《原著》あたらしい眼科33(10):1503?1508,2016c複数回の角膜移植片不全例に対するBostonkeratoprosthesisと全層角膜移植術の比較森洋斉*1小野喬*1子島良平*1南慶一郎*1宮田和典*1天野史郎*2*1宮田眼科病院*2井上眼科病院ComparisonofBostonKeratoprosthesisandPenetratingKeratoplastyinEyesafterMultipleCornealGraftFailureYosaiMori1),TakashiOno1),RyoheiNejima1),KeiichiroMinami1),KazunoriMiyata1)andShiroAmano2)1)MiyataEyeHospital,2)InoueEyeHospital目的:複数回の角膜移植片不全例に対する人工角膜BostonkeratoprosthesisTypeI(BostonKPro)と全層角膜移植術(penetratingkeratoplasty:PKP)の臨床成績を比較した.対象および方法:対象は,2回以上の移植片不全の既往がある症例に対して,宮田眼科病院において1998?2015年に,BostonKPro(以下,KPro群)もしくはPKP(以下,PKP群)を行った症例である.診療録よりレトロスペクティブに調査した.人工角膜生着率と角膜透明治癒率を累積グラフト生存率とし,矯正視力,術中・術後合併症,追加治療の有無を両群で比較した.結果:KPro群は8例9眼,PKP群は12例18眼で,平均観察期間はそれぞれ56.0±21.5カ月,31.8±29.7カ月であった.術後5年の累積グラフト生存率は,KPro群が100%,PKP群が26%,術後7年では80%と19%であり,KPro群が有意に高かった(p<0.01).術後5年の矯正視力0.5以上の割合は,KPro群40.0%,PKP群5.9%で統計学的に差がなかったが(p=0.12),0.1以上の割合は,それぞれ80.0%,17.6%とKPro群が有意に良好であった(p=0.03).術後合併症の頻度は,両群間で差がなかった.結論:複数回の角膜移植片不全に対するBostonKProは,PKPと比較して,高い生存率と良好な視力の維持が期待できることが示唆された.Purpose:Tocomparetheoutcomesofrepeatpenetratingkeratoplasty(PKP)andBostontypeIkeratoprosthesis(BostonKPro)implantationineyesaftermultiplecornealgraftfailure.Methods:PatientswithmultiplegraftfailurewhounderwenteitherPKPorBostonKProatMiyataEyeHospitalduring1998and2015wereincluded.Graftsurvivalrate,best-correctedvisualacuity(BCVA)andcomplicationswereretrospectivelycomparedbetweenthetwogroups.Results:9eyesof8patientsunderwentBostonKProand18eyesof12patientsunderwentPKP.Meanfollow-upperiodinBostonKProandPKPwas56.0±21.5monthsand31.8±29.7months,respectively.CumulativegraftsurvivalratesinBostonKProandPKPwere100%and26%at5years(p<0.01)and80%and19%at7years,respectively.At5yearsaftersurgery,80.0%ofBostonKProand17.6%ofPKPattainedBCVAof20/200orbetter(p=0.03).Postoperativecomplicationratesweresimilarbetweenthetwogroups.Conclusion:BostonKProlikelyprovidesahigherrateofgraftsurvivalandbettervisualimprovementthanPKPineyesaftermultiplecornealgraftfailure.