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京都府立医科大学眼科における眼瞼腫瘍の病理組織学的分類と特徴

2024年10月31日 木曜日

京都府立医科大学眼科における眼瞼腫瘍の病理組織学的分類と特徴北野ひかる*1,2渡辺彰英*1中山知倫*1米田亜規子*1外園千恵*1*1京都府立医科大学眼科学教室*2バプテスト眼科クリニックCHistopathologicalClassi.cationandFeaturesofEyelidTumorsTreatedattheDepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicineHikaruKitano1,2)C,AkihideWatanabe1),TomomichiNakayama1),AkikoYoneda1)andChieSotozono1)1)DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,2)BaptistEyeInstituteC目的:京都府立医科大学附属病院眼科で治療した眼瞼腫瘍の病理組織学的分類および特徴を明らかにする.対象および方法:2009年C1月.2020年C5月に京都府立医科大学附属病院眼科を受診し,生検または切除術を施行した眼瞼腫瘍を対象に,病理組織学的分類と臨床的特徴を後ろ向きに検討した.結果:全C477例の内訳は,良性C330例,悪性147例で,平均年齢は良性C59.1C±18.9歳,悪性C75.1C±13.0歳であった.良性は母斑細胞母斑C112例(33.9%),脂漏性角化症C83例(25.1%)の順に多く,悪性は脂腺癌がC78例(53.1%),基底細胞癌がC50例(34%)で大半を占めた.脂腺癌は上眼瞼中央にもっとも多く発生し,結節型が大半を占めた.脂腺癌C78例中C11例に(14.1%)に転移を認め,耳側病変は他部位と比較して転移率がC22.7%と高かった.結論:眼瞼悪性腫瘍では脂腺癌が半数以上を占め,脂腺癌の耳側病変は他部位と比較して転移率が高く,注意が必要である.CPurpose:Toclarifyhistopathologicaltrendsofeyelidtumorsdiagnosedandtreatedatasingleinstitute.Sub-jectsandMethods:Weretrospectivelyinvestigatedthehistopathologicclassi.cationandclinical.ndingsofeyelidtumorsCdiagnosedCbetweenCJanuaryC2009CtoCMayC2020CatCtheCDepartmentCofCOphthalmology,CKyotoCPrefecturalCUniversityCofCMedicine.CResults:InCaCtotalCofC477CpatientsCseen,C330CbenignCtumorsCandC147CmalignantCtumorsCwereobserved.Meanpatientageatdiagnosisinthebenigntumorandmalignanttumorscaseswas59.1±18.9and75.1±13.0years,respectively.Ofthe477casesseen,thebenigntumorswerenevocellularnevus(112cases,33.9%)andseborrheickeratosis(83cases,25.1%)C,andthemalignanttumorsweresebaceouscarcinoma(SC)(78cas-es,53.1%)andbasalcellcarcinoma(50cases,34%)C.IntheSCcases,thetumorsweremostfrequentlylocatedinthecentralregionoftheuppereyelid,withthemajoritybeingofanodulartype,ofwhichtemporallesionshadthehighestrateofmetastasis(22.7%).CConclusion:SCaccountedformorethan50%Cofthemalignanteyelidtumorsseen,andthetemporallesionsofSChadthehighestrateofmetastasis.