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レーザースペックル法により治療過程を評価した網膜血管閉塞性疾患5例

2010年2月28日 日曜日

260 ( 12あ2)たらしい眼科Vol. 27,No. 2,2010 0910-1810/10/\100/頁/JC(O0P0Y)《原著》 あたらしい眼科 27(2):260.264,2010cはじめに網膜動脈閉塞症(RAO)は一般に高齢者に急激に発症し,視力予後不良な疾患である.治療には血栓溶解剤(ウロキナーゼ),高圧酸素療法,星状神経節ブロック,眼球マッサージなどがあげられるが,RAO の治療経過は閉塞の部位・程度・治療開始時期などによって大きく異なるため1,2),種々の治療法の有効性についての議論はいまだ絶えない.今回,筆者らは網膜中心動脈閉塞症(CRAO)と網膜動脈分枝閉塞症(BRAO)および眼虚血症候群の症例について,レーザースペックルフローグラフィ(以下LSFG)を用いて本症の治療過程における網膜血流動態を検討したので報告する.I対象および方法対象症例は2007 年9 月から2008 年7 月までに札幌医科大学眼科(以下,当科)で入院または外来で治療したRAOおよび眼虚血症候の5 例である.性別は男性4 例,女性1例,平均年齢は68.4±8.4 歳であった.各症例の治療は血栓〔別刷請求先〕井口純:〒060-8543 札幌市中央区南1 条西16 丁目札幌医科大学医学部眼科学講座Reprint requests:Jun Inokuchi, M.D., Department of Ophthalmology, Sapporo Medical University School of Medicine, South-1,West-16, Chuo-ku, Sapporo 060-8543, JAPANレーザースペックル法により治療過程を評価した網膜血管閉塞性疾患5 例井口純石川太前田貴美人小林和夫日景史人児玉章宏大黒浩札幌医科大学医学部眼科学講座Retinal Blood Flow Evaluation via Laser Speckle Flowgraphy before and afterTreatment in Retinal Artery OcclusionJun Inokuchi, Futoshi Ishikawa, Kimihito Maeda, Kazuo Kobayashi, Masato Hikage, Akihiro Kodama andHiroshi OhguroDepartment of Ophthalmology, Sapporo Medical University School of Medicine目的:動脈閉塞疾患の治療前後での網膜血流動態を報告する.対象および方法:対象は男性4 人,女性1 人,年齢は60.80 歳(平均±標準偏差68.4±8.4 歳).疾患は網膜中心動脈閉塞症(CRAO)3 例,網膜動脈分枝閉塞症1 例,眼虚血症候群1 例であった.レーザースペックルフローグラフィ(LSFG)を用いて,この5 症例の治療前後における網膜血流動態を検討した.血流速度の指標としてsquare blur rate(SBR 値)を用いた.結果:すべての症例で,治療後,網膜中心動脈のSBR 値は上昇した.5 症例のうち発症より長時間経過したCRAO 1 例以外の視力改善を認めた.結論:LSFG は動脈閉塞疾患の治療効果判定に有用であり,薬物,および星状神経節ブロックにより網膜血流の改善が期待される.We report on retinal blood flow level before and after treatment in retinal artery occlusion. This studyinvolved 5 patients(4 male, 1 female;age range:60.80 years, average:68.4±8.4 years)with retinal arteryocclusion(3 with central retinal artery occlusion, 1 with branch retinal artery occlusion and 1 with ocular ischemicsyndrome). We used Laser Speckle Flowgraphy(LSFG)to evaluate retinal blood flow level before and after treatment.Square blur