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急速な血糖改善により異なる臨床経過を呈した2 型糖尿病 患者の2 症例

2021年5月31日 月曜日

《第25回日本糖尿病眼学会原著》あたらしい眼科38(5):573.578,2021c急速な血糖改善により異なる臨床経過を呈した2型糖尿病患者の2症例中条恭子*1高地貞宏*1関谷泰治*1須藤史子*1加藤勇人*2佐倉宏*2*1東京女子医科大学東医療センター眼科*2東京女子医科大学東医療センター内科CDi.erenceofClinicalFindingsAfterRapidGlycemicControlinTwoCasesofType2DiabetesKyokoChujo1)CSadahiroKochi1)CYasuharuSekiya1)CChikakoSuto1)CHayatoKato2)andHiroshiSakura2),,,,1)DepartmentofOphthalmology,TokyoWomen’sMedicalUniversityMedicalCenterEast,2)DepartmentofInternalMedicine,TokyoWomen’sMedicalUniversityMedicalCenterEastC眼科受診を機にC2型糖尿病と診断され,急速な血糖改善後に異なる臨床経過を呈したC2症例を報告する.症例C1は48歳,男性.初診時視力は右眼(0.1),左眼(0.02)で,両眼に成熟白内障を認めた.HbA1c16.6%で内科治療を開始したが,インスリン投与困難のため,HbA1c値の改善を待たず両眼白内障手術を施行し,視力は両眼(1.2)と改善した.初診時よりC4カ月間でC7.5%と急速に血糖改善したが,両眼底に網膜症を認めなかった.症例C2はC38歳,男性.初診時,視力は両眼(1.2)であった.左眼にフィブリン析出と虹彩後癒着を認め,HbA1c15.9%であり,糖尿病虹彩炎と診断した.内科治療開始後,右眼にも虹彩炎が出現した.両眼に黄斑浮腫を認め,視力は右眼(0.8),左眼(0.3)と低下した.初診時よりC3カ月間でC7.3%と急速に血糖改善したが,アフリベルセプト硝子体内注射施行後,視力は両眼(1.2)と改善し,黄斑浮腫も改善した.糖尿病虹彩炎を有する患者において,急速な血糖改善後に網膜症の進行や黄斑浮腫を引き起こした症例を経験した.CPurpose:Toreporttwocasesoftype2diabetesinwhichdi.erentclinical.ndingswereobservedafterrapidglycemiccontrol.Cases:Case1involveda48-year-oldmalewithbilateralmaturecataracts.HisHbA1cwas16.6%,andintensiveinsulintherapywasimmediatelyinitiated.However,hewasunabletoself-injecttheinsulin.Cata-ractsurgerywasperformedinbotheyeswithoutwaitingforimprovementofHbA1c,andhiscorrectedvisualacu-ityimprovedpostsurgery.AlthoughhisHbA1cfellto7.5%for4months,nodiabeticretinopathywasobserved.Case2involveda38-year-malewithdiabeticiritiswithhypopyoninhislefteye.HisHbA1cwas15.9%.Duringintensiveinsulintherapy,anddespitehavingnodiabeticretinopathy,hedevelopeddiabeticiritis,diabeticmacularedema,CandCpre-proliferativeCretinopathyCinCbothCeyes.CHisCHbA1cCfellCto7.3%CforC3Cmonths.CAfterCintravitrealCa.ibercepttherapy,bilateraldiabeticmacularedemadisappearedandhiscorrectedvisualacuityimproved.Conclu-sion:Weexperiencedacaseofdiabeticiritisthatcausedprogressionofretinopathyandmacularedemaafterrap-idglycemiccontrol.