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C41(10):1241.1245,C2024〕Keywords:眼瞼腫瘍,病理組織学的分類,疫学,脂腺癌,基底細胞癌.eyelidtumor,histopathologicalclassi.cation,epidemiology,sebaceouscarcinoma,basalcellcarcinoma.Cはじめに眼瞼はさまざまな組織から構成されているため,多種多様な眼瞼腫瘍が存在し,眼科領域の腫瘍に占める割合は高い1).眼瞼腫瘍には,母斑細胞母斑や脂漏性角化症,乳頭腫といった良性腫瘍と,基底細胞癌や脂腺癌といった悪性腫瘍があるが,悪性の場合は切除後の整容面や機能面,生命予後にも影響するため,診察時に腫瘍の組織型を推測することは治療方針や予後を考えるうえで重要であり,頻度の高い腫瘍の種類や特徴を知っておくと有用である.一般的に,眼瞼悪性腫瘍は基底細胞癌,扁平上皮癌,脂腺癌といった上皮性腫瘍が多いといわれている.国外では基底細胞癌の割合が多い国が多く,とくに欧米2,3)では基底細胞〔別刷請求先〕北野ひかる:〒602-8566京都市上京区梶井町C465京都府立医科大学大学院視覚機能再生外科学Reprintrequests:HikaruKitano,M.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,465Kajii-cho,Kamigyo-ku,Kyoto602-8566,JAPANC症例数90788072706053505243384034302317000~910~1920~2930~3940~4950~5960~6970~7980~8990~年齢20171511991031200図1良性腫瘍330例と悪性腫瘍147例の年齢別分布良性腫瘍はC60歳代にピークがあった.悪性腫瘍はC70歳代がもっとも多く,70歳以上の症例で悪性腫瘍全体の約C4分のC3を占めた.癌が悪性腫瘍のC90%前後を占め,シンガポール4)や香港5),台湾6)などのアジア諸国でも基底細胞癌が多い傾向にある.それに対し脂腺癌は,欧米ではC2.7%,アジア諸国ではC6.12%とまれであることが報告されている2.6).一方でわが国では国外と比較して悪性腫瘍に占める脂腺癌の頻度がC29.C44%1,7)と高いという特徴があるが,日本人の生活スタイルや食生活の変化とともに,その傾向が変化している可能性がある.今回,京都府立医科大学病院眼科(以下,当科)で加療した眼瞼腫瘍を対象に,病理組織学的分類およびその特徴について検討を行ったので報告する.CI対象および方法対象は,2009年C1月.2020年C5月に当科を受診し,生検・切除術を施行し,病理組織検査にて診断が確定した眼瞼腫瘍C477例である.診療録および病理診断部のデータベースを用いて後ろ向きに調査し,良性腫瘍と悪性腫瘍に分け,各群においてそれぞれ,男女比,受診時平均年齢,年齢別分布,病理診断別頻度について検討した.とくに病理診断が脂腺癌と基底細胞癌であった症例について,発症部位と転移率を調べた.さらに脂腺癌については臨床病型の分類についても検討し,診療録,術前写真の情報から結節性病変を有するものをCnodulartype,びまん性の眼瞼肥厚病変を有するものをCdi.usetypeと分類した.今回の検討では,眼瞼縁に発生した腫瘍を眼瞼腫瘍に分類し,瞼結膜に発生した腫瘍は眼瞼腫瘍ではなく結膜腫瘍として除外した..胞は自律性増殖という腫瘍の定義を考えると厳密には腫瘍ではないが,臨床上腫瘍の鑑別疾患として重要なため,今回の検討に加えた.また,霰粒腫は厳密には腫瘍でないため除外した.CII結果今回の対象となった眼瞼腫瘍C477例の内訳は良性がC330例,悪性がC147例であり,それぞれの男女比は,良性が男性C126例(38.2%),女性C204例(61.8%)で,悪性が男性C58例(39.5%),女性C89例(60.5%)であった.受診時の年齢は,良性C59.1C±18.9歳(平均C±標準偏差),悪性C75.1C±13.0歳であった.年齢別分布を図1に示した.良性腫瘍は年齢とともに徐々に症例数が増加し,60歳代にピークがあった.悪性腫瘍はC0.29歳の若年では存在せず,30歳代に初めて1例認めた.70歳代がもっとも多く,80歳以上の症例も多数あり,70歳以上の症例がC111例と悪性腫瘍のC75.5%を占めた.良性腫瘍,悪性腫瘍それぞれの病理組織学的分類を,頻度の高い順に表1,2に示した.良性腫瘍C330例のうち,おもなものは母斑細胞母斑C112例(33.9%),脂漏性角化症C83例(25.1%),粉瘤(表皮.胞)36例(10.9%),肉芽腫C14例(4.2%)であった.悪性腫瘍C147例でおもなものは脂腺癌C78例(53.1%),基底細胞癌C50例(34%),扁平上皮癌C12例(8.2%)であり,このC3疾患で眼瞼悪性腫瘍のC95.2%を占めた.