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光干渉断層計を用いて神経節細胞複合体厚および乳頭周囲網膜神経線維層厚の経時的変化を観察できた小児外傷性視神経症の1例

2014年5月31日 土曜日

《原著》あたらしい眼科31(5):763.768,2014c光干渉断層計を用いて神経節細胞複合体厚および乳頭周囲網膜神経線維層厚の経時的変化を観察できた小児外傷性視神経症の1例荒木俊介*1後藤克聡*1水川憲一*1三木淳司*1,2山下力*1,2仲河正樹*1桐生純一*1*1川崎医科大学眼科学教室1*2川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科ACaseofPediatricTraumaticOpticNeuropathywithThinningofGanglionCellComplexandCircumpapillaryRetinalNerveFiberLayerThicknessUsingOpticalCoherenceTomographySyunsukeAraki1),KatsutoshiGoto1),KenichiMizukawa1),AtsushiMiki1,2),TsutomuYamashita1,2),MasakiNakagawa1)andJunichiKiryu1)1)DepartmentofOphthalmology,KawasakiMedicalSchool,2)DepartmentofSensoryScience,FacultyofHealthScienceandTechnology,KawasakiUniversityofMedicalWelfare目的:小児の外傷性視神経症(TON)において,スペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)を用いて神経節細胞複合体(GCC)厚および乳頭周囲網膜神経線維層(cpRNFL)厚の経時的変化を観察できた1例を報告する.症例:11歳,男児.左眼窩縁付近を打撲後に視力低下を自覚.左眼視力0.1,相対的瞳孔求心路障害と中心フリッカー値低下を認め,左眼TONと診断.ステロイドパルス療法後,視機能が改善したにもかかわらず,GCC厚およびcpRNFL厚は,受傷後から不可逆的な菲薄化が進行した.結論:小児のTONにおいて,受傷後から経時的に神経節細胞や神経線維の萎縮を捉えることができた.自覚的検査の信頼性が低い幼小児において,SD-OCTを用いたGCC厚やcpRNFL厚の測定は,短時間で容易に構造的変化を捉えることができ,病態把握や経過観察およびTON診断の一助としても有用であると考えられる.Purpose:Wereportachildwithtraumaticopticneuropathy(TON)inwhichthetimecourseofganglioncellcomplex(GCC)andcircumpapillaryretinalnervefiberlayer(cpRNFL)thinningwereobservedusingspectral-domainopticalcoherencetomography(SD-OCT).Case:An11-year-oldmalerealizedvisuallossinhislefteyeaftertraumaticinjurytothelateralorbitalmargin.Correctedvisualacuitywas0.1.RelativeafferentpupillarydefectOSanddecreasedcriticalflickerfrequencyOSwerenoted,andhewasdiagnosedwithTONOS.Althoughvisualfunctionimprovedaftersteroidpulsetherapy,GCCandcpRNFLthinningsubsequentlyprogressed.Conclusion:WewereabletodetectlongitudinalchangesinganglioncellandretinalnervefiberatrophyinpediatricTON.Inyoungchildrenwithlowreliabilityinsubjectivetesting,SD-OCTcaneasilydetectstructuralchange,soisconsideredusefulforpathologicalassessment,follow-upanddiagnosisofTON.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)31(5):763.768,2014〕Keywords:外傷性視神経症,小児,光干渉断層計,神経節細胞複合体厚,乳頭周囲網膜神経線維層厚.traumaticopticneuropathy,child,opticalcoherencetomography,ganglioncellcomplexthickness,circumpapillaryretinalnervefiberlayerthickness.〔別刷請求先〕荒木俊介:〒701-0192倉敷市松島577川崎医科大学眼科学教室1Reprintrequests:SyunsukeAraki,DepartmentofOphthalmology,KawasakiMedicalSchool,577Matsushima,Kurashiki701-0192,JAPAN0910-1810/14/\100/頁/JCOPY(137)763 はじめにスペクトラルドメイン光干渉断層計(spectral-domainopticalcoherencetomography:SD-OCT)では,スキャンスピードと空間解像度の向上に伴い,網膜各層のセグメンテーションが可能となった.RTVue-100R(Optovue社)では網膜神経線維層(retinalnervefiberlayer:RNFL)・神経節細胞層(ganglioncelllayer:GCL)・内網状層の3層をまとめて神経節細胞複合体(ganglioncellcomplex:GCC)として測定することが可能である.GCC厚の菲薄化は,網膜神経線維と軸索輸送障害に伴う網膜神経節細胞の障害を反映していると考えられており,緑内障性視神経症ではGCC厚が菲薄化するとされている1).