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(10):1503?1508,2016〕Keywords:人工角膜,全層角膜移植術,移植片不全,Bostonkeratoprosthesis.keratoprosthesis,penetratingkeratoplasty,graftfailure,Bostonkeratoproshesis.はじめに全層角膜移植術(penetratingkeratoplasty:PKP)は,角膜混濁や水疱性角膜症に対する治療法として有効であるが,複数回の移植片不全例などでは予後不良であることが報告されている1?4).これらPKPのハイリスク症例に対する治療法として,人工角膜が臨床使用されてきた.以前は,数多くの重篤な合併症のために普及には至らなかったが,素材やデザイン,術式の改良が行われ,近年では良好な術後成績が報告されている5?8).なかでもMassachusettsEyeandEarInfirmary(MEEI)のDohlmanらによって開発されたBostonKeratoprosthesisTypeI9)(以下,BostonKPro)(図1)は,もっとも普及している人工角膜であり,2015年現在までに全世界で11,000例以上行われ,良好な視機能と長期の安定性が得られることが報告されている10?14).これまでに移植片不全に対するBostonKProとPKPを直接比較した報告はほとんどない15,16).そこで今回,複数回の移植片不全に対するBostonKProとPKPの術後長期成績を比較したので報告する.I対象および方法本研究は,宮田眼科病院において倫理審査委員会で承認を取得したうえで実施した.対象は,2回以上の移植片不全の既往がある症例のうち,1998年1月?2015年3月に宮田眼科病院でBostonKProを行った8例9眼(以下,KPro群)とPKPを行った12例18眼(以下,PKP群)である.なお,保存角膜による治療的なPKPを行った症例は除外した.BostonKProは,MEEIの推奨する基準(表1)を参考にして適応を判断し,患者に十分な説明のうえ,同意を取得した後,手術を行った.手術は,球後麻酔または全身麻酔下で行った.ドナー角膜は,両群ともに宮崎県アイバンクもしくはRockyMountainLionsEyeBankから提供されたものを使用した.BostonKProは,中心に3mm径の穴をあけた8.5mmのドナー角膜片をフロントパーツとバックプレートで挟み込み,ロックリングで固定し,移植片とした.次に強膜にフレリンガーリングを装着し,7.5?8mmのバロン式真空トレパンと角膜剪刀で角膜を切除した.その後,作製した移植片を10-0ナイロン糸にて端々縫合で縫着した.最後に,コンタクトレンズを装用して手術を終了した.PKPは,BostonKProと同様に角膜を切除した後,レシピエント角膜径より0.25?0.5mm大きく打ち抜いたドナー角膜片を,10-0ナイロン糸を用いて24針連続縫合した.両術式とも手術終了時にゲンタマイシンとデキサメタゾンの結膜下注射を行った.両術式ともに術後は,セフェム系もしくはニューキノロン系抗菌薬を3日間,プレドニゾロン(30mgより漸減)を内服とした.術後点眼は0.1%リン酸ベタメタゾンナトリウム点眼および0.5%レボフロキサシン点眼を4回/日とし,BostonKProは0.5%バンコマイシン点眼4回/日を併用して,最終的に1回/日は抗菌薬点眼を継続した.0.1%リン酸ベタメタゾンナトリウム点眼に関しては,経過に応じて点眼回数を漸減し,PKPは0.1%フルオロメトロン点眼2回/日を継続,BostonKProは中止とした.また,BostonKPro後は,ソフトコンタクトレンズを終日連続装用とし,週1回交換とした.検討項目は,人工角膜生着率と角膜透明治癒率(以下,両者をグラフト生存率と定義),矯正視力,術中・術後合併症の有無,追加治療の有無とし,診療録よりレトロスペクティブに調査して,両群で比較した.人工角膜生着の定義は,人工角膜の脱落および再移植を認めないものとした.透明治癒の定義は,移植片の透光部が透明で,不可逆性と考えられる角膜実質浮腫,拒絶反応や移植片への感染が細隙灯顕微鏡で認められなかったものとした.矯正視力は,術後1年および5年において合併症や追加治療の有無にかかわらず,経過観察可能であった症例で,小数視力0.5以上,0.1以上の割合を算出した.KPro群の眼圧は触診で判定した.拒絶反応の判定は,移植片の透明期を経た後に,とくに誘引のない移植片の浮腫や混濁,角膜後面沈着物,拒絶反応線,前房内細胞および充血の有無によって行い,ステロイド治療に対する反応性を参考にした.得られたデータは,平均値±標準偏差で表記した.