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ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合点眼液の点眼時間による眼圧下降効果の比較

2016年3月31日 木曜日

《原著》あたらしい眼科33(3):455.459,2016cラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合点眼液の点眼時間による眼圧下降効果の比較武田暢生宇田川さち子東出朋巳大久保真司竹本裕子杉山和久金沢大学医薬保健研究域医学系視覚科学ComparisonofIntraocularPressure-reducingEffectofMorningvs.EveningDosingofLatanoprostandTimololNobuoTakeda,SachikoUdagawa,TomomiHigashide,ShinjiOhkubo,YukoTakemotoandKazuhisaSugiyamaDepartmentofOphthalmologyandVisualScience,KanazawaUniversityGraduateSchoolofMedicalScienceラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合点眼液(ザラカムR配合点眼液)は1日1回点眼であるが,朝夜のいずれに点眼するのがより効果的か検討した.対象は,金沢大学附属病院眼科にて抗緑内障点眼薬治療を受けている原発開放隅角緑内障(広義)患者,高眼圧症患者25例25眼.1カ月以上の観察期間を経てザラカムR配合点眼液に変更し,計6カ月間の点眼を行った.ランダム割り付け表に従い,点眼時間帯を3カ月ごとに朝から夜へ,または夜から朝へと切り替える2群に割り付けた.朝・夜点眼期間終了時点の眼圧は,それぞれ,12.9±2.9mmHg,13.1±3.6mmHgであり,観察期間終了時の眼圧14.1±3.2mmHgからの変化量は,朝点眼と夜点眼とで有意差はなかった(p=0.7).同時に行ったアンケートでは,朝・夜点眼で有害事象に似た傾向がみられ,アドヒアランスは朝・夜点眼ともに良好だった.以上より,ザラカムR配合点眼液は,朝点眼も選択肢の一つになると考えられた.Weevaluatedtheefficacyofmorningversuseveningdosingoflatanoprostandtimolol(LTFC;XalacomR)in25patientswithprimaryopen-angleglaucomaorocularhypertensionwhohadinstilledantiglaucomadropsforatleast1month,thenswitchedtoLTFC.TheywererandomizedtoeithermorningoreveningdosingofLTFCfor3months,thencrossedovertotheoppositeadministrationtimeschedulesforthenext3months.MeanIOPsattheendpointofmorningtreatmentwere12.9±2.9mmHg,and13.1±3.6mmHgofeveningtreatment.TherewasnosignificantdifferenceinIOPsfrombaselinebetweenthetwodosings(p=0.7).JudgingfromtheresultsofaquestionnairesurveyperformedatthetimeofIOPmeasurement,adherencewasgoodinbothmorningandeveningtreatment.ThisstudyrevealedthatmorningapplicationofLTFCoffersanotherchoiceforpatientswithglaucomaorocularhypertension.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)33(3):455.459,2016〕Keywords:ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液,眼圧,朝点眼,夜点眼,ランダム化クロスオーバー前向き比較試験.latanoprostandtimolol,intraocularpressure,morningdose,eveningdose,randomizedprospectivecrossovertrial.はじめにプロスタグランジン関連点眼薬とb遮断点眼薬の配合剤の点眼回数は1日1回であり,これらの併用と比較して,点眼回数を減らすことでアドヒアランスの向上が期待できる.これらの配合剤の効果的な点眼時間帯については,Takmazら1)は,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液(ザラカムR配合点眼液)に関し,朝点眼と夜点眼を比較して夜点眼のほうが効果的であるとしているが,まだ定まった見解はない.そこで今回,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液(ザラカムR配合点眼液)について,朝と夜のいずれに点眼するのが効果的か,アドヒアランスや有害事象に関するアンケートとともにランダム化クロスオーバー前向き比較試験により検討した.