また,GCC厚測定における緑内障の診断力は乳頭周囲網膜神経線維層(circumpapillaryretinalnervefiberlayer:cpRNFL)厚の測定に匹敵すると報告されており2),その有用性は高い.神経眼科領域においても多発性硬化症や視神経炎において,脱髄や炎症に伴う網膜神経線維や神経節細胞の萎縮を経時的に捉えるために,SD-OCTを用いてGCC厚やcpRNFL厚の検討がなされている3,4).以前に,筆者らは小児の視神経乳頭炎において治療により視機能が改善したにもかかわらずGCC厚が不可逆的に菲薄化したことを報告した5).外傷性視神経症(traumaticopticneuropathy:TON)においては,これまでtime-domeinOCTやscanninglaserpolarimeterを用いて黄斑部網膜厚やcpRNFL厚の菲薄化が報告されているが6.8),SD-OCTを用いたGCC厚やcpRNFL厚の経時的変化に関する報告は少なく9),小児での報告は筆者らの知る限りではない.今回,SD-OCTを用いてGCC厚およびcpRNFL厚の経時的変化を観察できた小児のTONの1例を報告する.なお,本研究は本学倫理委員会の承認を得ており,また,患者の同意を得て実施した.I症例患者:11歳,男児.主訴:左眼視力低下.既往歴,家族歴:特記事項なし.現病歴:2011年12月25日,サッカー中に友人の頭部で左眼窩縁付近を打撲し,視力低下を自覚したため近医を受診した.左眼のTONを疑われ,その翌日に川崎医科大学附属病院眼科を紹介受診となった.初診時所見:視力は右眼1.5(矯正不能),左眼0.1(矯正不能),眼圧は右眼15mmHg,左眼15mmHgであった.対光反射は左眼の直接反射が弱く,相対的瞳孔求心路障害(relativeafferentpupillarydefect:RAPD)が陽性,ハンディフリッカHFR(NEITZ)による中心フリッカー(criticalflickerfrequency:CFF)値は右眼41Hz,左眼15.20Hzで764あたらしい眼科Vol.31,No.5,2014あった.Goldmann視野検査では,右眼は正常,左眼は中心10°以内の中心暗点および下方の水平半盲傾向を認めた(図1a).前眼部,中間透光体,眼底に異常所見はなく,磁気共鳴画像検査,コンピュータ断層撮影法検査においても眼窩および視神経に異常を認めなかった.以上の結果より,左眼TONと診断した.経過:即日入院とし,ソル・メドロールR1,000mgによるステロイドパルス療法を2クール施行した.左眼視力の経過は受傷後翌日で(0.1),1カ月で(0.5),3カ月で(0.6),8カ月で(0.5),12カ月で(0.4)であった.CFF値は受傷後翌日で15.20Hz,1カ月で25Hz,3カ月で33Hz,8カ月で38Hz,12カ月で36Hzであった.また,12カ月後のGoldmann視野検査では,中心暗点の改善および下方視野の拡大を認めたが,下方の暗点は残存した(図1b).SD-OCT(RTVue-100R,Optovue社)による平均GCC厚は,受傷後翌日,1カ月,3カ月,8カ月,12カ月において,右眼でそれぞれ,96.63μm,97.06μm,97.18μm,98.13μm,99.13μm,左眼で95.28μm,72.95μm,72.67μm,64.44μm,64.08μmであった(図2a).左眼の平均GCC厚は,健眼である右眼と比較し,受傷後翌日で1.4%,1カ月で24.8%,3カ月で25.2%,8カ月で34.3%,12カ月で35.4%減少していた.GCCThicknessMapでは,右眼は経過を通じて明らかな変化はみられなかったが,左眼では経過とともに中心窩周囲,特に鼻側と上方で菲薄化が進行した(図2b).平均cpRNFL厚は受傷後翌日,1カ月,3カ月,8カ月,12カ月において,右眼でそれぞれ116.35μm,113.67μm,114.54μm,118.17μm,114.12μm,左眼で108.86μm,81.3μm,67.85μm,61.12μm,64.25μmであった(図3a).左眼の平均cpRNFL厚は,健眼である右眼と比較し,受傷後翌日で6.4%,1カ月で28.5%,3カ月で40.8%,8カ月で48.3%,12カ月で43.7%減少していた.cpRNFLThicknessMapでは,右眼は経過を通じて明らかな変化はみられなかったが,左眼では,経過とともに菲薄化が進行し,特に上方および耳側で顕著であった(図3b).さらに,平均cpRNFL厚を視神経乳頭上方,耳側,下方,鼻側の4象限に分けた象限別平均cpRNFL厚は,受傷後翌日,1カ月,3カ月,8カ月,12カ月において,それぞれ上方が右眼で145μm,146μm,138.5μm,151.5μm,138μm,左眼で127.5μm,96μm,70μm,74μm,80.5μmであった.耳側が右眼で82μm,94.5μm,97.5μm,103μm,93.5μm,左眼で87.5μm,44μm,39μm,35.5μm,41μmであった.下方が右眼で157μm,145μm,150μm,147.5μm,153.5μm,左眼で152μm,117μm,98μm,89μm,93μmであった.鼻側が右眼で81.5μm,69.5μm,72.5μm,70μm,71μm,左眼で68.5μm,67.5μm,63.5μm,(138) ab図1左眼Goldmann視野所見の経過a:受傷後翌日.