,測定時間は正常者で6.8分である.生活不自由度に重要とされる中心30°と下半分の視野に比重がおかれ,点数配分が多くなっている.Estermandisabilitysore(満点は100点)の比較を行った.c.視能率Goldmann視野検査結果I/2視標における8方向の残存視野の角度を両眼それぞれ測定し,合計したものを560°で割り(片眼視能率),優位視能率の75%と非優位視能率の25%の合計を両眼視能率(=視能率)として算出した.d.Goldmann視野検査Goldmann視野検査結果においてV/4とI/4視標の左右眼の結果をそれぞれ重ね合わせて両眼視野を作成し,両群でのV/4,I/4視標における上半視野,下半視野それぞれ60°以内,30°以内における視野を求め,数値にて比較検討するためsteradian法により立体角で表した(図1).立体角とは二次元における角度の概念を三次元に拡張したものであり,全立体角は4psteradian(sr)である.初期群,中期群,後期群の比較についてはFisher’sexacttestおよびSteel-Dwass法による多重比較検定を使用し,正常:21歳,女性無事故群:70歳,男性事故群:51歳,男性Goldmann両眼視野Goldmann両眼視野Goldmann両眼視野V/4I/4V/4I/4V/4I/460°30°60°30°60°30°立体角(sr)立体角(sr)立体角(sr)V/4I/4V/4I/4V/4I/460°以内上1.531.38下1.571.5730°以内上0.420.42下0.420.4260°以内上1.350.48下1.571.0530°以内上0.420.26下0.420.4260°以内上0.220.03下1.521.1230°以内上0.000.00下0.370.35図1正常人・無事故群・事故群における両眼視野および立体角1014あたらしい眼科Vol.29,No.7,2012(138)表1初期・中期・後期緑内障患者群における背景初期中期後期p値292929年齢((n)歳)56.7±10.257.2±8.358.6±8.2NS男:女14:1520:920:90.17視力良好眼のlogMAR視力.0.06±0.06.0.07±0.02.0.03±0.08>0.05*視力不良眼のlogMAR視力.0.05±0.060.05±0.320.23±0.39<0.05*良いほうのMD値(dB).1.2±2.2.3.4±3.5.18.2±5.6<0.005*悪いほうのMD値(dB).3.6±2.6.13.5±6.3.22.5±5.2<0.001*運転歴(年)33.0±10.033.9±8.631.3±7.9NS運転時間(時間/週)6.4±5.45.6±4.56.4±8.1NS事故あり(%)2(6.9%)0(0%)10(34.5%)0.0003†事故率は後期群で有意に高かった.後期緑内障患者における事故群,無事故群の比較についてはStudent’st-test,Mann-Whitney’sUtestおよびc2検定を用いた.これらの調査については当院倫理委員会の承認のもと(倫理委員会番号:第臨09-12号),各対象者にインフォームド・コンセントを行い,同意を得たのちに行った.II結果1.緑内障患者の自動車運転実態調査緑内障患者の事故率を,年齢をマッチングした病期ごとに調べた結果,各群29名中,過去5年間に事故歴があったのは初期群で2名(6.9%),中期群で0名(0%),後期群で10名(34.5%)と後期群で有意に多かった(p=0.0003).事故の内訳は,初期群は対物事故1件と物損事故1件,後期群は対人事故1件,対物事故9件,物損事故4件(複数回答あり)であった.初期群・中期群・後期群を比較すると男女比は初期,中期,後期でそれぞれ14:15,20:9,20:9と有意差はなく,視力良好眼のlogMAR視力は,各群間に差がなかったが,視力不良眼のlogMAR視力は,後期群で有意に悪かった(p<0.005).運転歴,1週間当たりの運転時間ともに関連後期緑内障患者36名のうち事故群10名,無事故群26名において,年齢,視力良好眼および視力不良眼のlogMAR視力,視野良好眼および視野不良眼のMD値,運転歴,1週間当たりの運転時間,視能率,Estermandisabilityscore,Goldmann両眼視野立体角を比較した結果を表2,3に示す.年齢,運転時間は両群間で差はなかったが,運転歴は無事故群で有意に長かった(p=0.03).視力良好眼のlogMAR視力は両群間において有意差がなく,視力不良眼では事故群が有意にlogMAR視力は悪かった(p=0.0002).視野良好眼のMD値は事故群で.21.8±6.3dB,無事故群で.16.4±3.6dB(139)*Steel-Dwass法.†Fisher’sexacttest.表2後期緑内障患者における事故群,無事故群の背景事故群無事故群p値1026年齢((n)歳)55.9±8.161.1±9.80.11男:女8:218:80.52運転歴(年)28.1±7.636.2±10.20.03†運転時間(時間/週)8.5±9.84.6±6.00.29視力良好眼のlogMAR視力.0.03±0.1.0.03±0.10.80視力不良眼のlogMAR視力0.5±0.50.04±0.10.0002*視野良好眼のMD値(dB).21.8±6.3.16.4±3.60.13視野不良眼のMD値(dB).25.5±4.3.20.7±4.50.02†事故群では視力不良眼のlogMAR視力,視野不良眼のMD値が有意に悪かった.†Student’st-test.*Mann-Whitney’sUtest.