脂腺癌C78例の臨床病型はCnodularCtype66例(84.6%),Cdi.usetype12例(15.4%)であり,53例(67.9%)が上眼瞼病理診断性別症例数(%)年齢平均年齢±標準偏差男女母斑細胞母斑C27C85112(C33.9)C56.0±18.5脂漏性角化症C34C4983(C25.1)C66.4±14.3粉瘤(表皮.胞)C14C2236(C10.9)C58.3±19.6肉芽腫C7C714(C4.2)C58.6±19.3脂腺腺腫C5C611(C3.3)C71.0±11.8乳頭腫C3C710(3)C50.4±23.5.胞C8C210(3)C57.9±20.9脂腺過形成C3C47(2C.1)C71.6±9.2黄色腫C3C47(2C.1)C61.3±8.6血管腫C3C25(1C.5)C53.6±27.1疣贅C2C24(1C.2)C51.3±20.3その他C17C1431(C9.4)C50.1±23.8計C126C204330(C100)C59.1±18.9その他:伝染性軟属腫,黄色肉芽腫,線維腫,毛母腫,顆粒細胞腫,石灰化上皮腫,神経鞘腫,多形腺腫,毛包腺腫,反応性リンパ過形成,偽癌性軟属腫,管状腺腫など.表2眼瞼悪性腫瘍147例の病理組織学的分類病理診断性別計症例数(%)年齢平均年齢±標準偏差男女脂腺癌C29C4978(C53.1)C74.2±13.6基底細胞癌C18C3250(34)C77.3±11.7扁平上皮癌C8C412(C8.2)C71.1±14.8悪性黒色腫C1C34(2C.7)C73.8±6.2Merkel細胞癌C1C01(0C.7)C105鼻腔癌浸潤C1C01(0C.7)C71Bowen病C0C11(0C.7)C78計C58C89147(C100)C75.1±13.0Cに局在していた.NodularCtype66例の部位は上眼瞼がC44例,下眼瞼がC22例であった.nodulartypeをさらに鼻側,中央部,耳側に分類すると,3例は明確に分類することができず,分類可能だったC63例はそれぞれC12例,29例,22例であった.計C6分割にすると,上眼瞼中央部がC23例と最多で,ついで上眼瞼耳側C13例,下眼瞼耳側C9例,上眼瞼鼻側7例であった.脂腺癌C78例中C11例(14.1%)に転移を認めたが,そのうちC10例がCnodulartypeであった.部位別の転移率は鼻側12例中C2例(16.7%),中央部C29例中C3例(10.3%),耳側22例中C5例(22.7%)であった.耳側の脂腺癌転移例C5例のうちC4例はまず耳前リンパ節への転移を認めたが,その他の脂腺癌転移例C6例(di.usetypeのC1例も含める)は全例,頸部リンパ節への転移を認めた.転移例C11例中C3例(全体のC3.8%)はリンパ節転移にとどまらず,眼窩内および脳・髄腔内転移を認めたものがC1例,全身転移を認めたものがC1例,肺転移を認めたものがC1例あり,全身転移を認めた症例についてはその後死亡した.基底細胞癌C50例中C37例(74%)が下眼瞼に局在し,転移例はなかった.脂腺癌と同様にC6部位に分類すると,下眼瞼鼻側がC14例と最多で,ついで下眼瞼中央部C12例,下眼瞼耳側C9例であった.なお,2例は下眼瞼の広範囲に及んでおり,局在による分類は不可能であった.CIII考按今回の対象となった眼瞼腫瘍C477例のうち,330例が良性,147例が悪性であった.悪性腫瘍を疑う場合は生検または切除術を行い,病理組織学検査に供するのに対して,臨床所見より良性とみなす場合は積極的に手術加療しない場合もあることより,良性腫瘍の症例数は実臨床ではさらに多いと考えられる.したがって,他施設との単純な比較はできないが,母斑細胞母斑および脂漏性角化症が多くを占めるという今回の結果は,国内外の既報1,2,7,8)と同様であった.地域(発表年)期間悪性総数眼瞼悪性腫瘍に占める割合脂腺癌基底細胞癌扁平上皮癌悪性腫瘍の男女比男C/女当院(本研究)2009.C2020C14753.1%34%8.2%C39.5/60.5聖隷浜松病院1)(C2014)2005.C2013C9831%48%15%記載なし東京医科大学病院7)(C2022)1995.C2019C41244%36%9%C43.9/56.1香港5)(C2011)1997.C2009C3611.1%75%5.6%C44.4/55.6台湾6)(C2006)1979.C1999C11207.9%65.1%12.6%C53.3/46.7シンガポール4)(C1999)1968.C1995C32510.2%84%3.4%C49.8/50.2ギリシャ2)(C2015)1983.C2012C3510%86%7%記載なし米国3)(C1999)1976.C1990C1740%90.8%8.6%C50/50ブラジル8)(C2018)2000.C2012C3246.8%69.8%17%C49/51C悪性腫瘍のもっとも若年の症例はC33歳の脂腺癌であったが,若年性の悪性腫瘍の既報に関しては,Shieldsらによる17歳の脂腺癌の症例や9),国内でもC29歳の扁平細胞癌や,31歳の脂腺癌,基底細胞癌の症例がある7).