中心10°以内の中心暗点および下方の水平半盲傾向を認めた.b:受傷後12カ月.中心暗点の改善および下方視野の拡大を認めたが下方の暗点は残存した.a1051009590858075706560受傷後翌日1カ月3カ月8カ月12カ月:右眼GCC厚:左眼GCC厚GCC厚(μm)b:GCCThicknessMap右眼左眼図2平均GCC厚の経時的変化a:平均GCC厚の経時的変化.左眼の平均GCC厚は受傷後1カ月で右眼に比べ急激な菲薄化を認め,その後,経過とともに減少傾向にあった.b:GCCThicknessMap.左眼において,経過とともに中心窩周囲,特に鼻側と上方で菲薄化が進行した.GCC:ganglioncellcomplex.(139)あたらしい眼科Vol.31,No.5,2014765 cpRNFL厚(μm)a1251151059585756555:右眼cpRNFL厚:左眼cpRNFL厚受傷後翌日1カ月3カ月8カ月12カ月b:cpRNFLThicknessMap右眼左眼図3平均cpRNFL厚の経時的変化a:平均cpRNFL厚の経時的変化.左眼の平均cpRNFL厚は平均GCC厚と同様に,受傷後1カ月で右眼に比べ急激な菲薄化を認め,その後,経過とともに減少傾向にあった.b:cpRNFLThicknessMap.左眼において,経過とともに菲薄化が進行し,特に上方および耳側で顕著であった.cpRNFL:circumpapillaryretinalnervefiberlayer,GCC:ganglioncellcomplex.46μm,42μmであった(図4).解析に用いたデータは,SignalStrengthIndexが50以上得られたデータとし,固視不良やセグメンテーションエラーがある場合は複数回の測定を行い,最も信頼性のあるデータを採用した.受傷後翌日では,平均GCC厚および平均cpRNFL厚ともに右眼(健眼)と左眼(患眼)で大きな差がみられなかったが,その後,受傷後1カ月で左眼視力は改善を認めたにもかかわらず,平均GCC厚および平均cpRNFL厚はともに減少した.また,象限別平均cpRNFL厚では受傷後翌日において,欠損のあった下方視野に対応する上方cpRNFL厚は右眼に比べて左眼で軽度減少していた.その後,12カ月後では右眼に比べて左眼は全象限においてcpRNFL厚の減少を認めた.766あたらしい眼科Vol.31,No.5,2014II考按小児のTONにおいて視力やCFF値などの視機能が改善したにもかかわらず,GCC厚やcpRNFL厚は経過とともに急速に菲薄化が進行し,受傷後12カ月においても菲薄化が残存した.TONは,広義にはいくつかの分類に分けられるが,眉毛部外側の鈍的打撲により介達性に同側の視神経機能が急激に障害されるものが一般的である.その病態は,衝撃が眼窩上壁の骨を経由して介達性に視神経管に到達した際,視神経管内視神経部で浮腫や出血が生じ,視神経を圧迫することが主たるものと考えられている10).本症例では,左眼窩縁付近の鈍的衝撃の直後に,同側の急激な視神経機能の低下を認めた.また,開放性の損傷はなく,視神経管骨折や眼球直後に生じる視神経乳頭離断も認めなかったことから,眼窩後方の(140) 右眼160140120cpRNFL厚100:上方:耳側80:下方:鼻側604020受傷後翌日1カ月3カ月8カ月12カ月160140120cpRNFL厚100:上方:耳側80:下方:鼻側604020図4象限別平均cpRNFL厚の経時的変化受傷後翌日において,上方cpRNFL厚が右眼に比べて左眼で軽度減少していた.その後,左眼は受傷後12カ月では全象限においてcpRNFL厚の減少を認めた.cpRNFL:circumpapillaryretinalnervefiberlayer.視神経管近傍に生じたいわゆる狭義の介達性TONであったと考えられる.TONにおけるSD-OCTを用いたGCC厚およびcpRNFL厚の検討については,Kanamoriら9)が成人例においてGCC厚およびcpRNFL厚は,受傷後2週目から健眼に比べて有意に減少しはじめ,20週間後には頭打ちになることを報告し,機能検査でしか捉えられなかった受傷後の経過を構造的に評価している.本症例においても治療後に視力や視野などの視機能が改善したにもかかわらず,受傷後1カ月からGCC厚およびcpRNFL厚の減少が認められた.TONにおけるGCC厚とcpRNFL厚の菲薄化は,浮腫や出血による視神経圧迫に伴う軸索損傷が原因の不可逆的なGCLやRNFLの萎縮を捉えたものと考えられる.しかし,本症例では受傷後翌日から受傷後1カ月までGCC厚およびcpRNFL厚の評価が行えておらず,菲薄化が検出されはじめる詳細な期間については検討できていない.また,cpRNFL厚の象限別検討では,受傷後翌日で健眼に比べて,患眼の上方cpRNFL厚が軽度減少していた.これまで,TONでは急性期におけるcpRNLF厚は正常か網膜神経線維の増大による肥厚を示す11)とされている.しかし,(141)cpRNFL厚(μm)cpRNFL厚(μm)左眼受傷後翌日1カ月3カ月8カ月12カ月受傷後早期にcpRNFL厚の有意な変化が捉えられるかどうかについては,今後症例数を増やし詳細な検討が必要である.これまで視神経炎においてcpRNFL厚の減少と視力や視野の障害に相関があると報告されている12,13)が,TONではGCC厚およびcpRNFL厚と視機能の相関についての報告はない.しかし,乳頭黄斑線維がおもに障害される視神経炎と異なり,TONでは視神経実質内の浮腫の部位により,さまざまな視野変化が起こりうることから視力や中心視野との相関は一様でないことが推察される.本症例では,GCC厚やcpRNFL厚の菲薄化が進行したにもかかわらず視力や視野が保持されていた.