rate(SBR), a quantitative index of relative blood flow velocity, was used. The mean SBR of thecentral retinal artery increased after treatment in all cases. Visual acuity also improved in all cases except 1, inwhom a long time had passed since onset. Medical therapy and stellate ganglion block improve retinal blood flowvelocity;LSFG can be used to evaluate the effect of these therapies on retinal artery occlusion.〔Atarashii Ganka(Journal of the Eye)27(2):260.264, 2010〕Key words:網膜中心動脈閉塞症,眼虚血症候群,網膜血流,レーザースペックルフローグラフィ(LSFG).central retinal artery occlusion, ocular ischemic syndrome, retinal blood flow, Laser Speckle Flowgraphy(LSFG).(123) あたらしい眼科Vol. 27,No. 2,2010261溶解剤投与,星状神経節ブロック(SGB),プロスタグランジンE1 製剤(以下,PG 剤)投与の併用を発症期間や全身状態を考慮して行った.5 症例についてLSFG(ソフトケア社)を使用し,治療開始前後で網膜中心動脈(CRA)の血流を評価した.血流速度の指標としてsquare blur rate(SBR 値)を求めた.SBR 値はblur rate(BR 値)を二乗した値であり,BR 値はエリアセンサーで取り込まれたスペックルパターンの輝度偏差の逆数である.マイクロスフェア法や水素クリアランス法を用いた研究からBR 値が血流量に相関することが明らかにされている3,4).これらの値は単位をもたないので直接的に症例間の比較をすることはできない.よって,今回は治療過程における網膜血流動態を同一症例のSBR 値の変化率で評価した.測定は一度に3 回行いその平均値を用いて治療前後の変化率を求めた.SBR 値のカラー画像では低値から高値になるに従って寒色系から暖色系に変化するよう設定し,検眼鏡検査およびカラー眼底写真よりCRA を同定しラバーバンドを設定した(図1,3).II症例(表1,2)症例1(60 歳,女性):平成20 年5 月9 日,左眼の突然の視力低下および視野狭窄を自覚し近医受診した.RAO の疑いにて眼球マッサージ後,発症後2 時間半で当科紹介となった.初診時視力は右眼0.16(1.25),左眼HM(n.c.).左眼眼底で上下アーケード,下方への動脈内に血栓様の反射を認め,下耳側動脈の閉塞と対応した網膜の白濁を認めた.Cherry-red spot は認めなかった.フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)でchoroidal flash は1 分39 秒と遅延しており,動脈への流入は2 分30 秒過ぎであった.下方動脈への流入は結局認めなかった. 切迫型CRAO の診断にて治療を開始した.ウロキナーゼ(ウロキナーゼR)24 万単位/日およびアルプロスタジル(リプルR)5 μg/日7 日間点滴静注を行い,その後ワルファリンカリウム(ワーファリンR)5 mg/日内服し,眼底およびFA 所見はしだいに改善した.左眼視力は初診時HM(n.c.)から治療開始後20 日で0.16(1.25)に改善し,これに一致してCRA のSBR 値は19%上昇した.症例2(80 歳,男性):平成20 年5 月12 日より左眼下耳側の視野障害を自覚し5 月14 日近医受診した.左眼BRAOの疑いにて当科紹介となった.初診時視力は右眼0.2(1.0),左眼0.16(0.7).左眼眼底で上耳側動脈および上鼻側動脈の狭小化と網膜の白濁を認め,FA で同動脈の流入遅延を認めた.左眼BRAO の診断で治療を開始した.発症後2 日経過していた.ワルファリンカリウム(ワーファリンR)5 mg/日,カリジノゲナーゼ(カルナクリンR)30 単位/日投与を開始し,開始後6 日で網膜の白濁は軽快した.左眼視力は初診時0.16(0.7)から0.32(0.8)となり,これに一致してCRA のSBR値は67%上昇した.