年齢的に悪性腫瘍の可能性が低そうではあっても,生検あるいは切除した腫瘍の病理組織検査で確認することが重要であると考える.眼瞼悪性腫瘍の頻度について,国内外の他施設との比較を表3に示す.今回の検討では女性がC60%以上と男性よりも多かった.この理由として,平均寿命が女性のほうが高いため,生命予後に影響の少ない眼科領域の腫瘍に関して女性患者が多くなった可能性や,女性のほうが男性に比較して健康や整容面への意識が高いため,早く眼瞼病変に気づき受診した可能性,眼瞼悪性腫瘍自体の有病率に性差がある可能性などがある.わが国は国外より眼瞼悪性腫瘍全体における脂腺癌の頻度が高いという特徴があるが1,7),今回の検討では眼瞼悪性腫瘍全体の半数以上を脂腺癌が占めており,当科はとくに脂腺癌の占める割合が高かった.その理由として,当科の専門外来は脂腺癌の切除後の眼瞼再建術も積極的に行っており,悪性を疑うような症例をはじめ,悪性の診断後や他施設での治療後のセカンドオピニオンとしての紹介も多く,結果的に悪性度の高い脂腺癌の症例が集まりやすいことが考えられる.脂腺癌は,欧米人ではCdi.usetypeが多いと報告されているが9),日本人ではCnodulartypeが多いとされており10,11),人種差のある腫瘍であることが知られている.本検討でも既C1244あたらしい眼科Vol.41,No.10,2024報に一致した結果であった.人種差や臨床像に差があることからなんらかの遺伝子背景があると推測されるが,脂腺癌についての遺伝子検索はこれまであまり行われておらず,はっきりしたことがわかっていない.脂腺癌はそのほとんどが瞼板内のマイボーム腺より発生するため眼瞼縁や瞼結膜に認めることが多く,マイボーム腺の数が多い上眼瞼の発生が多いといわれている9).本検討でも上眼瞼の発生が多かったが,さらなる検討で上眼瞼中央が全体の約C3分のC1を占めていることがわかった.脂腺癌の領域リンパ節転移,遠隔転移については,既報9,11.15)では,それぞれC8.23%,2.14%と報告されており,今回も同様の結果であった.AmericanJointCommit-teeonCancerによって定義された眼瞼腫瘍のCTNM分類で,T分類が脂腺癌転移の予測因子になりうると示唆している報告11.15)が多い.筆者らは今回その検討は行っていないものの,転移率について部位別に検討したところ,とくに眼瞼耳側は約C4分のC1の確率で転移しており,他部位に比較してリンパ節転移しやすい可能性が考えられた.また,その転移先として,眼瞼耳側病変の転移例は耳前リンパ節への転移を認める症例が大半であったのに対し,他部位の転移例はすべて頸部リンパ節への転移を認めており,これはリンパ流によって転移先が規定されるからであり,それに留意して経過観察する必要があると考える.基底細胞癌は紫外線曝露との関連があるとされており,上眼瞼は常時瞬目で動くうえ,眉毛により紫外線曝露を受けにくく,相対的に紫外線曝露が多い下眼瞼に発生しやすいと考えられている.今回の検討でも下眼瞼に多く発生しており,全症例で転移を認めなかった.今回の検討では,眼瞼悪性腫瘍のうち女性の割合が高く,脂腺癌が半数以上を占めた.脂腺癌は上眼瞼中央部の発生が多く,耳側病変は転移率が高く注意が必要である.眼瞼悪性腫瘍を疑った際には,必要に応じて積極的に生検を施行し,(96)利益相反北野ひかるなし渡辺彰英なし中山知倫なし米田亜規子なし外園千恵F(IV)参天製薬株式会社,サンコンタクトレンズ株式会社,CorneaGen文献1)末岡健太郎,嘉鳥信忠,笠井健一郎ほか:聖隷浜松病院眼形成眼窩外科における過去C9年間の眼窩,眼瞼,結膜腫瘍の検討.臨眼C68:463-470,C20142)AsproudisCI,CSotiropoulosCG,CGartziosCCCetal:EyelidCtumorsattheUniversityEyeClinicofIoannina,Greece:CAC30-yearCretrospectiveCstudy.CMiddleCEastCAfrCJCOph-thalmolC22:230-232,C20153)CookCBECJr,CBartleyGB:EpidemiologicCcharacteristicsCandCclinicalCcourseCofCpatientsCwithCmalignantCeyelidCtumorsinanincidencecohortinOlmstedCounty,Minne-sota.OphthalmologyC106:746-750,C19994)LeeCSB,CSawCSM,CEongCKGACetal:IncidenceCofCeyelidCcancersinSingaporefrom1968to1995.BrJOphthalmolC83:595-597,C19995)MakCST,CWongCACM,CIoCIYFCetal:MalignantCeyelidCtumorsCinCHongCKongC1997-2009.CJpnCJCOphthalmolC55:C681-685,C20116)LinCHY,CChengCCY,CHsuCWMCetal:IncidenceCofCeyelidCcancersCinTaiwan:AC21-yearCreview.COphthalmologyC113:2101-2107,C20067)GotoCH,CYamakawaCN,CKomatsuCHCetal:EpidemiologicalCcharacteristicsCofCmalignantCeyelidCtumorsCatCaCreferralChospitalinJapan.JpnJOphthalmolC66:343-349,C20228)DamascenoCJC,CIsenbergCJ,CLopesCLRCetal:LargestCcaseCseriesCofCLatinCAmericanCeyelidCtumorsCoverC13-yearsCfromCaCsingleCcenterCinCSaoCPaulo,CBrazil.CArqCBrasCOftal-molC81:7-11,C20189)ShieldsJA,DemirciH,MarrBPetal:Sebaceouscarcino-maCofCtheeyelids:personalCexperienceCwithC60Ccases.COphthalmologyC111:2151-2157,C200410)渡辺彰英:脂腺癌の臨床.あたらしい眼科C32:1717-1718,C201511)WatanabeCA,CSunCMT,CPirbhaiCACetal:SebaceousCcarci-nomaCinJapaneseCpatients:clinicalCpresentation,CstagingCandoutcomes.BrJOphthalmolC97:1459-1463,C201312)EsmaeliB,NasserQJ,CruzHetal:AmericanJointCom-mitteeonCancerTcategoryforeyelidsebaceouscarcino-maCcorrelatesCwithCnodalCmetastasisCandCsurvival.COphthal-mologyC119:1078-1082,C201213)LamSC,LiEYM,YuenHKL:14-yearcaseseriesofeye-lidCsebaceousCglandCcarcinomaCinCChineseCpatientsCandCreviewofmanagement.BrJOphthalmolC102:1723-1727,C201814)TakahashiY,TakahashiE,NakakuraSetal:RiskfactorsforClocalCrecurrenceCorCmetastasisCofCeyelidCsebaceousCglandCcarcinomaCafterCwideCexcisionCwithCpara.nCsectionCcontrol.AmJOphthalmol171:67-74,C201615)SaHS,RubinML,XuSetal:Prognosticfactorsforlocalrecurrence,metastasisandsurvivalforsebaceouscarcino-maoftheeyelid:observationsin100patients.BrJOph-thalmolC103:980-984,C2019***

眼瞼脂腺癌34例の臨床像と組織学的検討

2013年12月31日 火曜日

《原著》あたらしい眼科30(12):1739.1743,2013c眼瞼脂腺癌34例の臨床像と組織学的検討中山智佳渡辺彰英上田幸典木村直子川崎諭木下茂京都府立医科大学大学院視覚機能再生外科学ClinicalandHistopathologicAnalysisof34CasesofEyelidSebaceousGlandCarcinomaTomokaNakayama,AkihideWatanabe,KosukeUeda,NaokoKimura,SatoshiKawasakiandShigeruKinoshitaDepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine目的:当科における眼瞼脂腺癌の臨床像,組織学的所見について検討すること.