その理由として,Quigleyら14)はGoldmann視野計では網膜神経節細胞の約50%が障害されないと中心視野の異常を検出できないと報告しており,本症例でも視力検査やGoldmann視野検査ではGCC厚やcpRNFL厚の形態的変化が網膜神経節細胞の余剰性により機能異常として検出できなかった可能性が考えられる.TONの診断は,眉毛部外側の打撲の既往と視力・視野障害,RAPDの存在があれば,診断は比較的容易であるが,幼小児においては自覚的な訴えが曖昧なことが多く,外傷による皮下出血や挫滅創のない場合には診断が困難である15).このような場合,swingingflashlighttestによるRAPDの検出がほとんど唯一の他覚的所見であるとされてきたが,GCC厚やcpRNFL厚の測定は他覚的にGCLやRNFLの萎縮を捉えることができ,自覚的検査の信頼性が低い幼小児において,病態把握や経過観察に有用であると考えられる.また,幼小児のTONにおいて鑑別すべき疾患としては,外傷をきっかけとした心因性視覚障害16)や弱視17)などがあげられる.弱視眼ではGCC厚の菲薄化は認めないと報告されており18),弱視や心因性視覚障害とTONをはじめとする視神経疾患との鑑別の一助としてもGCC厚およびcpRNFL厚の測定は有用であると思われる.今回,小児のTONにおいて,SD-OCTを用いたGCC厚およびcpRNFL厚の測定により,不可逆的なGCLやRNFLの萎縮を捉えることができた.SD-OCTは,短時間の固視や座位の保持が可能であれば幼小児でも比較的容易に撮影が可能であるため,GCC厚やcpRNFL厚の測定が幼小児の視神経疾患における病態把握,経過観察および診断の一助としても有用であると考えられる.今後,TONにおけるGCC厚およびcpRNFL厚の減少と視機能との相関について,症例数を増やしてさらに詳細な検討を行う予定である.文献1)MorookaS,HangaiM,NukadaMetal:Wide3-dimensionalmacularganglioncellcompleimagingwithspectral-domainopticalcoherencetomographyinglaucoma.Investあたらしい眼科Vol.31,No.5,2014767 OphthalmolVisSci53:4805-4812,20122)KimNR,LeeES,SeongGJetal:Structure-functionrelationshipanddiagnosticvalueofmacularganglioncellcomplexmeasurementusingFourier-domainOCTinglaucoma.InvestOphthalmolVisSci51:4646-4651,20103)FjeldstadC,BembenM,PardoG:Reducedretinalnervefiberlayerandmacularthicknessinpatientswithmultiplesclerosiswithnohistoryofopticneuritisidentifiedbytheuseofspectraldomainhigh-definitionopticalcoherencetomography.JClinNeurosci18:1469-1472,20114)SycSB,SaidhaS,NewsomeSDetal:Opticalcoherencetomographysegmentationrevealsganglioncelllayerpathologyafteropticneuritis.Brain135:521-533,20125)後藤克聡,水川憲一,三木淳司ほか:神経節細胞複合体の急激な菲薄化を認めた小児視神経炎の2例.日眼会誌117:1004-1011,20136)VessaniRM,CunhaLP,MonteiroML:Progressivemacularthinningafterindirecttraumaticopticneuropathydocumentedbyopticalcoherencetomography.BrJOphthalmol91:697-698,20077)MedeirosFA,MouraFC,VessaniRMetal:Axonallossaftertraumaticopticneuropathydocumentedbyopticalcoherencetomography.AmJOphthalmol135:406-408,20038)MiyaharaT,KurimotoY,KurokawaTetal:Alterationsinretinalnervefiberlayerthicknessfollowingindirecttraumaticopticneuropathydetectedbynervefiberanalyzer,GDx-N.AmJOphthalmol136:361-364,20039)KanamoriA,NakamuraM,YamadaYetal:Longitudinalstudyofretinalnervefiberlayerthicknessandganglioncellcomplexintraumaticopticneuropathy.ArchOphthalmol130:1067-1069,201210)河合一重:外傷.眼科診療プラクティス12やさしい神経眼科(安達惠美子編),p60-63,文光堂,199411)藤本尚也,横山暁子:視神経疾患のOCTとHumphrey静的視野検査.あたらしい眼科29:743-749,201212)NovalS,ContrerasI,RebolledaGetal:Opticalcoherencetomographyversusautomatedperimetryforfollow-upofopticneuritis.ActaOphthalmolScand84:790-794,200613)CostelloF,HodgeW,PanYIetal:Trackingretinalnervefiberlayerlossafteropticneuritis:aprospectivestudyusingopticalcoherencetomography.MultScler14:893-905,200814)QuigleyHA,AddicksEM,GreenWR:Opticnervedamageinhumanglaucoma.III.Quantitativecorrelationofnervefiberlossandvisualfielddefectinglaucoma,ischemicneuropathy,papilledema,andtoxicneuropathy.ArchOphthalmol100:135-146,198215)三村治:眼のかすみを起こす疾患視神経疾患.