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C38(5):573.578,C2021〕Keywords:糖尿病白内障,急速な血糖改善,糖尿病虹彩炎,糖尿病黄斑浮腫,血糖改善による一過性の網膜症悪化.diabeticcataract,rapidglycemiccontrol,diabeticiritis,diabeticmacularedema,earlyworseningofdiabeticCretinopathy.CはじめにDR),糖尿病黄斑浮腫(diabeticCmacularedema:DME),糖尿病は多臓器にわたって影響を及ぼす内科疾患であり,血管新生緑内障やぶどう膜炎などの合併症がみられる.その眼科では白内障,糖尿病網膜症(diabeticretinopathy:なかでもよく合併されるDRは,糖尿病患者の6人に1人〔別刷請求先〕須藤史子:〒116-8567東京都荒川区西尾久C2-1-10東京女子医科大学東医療センター眼科Reprintrequests:ChikakoSuto,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,TokyoWowen’sMedicalUniversityMedicalCenterEast,2-1-10Nishiogu,Arakawa-ku,Tokyo116-8567,JAPANC(15%)にみられるという1).そのうち,2型糖尿病患者に限定すると,DRの合併率はC40%に上る2).また,糖尿病に伴って眼内に炎症を起こすぶどう膜炎は,急性の非肉芽腫性ぶどう膜炎である糖尿病虹彩炎(diabeticiritis:DI)と転移性内因性眼内炎(感染性眼内炎)の二つに大別され,糖尿病患者のC0.8.5.8%にCDIを合併すると報告されている3).今回筆者らは,眼科受診を契機にC2型糖尿病と診断され,内科治療介入による急速な血糖改善中に異なる臨床経過を呈したC2症例を経験したので報告する.CI症例〔症例1〕48歳,男性.主訴:両眼視力低下.現病歴:2018年から視力低下を自覚していたが,2019年1月より右眼の視力低下増悪を自覚したため,2019年C2月20日に当院を紹介受診した.既往歴:46歳頃に糖尿病を指摘されていたが,内科通院歴なし.家族歴:不明.初診時所見:視力は右眼C0.02(0.1C×sph.4.25D(cyl.0.75CDAx150°),左眼C0.01(0.02C×sph.4.00D),眼圧は右眼C17mmHg,左眼C16CmmHgであった.両眼に成熟白内障と,それに伴う水晶体膨隆を認め(図1a,b),眼底透見は困難であった.全身検査所見:随時血糖C470Cmg/dl,HbA1c16.6%,尿素窒素C11.6Cmg/dl,クレアチニンC0.73Cmg/dl.尿定性試験で尿蛋白は陰性,尿糖と尿ケトン体は陽性であった.経過:2019年C3月C8日に内科入院となり,インスリンおよび内服治療開始となった.しかしながら,著しい視力低下のため,インスリン自己注射が困難であった.そのため,HbA1c値の改善を待たず,同年C3月C22日右眼の白内障手術を施行した.術後視力は(1.2)に改善し,自宅加療可能となり退院した.術後感染や術後炎症の遷延もなかったため,同年C4月C30日に左眼の白内障手術を施行し,術後視力は(1.2)と両眼ともに改善を認めた.HbA1cの推移は,16.6%からC7.5%と,4カ月間でC9.1%低下したが,初診時よりC3カ月後の眼底写真でCDRを示唆する所見を認めなかった(図1c,d).2型糖尿病の内科治療については,術後C6カ月後にインスリン治療を終了し,経口血糖降下薬(DPP-4阻害薬)の内服でCHbA1cはC7.8%台で推移した.経過中,腎機能の変動はみられなかった.〔症例2〕38歳,男性.主訴:左眼充血,視力低下.既往歴:特記事項なし.家族歴:両親ともに糖尿病の既往あり.現病歴:2019年C3月C28日よりC1日使い捨てコンタクトレンズをC3日間連続装用後,左眼の充血および視力低下を自覚.同年C4月C3日に近医受診し,抗菌薬(ベガモックス点眼液C0.5%,ベストロン点眼用C0.5%)とステロイド(リンデロン点眼用C0.1%)点眼を開始したが改善乏しく,同年C4月C6日に当院紹介受診となった.初診時所見:視力は右眼C0.09(1.0C×sph.3.25D(cyl.0.50CDAx170°),左眼C0.07(1.2C×sph.4.75D(cyl.1.25DCAx175°),眼圧は右眼C15mmHg,左眼C6mmHgであった.左眼の前眼部に著明な結膜充血,フィブリン沈着および虹彩後癒着を認め,散瞳不良であった(図2a).