〔別刷請求先〕武田暢生:〒920-8641金沢市宝町13番1号金沢大学医薬保健研究域医学系視覚科学Reprintrequests:NobuoTakeda,M.D.,DepartmentofOphthalmology&VisualScience,KanazawaUniversityGraduateSchoolofMedicalScience,13-1Takara-machi,Kanazawa-shi,Ishikawa920-8641,JAPAN0910-1810/16/\100/頁/JCOPY(125)455 実施期間評価項目ザラカム.単剤の点眼時間帯観察期間投薬(点眼)期間点眼中の点眼を継続眼圧測定アンケート眼圧測定アンケート眼圧測定アンケート1日1回朝点眼(AM8:00±2:00)1日1回朝点眼(AM8:00±2:00)1日1回夜点眼(PM8:00±2:00)1日1回夜点眼(PM8:00±2:00)1M~1M2M3M4M5M6Mザラカム.点眼なし実施期間評価項目ザラカム.単剤の点眼時間帯観察期間投薬(点眼)期間点眼中の点眼を継続眼圧測定アンケート眼圧測定アンケート眼圧測定アンケート1日1回朝点眼(AM8:00±2:00)1日1回朝点眼(AM8:00±2:00)1日1回夜点眼(PM8:00±2:00)1日1回夜点眼(PM8:00±2:00)1M~1M2M3M4M5M6Mザラカム.点眼なし*眼圧測定は10時±1時間に行う図1試験のアウトラインI対象および方法1.対象対象は,金沢大学附属病院眼科に外来通院中の患者のうち,プロスタグランジン関連点眼薬単剤,プロスタグランジン関連点眼薬と他の点眼薬の2剤併用療法,またはラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合点眼液以外の配合点眼薬で1カ月以上治療している原発開放隅角緑内障(広義)患者,高眼圧症患者である.試験組み入れ時での眼圧測定値が21mmHg以下,3カ月以内に測定したHumphrey自動視野計中心30-2または24-2Swedishinteractivethresholdalgorithm(SITA)standardにて,meandeviation(MD)値が.10dB以上の20.75歳を対象とした.両眼とも基準を満たす場合は,試験組み入れ時の眼圧の高い眼を,左右の眼圧が同じ場合は右眼を対象とした.2.方法同意取得後に,1カ月以上の観察期間を設け,その間は点眼中の点眼薬を継続とした.その後,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合点眼薬へと変更し,6カ月間点眼を行った.試験デザインは単盲検,ランダム化クロスオーバー前向き比較試験とし,既定の割り付け表にしたがって,3カ月ごとに点眼時間帯を朝(午前8時±2時間)から夜(午後8時±2時間)へ,または夜から朝へと切り替える2群に割り付けた.ベースライン(観察期間終了時点),朝点眼期間終了時点,夜点眼期間終了時点の眼圧を,それぞれ外来受診時にGoldmannapplanationtonometer(GAT)にて測定し,同時に,有害事象,点眼アドヒアランスに関するアンケートを実施した(図1).眼圧の測定時間は,日内変動の影響を避けるため,午前10時±1時間とした.朝点眼期間終了時点と夜点眼期間終了時点の眼圧を,それぞれベースライン眼圧からの変化量で比較した.検定には対応のあるt検定を用い,p<0.05を統計学的有意とした.本研究は,金沢大学医学倫理審査委員会で承認され,対象456あたらしい眼科Vol.33,No.3,2016患者に本研究の主旨および内容を説明し,書面による同意を得て施行した.また,本研究は,2013年7月25日UMIN臨床試験に登録された(UMIN000011275).II結果25例25眼が解析の対象となった.内訳は,男性14例,女性11例,平均年齢は55.3±11.9歳だった.また,原発開放隅角緑内障患者(広義)が20例,高眼圧症患者が5例だった.使用していた抗緑内障点眼薬は,プロスタグランジン関連点眼薬単剤が20例,プロスタグランジン関連点眼薬と他の点眼薬の2剤併用が5例(併用点眼薬は5例ともb遮断薬)であり,配合点眼薬を使用している患者はいなかった.ベースラインでの平均眼圧は14.1±3.2mmHgであった(表1).朝・夜点眼期間終了時点の眼圧は,それぞれ,12.9±2.9mmHg,13.1±3.6mmHgであり(表2),ベースラインからの眼圧変化量は,朝点眼(.1.2±2.4mmHg)と夜点眼(.1.1±2.2mmHg)とで有意差はなかった(p=0.7)(表3).また,個々の患者に対して,朝点眼での眼圧と夜点眼での眼圧の差を検討したが,朝点眼のほうが3mmHg以上眼圧が高かった患者と,夜点眼のほうが3mmHg以上眼圧が高かった患者がともに3例であったのに対し,朝・夜点眼の眼圧差の大きさが3mmHg未満となった患者が19例と多数(76%)を占めた.アンケート結果を表4に示す.点眼を忘れたことがあるかという質問に対して,忘れたことはないと答えた人は,朝点眼期間後で16例,夜点眼期間後で13例であり,朝点眼のほうが3例多かった.逆に,だびたび忘れると答えた人は,朝点眼期間後で9例,夜点眼期間後で12例であり,夜点眼のほうが3例多かった.被験者別のデータをみてみると,朝点眼のときに“忘れたことはない”と答えた同一の3人の被験者が,夜点眼に切り替わって,“たびたび忘れる”と答えており,夜点眼のときにのみ“忘れたことはない”と答えた被験者はいなかった.現在の点眼を続けたいかという質問に(126) 表1患者の背景関しては,続けたいと答えた人は朝点眼で16例,夜点眼で患者数25例15例であった.