表3事故群・無事故群における両眼視野評価方法による比較事故群無事故群p値n1026視能率3.7±2.87.6±4.20.23Estermandisabilityscore72.4±22.484.0±10.70.05上0.82±0.481.22±0.250.02*0.51±0.540.65±0.320.20各群間に有意差はみられなかった(表1).立体角60°1.46±0.161.54±0.080.02*下2.後期緑内障患者における視野障害と自動車事故との0.94±0.351.10±0.330.210.24±0.140.36±0.080.03*上段:V/4上0.16±0.150.33±0.130.12下段:I/430°0.34±0.080.39±0.080.02*下0.30±0.120.33±0.120.29視能率,Estermandisabilityscoreにおいては差がなく,Goldman視野検査両眼視野立体角評価においてV/4視標の60°以内,30°以内の上半視野,下半視野において事故群が有意に狭かった.*Mann-Whitney’sUtest.と,両群間に差はなかったが,視野不良眼のMD値はそれぞれ.25.5±4.3dB,.20.7±4.5dBと,事故群のほうが有意に低かった(p=0.02).視能率,Estermandisabilityあたらしい眼科Vol.29,No.7,20121015scoreの比較では両群間に差はなかった.Goldmann両眼視野立体角はV/4視標における60°以内の上半視野,下半視野,30°以内の上半視野,下半視野において事故群が有意に狭かった(p=0.02,p=0.02,p=0.03,p=0.02)(表3).なお,事故を起こした10名中8名が運転を継続していた.III考按今回筆者らは,緑内障患者における自動車運転実態調査を行った.年齢をマッチングした各群29名の過去5年間で事故を起こした率は初期群6.9%(2名),中期群0%(0名)後期群34.5%(10名)と,後期群で有意に事故率が高かった(,)(表1).視野障害と自動車事故についてOwsleyらが行った55.87歳の高齢運転者179名(事故群78例,無事故群101例)を対象とした調査では,事故群では無事故群と比べて緑内障罹患率が3.6倍であったとしている1).Szlykらは,緑内障患者40名と正常者11名とを比較したところ,過去5年間の事故歴は緑内障患者群で32.5%であり,正常者と比較して有意に事故率が高かったと報告している2).一方で,McGwinらによる緑内障患者群576名と正常群115名の事故率を比較したところ,緑内障群のほうが運転に慎重になるため事故率は低かった(relativerisk0.67)という報告もあり9),視野が狭いほど事故が起きるのかどうか統一した見解は得られていない.また,これらはいずれも海外からの報告であり,免許基準が異なる日本と比較することはできない.わが国での緑内障と自動車事故に関する報告は,筆者らの調べうる範囲ではわずかに1編のみである.Tanabeらは原発開放隅角緑内障患者を視野障害程度によりHFA30-2のMD値が両眼ともに.5dB以上を初期,視野が悪いほうの眼のMD値が.5dBから.10dBまでを中期,また,.10dB以下を後期に分類し,事故率の比較を行った.その結果,初期群で0%,中期群で3.9%,後期群で25%と後期群で有意に事故が多かったと報告している5).視野が狭いほど事故を起こしやすいという可能性を示唆するものだが,後期群ほど高齢であるため加齢の影響により事故が増加していることも考えられる.警察庁交通局による平成21年の原付以上運転者(第1当事者)による運転免許保有者10万人当たり交通事故件数を年齢層別にみると,若者(16.24歳,1,649.3件)が最も多く,ついで25.29歳(1,017.5件),高齢者(75歳以上,987.4件)の順となっている(http://www.npa.go.jp/toukei/koutuu48/H21mistake.pdf#search).今回筆者らの対象とした33.70歳での1年間の交通事故件数は727.6.770.3件であり,各群29名当たりの5年間での事故件数は平均1件前後となる.今回は,「自動車事故」の対象を,警察に届け出をしない物損事故も含めているため,単純比較はできない1016あたらしい眼科Vol.29,No.7,2012が,初期群2名,中期群0名が過去5年間に自動車事故を起こした,という数字は,ほぼ,全国の同年代の運転免許保有者の事故率と同等であると考える.しかし,それに比して,後期群の10名(34.5%)は有意に多く,これにより,視野障害が高度であるほど自動車事故が起きる可能性があることが示唆された.海外の過去の報告では,対象となる緑内障患者の視野障害度は軽度のものが多く含まれ,両眼ともに高度の視野障害がある緑内障例での検討は皆無であった.国によっては,視野狭窄例では免許更新ができないこともあるが,わが国では両眼ともに視力が良好な場合は,高度の視野狭窄があっても免許取得・更新が十分可能である.Tanabeらの報告では,視野が悪いほうのMDで分類しているため片眼の視野障害が軽度な例が含まれている可能性がある.そのため,両眼の高度の視野狭窄例での検討が必要だと考え,両眼ともにHFA30-2MD値.12dB未満であるものを後期緑内障群として運転調査を行い,事故歴の有無と視野との関連を検討した.その結果,事故群では無事故群に比べて視力不良眼の視力が悪く,視野不良眼のMD値が悪かった.運転は,両眼開放下で行うものの,緑内障患者では,視力不良眼・視野不良眼の状態が,自動車事故に影響を及ぼしている可能性が示唆された.さらに,両眼視野結果である視能率,Estermandisabilityscore,Goldmann両眼視野より得られた立体角の3種類で比較を行ったところ,視能率と自動車事故との関連はなかった.