右眼の前眼部は異常なく,両眼底ともにCDRや後部ぶどう膜炎を疑う所見を認めなかった(図3a,b).全身検査所見:随時血糖C650Cmg/dl,HbA1c15.9%,尿素窒素C16.1Cmg/dl,クレアチニンC0.45Cmg/dl.尿定性試験で尿蛋白は陰性,尿糖と尿ケトン体は陽性であった.経過:2019年C4月C6日よりベガモックス点眼液C0.5%C4回,リンデロン点眼用C0.1%C6回,散瞳薬(ミドリンCP点眼液C4回)の点眼を開始した.同年C4月C8日より内科でインスリン治療開始となった.2019年C4月C15日に右眼にもフィブリンが析出し,DIを認めた(図2b).同年C4月C24日に左眼(0.7)と視力低下およびCDME,同年C5月C2日に右眼(0.8)と視力低下およびDMEが出現した(図4a,b).両眼底に刷毛状出血と軟性白斑を認め(図3c,d),蛍光眼底造影検査では網膜全体に血管透過性亢進を示唆する所見がみられ(図3e,f),前増殖CDRへ進行していた.内科でのインスリン治療開始C1カ月でCHbA1c12.9%になったことから,血糖値の急速な改善による一過性の網膜症悪化(earlyworsening)と診断した.両眼のCDMEに対して,毎月C1回C3カ月間,アフリベルセプト硝子体内注射(intravitreala.iberceptCtherapy:IVA)を施行した.その後CDMEは改善し(図4c,d),視力も両眼(1.2)と改善した.HbA1cの推移はC15.9%からC7.3%と,3カ月間でC8.6%低下し,急速改善を認めた.DIについてはリンデロン点眼用C0.1%,ミドリンCP点眼液の点眼継続により炎症症状の改善がみられた.2型糖尿病の内科治療については,両眼にCDIを生じてからC6カ月後にインスリン治療を終了した.経口血糖降下薬(DPP-4阻害薬)の内服でCHbA1cはC6.7%台で推移した.なお,症例C2においても経過中,腎機能の変動はみられなかった.CII考按症例C1,2はいずれもC30.40歳代と比較的若年の男性であり,眼科受診を契機にCHbA1c値C15%以上と血糖コントロール不良の未治療C2型糖尿病が発見された.両症例ともにインスリン治療や内服治療を開始したが,いずれの症例でも経過中に血圧や腎機能の変動はみられなかった.初診時より図1両眼性の糖尿病白内障(症例1)48歳.男性.初診時両眼に成熟白内障とそれに伴う水晶体膨隆を認めた(Ca:右眼,Cb:左眼).術後は両眼とも網膜症を認めなかった(Cc:右眼,d:左眼).図2両眼性の糖尿病虹彩炎(症例2)38歳.男性.Ca:初診時の左眼前眼部所見.結膜充血と,2時からC5時にかけて虹彩後癒着,前房蓄膿を認め(.),散瞳も不良であった.b:9日後には,右眼にもフィブリン析出を認めた(C.).数カ月でC8.9%台と,短期間で急速な血糖改善を認めたが,つつも,異なる臨床経過を呈したC2症例の相違について考察症例C1では眼底にはCDRを認めず,病期はCNDR(nodiabeticする.retinopathy)であった.症例C2では両眼にCDIを発症した後,症例C1では,40歳代でありながら,高度の成熟白内障を急速な血糖改善中に刷毛状出血やCDMEを認め,earlywors-呈していた.2型糖尿病以外に全身状態を含めて異常を疑うeningをきたした.年齢や性別など共通する背景因子を有し所見がなく,糖尿病白内障と診断した.水晶体はクリスタリabdcef図3両眼性の糖尿病虹彩炎(症例2)の眼底所見の経過a,b:初診時の眼底写真.DRは認められない.Cc,d:急速な血糖改善後の眼底写真.刷毛状出血と軟性白斑を認める.Ce,f:同時期の蛍光眼底造影写真.血管透過性亢進と黄斑浮腫が目立つ前増殖CDRへの進行がみられた.ンという蛋白質と水分からなる器官であるが,糖尿病白内障晶体内の浸透圧を上昇させ,水晶体線維を膨化させる.そのの成因としては,アルドース還元酵素(aldosereductase:他,活性酸素による酸化ストレスや,肝臓の代謝障害に伴うAR)を中心とするアルドース蓄積説がもっとも有用とされ血中フルクトース濃度上昇によって,クリスタリンの変性・ている4).高血糖が持続した状態では,ARの働きによって分解が促され,水晶体混濁をきたすとされる.フルクトースに変換され,血中に蓄積したフルクトースが水白内障の術前CDR病期別にみた術後CDR悪化率について,図4両眼性のDME(症例2)に対するIVA施行前後のOCT写真a,b:IVA施行前の両眼光干渉断層計(OCT)写真,両眼にCDMEを認めた.Cc,d:IVA施行後の両眼COCT写真,両眼ともCDMEの消失を認めた.Sutoら5)は急速な血糖改善群では,コントロール良好群および不良群と比較して有意にCDME悪化率が高いことと,急速な血糖改善群のなかでも,術前CDR病期が前増殖期のものは術後CDRとCDMEの悪化率が高いことを報告している.