統計学的解析は,術前背景,矯正視力,術後合併症の比較には,Mann-WhitneyUtestおよびFisher’sexacttest,術前後の視力の比較にはWilcoxonsigned-ranktestを使用した.また,グラフト生存率にはKaplan-Meiermethodを使用し,Log-ranktestを用いて比較した.統計解析の有意水準は5%とした.II結果1.症例の背景PKP群のうち,2眼は水晶体?外摘出術と眼内レンズ(intraocularlens:IOL)挿入術,1眼はIOL摘出術,1眼はIOL縫着術をPKPに併用した.両群の術前背景を表2に示す.手術時の年齢,性別,術後観察期間,PKPの既往回数は,両群で差がなかった.初回のPKPの原疾患は,両群ともに水疱性角膜症が最多であった.術前の眼合併症として,KPro群は,5眼に緑内障,2眼に真菌性角膜炎を認め,PKP群は,6眼に緑内障,1眼に真菌性角膜炎,1眼に兎眼(ハンセン病後)を認めた.2.グラフト生存率両群の累積グラフト生存率を図2に示す.術後5年における累積グラフト生存率は,KPro群が100%,PKP群が26%,術後7年ではそれぞれ80%と19%であり,累積グラフト生存率はKPro群が有意に高かった(p<0.01,Kaplan-Meiermethod,Log-ranktest).経過観察中に移植片不全となった症例は,KPro群で1眼,PKP群で15眼であった.移植片不全の原因は,KPro群では,真菌性角膜炎が1眼,PKP群では,拒絶反応が9眼,兎眼による角膜混濁が1眼,原因不明の内皮機能不全が5眼であった.3.矯正視力術前矯正視力は,KPro群がlogMAR2.07±0.38(小数視力,手動弁?0.02),PKP群がlogMAR2.06±0.52(小数視力,手動弁?0.09)であり,両群間に差はなかった.術後1カ月の矯正視力は,KPro群がlogMAR0.75±0.80(小数視力,指数弁?1.0),PKP群が?logMAR0.89±0.80(小数視力,手動弁?1.0)であり,両群ともに術前と比べて有意に改善した(それぞれp<0.01)が,両群間では差がなかった(p=0.47).術後1年における矯正視力0.5以上,0.1以上の割合は,ともにKPro群のほうが良好な傾向にあったが,両群間に統計学的に差はなかった(それぞれp=0.16,p=0.09)(表3).術後5年における矯正視力0.5以上の割合は,両群間に統計学的に差はなかった(p=0.12)が,0.1以上の割合は,KPro群が有意に良好であった(p=0.03)(表3).4.術中・術後合併症両群ともに駆逐性出血や硝子体脱出など明らかな術中合併症は認めなかった.代表的な術後合併症の詳細を表4に示す.後面増殖膜は,バックプレートの穴に増殖膜を認めたのがKPro群で8眼あり,1眼のみ光学部後面にも認めた.感染性角膜炎については,KPro群では3眼で真菌性角膜炎が疑われ,PKP群では2眼が真菌性角膜炎,1眼は細菌と真菌の混合感染による角膜炎が疑われた.その他の術後合併症は,KPro群で?胞様黄斑浮腫2眼,硝子体混濁1眼,網膜?離1眼,黄斑前膜1眼,PKP群で外傷による移植片離開1眼,帯状角膜変性1眼を認めた.5.追加治療KPro群の光学部後面に増殖膜を認めた1眼のみ硝子体カッターで切除し,その後は再発を認めなかった.感染性角膜炎については,KPro群の3眼中1眼は,角膜融解をきたしたため,治療的PKPを行った.摘出した角膜移植片よりpolymerasechainreactionにてAspergillusが検出された.他の2眼は角膜病巣部の擦過物の鏡検・培養検査は陰性であったが,抗真菌薬の全身および局所投与の追加により改善したことから,真菌性角膜炎が疑われた.PKP群は,角膜擦過物の鏡検で糸状菌1眼,酵母様真菌1眼,グラム陽性球菌1眼を認め,酵母様真菌を認めた症例は,培養検査でCandidapalapsilosisを分離した.糸状菌の1眼は治療的PKPを行い,他の2眼は抗菌薬の局所投与に加えて,抗真菌薬の全身および局所投与にて瘢痕治癒した.KPro群において,触診にて高眼圧を認めた2眼でチューブシャント手術を行った.その後,1眼は視野欠損の進行は認めなかったが,1眼は進行を認めた.PKP群では,線維柱体切除術を1眼,毛様体光凝固術を1眼で行い,いずれも眼圧は下降したが,追加治療後数カ月で移植片不全に至った.KPro群の?胞様黄斑浮腫は,2眼ともに非ステロイド性抗炎症薬点眼の追加にて軽快し,硝子体混濁は,硝子体手術により改善した.PKP群の移植片離開に対しては,追加縫合を行った.III考察本研究で,複数回の移植片不全例に対する5年グラフト生存率は,BostonKProが100%,PKPが26%であり,BostonKProが有意に良好であった.