視能率は,日常的には視覚障害者の認定のために使用されるが,Goldmann視野検査におけるI/2視標結果から計算される.そのため高度な視野障害のみられる後期緑内障群では,事故群,無事故群ともに値が小さくなり,有意差はみられなかったと考えられる.また,Estermandisabilityscoreでも事故群・無事故群では有意な差はみられなかった.Estermandisabilityscoreは生活不自由度と相関するといわれている10)が,今回,事故群と無事故群で有意差がなかったのは,中心視野を含まない(中心10°内に検査点がない)ことが影響しているかもしれない.Goldmann両眼視野では,事故群においてV/4視標における60°および30°以内のいずれも上下半視野の立体角が有意に小さかったが,I/4視標で差がみられなかった.これは,今回の対象が,視野障害が高度な後期緑内障患者であり,I/4視標では,事故群・無事故群ともに狭小化しており,両群に差がでなかったものと考える.同じ後期緑内障群であっても,事故群は,より末期である可能性があり,V/4視標における60°および30°以内のいずれも上下半視野の立体角が有意に小さかったことは,後期緑内障群のなかでも,事故群では,さらに視野障害が進行していることを表しているのかもしれない.Goldmann視野検査の,立体角による視野面積の定量化は,過去に馬場らが少数例で行っている11)が,筆者らの,(140)Goldmann視野検査からの両眼視野を作成し,立体角を計算する作業にはかなりの時間を要する.Goldmann視野検査結果から両眼視野を作成し,立体角を計測する方法により,より小さい立体角で事故が起こる可能性が推測できるが,日常臨床の場での判断に利用するには,作業を簡便化するソフトの開発などが必要であろう.今回の研究における問題点として事故歴聴取のあり方があげられる.対象者に行った事故歴の有無についての聴取は自己申告であり,本人が自分の責任で生じた事故ではないと考えている場合,あえて事故歴ありと申告をしていない可能性がある.視野が高度に狭窄しているにもかかわらず自覚症状のない患者では,安全確認に必要な視野が確保されていないことが原因と思われる事故状況であっても,自分の責任ではないと考えている症例もあった.このように,自己申告による事故歴の聴取には限界があると思われる.今回事故歴のあった後期緑内障患者10名のうち8名が運転を継続していた.現時点では運転を中止すべき明確な基準がないため,いずれの症例が運転を中止すべきなのかは判断できない.しかし,この実態調査を通じて,後期緑内障患者の事故率は有意に高いことから,日常臨床の場でも,緑内障患者の自動車運転歴の有無を聴取し,運転している場合は,視野検査結果を詳しく説明し,注意を喚起することは重要であると考える.今後は自動車運転シミュレータのような運転条件を一定にした状態での事故率を調査し,どの程度の視野障害度,どの部位の視野欠損が自動車事故に関与しているか検討していきたい.文献1)OwsleyC,McGwinGJr,BallK:Visionimpairment,eyedisease,andinjuriousmotorvehiclecrashesintheelderly.OphthalmicEpidemiol5:101-113,19982)SzlykJP,MahlerCL,SeipleWetal:Drivingperformanceofglaucomapatientscorrelateswithperipheralvisualfieldloss.JGlaucoma14:145-150,20053)HaymesSA,LeblancRP,NicolelaMTetal:Riskoffallsandmotorvehiclecollisionsinglaucoma.InvestOphthalmolVisSci48:1149-1155,20074)HaymesSA,LeblancRP,NicolelaMTetal:Glaucomaandon-roaddrivingperformance.InvestOphthalmolVisSci49:3035-3041,20085)TanabeS,YukiK,OzekiNetal:TheAssociationbetweenprimaryopen-angleglaucomaandmotorvehiclecollisions.InvestOphthalmolVisSci52:4177-4181,20116)青木由紀,国松志保,原岳ほか:自治医科大学緑内障外来にて交通事故の既往を認めた末期緑内障患者の2症例.あたらしい眼科25:1011-1016,20087)AndersonDR,PatellaVM:AutomatedStaticPerimetry.2nded,p121-190,Mosby,StLouis,19998)EstermanB:Functionalscoringofthebinocularfield.Ophthalmology89:1226-1234,19829)McGwinGJr,XieA,MaysA:Visualfielddefectsandtheriskofmotorvehiclecollisionsamongpatientswithglaucoma.InvestOphthalmolVisSci46:4437-4441,200510)ParrishRK2nd,GeddeSJ,ScottIUetal:Visualfunctionandqualityoflifeamongpatientswithglaucoma.ArchOphthalmol115:1447-1455,199711)馬場裕行:ゴールドマン視野の立体角による定量化.日眼会誌90:210-214,1986***(141)あたらしい眼科Vol.29,No.7,20121017