症例1ではCNDRであったため,DMEを生じなかったが,今後も定期的に経過をみていく必要がある.急速な血糖改善に伴うCearlyworseningについては,インスリン強化療法群では,従来療法に比べてCDRの早期悪化率が高いというCDiabetesCControlCandCComplicationsCTrial(DCCT)での報告6)を筆頭に,すでに広く知られている.Cearlyworseningの機序としては,急速な血糖値低下で相対的に局所の虚血をきたすことで,低酸素誘導因子や網膜内の血管内皮増殖因子(vascularCendothelialCgrowthfactor:VEGF)が亢進し,血液房水関門(blood-aqueousbarrier:BAB)や血液網膜関門(blood-retinalbarrier:BRB)が破綻すると考えられている7).BABの破綻からCDIが発症していると考えられた症例C2では,急速な血糖改善により,前房内および網膜内のCVEGFが亢進し,BABのみならずCBRBも破綻したと考えられた.その結果,刷毛状出血,軟性白斑やCDMEが出現し,前増殖期CDRへ進行した.IVA投与により血管透過性が抑制され,DMEは改善した.DRは一般的に両眼性であることが多いが,DIでは,患者C18名中C11名が片眼性(61%)であったことを,Watanabeらは報告している8).さらに,DI発症時の病期は単純期CDRであったが,DIが軽快したにもかかわらず,短期間で増殖CDRへ進行した症例も報告されている3).そのため,症例C2においても,DI軽快後もCDRの悪化に注意した管理が必要である.今回筆者らは,未治療糖尿病のC2症例から,初診時にCDIを有する場合は,急速な血糖改善後にCDRおよびCDMEが発症・進展することを経験した.内科治療介入による急速な血糖改善後も,内科と眼科で密接に連携しつつ,継続的な加療が必要であると再認識した.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)須藤史子:白内障手術と糖尿病網膜症.DiabetesFrontier28:314-318,C20172)田中麻理:2型糖尿病患者の外来医療費に関係する因子についての検討.日本糖尿病学会誌55:193-198,C20123)臼井嘉彦:糖尿病虹彩炎.日本糖尿病眼学会誌C23:66-70,C20184)高村佳弘:糖尿病白内障に対するアプローチ.日本白内障学会誌29:45-47,C20175)SutoC,HoriS,KatoSetal:E.ectofperioperativeglyce-micCcontrolCinCprogressionCofCdiabeticCretinopathyCandCinsulinCtherapyCexacerbatesCdiabeticCblood-retinalCbarrierCmaculopathy.ArchOphthalmolC124:38-45,C2006Cbreakdownviahypoxia-induciblefactor-1alphaandVEGF.6)DiabetesCControlCandCComplicationsTrial(DCCT)ReserchCJClinInvestC109:805-815,C2002Group:EarlyCworseningCofCdiabeticCretinopathyCinCthe8)WatanabeCT,CKeinoCH,CNakayamaCKCetal:ClinicalCfea-DiabetesCControlCandCComplicationsCTrial.CArchCOphthal-turesofpatientswithdiabeticanterioruveitis.BrJOph-molC116:874-886,C1998CthalmolC103:78-82,C20197)PoulakiCV,CQinCW,CJoussenCAMCetal:AcuteCintensive***

特発性虹彩毛様体炎と診断されていた糖尿病虹彩炎の臨床経過

2014年4月30日 水曜日

《第47回日本眼炎症学会原著》あたらしい眼科31(4):605.609,2014c特発性虹彩毛様体炎と診断されていた糖尿病虹彩炎の臨床経過村岡督高山圭田口万蔵石川聖竹内大防衛医科大学校眼科学教室ClinicalFeaturesofDiabeticIritisPatientsDiagnosedwithIdiopathicIridocyclitisTadashiMuraoka,KeiTakayama,ManzoTaguchi,ShoIshikawaandMasaruTakeuchiDepartmentofOphthalmology,NationalDefenseMedicalCollege原因不明のぶどう膜炎あるいは特発性虹彩毛様体炎の診断にて防衛医科大学校病院眼科を紹介受診し,糖尿病虹彩炎と診断された6例8眼(47.71歳)を診療録より後ろ向きに調査した.全例が無治療糖尿病患者であり,空腹時血糖値は301±58(230.376)mg/dl,HbA1C(ヘモグロビンA1C)は12.5±1.1(10.7.13.7)%であり,尿定性試験で尿糖および尿蛋白が全例陽性であった.前房内浸潤細胞が全眼で認められ,フィブリン析出が6眼,角膜後面沈着物が4眼,虹彩後癒着が6眼,前房蓄膿が2眼にみられた.糖尿病網膜症なしは1眼,単純糖尿病網膜症は4眼,増殖前糖尿病網膜症は3眼であった.全例でステロイド薬および散瞳薬の点眼,血糖コントロールを開始し,23.1±21.5日(3.60日)で軽快した.受診を自己中断した2例を除き血糖コントロールが継続され,その後虹彩毛様体炎の再発を認めなかった.糖尿病虹彩炎は特発性として見逃される症例があり,虹彩毛様体炎をみたときには血糖値検査や尿検査を行う必要があると考えられた.Weretrospectivelyreviewed6patients(8eyes)diagnosedwithdiabeticiritisatNationalDefenseMedicalCollegeHospitalfromMarch2011toSeptember2012.Allhadbeenreferredtoourhospitalashavingidiopathiciridocyclitis.Meanagewas58.0±10.1years.Allhaduntreateddiabetesmellitus;fastingplasmaglucoselevelswas301±58mg/dlandhemoglobinA1C(HbA1C)was12.5±1.1%atpresentation.Urinalysisshowedpositiveforglucoseandproteininallpatients.Oneeyehadnodiabeticretinopathy,4eyeshadsimplediabeticretinopathyand3eyeshadpreproliferativediabeticretinopathy.Iridocyclitisremissionwasachievedinallpatientsbycorticosteroideye-dropsandmedicaltreatmentfordiabetesmellituswithameandurationof23.1±21.5days(3.60days).Sincediabeticiritisisoftenmisdiagnosedasidiopathiciridocyclitis,plasmaglucoselevelandurineglucoseshouldbeexaminedinpatientswithiridocyclitis.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)31(4):605.609,2014〕Keywords:糖尿病虹彩炎,糖尿病性ぶどう膜炎,特発性虹彩毛様体炎,無治療糖尿病,前部ぶどう膜炎.diabeticiritis,uveitisassociatedwithdiabetesmellitus,idiopathiciridocyclitis,untreateddiabetesmellitus,anterioruveitis.はじめに1868年にNoyes1)が糖尿病患者における虹彩毛様体炎を報告後,糖尿病以外に原因が考えられない虹彩毛様体炎の報告2.6)が数多くされてきた.いずれも血糖コントロールの不良な患者において急性で強い炎症を伴う漿液性線維素性虹彩毛様体炎を呈するなどの共通した特徴が認められ,糖尿病虹彩炎として知られている.1935年にWaiteとBeetham7)は,糖尿病患者と非糖尿病患者でぶどう膜炎の発生頻度に有意差を認めなかったことを報告したが,これまで国内外を問わず,糖尿病患者は非糖尿病患者よりもぶどう膜炎の合併が多く,特に前部ぶどう膜炎の合併が多いことが多数報告2,8.10)されている.