また,1日の点眼回数(1回)は満足してい性別るかという質問に関して,満足していると答えた人は,朝・男性14例(56%)夜点眼期間後でそれぞれ21例,20例と朝・夜点眼で差はな女性11例(34%)く,多数(84%,80%)を占めた.点眼しやすい回数につい年齢55.3±11.9歳(33.75歳)ても,1日1回と答えた人が各時点とも多数を占めた.気に視力1.18±0.07(1.1.2)なった有害事象に関する複数回答のアンケートでは,朝・夜HFA30-2または24-2MD.3.8±2.8dB(1.3..9.6dB)点眼期間とも,眼がしみると答えた人が14例と最多であり,ベースライン眼圧14.1±3.2mmHg(9.21mmHg)眼の充血と答えたものはそれぞれ5例,3例,眼がゴロゴロ病型原発開放隅角緑内障(広義)20例(80%)表2各測定時点の眼圧高眼圧症5例(20%)使用薬剤ベースライン朝点眼期間後夜点眼期間後PG関連点眼薬単剤20例(80%)14.1±3.2mmHg12.9±2.9mmHg13.1±3.6mmHgPG関連点眼薬と他の5例(20%)点眼薬の2剤併用(併用薬剤はすべてb遮断薬)表3ベースラインからの眼圧変化量朝点眼期間後の眼圧変化量夜点眼期間後の眼圧変化量p値(t検定).1.2±2.4mmHg.1.1±2.2mmHg0.7表4アンケート結果(例)観察期間後朝点眼期間後夜点眼期間後点眼を忘れたことがあるか忘れたことはない14(56%)16(64%)13(52%)たびたび忘れる11(44%)9(36%)12(48%)ほとんど忘れている0(0%)0(0%)0(0%)いつも忘れている0(0%)0(0%)0(0%)現在の点眼治療を続けたいか続けたい.16(64%)15(60%)たぶん続ける.8(32%)8(32%)続けたくない.1(4%)2(8%)1日の点眼回数(1回)は満足しているか満足している17(68%)21(84%)20(80%)やや満足している6(24%)3(12%)3(12%)満足していない2(8%)1(4%)2(8%)点眼しやすい回数は何回か1日1回22(88%)24(96%)23(92%)1日2回2(8%)0(0%)1(4%)1日3回0(0%)0(0%)0(0%)1日4回1(4%)1(4%)1(4%)点眼を開始して気になった有害事象(複数回答)眼の充血.5(20%)3(12%)眼がゴロゴロする.3(12%)4(16%)眼がしみる.14(54%)14(54%)眼がかゆくなる.1(4%)2(8%)睫毛が伸びる.1(4%)0(0%)眼の下が黒くなる.2(8%)3(12%)(127)あたらしい眼科Vol.33,No.3,2016457 すると答えたものは,それぞれ3例,4例であった.III考按プロスタグランジン関連点眼薬のラタノプロストは,ぶどう膜強膜流出路からの房水流出量を増加させることによって優れた眼圧下降効果を示すが2),朝点眼よりも夜点眼のほうが眼圧の日内変動幅を減少させるため,有利であるとされる3).一方,b遮断薬であるチモロールマレイン酸点眼薬は,房水産生を抑制することで眼圧下降作用を示すが4),夜間はb受容体の活性が低下し房水量が減少するため,1日1回点眼である持続性のb遮断薬は朝に点眼することが一般的であり,1日に2回点眼するその他のb遮断薬も夜間より朝から日中の効果が高いとされている5).これらの配合点眼薬については,朝夜のいずれに点眼するのが効果的か,結論は出ていないが,Takmazら1)は,30例60眼の原発開放隅角緑内障患者を朝点眼群と夜点眼群に分け,4週間点眼後の眼圧日内変動を比較し,夜点眼群のほうが,朝から日中の眼圧が有意に低く,日内変動幅も小さいと報告している.また,Konstasら6)は,36例の原発開放隅角緑内障,高眼圧症の患者を対象としたラタノプロストとチモロールマレイン酸点眼薬の併用療法に関して,朝・夜点眼での眼圧日内変動を比較した結果,夜点眼のほうが朝6時の眼圧が有意に低いものの,日中の眼圧に有意差はみられないとしている.同じくプロスタグランジン関連点眼薬とb遮断点眼薬の合剤であるトラボプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液に関しては,Denisら7)は,朝点眼と夜点眼で眼圧下降効果に差はないとしているが,Konstasら8)は,夜点眼のほうが効果的であるとしている.また,石田ら9)は,トラボプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液の夜点眼と朝点眼で眼圧下降効果に有意差はなかったが,配合点眼薬に切り替える前の眼圧と切り替え後の眼圧の比較では,朝点眼で有意に眼圧が上昇したのに対して夜点眼では有意差がなかったことから,夜点眼のほうがやや効果的であったと報告している.これらの研究結果を踏まえ,現在,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液は,夜点眼が推奨されている.しかし,本研究では,原発開放隅角緑内障患者,高眼圧症患者を対象としたランダム化クロスオーバー前向き比較試験によって,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液の朝点眼と夜点眼では,朝の眼圧下降効果に有意差はみられなかった.眼圧の測定値には日内変動があるため,異なる時間帯での眼圧下降効果の比較は困難であるが,本研究の眼圧測定時刻は10時±1時間であり,同じくラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液の朝・夜点眼の比較を行い,夜点眼群のほうが朝から日中の眼圧が有意に低いとしたTakmazら1)の報告とは異なる結果となった.458あたらしい眼科Vol.33,No.3,2016Takmazら1)の報告と異なる要因としては,Takmazら1)の研究は並行群間試験であり,本研究とは試験デザインが異なることが影響した可能性が考えられた.