これまでに,移植片不全例を対象としたBostonKProとPKPの術後長期成績を直接比較した報告はほとんどなく,Akpekら16)が術後2年の生存率において,BostonKProのほうがPKPに比べて良好であったことを報告しているのみである.Ahmadら17)は,過去の文献でMeta-analysisを行い,移植片不全例を対象としたBostonKProとPKPの術後長期成績を比較している.その結果,5年グラフト生存率は,BostonKProが75%,PKPが47%であり,BostonKProのほうが良好な結果であったとしている.PKPの再手術が予後不良因子である理由は,拒絶反応を発症しやすいためと考えられており2),本研究においてもPKP群の半数に拒絶反応を認め,移植片不全となった.また,PKPは既往回数が増えるほど,移植片不全となるリスクが増加することも報告されている18).一方,BostonKProは拒絶反応を生じても,光学部の透明性は保たれるため,視機能への影響がほとんどなく,移植片不全とはならない.また,現在のBostonKProは,ソフトコンタクトレンズの連続装用による眼表面の涙液保持19),バックプレートの穴からの角膜移植片へ前房水の供給20)など,デザインや術後管理の改善により,BostonKProの脱落,周辺組織の融解の頻度は稀となっている11,12,17).以上より,複数回の移植片不全例に対しては,適応基準を満たしているのであれば,BostonKProを選択するほうが再度PKPを行うより,長期予後が期待できると考えられる.今回,術後5年における矯正視力は,BostonKProがPKPと比較して良好であった.Meta-analysisの結果17)では,術後2年における矯正視力0.5以上の割合は,BostonKPro19.6%,PKP16%,矯正視力0.1以上の割合は,BostonKPro57.1%,PKP42%と報告されており,BostonKProのほうが長期にわたり良好な視力が得られることを示唆している.BostonKproはPKPに比べて,高いグラフト生存率だけでなく,光学的に乱視が少ないことが,良好な視力維持に寄与していると考えられる.これまでの報告を解析したAmericanAcademyofOphthalmologyによるレポート11)によると,BostonKPro後の平均観察期間20±10カ月で,矯正視力0.1以上の割合は45?89%,0.4以上が43?69%であると報告している.また,Srikumaranら12)は術後7年ともっとも長期経過を報告しており,矯正視力0.1以上の割合が50%と,長期的にも安定した視機能が維持できるこが確認されている.今回,BostonKProの術後合併症でもっとも頻度の高かったのは,バックプレートの穴およびフロントパーツ後面の増殖膜で9眼中8眼に認めた.これまでの報告でも,1?65%で発症するとされており11),もっとも頻度の高い術後合併症とされているが,視機能に影響する場合はNd:YAGレーザーや硝子体カッターで切除することが可能であるため,大きな問題とはならない8,21,22).本検討でも光学部後面に認めた増殖膜のみ切除し,視力は回復した.感染性角膜炎の発症頻度に関しては,BostonKProとPKPで差はなかった.BostonKPro後の感染性角膜炎の発症頻度は0?17.8%と報告されており11,23),さらに移植片不全例に対するBostonKPro後の発症頻度は,術後5年で2.9%程度である17).しかしながら,抗菌薬の永続点眼による耐性菌の出現やソフトコンタクトレンズの連続装用により真菌感染のリスクが上昇していることが危惧されている24).本検討におけるBostonKPro群で感染性角膜炎が疑われた3眼全例で,起因菌は真菌が疑われた.現在のMEEIが推奨する術後抗菌点眼薬のレジメには,抗真菌薬の継続使用については記されておらず,予防のためにはアンホテリシンBを2?3カ月に1週間程度内服したほうが望ましいとしている.今後,真菌感染予防に関する術後管理の確立が望まれる.術後の視野欠損の進行に関しては,BostonKProとPKPで差がなかった.両術式ともに術後は高頻度で緑内障となることが知られている.その理由として,複数回の移植を行うことによる隅角癒着の進行や,長期のステロイド点眼薬の使用などが考えられている25?27).BostonKPro症例の36?76%28?31)で術前から緑内障を合併しており,術後の高眼圧は15?40%に生じる29,31)と報告されている.本検討でも,9眼中5眼に術前から緑内障を認め,そのうち2眼でBostonKPro後にチューブシャント手術を要した.