あたらしい眼科27:191-195,201016)鈴木利根,瀬川敦,杉谷邦子ほか:中学・高校の運動部活動に関連し外傷を契機とした心因性視力障害.眼臨101:708-711,200717)波田順次,中筋康夫,中村誠ほか:健眼遮閉により視力改善をみた小児外傷性視神経症の1例.眼臨93:204-206,199918)FiratPG,OzsoyE,DemirelSetal:Evaluationofperipapillaryretinalnervefiberlayer,maculaandganglioncellthicknessinamblyopiausingspectralopticalcoherencetomography.IntJOphthalmol6:90-94,2013***768あたらしい眼科Vol.31,No.5,2014(142)

急性網膜壊死患者における網膜神経線維層厚と乳頭形状の検討

2010年4月30日 金曜日

———————————————————————-Page1(123)5390910-1810/10/\100/頁/JCOPY43回日本眼炎症学会原著》あたらしい眼科27(4):539543,2010c〔別刷請求先〕臼井嘉彦:〒160-0023東京都新宿区西新宿6-7-1東京医科大学病院眼科Reprintrequests:YoshihikoUsui,M.D.,DepartmentofOphthalmology,TokyoMedicalUniversityHospital,6-7-1Nishishinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo160-0023,JAPAN急性網膜壊死患者における網膜神経線維層厚と乳頭形状の検討臼井嘉彦毛塚剛司竹内大奥貫陽子後藤浩東京医科大学眼科学教室RetinalNerveFiberLayerThicknessandOpticNerveHeadMorphometryinAcuteRetinalNecrosisYoshihikoUsui,TakeshiKezuka,MasaruTakeuchi,YoukoOkunukiandHiroshiGotoDepartmentofOphthalmology,TokyoMedicalUniversitySchoolofMedicine目的:急性網膜壊死(acuteretinalnecrosis:ARN)症例の乳頭周囲網膜神経線維層厚(retinalnerveberlayerthickness:RNFLT)と視神経乳頭形状の特徴について検討する.対象および方法:対象は東京医科大学病院眼科でARNと診断され,治療の結果寛解期となった15例15眼(男性9例,女性6例),平均年齢52.3歳である.光干渉断層計(OCT3000,CarlZeiss社)のFastRNFLthickness(3.4)ならびにFastOpticNerveHeadで走査を行い,RNFLthicknessaverageanalysisならびにOpticNerveHeadAnalysisを用いてRNFLTと乳頭形状を解析した.僚眼をコントロールとした.なお,6D以上の強度近視眼は除外した.結果:ARN罹患眼では僚眼と比較してRNFLTが有意に減少していた(94.0vs105.6μm,p<0.05).また,ARN罹患眼では僚眼と比較して視神経乳頭辺縁部におけるverticalintegratedrimareaの有意な減少と視神経乳頭陥凹の拡大がみられた.一方,硝子体手術が回避された経過良好なARN症例のみでは,僚眼と比較してRNFLTおよび視神経乳頭の形状に有意な差異はみられなかった.結論:ARNではRNFLTの減少と視神経乳頭辺縁部の形態異常を生じることが判明し,視力予後不良なことが多い本症の原因の一つと考えられた.ただし,これらの変化については硝子体手術や眼内充物質などの影響も関与している可能性があり,さらに検討を要する.Purpose:Toconductretinalnerveberlayerthickness(RNFLT)measurementandopticnerveheadmor-phometryusingopticalcoherencetomography(OCT3000,Zeiss-HumphreyInstruments)inpatientswithacuteretinalnecrosis(ARN).Methods:Westudied15eyesof15patients(9male,6female;meanage:52.3years)whohadbeendiagnosedwithARNattheDepartmentofOphthalmology,TokyoMedicalUniversityandhadachievedremissionasaresultoftreatment.RNFLTaverageanalysisandopticnerveheadanalysiswereconduct-edusingtheOCT3000byscanningtheaectedeyewiththeFastRNFLT(3.4)andFastOpticNerveHeadproto-cols,respectively.Thefelloweyeservedascontrol.Patientswithhigh-degreemyopia(6Dorabove)wereexcludedfromthisstudy.Results:RNFLTwassignicantlyreducedintheaectedeyesascomparedtothefel-loweyes(94.0vs.105.6μm,p<0.05).Signicantdecreaseinverticalintegratedrimareaattheopticaldiscmar-ginandexpansionofthecupwereobservedintheaectedeyes,ascomparedtothefelloweyes.Ontheotherhand,inpatientswhoweresparedvitrectomyandhadafavorableclinicalcourse,nodierenceswereseeninRNFLTandopticdiscmorphologyincomparisontothefelloweyes.AtthetimeofOCTexamination,weobservedsignicantpositivecorrelationbetweenlogvisualacuityandRNFLthickness,andsignicantnegativecorrelationbetweenRNFLTanddisc-to-cuparearatio.Conclusions:ThepresentstudydemonstratedreductioninRNFLTandmorphologicalabnormalityattheopticdiscmargininARN,whichcouldbeacauseofthepoorvisualoutcomecharacteristicofthisdisease.However,itisalsopossiblethatthesechangesareassociatedwithvitrectomyandintraoculartamponade;furtherinvestigationisnecessary.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)27(4):539543,2010〕Keywords:急性網膜壊死,乳頭周囲網膜神経線維層厚,視神経乳頭形状,光干渉断層計(OCT).acuteretinalnecrosis,retinalnerveberlayerthickness,morphometryoftheopticnervehead,opticalcoherenttomography.———————————————————————-Page2540あたらしい眼科Vol.27,No.4,2010(124)はじめに桐沢型ぶどう膜炎(急性網膜壊死;acuteretinalnecro-sis;ARN)は,単純ヘルペスウイルス(herpessimplexvirus:HSV),または水痘帯状疱疹ウイルス(varicellazostervirus:VZV)の眼内感染により生じるきわめて視力予後不良な疾患である13).視力予後不良な原因として,網膜壊死によって高率に生じる網膜離や増殖硝子体網膜症のほかに,視神経障害の存在が考えられる1,3).近年,光干渉断層計(opticalcoherencetomography:OCT)は黄斑疾患の形態変化や網膜厚の測定に加え,緑内障47),視神経炎8,9),網膜色素変性10)や硝子体手術後1113)の視神経乳頭評価,視神経乳頭形状解析や乳頭周囲網膜神経線維層厚(retinalnerveberlayerthickness:RNFLT)の評価など,多くの疾患で臨床応用されている.今回筆者らは,ARN症例のRNFLTと視神経乳頭形状の特徴について,OCT3000(CarlZeissMeditecInc,Dublin,USA)を用いて検討したので報告する.I対象および方法1995年11月から2007年10月に東京医科大学病院眼科ぶどう膜炎外来でARNと診断され,治療の後に寛解期となった15例15眼(男性9例,女性6例)を対象とした.いずれも原則として1994年にAmericanUveitisSocietyが定めたARN診断基準14)を満たしている症例で,平均年齢52.3図1OCTによる急性網膜壊死の平均網膜神経線維層厚右眼(罹患眼)は,左眼(僚眼)と比較して全体的に網膜神経線維層厚が薄くなっていた.———————————————————————-Page3あたらしい眼科Vol.27,No.4,2010541(125)歳,観察期間は22169カ月(平均66カ月)であった.病因ウイルスはHSVが2例,VZVが13例であった.15例中8例に経毛様体扁平部硝子体手術が施行された.これらの症例はアシクロビルと副腎皮質ステロイド薬による点滴治療後,経過中に網膜離を生じた症例のほか,網膜離は未発生ながら後部硝子体離を生じ,網膜への牽引が顕著となった段階で硝子体切除術が行われた症例であった.初回硝子体手術の術式の内訳は,4眼は硝子体切除術+水晶体摘出術+輪状締結術+シリコーンオイルタンポナーデ,3眼は硝子体切除術+水晶体摘出術+輪状締結術+ガスタンポナーデ(SF6ガス),1眼は硝子体切除術+輪状締結術+シリコーンオイルタンポナーデであった.OCT3000の測定は経験豊富な検者によって施行され,すべてトロピカミドとフェニレフリンによる散瞳の後に測定を行った.検者はARNの病状や硝子体手術の有無についてはあらかじめ知ることなく測定した.視神経乳頭周囲のRNFLTと視神経乳頭形状を測定する内蔵のFastRNFLthickness(3.4)ならびにFastOpticNerveHeadのスキャンパターンを使用し,測定結果はRNFLthicknessaverageanalysisならびにOpticNerveHeadAnalysisを用いて解析した.