わが国では,糖尿病患者の0.3%11).6.8%2)が虹彩毛様体炎を発症し,ぶどう膜炎疫学調査の多施設共同研究ではぶどう膜炎患者の〔別刷請求先〕村岡督:〒359-8513埼玉県所沢市並木3.2防衛医科大学校眼科学教室Reprintrequests:TadashiMuraoka,DepartmentofOphthalmology,NationalDefenseMedicalCollege,3-2,Namiki,Tokorozawacity,Saitama,JAPAN0910-1810/14/\100/頁/JCOPY(127)605 1.6%12)に,首都圏の診療所を受診したぶどう膜炎患者ではその16.4%13)に糖尿病虹彩炎がみられることが報告されている.今回筆者らは,原因不明のぶどう膜炎あるいは特発性虹彩毛様体炎として紹介され,糖尿病虹彩炎の診断に至った症例を複数例経験したので報告する.I対象および方法平成23年3月から平成24年9月までの1年6カ月の間に,原因不明のぶどう膜炎あるいは特発性虹彩毛様体炎の診断で防衛医科大学校病院眼科を受診し,糖尿病虹彩炎と診断された6例8眼を診療録より後ろ向きに検討した.本研究は,防衛医科大学校病院倫理委員会の承認を得て施行された.II結果男性4例4眼,女性2例4眼,発症時の平均年齢は58.0±10.1歳(47.71歳)で,右眼のみの発症が3例(50.0%)左眼のみの発症が1例(16.7%),両眼発症が2例(33.3%)(,)であった.過去に虹彩毛様体炎の既往が4例(66.7%),高血圧症の既往が2例(33.3%),脂質異常症の既往が2例(33.3%),喫煙習慣および飲酒習慣が2例(33.3%)であった.全6例(100%)が無治療の2型糖尿病であり,2例(33.3%)は眼科受診を契機に初めて糖尿病が発見された(表1).初診時の主訴は,視力低下,霧視,充血がそれぞれ7眼(87.5%),眼痛が6眼(75.0%),流涙が1眼(12.5%)であった(表2).全身症状として,口腔内アフタ性潰瘍,陰部潰瘍,皮膚症状,腰背部痛を有するものはなかった.検査所見は,logMAR(logarithmicminimumangleofresolution)視力0.88±0.77,眼圧17.0±3.5mmHg,BMI(体重指数)24.5±2.9kg/m2,空腹時血糖値301±58(230.表1糖尿病虹彩炎患者(全6例8眼)性別男性4例4眼女性2例2眼平均年齢58.0±10.1歳(47.71歳)発症眼右眼のみ左眼のみ3例(50.0%)1例(16.7%)両眼発症2例(33.3%)既往歴過去に虹彩炎の既往高血圧症の既往4例(66.7%)2例(33.3%)脂質異常症の既往喫煙習慣および飲酒習慣2例(33.3%)2例(33.3%)糖尿病歴無治療の2型糖尿病6例(100%)うち,2例は眼科受診を契機に発見された.376)mg/dl,HbA1C(ヘモグロビンA1C)12.5±1.1(10.7.13.7)%,BUN(血中尿素窒素)13.3±3.3mg/dl,クレアチニン0.63±0.16mg/dl,eGFR(推算糸球体濾過量)97.1±22.5ml/min/1.73m2,尿定性検査で尿糖および尿蛋白が全6例(100%)で陽性,尿ケトン体が2例(33.3%)で陽性であった.その他の検査結果を合わせて表3に示す.前眼部所見として,前房微塵が全8眼(100%)で認められ,フィブリン析出が6眼(75.0%),角膜後面沈着物が4眼(50.0%),虹彩後癒着が6眼(75.0%),前房蓄膿が2眼(25.0%)にみられた(表4).糖尿病網膜症を認めなかったのは1眼(12.5%),単純糖尿病網膜症が4眼(50.0%),増殖前糖尿病網膜症が3眼(37.5%)に認められた(表5).全例で副腎皮質ステロイド薬の点眼および散瞳薬の点眼を開始し,内科管理下で血糖値をコントロールした.糖尿病虹彩炎は全例で軽快し,発症から軽快までの期間は3.60日(23.1±21.5日)であった.軽快時のlogMAR視力は0.37±0.50であり,発症時に視力低下を認めなかった1眼を除き改善を認め(図1),有意な眼圧下降もみられた(図2),(p<0.01,Wilcoxonsigned-ranktest).虹彩毛様体炎軽快時には全例で尿定性試験における尿糖,尿蛋白,尿ケトン体は陰性であった.単純糖尿病網膜症から網膜症が進行した1眼および増殖前糖尿病網膜症を生じた2眼に対しては糖尿病虹彩炎軽快後に網膜光凝固治療が開始された.増殖前糖尿病網膜症であった1眼においては光凝固が施行されず硝子体出血に至った.軽快後は,受診を全科で自己中断した2例を除いて血糖コントロールが継続され,その後虹彩毛様体炎の再発を認めなかった(平均観察期間5.6±1.9カ月).III代表症例患者:62歳,女性.主訴:両眼充血,霧視.現病歴:過去2年間に虹彩毛様体炎の発症とステロイド点眼治療による軽快を繰り返していた.8度目の虹彩毛様体炎を発症し,左眼に前房蓄膿が認められたため,特発性虹彩毛様体炎の診断で防衛医科大学校病院眼科を紹介受診した.