並行群間試験は異なる被験者間の比較であるため,被験者間のばらつきによる誤差がある.本研究は,クロスオーバー試験であり,個人内の朝夜点眼の比較が可能であった.ただ,クロスオーバー試験の場合は,持ち越し効果(carry-overeffect)を生じる可能性があるため,2つの治療期間の間に十分な休薬期間(washoutperiod)をおかないと結果にバイアスがかかる危険性がある.ラタノプロストとチモロールマレイン酸配合点眼液の併用療法を比較したKonstasら6)の研究は,2週間の休薬期間を設定している.本研究では,朝点眼と夜点眼の間に休薬期間を設けなかったが,それぞれの点眼を3カ月間行った後に眼圧の測定を行ったため,持ち越し効果の影響を回避するには十分であったと考えられた.その他の要因として,対象疾患の違いも考えられる.Takmazら1)は,対象を原発開放隅角緑内障患者としたのに対して,本研究は開放隅角緑内障患者(広義)と高眼圧症患者とした.無治療の高眼圧症患者と緑内障患者の眼圧日内変動の比較を行ったGrippoら10)の研究では,姿勢にかかわらず高眼圧症患者,緑内障患者ともに,よく似た眼圧日内変動パターンを示すことが報告されているものの,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液の眼圧下降効果に関して,高眼圧症患者と緑内障患者を比較した報告はまだなく,対象の違いが結果に影響した可能性も否定はできない.なお,本研究は異なる時間帯での眼圧測定は行っていないため,朝・夜点眼の眼圧日内変動への影響を検討することはできなかった.しかし,Asraniら11)の報告によると,日中の眼圧日内変動の幅が大きいほど視野進行が速いことが知られており,朝・夜点眼の違いが眼圧日内変動パターンや変動幅に影響し,緑内障視野障害の進行を左右する可能性もある.いまだ眼圧日内変動を考慮した同一被験者によるラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液の朝夜点眼を比較したクロスオーバー試験は実施されておらず,今後検討が必要と思われる.朝・夜点眼の違いがアドヒアランスに与える影響に関しては,石田ら9)は,時間的余裕から夜点眼を希望するものが多数だったと報告しているが,この研究ではアドヒアランスに関する直接的なアンケートは実施されていない.本研究で行ったアンケートでは,朝点眼のときには忘れたことがないと答えていたのに,夜点眼に切り替わってたびたび忘れると答えた人が25人中3人おり,その逆のケースはなかった.このことから,夜点眼は朝点眼に比べてアドヒアランスが良好とはいえないと考えられた.緑内障は長期間の治療継続が必要となる慢性疾患であるため,アドヒアランスの違いが長期的な眼圧コントロールや予後に影響を与える可能性があり,(128) アドヒアランスへの影響も無視できない.点眼回数に関しては,1日1回点眼は,朝夜点眼にかかわらず満足度が高く,合剤による利点の一つと考えられた.以上,ラタノプロスト・チモロールマレイン酸配合点眼液は,朝夜点眼で午前の眼圧下降効果は同等であり,アドヒアランスは夜点眼も朝点眼もともに良好であることから,従来の夜点眼の推奨にとらわれず,朝点眼も選択肢の一つになると考えられた.利益相反:杉山和久(カテゴリーF:ファイザー株式会社)文献:1)TakmazT,A.ikS,Kurkcuo.luPetal:Comparisonofintraocularpressureloweringeffectofoncedailymorningvseveningdosingoflatanoprost/timololmaleatecombination.EurJOphthalmol18:80-85,20082)NilssonSFE,SamuelssonM,BillAetal:IncreaseduveoscleraloutflowasapossiblemechanismofocularhypotensioncausedbyprostaglandinF2a-1-isopropylesterinthecynomolgusmonkey.ExpEyeRes48:707-716,19893)KonstasAG,MaltezosAC,GandiSetal:Comparisonof24-hourintraocularpressurereductionwithtwodosingregimensoflatanoprostandtimololmaleateinpatientswithprimaryopen-angleglaucoma.AmJOphthalmol128:15-20,19994)HoyngPF,RuloA,GreveEetal:Theadditiveintraocularpressure-loweringeffectoflatanoprostincombinedtherapywithotherocularhypotensiveagents.SurvOphthalmol41(Suppl2):93-98,19975)TopperJE,BrubakerRF:Effectsoftimolol,epinephrine,andacetazolamideonaqueousflowduringsleep.InvOphthalmolVisSci26:1315-1319,19856)KonstasAG,NakosE,TersisIetal:AComparisonofonce-dailymorningvseveningdosingofconcomitantlatanoprost/timolol.AmJOphthalmol133:753-757,20027)DenisP,AndrewR,WellsDetal:Acomparisonofmorningandeveninginstillationofacombinationtravoprost0.004%/timolol0.5%ophthalmicsolution.EurJEophthalmol16:407-415,20068)KonstasAG,TsironiS,VakalisANetal:Intraocularpressurecontrolover24hoursusingtravoprostandtimololfixedcombinationadministeredinthemorningoreveninginprimaryopen-angleandexfoliativeglaucoma.ActaOphthalmol87:71-76,20099)石田理,杉山哲也,植木麻理ほか:抗緑内障配合点眼液の朝点眼と夜点眼による効果の比較.あたらしい眼科29:975-978,201210)GrippoTM,LiuJH,ZebardastNetal:Twenty-fourhourpatternofintraocularpressureinuntreatedpatientswithocularhypertension.InvOphthalmolVisSci54:512-517,201311)AsraniS,ZeimerR,WilenskyJetal:Largediurnalfluctuationsinintraocularpressureareanindependentriskfactorinpatientswithglaucoma.JGlaucoma9:134142,2009***(129)あたらしい眼科Vol.33,No.3,2016459

抗緑内障配合点眼液の朝点眼と夜点眼による効果の比較

2012年7月31日 火曜日

《第22回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科29(7):975.978,2012c抗緑内障配合点眼液の朝点眼と夜点眼による効果の比較石田理*1,2杉山哲也*1植木麻理*1小嶌祥太*1池田恒彦*1*1大阪医科大学眼科学教室*2大阪暁明館病院眼科ComparisonofMorningversusEveningDosingofTravoprostandTimololFixedCombinationOsamuIshida1,2),TetsuyaSugiyama1),MariUeki1),ShotaKojima1)andTsunehikoIkeda1)1)DepartmentofOphthalmology,OsakaMedicalCollege,2)DepartmentofOphthalmology,OsakaGyoumeikanHospitalb遮断点眼液とプロスタグランジン系点眼液の配合剤について,朝,夜いずれに点眼したほうがより効果的かを検討した.対象はb遮断点眼液およびプロスタグランジン系点眼液を3カ月以上併用している12例12眼.併用している2剤をトラボプロスト+チモロールの配合点眼液に変更し4カ月間投与した(2カ月間ごとに朝点眼,夜点眼とし,順序は無作為に割り付けた).配合点眼液に切り替える前の眼圧は13.1±2.3mmHgで,切り替え後,朝点眼での眼圧は14.3±2.9mmHgと有意に高値であった(p=0.045).一方,夜点眼では13.7±3.3mmHgで切り替え前と有意差はなかった.また,朝点眼と夜点眼の眼圧は有意差を認めなかった.血圧や脈拍数は,朝,夜点眼で有意差はなかった.患者へのアンケートでは夜点眼希望が多数であった.以上より,トラボプロスト+チモロール配合点眼液は夜に点眼するほうがやや効果的と考えられた.Weevaluatedmorningversuseveningonce-dailytravoprostandtimololfixedcombinationtherapyinprimaryopenangleglaucomapatients.Subjectscomprising12patientswhohadbeenpersistentlygivenb-blockerandprostaglandinophthalmicsolutionwererandomizedtoeithermorningoreveningdosingoftravoprostandtimololfixedcombinationfor4months,withoutawashout.Morningandeveningdosingswereinterchangedatthetwo-monthpoint,inrandomlyassignedorder.Themainoutcomemeasurementwasmeanintraocularpressure(IOP),whichwasassessedthroughoutthemorning.MeanIOPrangedfrom13.1±2.3mmHgto14.3±2.9mmHginthemorning-treatmentgroup,andto13.7±3.3mmHgintheevening-treatmentgroup.Therewasasignificantincreaseinthemorning-treatmentgroupascomparedtobaseline(p=0.045).Whenthemorning-andevening-treatmentgroupswerecompareddirectly,however,nosignificantIOPdifferenceswereobserved;nordidbloodpressureandpulseratediffersignificantlybetweenthegroups.Asurveyofthepatientsrevealedthatmanypreferredtobedosedintheevening.Thisstudysuggeststhattravoprostandtimololfixedcombinationgivenoncedaily,intheevening,mightbemoreeffective.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)29(7):975.978,2012〕Keywords:トラボプロスト,チモロール,抗緑内障配合点眼液,朝点眼,夜点眼.travoprost,timolol,fixedcombinationophthalmicsolution,morningdose,eveningdose.はじめに緑内障治療において持続性b遮断点眼液は朝に,プロスタグランジン系点眼液は夜に点眼することが一般的である.しかし,近年わが国において上市されたb遮断点眼液とプロスタグランジン系点眼液との配合剤の場合,いつ点眼するのがより効果的かについてはエビデンスに乏しい.そこで筆者らは,上記2種の緑内障点眼液を投与している症例に対し,それらを配合点眼液1剤に変更し,配合点眼液を朝,夜いずれに点眼したほうがより効果的かについて,無作為割付試験により,眼圧変化,血圧や脈拍数の変化,ならびにアドヒアランスの観点から検討した.〔別刷請求先〕石田理:〒569-8686高槻市大学町2-7大阪医科大学眼科学教室Reprintrequests:OsamuIshida,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,OsakaMedicalCollege,2-7Daigaku-machi,TakatsukiCity,Osaka569-8686,JAPAN0910-1810/12/\100/頁/JCOPY(99)975 I対象および方法1.対象対象は大阪医科大学附属病院眼科および大阪暁明館病院眼科を受診した患者のうち,抗緑内障点眼液のうち,b遮断点眼液(チモロールないしはカルテオロール)およびプロスタグランジン系点眼液(ラタノプロスト,トラボプロストないしはタフルプロスト)を3カ月以上併用している原発開放隅角緑内障(広義)患者12例12眼である.その内訳は,男性6例,女性6例,平均年齢およびその標準偏差は65.5±12.1歳であった.投与しているb遮断点眼液の内訳は,持続性チモロール6例(0.5%チモプトールXER4例,リズモンTGR2例),持続性カルテオロール(2%ミケランLAR)5例,チモロール(0.5%チモプトールR)1例であり,プロスタグランジン系点眼液の内訳は,ラタノプロスト(キサラタンR)10例,トラボプロスト(トラバタンズR)1例,タフルプロスト(タプロスR)1例であった.なお,両眼に点眼している症例については右眼のみを対象とした.2.方法対象症例について,併用しているb遮断点眼液およびプロスタグランジン系点眼液2剤を0.004%トラボプロスト+0.5%チモロール配合点眼液(デュオトラバR)に変更し,4カ月間投与した.投与に際しては2カ月間ごとに朝点眼,夜点眼とし,順序は封筒法により無作為に割り付けた結果,朝点眼6例,夜点眼6例であった(図1).切り替え前および切り替え後1.4カ月の午前中に1カ月間隔で眼圧,血圧,脈拍数を測定し,副作用の有無を調べた.点眼時間,測定時間は個々の症例で一定とした.試験終了時にアンケートによる使用感調査を行った.なお,本研究は大阪医科大学倫理委員会ならびに大阪暁明館病院倫理委員会の承認を得たうえで,対象患者に本調査について口頭および書面にて説明を行い,書面による同意を得て施行した.検定についてはWilcoxon符号付順位和検定を用い,危険率5%未満をもって有意とした.II結果1.トラボプロスト+チモロール配合剤点眼時の眼圧変化b遮断点眼液およびプロスタグランジン系点眼液からトラボプロスト+チモロールの配合点眼液に切り替える前の平均眼圧および標準偏差は13.1±2.3mmHgであった.切り替え後,朝点眼時の1,2カ月後の平均眼圧は14.3±2.9mmHgとWilcoxon検定を用いて切り替え前に比べ有意に高値であった(p=0.045).夜点眼時の切り替え1,2カ月後の平均眼圧は13.7±3.3mmHgと切り替え前よりやや上昇していたが,両者に有意差はなかった(p=0.26)(図2).さらに,朝点眼および夜点眼における1,2カ月後の眼圧平均値を比較976あたらしい眼科Vol.29,No.7,2012既存PG製剤+b遮断薬デュオトラバR(朝点眼)デュオトラバR(夜点眼)無作為に2群に割り付け2カ月間デュオトラバR(夜点眼)2カ月間デュオトラバR(朝点眼)図1投与方法681012141618切り替え前朝点眼夜点眼眼圧(mmHg)p=0.04513.1±2.314.3±2.913.7±3.3図2切り替え前および切り替え1,2カ月後の平均眼圧(Mean±SD)すると,両者に有意差はなかった(p=0.37).2.平均血圧の変化切り替え前の平均血圧は110.6±16.4mmHgであった.