しかし,BostonKPro後は,触診のみで眼圧を評価しなければならないため,眼圧の評価が困難であり,緑内障手術の適応判断が遅れる可能性がある.Crnejら32)は,BostonKProの術前もしくは同時にチューブシャント手術をするほうが,術後に手術を行うよりも高い生存率が得られることを報告しており,術前から緑内障を認める症例では積極的に考慮したほうがよいかもしれない.本研究は,症例数が限られており,両群間で視機能や術後合併症の頻度に差が出なかった可能性がある.しかし,現在の人工角膜移植術の位置づけは,PKPのハイリスク症例に対する方法であり,その特性上単一施設で症例数を増やすことは困難である.今後,多施設共同研究などにより,わが国における人工角膜移植術の背景や術後成績を検討することが期待される.また,近年ではPKP後の移植片不全に対して,角膜内皮移植術の選択肢もあり33,34),PKPの再手術と比較して,良好な視機能とグラフト生存率が得られることが報告されている35).さらなる検討が必要であると考えられる.以上より,複数回の角膜移植片不全に対するBostonKProは,真菌感染や緑内障などの術後合併症に注意を要するが,PKPと比較すると,高いグラフト生存率と良好な視力維持が期待できることが示唆された.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)InoueK,AmanoS,OshikaTetal:A10-yearreviewofpenetratingkeratoplasty.JpnJOphthalmol44:139-145,20002)ThompsonRWJr,PriceMO,BowersPJetal:Long-termgraftsurvivalafterpenetratingkeratoplasty.Ophthalmology110:1396-1402,20033)Yalniz-AkkayaZ,BurcuNurozlerA,YildizEetal:Repeatpenetratingkeratoplasty:indicationsandprognosis,1995-2005.EurJOphthalmol19:362-368,20094)PatelHY,OrmondeS,BrookesNHetal:TheNewZealandNationalEyeBank:survivalandvisualoutcome1yearafterpenetratingkeratoplasty.Cornea30:760-764,20115)FukudaM,HamadaS,LiuCetal:Osteo-odonto-keratoprosthesisinJapan.Cornea27Suppl1:S56-61,20086)NgakengV,HauckMJ,PriceMOetal:AlphaCorkeratoprosthesis:anovelapproachtominimizetherisksoflong-termpostoperativecomplications.Cornea27:905-910,20087)AlioJL,AbdelghanyAA,Abu-MustafaSKetal:Anewepidescemetickeratoprosthesis:pilotinvestigationandproofofconceptofanewalternativesolutionforcornealblindness.BrJOphthalmol99:1483-1487,20158)ZerbeBL,BelinMW,CiolinoJBetal:ResultsfromthemulticenterBostonType1KeratoprosthesisStudy.Ophthalmology113:779e1-e7,20069)DohlmanCH,SchneiderHA,DoaneMG:Prosthokeratoplasty.AmJOphthalmol77:694-670,197410)RudniskyCJ,BelinMW,GuoRetal:VisualacuityoutcomesoftheBostonKeratoprosthesisType1:MulticenterStudyResults.AmJOphthalmol162:89-98,e1,201611)LeeWB,ShteinRM,KaufmanSCetal:Bostonkeratoprosthesis:Outcomesandcomplications:AreportbytheAmericanAcademyofOphthalmology.Op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