症例3(66 歳,男性):平成19 年9 月末頃より軽度の視力低下を自覚していた.10 月6 日急激な左眼視力低下を自覚し10 月7 日近医受診した.左眼BRAO の疑いで当科紹介となった.発症より少なくとも14 時間以上経過していた.初診時視力は右眼0.4(1.0), 左眼0.02(0.2). 左眼眼底にcherry-red spot と黄斑部周辺の蒼白化と浮腫を認めた.FA では明らかな動脈流入遅延および閉塞所見は認めなかっ表 1各症例の治療経過症例(年齢,性別)疾患(経過時間) 治療視力治療前治療後① 60 歳,女性切迫型CRAO(2.5 時間)ウロキナーゼ/アルプロスタジル→ワルファリンカリウムHM(n.c.) 0.16(1.25)② 80 歳,男性BRAO(2 日) ワルファリンカリウム/カリジノゲナーゼ0.16(0.7) 0.32(0.8)③ 66 歳,男性CRAO(14 時間以上)アルプロスタジル/SGB→ベラプロストナトリウム/カリジノゲナーゼ0.02(n.c.) (0.4)④ 76 歳,男性CRAO(4 日)アルプロスタジル/SGB→ベラプロストナトリウム0.02(n.c.) 0.02(n.c.)⑤ 60 歳,男性眼虚血症候群(1 週間以上)アスピリン/アルプロスタジル/SGB→ベラプロストナトリウム0.09(n.c.) 0.2(1.0)SGB:星状神経節ブロック.表 2SBR 値(CRA)の実測値と改善率症例(年齢,性別)疾患(経過時間)SBR 値(mean±SD) SBR 値治療前治療後改善率① 60 歳,女性切迫型CRAO(2.5 時間) 32.1±1.8 38.2±2.2 19.0%↑② 80 歳,男性BRAO(2 日) 26.4±4.0 44.1±1.6 67.0%↑③ 66 歳,男性CRAO(14 時間以上) 16.2±4.0 28.2±2.0 74.1%↑④ 76 歳,男性CRAO(4 日) 14.5±2.2 18.7±1.8 29.0%↑⑤ 60 歳,男性眼虚血症候群(1 週間以上) 9.7±0.7 11.9±0.7 22.7%↑262あたらしい眼科Vol. 27,No. 2,2010 (124)た.左眼CRAO の疑いで治療を開始した.アルプロスタジル(リプルR)10 μg/日点滴7 日間およびSGB を開始し,治療開始後1 週間で網膜の白濁および浮腫は軽快した.左眼視力は治療前0.02(0.2)から治療開始後19 日で(0.4)に改善し,これに一致してCRA のSBR 値は74.1%上昇した.症例4(76 歳,男性):平成20 年5 月9 日急激な右眼視力低下を認め,5 月12 日近医受診した.右眼CRAO 疑いにて5 月13 日当科紹介となった.発症後4 日経過していた.初診時視力は右眼0.02(n.c.),左眼0.125(0.5).右眼眼底に視神経乳頭浮腫を認め,後極部を中心に乳白色の網膜の混濁および浮腫をきたしcherry-red spot を認めた.FA では黄斑部および視神経乳頭周囲の脈絡膜への流入が遅延していた.下耳側動脈への流入は5 分過ぎても認めなかった. 右眼CRAO の診断にてアルプロスタジル(リプルR)10 μg/日8図 3治療前後のカラー眼底血流マップとCRA のSBR 値(症例5)左から初診時右眼,初診時左眼,治療後26 日左眼で,各SBR 値はそれぞれ26.1, 8.8, 11.2 であった.図 1症例5 の初診時眼底写真左眼は視神経乳頭を中心に軟性白斑が多発している.図 2症例5 の治療後眼底写真治療前に比較して左眼の軟性白斑が減少している.(125) あたらしい眼科Vol. 27,No. 2,2010263日間点滴静注およびSGB を開始した.治療開始後視野拡大の自覚は認めたが,右眼矯正視力(0.02)と改善はみられなかった.CRA のSBR 値は治療開始後17 日で29%上昇した.症例5(60 歳,男性):平成19 年8 月頃よりしだいに左眼視力低下があり,9 月18 日近医受診した.網膜血管炎が疑われ,ステロイドTenon .下注射が行われるも症状改善せず10 月3 日当科紹介となった.初診時視力は右眼1.0(n.c.),左眼0.09(n.c.).左眼眼底に視神経乳頭周囲の軟性白斑と線状出血を認めた(図1).FA では腕動脈循環時間が38 秒と遅延し,左視神経乳頭周囲に無血管野と蛍光漏出を認めた.左眼虚血症候群の疑いでアルプロスタジル(リプルR)5 μg/日点滴静注・SGB およびアスピリン(バイアスピリンR)100 mg/日内服を開始し,左視神経乳頭周囲の軟性白斑は徐々に軽快した(図2).