切り替え1,2カ月後の平均では,朝点眼においては108.8±13.5mmHg,夜点眼においては108.1±14.1mmHgであった.切り替え前の平均血圧と切り替え後の平均血圧では,朝点眼群,夜点眼群とも有意差は認めなかった(p=0.37およびp=0.37).また,朝点眼群と夜点眼群の平均血圧を比較しても有意差を認めなかった(p=0.63).3.脈拍数の変化切り替え前の脈拍数は70.9±9.3回/分,切り替え1,2カ月後の脈拍数の平均は,朝点眼においては72.3±9.9回/分,夜点眼においては74.3±12.4回/分であった.切り替え前の脈拍数と切り替え後の脈拍数では,朝点眼群,夜点眼群とも有意差は認めなかった(p=0.50およびp=0.31).また,朝点眼群と夜点眼群においての脈拍数にも有意差を認めなかった(p=0.31).4.有害事象有害事象は軽度の点状表層角膜症を2例に認めた.いずれも,点眼薬の中止など有害事象についての対処を行う程度ではなかった.5.使用感アンケート配合点眼液へ変更前後の負担については,点眼薬が1本に減って負担が減少したとの回答が8名で最も多く,ついで楽になったが効果が不安という回答が3名にみられた.一方,(100) 今までのように2本がよいという意見はみられなかった.ついで,今までの2本と同じ効果が1本で可能になるとしたらどちらを選択しますかという設問については,早く1本に替えてほしいという回答が9名と最多で,ついで医師の指示どおりにするという回答が2名であった.薬代が安くなるなら1本にする,あるいは2本のままでよいとする回答はみられなかった.さらに,朝・夜いずれの時間に点眼しても効果が同じであると仮定した場合,朝・夜どちらの点眼を選びますかという設問では,夜1回との回答が8名と最も多く,その理由はおもに時間に余裕があるからであった.ついで朝・夜どちらでもよい(2名),朝1回(1名)の順で回答数が多かった.III考按b遮断点眼液とプロスタグランジン系点眼液との配合剤について,いつ点眼するのが最も適切かについては,エビデンスに乏しいと思われる.眼圧下降の面からプロスタグランジン系点眼液については夜の点眼が望ましいとされている1,2)が,両者の配合剤についてはまだ不明な点が多い.Konstasらは,トラボプロスト+チモロール配合点眼液における,washout後の朝点眼と夜点眼の比較を行い,夜点眼は朝点眼に比し有意な眼圧下降がみられたと報告している3).一方,Denisらは,朝点眼と夜点眼のいずれにおいても点眼前の眼圧に比べ有意に低下し,朝・夜点眼での眼圧下降には差がなかったと述べている4).しかし,いずれの報告でもwashoutを行った後に配合点眼液を投与している.今回,筆者らはwashoutを行わずに,併用している2剤をトラボプロスト+チモロールの配合点眼液に変更した.そのため,変更前に比し変更後の眼圧がどのように変化したかについて,朝点眼と夜点眼での比較を行うことが可能であった.また,配合点眼液切り替え前の抗緑内障点眼液の種類はb遮断点眼液についてはチモロールまたはカルテオロールであり,持続性点眼薬とそうでないものの双方が含まれた.プロスタグランジン系点眼液ではラタノプロスト,トラボプロストないしはタフルプロストであった.このように点眼液は多種であるため種類により結果に差が生じる可能性があり,b遮断点眼液,プロスタグランジン系点眼液ともに1種類に絞ることがより正確ではあるが,各種b遮断点眼液については眼圧下降効果に差がないことがすでに示されており5.7),プロスタグランジン系点眼液についても同様である8,9).そのため,これら種々の点眼液をトラボプロスト+チモロールの配合点眼液に変更し眼圧を比較することは可能であると考えられた.また,プロスタグランジン系点眼液については,症例をラタノプロスト点眼例のみに絞ると症例数が少ないこともあり結果として朝点眼での切り替え後平均眼圧が切り替え前と比較して有意差がなくなるものの,傾向としては同様であった.(101)本研究の結果として,朝点眼では配合点眼液切り替え後1,2カ月後の平均眼圧が切り替え前より上昇していた.さらに,朝点眼と夜点眼で1,2カ月後の平均眼圧に差はなかった.これら2点より,朝・夜点眼による眼圧下降効果の差は少ないものの,朝点眼はやや劣る可能性が示唆された.これに関して,配合点眼液の朝点眼と夜点眼の眼圧差ついては,測定時間が午前中であることも影響していると考えられた.プロスタグランジン系点眼液では点眼後12.24時間が効果のピークとされており,夜点眼が昼間の眼圧コントロールに効果的とされている1,2).本研究では測定時間を午前中としたため,点眼後2.3時間程度の朝点眼よりも点眼後12.15時間程度である夜点眼がプロスタグランジンの最大効果時間に近く,より眼圧下降効果が大きく測定された可能性がある.しかし,Konstasらがトラボプロスト+チモロール配合点眼液において夜点眼は朝点眼に比し日内変動が少なくピーク時の眼圧はより低い値であったと報告している3)ことより,本研究においても特に夜点眼では日内変動は少ないことが推測され,また一般に眼圧のピーク時と考えられる午前中の眼圧が本研究では夜点眼においてやや低いという結果より,どちらかといえば夜点眼が眼圧下降により効果的であることが推察された.さらに,2剤の点眼液投与時より配合点眼液投与時において眼圧が高値であった点については,b遮断点眼液について変更前は1日2回点眼ないしは持続性b遮断点眼液の1日1回点眼であったのに対し,変更後の配合点眼液に含まれるチモロールは持続性ではなく,1日1回点眼では効果が弱いことが理由として考えられた.