僚眼をコントロールとし,Signalstrengthが6以下および6D以上の強度近視眼と固視不良眼は除外した.Wilcoxon符号付順位和検定およびPearsonの相関係数を統計解析ソフトであるJMPversion7を用い,p<0.05を統計学的に有意差ありとした.II結果ARN15例の罹患眼と僚眼RNFLT値は,それぞれ94.0±23.9μm,105.6±15.1μmで,罹患眼では有意にRNFLT値が減少していた(p<0.05)(図2).硝子体手術を施行した群と経過が良好であったため硝子体手術が回避された群で比較検討したところ,硝子体手術施行8例の罹患眼と僚眼RNFLT値は,それぞれ87.2±26.2μm,108.8±14.8μmで,罹患眼では有意にRNFLT値が減少していた(p<0.05)(図3a).一方,硝子体手術が行われなかった経過良好なARN7症例では,罹患眼と僚眼RNFLT値は,それぞれ101.7±15.5μm,101.9±14.5μmで有意な差異はみられなかった(図3b).乳頭面積は罹患眼で平均2.4±0.7mm2,正常眼で平均2.3±0.4mm2,陥凹面積は罹患眼で平均1.1±0.9mm2,正常眼で平均1.0±0.7mm2であり,統計学的に有意な差は認められなかった.乳頭陥凹面積比は罹患眼で平均0.50±0.27,正常眼で平均0.35±0.16であり,統計学的に有意差を認めた(図4).Verticalintegratedrimarea(VIRA)は罹患眼で平均0.3±0.3mm3,正常眼で平均0.5±0.6mm3と統計学的に有意差を認めた(図5a).また,horizontalintegratedrimarea(HIRA)は,罹患眼で平均1.4±0.4mm2,正常眼で1.7±0.4mm2と統計学的有意差は認めなかった(p=0.064)(図5b).硝子体手術が回避された経過良好なARN7症例では,僚眼と比較して乳頭陥凹面積比,VIRAおよびHIRAともに統計学的に有意差を認めなかった.罹患眼対数視力,RNFLT,乳頭陥凹面積比の相関関係の検討では,OCT施行時における罹患眼の対数視力とRNFLTとの間には有意な正の相関が認められた(Pearsonの相関係数;R2=0.32,p<0.05)(図6a).また,RNFLTは120100806040200罹患眼平均:94.0μm僚眼平均:105.6μm平均RNFLT(μm)*図2急性網膜壊死罹患眼と僚眼の平均網膜神経線維層厚の比較罹患眼では有意な平均網膜神経線維層厚の減少がみられた.*:p<0.05.120100806040200罹患眼平均:87.2μm僚眼平均:108.8μm罹患眼平均:101.7μm僚眼平均:101.9μm平均RNFLT(μm)120100806040200平均RNFLT(μm)*ab図3硝子体手術施行の有無による急性網膜壊死罹患眼と僚眼の平均網膜神経線維層厚の比較a:硝子体手術施行後の急性網膜壊死罹患眼では有意な平均網膜神経線維層厚の減少がみられた.*:p<0.05.b:硝子体手術を施行していない急性網膜壊死罹患眼では平均網膜神経線維層厚の減少はみられなかった.———————————————————————-Page4542あたらしい眼科Vol.27,No.4,2010(126)乳頭陥凹面積比との間には有意な負の相関が認められた(Pearsonの相関係数;R2=0.32,p<0.05)(図6b).しかし,OCT施行時における罹患眼の対数視力は乳頭陥凹面積比との間に相関はみられなかった(p=0.49)(図6c).III考按ARNは症例によってはきわめて視力予後不良な疾患であり,過去の筆者らの報告ではさまざまな薬物および外科的治療にもかかわらず,最終的に42.9%の患者は0.1未満の視力であった.最終的に視力予後不良となったおもな原因は,増殖硝子体網膜症と視神経障害であった3).硝子体手術により網膜の復位が得られても,視神経萎縮により視力不良となる症例が少なからず存在することから,今回筆者らはOCT3000を利用してARNにおける乳頭周囲RNFLT値と視神経乳頭形状を定量化し,ARNの病態および硝子体手術の影響が視神経乳頭に与える影響を検討した.緑内障患者においては,視野障害の程度とOCTによって測定された平均RNFLTが視野障害の進行に伴って有意に減少することはすでに報告されている46).隈上ら7)は,緑内障患者を対象にOCTで測定した乳頭陥凹面積比が視野変化と相関がみられたと報告している.今回の検討では,ARNの平均RNFLTが最終受診時の視力の悪化や乳頭陥凹面積比に伴って緑内障と同様に有意な相関を示したことは興味深い.一方,硝子体手術とRNFLTに関する報告はさまざまで,Yamashitaら15)は黄斑円孔に対する硝子体手術後にRNFLTが減少すると報告し,築城ら11,12)は硝子体手術後早期では術後炎症により乳頭周囲RNFLTは増加すると報告している.今回の検討では,ARN罹患眼では硝子体手術施行などの経過に伴い視神経乳頭辺縁部の減少や視神経乳頭陥凹の拡大がみられた.大橋ら13)は硝子体手術前後の視神経乳頭形状の変化を解析し,硝子体手術時間が長く,液-ガス置換を行うと視神経乳頭に長期間持続する変化を生じると報告していることから,ARN罹患眼の視神経乳頭は硝子体手術0.70.60.50.40.30.20.10罹患眼僚眼C/Dratio*図4急性網膜壊死罹患眼と僚眼の乳頭陥凹面積比の比較罹患眼では有意な乳頭陥凹面積比の増加がみられた.*:p<0.05.罹患眼Verticalintegratedrimarea(mm3)Horizontalintegratedrimarea(mm2)僚眼罹患眼僚眼*0.70.60.50.40.30.20.1021.81.61.41.210.80.60.40.20ab図5急性網膜壊死罹患眼と僚眼のverticalintegratedrimarea(a)とhorizontalintegratedrimarea(b)の比較Verticalintegratedrimarea(mm3)は罹患眼で有意な減少がみられた.