表2主訴(全8眼)主訴視力低下霧視充血眼痛流涙眼数(割合)7眼(87.5%)7眼(87.5%)7眼(87.5%)6眼(75.0%)1眼(12.5%)*重複含む.606あたらしい眼科Vol.31,No.4,2014(128) 表3検査所見(全6例8眼)検査項目検査結果検査項目検査結果検査項目検査結果視力(logMAR)0.88±0.77眼圧(mmHg)17.0±3.5空腹時血糖(mg/dl)301±58HbA1C(%)12.5±1.1BMI(kg/m2)24.5±2.9BUN(mg/dl)13.3±3.3クレアチニン(mg/dl)0.63±0.16eGFR(ml/min/1.73m2)97.1±22.5尿糖定性陽性6例尿蛋白定性陽性6例尿ケトン体定性検査陽性2例AST(IU/l)21.3±9.3ALT(IU/l)26.3±17.2LD(IU/l)216±22Na(mEq/l)137±2K(mEq/l)4.2±0.3Cl(mEq/l)98±3WBC(/μl)7050±2350CRP(>0.3mg/dl)陽性2例Hb(g/dl)15.1±0.8Hct(%)43.6±2.8Plt(×104/μl)20.7±4.8PRP・TPHA定性陽性0例HBs-Ag定性陽性0例抗HCV-Ab陽性0例Mean±SD.logMAR:logarithmicminimumangleofresolution,BUN:血中尿素窒素,AST:アスパラギン酸・アミノ基転移酵素,Na:ナトリウム,WBC:白血球,Hb:ヘモグロビン,PRP:血小板浮遊血漿,TPHA:梅毒トレポネマ血球凝集反応,ALT:アラニン・アミノ転移酵素,K:カリウム,CRP:C反応性蛋白,Hct:ヘマトクリット,HBs-Ag:B型肝炎表面抗原,BMI:体重指数,eGFR:推算糸球体濾過量,LD:乳酸脱水素酵素,Cl:塩素,Plt:血小板,HCV-Ab:C型肝炎ウィルス抗原.表4前眼部所見(全8眼)所見眼数(割合)前房微塵8眼(100%)フィブリン析出6眼(75.0%)角膜後面沈着物4眼(50.0%)虹彩後癒着6眼(75.0%)前房蓄膿2眼(25.0%)*重複含む.p<0.010.53±0.56少数視力0.75±0.5310.10.01発症時軽快時(n=8)図1糖尿病虹彩炎発症時と軽快時のlogMAR視力の比較糖尿病虹彩炎発症時のlogMAR視力は0.88±0.77(少数視力平均0.53±0.56),軽快時のlogMAR視力は0.37±0.50(少数視力平均0.75±0.53)であり,発症時に視力低下を認めなかった1眼を除いて視力改善を認めた(Wilcoxonsigned-ranktest).既往歴:60歳頃に糖尿病と診断されていたが,通院を自己中断していた.初診時所見:矯正視力は右眼(0.01),左眼15cm指数弁,右眼眼圧14mmHg,左眼眼圧17mmHgであった.前眼部表5当科初診時における糖尿病網膜症の病期(全8眼)糖尿病網膜眼数(割合)なし1眼(12.5%)単純糖尿病網膜症4眼(50.0%)増殖前糖尿病網膜症3眼(37.5%)p<0.0117.0±3.513.9±3.624222018161412108発症時軽快時(n=8)図2糖尿病虹彩炎発症時と軽快時の眼圧の比較糖尿病虹彩炎発症時の眼圧は17.0±3.5mmHg,軽快時眼圧は13.9±3.6mmHgであり,全例で眼圧の低下を認めた(Wilcoxonsigned-ranktest).は両眼ともに毛様充血と前房内に細胞浸潤とフィブリン析出を呈し,左眼には虹彩後癒着と前房蓄膿を認めた.両眼に白内障があり,前部硝子体中の炎症性細胞や硝子体混濁は不明瞭であった.眼底は点状出血と軟性白斑を呈し,福田分類(129)あたらしい眼科Vol.31,No.4,2014607 BIに相当する増殖前糖尿病網膜症と考えられた.全身検査所見:口腔内アフタ,陰部潰瘍,皮膚病変は認めなかった.空腹時血糖値300mg/dl,HbA1C13.5%,尿定性試験で尿糖,尿蛋白,尿ケトン体いずれも陽性であった.各種ウイルス抗体価にも異常は認めなかった.治療開始前に採取した前房水のmultiplexPCR(polymerasechainreaction)の結果は,16SrRNA,28SrRNAともに陰性であり,ヘルペス属ウイルスDNAも検出されなかった.HLA(ヒト白血球抗体)検査ではBW51,B27抗原は検出されなかった.X線検査および心電図検査では明らかな異常を認めなかった.経過:以上の眼所見および全身検査結果から,糖尿病虹彩炎と診断した.ステロイド点眼と散瞳薬点眼による治療を開始し,内科で無治療糖尿病に対する血糖コントロールを入院管理下で開始した.