一方,Gemmaらは,ラタノプロストとチモロールを併用している309症例について,トラボプロスト+チモロールの配合点眼液に切り替え後に眼圧が有意に低下したと述べており10),本研究の結果と異なる.この論文では眼圧が有意に低下した理由として患者のコンプライアンスが改善したことなどを推察している.本研究の症例においては切り替え前からコンプライアンスやアドヒアランスが良好であったと考えられるため,Gemmaらの報告と異なる結果になったと推察された.血圧,脈拍数については配合剤への変更前後で差はなく,朝点眼,夜点眼においても差がなかった.これにより全身状態への影響について,配合点眼薬は2剤点眼と相違がみられない可能性が示唆された.使用感アンケートでは配合点眼液のほうが患者の負担が少なく,2剤より1剤の点眼液を希望する患者が多かった.さらに,配合点眼液の朝点眼と夜点眼とでは,夜点眼の希望が多かった.これらのアンケート結果より,アドヒアランスについては配合点眼液の夜点眼が良好であると推察された.以上,本研究の結果を総合すると,トラボプロスト+チモロール配合点眼液は眼圧下降効果やアドヒアランスの点かあたらしい眼科Vol.29,No.7,2012977 ら,夜に点眼するほうがやや効果的と考えられた.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)KonstasAG,MaltezosAC,GandiSetal:Comparisonof24-hourintraocularpressurereductionwithtwodosingregimentsoflatanoprostandtimololmaleateinpatientswithprimaryopen-angleglaucoma.AmJOphthalmol128:15-20,19992)KonstasAG,NakosE,TersisIetal:Acomparisonofonce-dailymorningvseveningdosingofconcomitantLatanoprost/Timolol.AmJOphthalmol133:753-757,20023)KonstasAG,TsironiS,VakalisANetal:Intraocularpressurecontrolover24hoursusingtravoprostandtimololfixedcombinationadministeredinthemorningoreveninginprimaryopen-angleandexfoliativeglaucoma.ActaOphthalmol87:71-76,20094)DenisP,AndrewR,WellsDetal:Acomparisonofmorningandeveninginstillationofacombinationtravoprost0.004%/timolol0.5%ophthalmicsolution.EurJOphthalmol16:407-415,20065)KonstasAG,MantzirisSA,MaltezosAetal:Comparisonof24hourcontrolwithTimoptic0.5%andTimoptic-XE0.5%inexfoliationandprimaryopen-angleglaucoma.ActaOphthalmolScand77:541-543,19996)ShibuyaT,KashiwagiK,TsukaharaS:Comparisonofefficacyandtolerabilitybetweentwogel-formingtimololmaleateophthalmicsolutionsinpatientswithglaucomaorocularhypertension.Ophthalmologica217:31-38,20037)ScovilleB,MuellerB,WhiteBGetal:Adouble-maskedcomparisonofcarteololandtimololinocularhypertension.AmJOphthalmol105:150-154,19888)RichardKP,PaulP,Wang-PuiSetal:Acomparisonoflatanoprost,bimatoprost,andtravoprostinpatientswithelevatedintraocularpressure.AmJOphthalmol135:688-703,20039)HannuU,LutsEP,AuliR:Efficacyandsafetyoftafluprost0.0015%versuslatanoprost0.005%eyedropsinopen-angleglaucomaandocularhypertension:24-monthresultsofarandomized,double-maskedphaseIIIstudy.ActaOphthalmol88:12-19,201010)GemmaR,GianP,MaurizioBetal:Switchingfromconcomitantlatanoprost0.005%andtimolol0.5%toafixedcombinationoftravoprost0.004%/timolol0.5%inpatientswithprimaryopen-angleglaucomaandocularhypertension:a6-month,multicenter,cohortstudy.ExpertOpinPharmacother10:1705-1711,2009***978あたらしい眼科Vol.29,No.7,2012(102)