視力は初診時左眼0.09(n.c.)が治療開始後6 日で0.2(1.0)まで改善し,治療後26 日でCRA のSBR 値が22.7%上昇した.III考按RAO の視力予後は初診時視力,閉塞の程度・部位,治療開始時期,全身合併症の有無により異なる.RAO に対する治療法はさまざま示されているが,いずれも治療として確立されていない.CRAO の治療にはウロキナーゼやPG 剤が有効であるとの報告5.7)があり,高圧酸素療法については有効と無効の報告8,9)がある.今回,筆者らは各治療法と血流改善との関係および視力予後との関係などを検討することにより有効な治療法をLSFG で評価することができると考え,本検討を行った.表1,2 で示したとおり,年齢・疾患・治療開始時期・治療法などそれぞれ異なるが,5 例とも治療開始後,網膜中心動脈のSBR 値の上昇を認めた.症例4 では治療により血流改善は得られたものの視力改善は得られなかった.これは治療開始時期が遅かったことが影響していると考えられる.その他の症例では血流改善とともに視力の改善が得られており,本症の視力改善には血流改善が関与していると考えられた.RAO に対する治療としては血栓溶解剤,SGB,高圧酸素療法を基本とした治療が一般的であるが,高齢者に多く発生し,高血圧や動脈硬化性の疾患を有する症例が多いことや,萩村ら2)の報告にもあるように初診時視力不良例では改善例が少ないため,どこまで治療を行うべきかについては今後検討が必要である.今回の検討では患者背景が異なるため,全症例で同一の治療を行うことは困難であり,症例数も少ないことから,RAO に対する有効な治療法を検討するまでには至らなかった.症例5 は片眼性の緩除な視力低下があり,図1 で示したとおり眼底に視神経乳頭周囲に軟性白斑と一部線状出血を認め,診断が困難な一例であった.前医では炎症性疾患が疑われたが治療効果がなく当院紹介となった.MRA では明らかな閉塞を認めなかったがFA にて腕動脈循環時間の遅延があり,網膜血流の循環障害が背景にあることが推察された.鹿嶋ら10)は,健常者ではLSFG におけるカラーマップで明らかな左右差は認めなかったと報告している.図3 に示したとおり本症例ではLSFG カラーマップで明らかな左右差を認め,片眼の血流低下を視覚的に捉えることができた.RAOや眼虚血症候群にはFA やインドシアニングリーン蛍光造影(IA)といった血管造影が有用であるが,これらの症例では,糖尿病や高血圧のコントロールが不良な症例や腎機能が不良である症例も多く,これらを施行するリスクが高い場合がある.検眼鏡では捉えることのできない網脈絡膜の血流低下を非侵襲的に画像化することができるLSFG の診断補助機器としての価値は高いと思われる.橋本ら11)はLSFG は前部虚血性視神経症の診断と経過観察に有用であると報告しており,今後さまざまな疾患において広く臨床応用されていくことが期待される.LSFG は血流速度を定量化する点ではレーザードップラー法と類似しているが,画像化できるという利点を有する.各症例でみられたように視覚的にも血流量の変化が把握でき,さらに画像から容易に測定部位が同定できるため,経時的に病変部位の血流動態を観察することが可能である.今までにLSFG の臨床応用としては,緑内障における眼圧降下剤の点眼による虹彩組織・視神経乳頭の血流量の変化に関する研究12.14)や原田病におけるステロイドパルス療法の治療効果判定に有用であるといった報告15)がなされており,さまざまな治療薬や治療法が開発されている現在,これらの網膜血流への影響や治療効果の検証および病態の把握にも有用であると考えられる.しかし一方で,LSFG で得られる測定値は絶対値でないため直接的に症例間の比較をすることができない欠点があり,同一症例の相対変化を捉えることのみで各治療法の効果を全体的に判定することはむずかしいと思われた.解像度が改善されたとはいえ,LSFG 単独ではFA やIA といった従来の検査法の診断レベルにはまだ及ばず,本装置を用いて臨床評価を行う際はこれらを併用し行わざるをえないのが現状である.この点は今後の検討課題であり,解像度の向上・網膜と脈絡膜血管の分離・測定時間の短縮などと含め,今後改善が望まれる.文献1) Augsburfer JJ, Magargal LE:Visual prognosis followingtreatment of acute central retinal artery obstruction. 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