*:p<0.05.130120110100908070605040対数視力CDratio対数視力a1301201101009080706050400.1-3-2.5-2-1.5-1-0.500.5-3-2.5-2-1.5-1-0.500.50.20.30.40.50.60.70.80.911.1b1.110.90.80.70.60.50.40.30.20.1c平均RNFLT(?m)平均RNFLT(?m)C/Dratio図6急性網膜壊死罹患眼における対数視力,平均網膜神経線維層厚値,乳頭陥凹面積比の相関a:対数視力と平均網膜神経線維層厚との間には有意な正の相関がみられた(Pearsonの相関係数;R2=0.32,p<0.05).b:平均網膜神経線維層厚と乳頭陥凹面積比との間には有意な負の相関がみられた(Pearsonの相関係数;R2=0.32,p<0.05).c:対数視力と乳頭陥凹面積比との間には相関はみられなかった.———————————————————————-Page5あたらしい眼科Vol.27,No.4,2010543(127)や,シリコーンオイルタンポナーデならびにガスタンポナーデの影響を受けることが推測された.このように硝子体手術による眼内操作,輪状締結術による脈絡膜循環,シリコーンオイルやガス置換など手術時の眼への侵襲がRNFLT値や視神経乳頭形状になんらかの影響を及ぼしている可能性は否定できない.一方,硝子体手術が回避された経過良好なARN7症例では,僚眼と比較してRNFLT値や視神経乳頭辺縁部の減少や視神経乳頭陥凹の拡大に有意な差異はみられなかったことから,硝子体手術を施行しなかった経過良好なARNに関してはRNFLT値や視神経乳頭形状には影響を及ぼさないという結果も得られた.しかしながら,硝子体手術が回避された経過良好なARN7症例のうち3症例では,僚眼と比較して罹患眼のRNFLTは差がないものの,視神経乳頭の一部にRNFLTの菲薄化がみられ,視野異常をきたしていた.今回の検討では統計学的有意差はみられなかったが,硝子体手術を施行しなかった経過良好なARNの症例の一部であっても,視神経障害をきたす可能性があることを示している.今回,固視不良眼は除外して検討を行った.筆者らの施設では全ARN症例の35%は最終視力手動弁以下のため,固視不良によりOCTの測定が困難であった.緑内障末期症例においても,OCT測定時における固視には差がみられ,再現性に問題があることから,視力の極端に悪い症例の評価には十分な注意が必要である16).また,今後は乳頭周囲RNFLT値や乳頭形状のより正確な定量化,高い再現性が期待されるスペクトラルドメインOCTなどにより,さらに詳細なデータを蓄積し,検討を重ねる必要があると考えられる.文献1)UsuiY,GotoH:Overviewanddiagnosisofacuteretinalnecrosissyndrome.SeminOphthalmol23:275-283,20082)薄井紀夫:急性網膜壊死.あたらしい眼科20:309-320,20033)臼井嘉彦,竹内大,後藤浩ほか:東京医科大学における急性網膜壊死(桐沢型ぶどう膜炎)の統計的観察.眼臨101:297-300,20074)尾﨏雅博,立花和也,後藤比奈子ほか:光干渉断層計による網膜神経線維層厚と緑内障性視野障害の関係.臨眼53:1132-1138,19995)朝岡亮,尾﨏雅博,高田真智子ほか:緑内障における網膜神経線維層厚と静的視野の関係.臨眼54:769-774,20006)大友孝昭,布施昇男,清宮基彦ほか:緑内障眼における網膜神経線維層厚測定値と視野障害との相関.臨眼62:723-726,20087)隈上武志,齋藤了一,木下明夫ほか:光干渉断層計を用いた緑内障眼における視神経乳頭形状の解析.臨眼56:321-324,20028)RebolledaG,NovalS,ContrerasIetal:Opticdisccup-pingafteropticneuritisevaluatedwithopticcoherencetomography.Eye23:890-894,20099)ProMJ,PonsME,LiebmannJMetal:Imagingoftheopticdiscandretinalnerveberlayerinacuteopticneu-ritis.JNeurolSci250:114-119,200610)OishiA,OtaniA,SasaharaMetal:Retinalnerveberlayerthicknessinpatientswithretinitispigmentosa.Eye23:561-566,200911)築城英子,草野真央,岸川泰宏ほか:硝子体手術による乳頭周囲網膜神経線維層厚の変化.臨眼62:347-350,200812)築城英子,古賀美智子,北岡隆:硝子体手術前後の乳頭周囲網膜神経線維層厚の変化の検討.臨眼61:357-360,200713)大橋啓一,春日勇三,羽田成彦ほか:硝子体手術前後の視神経乳頭形状の変化.臨眼53:1229-1232,199914)HollandGNandtheExecutiveCommitteeoftheAmeri-canUveitisSociety:Standarddiagnosticcriteriafortheacuteretinalnecrosissyndrome.AmJOphthalmol117:663-667,199415)YamashitaT,UemuraA,KitaHetal:Analysisoftheretinalnerveberlayerafterindocyaninegreen-assistedvitrectomyforidiopathicmacularholes.Ophthalmology113:280-284,200616)岩切亮,小林かおり,岩尾圭一郎ほか:光干渉断層計およびHeidelbergRetinaTomographによる緑内障眼の視神経乳頭形状測定の比較.臨眼58:2175-2179,2004***