治療開始後に眼炎症所見は消失傾向を呈し,治療開始3週間後には軽快し退院した.軽快時矯正視力は右眼(0.08),左眼(0.08)であった.退院後は再発なく経過し,両眼の白内障に対して水晶体再建術を施行し矯正視力は右眼(0.8),左眼(0.9)となり,汎網膜光凝固術を開始した.糖尿病虹彩炎が軽快して半年後以降は全科で受診が途絶えた.IV考按糖尿病虹彩炎は男性に多いという報告5)もあれば,女性に多いという報告2)もある.発症時平均年齢については40.50歳代が多いとする報告3.6)が多く,片眼性にも両眼性にも発症する.筆者らの症例も過去の報告に合致していた.自覚症状については,半数以上で視力低下,霧視,充血,眼痛を訴えていた.92.3%で眼痛を訴えるとする報告6)があり,虹彩毛様体炎に伴う眼痛も糖尿病虹彩炎に特徴的な症状であると考えられた.前眼部所見において,前房内浸潤細胞が全例で認められたことは久納ら6)の報告と一致しており,角膜後面沈着物17%5).85%6),虹彩後癒着が6.3%2).50%10),前房蓄膿は3.8%2).56%5)と過去の報告はさまざまだが,筆者らの症例でも前眼部に同様の所見が認められた.藤原ら4)は,糖尿病患者における前房蓄膿性虹彩炎の房水検査によって多数の多核白血球の間に杆菌を認めたことから虹彩毛様体炎の発生に感染症の関与の可能性を報告しているが,筆者らの症例においては房水を用いたmultiplexPCR検査で感染を示唆する結果はみられなかった.病理学的に糖尿病では虹彩血管内皮細胞間接着構造に離開が認められる14,15)こと,糖尿病患者のほうが前房内蛋白濃度やフレア値が高い16.18)ことが知られているが,糖尿病に合併する虹彩毛様体炎の発生機序については現在も明らかになっていない.そのため,糖尿病に合併する虹彩毛様体炎は非特異的な虹彩毛様体炎であるとの説もあるが,いずれの報告608あたらしい眼科Vol.31,No.4,2014でも血糖コントロール不良の糖尿病患者に発症しているという共通事項がある.筆者らの症例においても,検査所見で最低でも空腹時血糖値が230mg/dl,HbA1Cが10.7%であり,尿糖,尿蛋白および尿ケトン体が陽性となる程度にまで血糖コントロールが不良な状態であった.今回の症例の半数以上に虹彩毛様体炎の既往がある一方,栗原らの報告5)と同様に良好な血糖コントロール管理下では再発を認めていない.また,軽快時には尿糖,尿蛋白も陰転化する程度に腎機能は保たれていた.血糖コントロール不良な状態で発症するが,血糖管理により再発が抑制されること,糖尿病網膜症が進展していない状態であっても発症すること,糖尿病による腎機能障害がそれほど進行していなかったことから,慢性的な血糖コントロール不良よりも高血糖状態そのものが発症機序に関与している可能性が示唆された.Noyes1)による初期の報告でも発症時に尿糖を呈していたことが報告されているが,血糖値測定に加えて,非侵襲的検査でかつ迅速に結果が確認できる尿定性試験の有用性も見出された.糖尿病虹彩炎は,ステロイドの局所治療と血糖コントロールにより比較的短期間で軽快することが知られている6,19).筆者らの症例も全例が無治療の糖尿病患者であり血糖コントロールも悪い状態であったが,ステロイドの局所治療と血糖コントロールにより比較的短期間で軽快し視力も改善している.提示症例のように,ステロイド点眼による治療のみでは発症と軽快を繰り返す場合がある.糖尿病による網膜症変化がない症例にも生じ,ステロイド点眼により比較的早期に軽快するため,原因不明のまま見逃されてしまう症例が少なくないと考えられる.今回の症例は,糖尿病を含めた全身検査を行っていれば早期に診断されていたことから,虹彩毛様体炎を診た際には糖尿病虹彩炎を鑑別疾患として考慮し,血糖測定や尿検査を行う必要があると考えられた.利益相反:利益相反公表基準に該当なし文献1)NoyesHD:Retinitisinglycosuria.TransAmOphthalmolSoc1:71-75,18682)島川真知子,小暮美津子:糖尿病に合併するぶどう膜炎.日眼会誌11:152-158,19863)OswalKS,SivarajRR,MurrayPIetal:Clinicalcourseandvisualoutcomeinpatientswithdiabetesmellitusanduveitis.BMCResNotes6:167,20134)藤原久,大賀仁,大槻美:糖尿病とぶどう膜炎糖尿病性虹彩炎は存在するか.眼臨87:14-17,19935)栗原千哉,後藤浩,高野繁:糖尿病虹彩炎の18例.眼(130) 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