対象および方法:対象は2004年1月から2012年7月までの間に切除・再建術を施行した眼瞼脂腺癌34例(平均年齢70.9±11.3歳,男性20例,女性14例).臨床像,病理組織学的所見,再発・転移の有無,生存率について欧米人の報告と比較検討した.結果:臨床像は,nodulartype32例(94%),diffusetype2例(6%)に分類され,上皮内浸潤を認めた症例は7例(21%)であった.経過観察期間が最低1年以上のものに対象症例を絞った22例のうち,局所再発4例(18%),転移3例(14%)であり,経過観察期間35.9カ月で,生存率は100%であった.結論:日本人の脂腺癌は,欧米人と比較して臨床像が大きく異なり,組織学的所見の特徴も異なると考える.しかし,組織学的所見については多様な所見を呈するため,判断が困難である.今後,更なる検討が必要である.Purpose:Toanalyzeclinicalandhistopathologicfeaturesofeyelidsebaceousglandcarcinoma.SubjectsandMethods:In34casesofsebaceousglandcarcinomaseenfromJanuary2004toJuly2012(14female,20male;averageage:70.9±11.3years),weretrospectivelyanalyzedclinicalfeaturesandhistopathologicfindings,localrecurrence,metastasisandsurvivalrate,andcomparedthemtoaCaucasianstudy.Results:Tumorswereclassifiedbyclinicaltypeasnodular(32cases,94%)anddiffuse(2cases,6%).Histopathologically,7cases(21%)showedintraepithelialinvolvement.In22casesfollowedupforaminimumof1year,localrecurrencedevelopedin4cases(18%)andmetastasisoccurredin3cases(14%).Therewasa100%survivalrateforthemedianfollow-upperiodof35.9months.Conclusion:ThereweremanydifferencesbetweenJapaneseandCaucasiansintermsofclinicalandhistopathologicfeaturesofsebaceousglandcarcinoma.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)30(12):1739.1743,2013〕Keywords:脂腺癌,上皮内浸潤,結節性病変,びまん性病変.sebaceousglandcarcinoma,pagetoidspread,nodulartype,diffusetype.はじめに眼瞼原発悪性腫瘍のなかで頻度の高い腫瘍として,基底細胞癌,脂腺癌,扁平上皮癌といった上皮性悪性腫瘍が挙げられ,過去には三大眼瞼原発悪性腫瘍とされてきた.しかし,欧米においては,基底細胞癌が最も多く眼瞼悪性腫瘍の約90%を占めると言われており,脂腺癌は全眼瞼腫瘍のなかでは1%以下,眼瞼悪性腫瘍のなかでも4.7%を占めるだけであるとされている1.4).日本では,基底細胞癌,脂腺癌,扁平上皮癌の順に多いとされていたが,近年の報告では,基底細胞癌の頻度が欧米に比べて低く,脂腺癌はアジアで頻度が高くなっている傾向にあり,基底細胞癌と脂腺癌が日本の二大眼瞼原発悪性腫瘍となってきており,脂腺癌は眼瞼悪性腫瘍のなかで30.40%を占めるとされている5.10).また,脂腺癌は基底細胞癌,扁平上皮癌と比較して局所再発やリンパ節転移・遠隔転移が多く,悪性度が高いとされている.今回筆者らは,京都府立医科大学眼科(以下,当科)における脂腺癌34例について,臨床像および組織学的所見について,欧米人における脂腺癌の報告と比較検討し,日本人における脂腺癌の特徴について若干の知見を得たので報告する.〔別刷請求先〕中山智佳:〒602-8566京都市上京区梶井町465京都府立医科大学大学院視覚機能再生外科学Reprintrequests:TomokaNakayama,DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,465Kajii-cho,Kamigyo-ku,Kyoto602-8566,JAPAN0910-1810/13/\100/頁/JCOPY(91)1739 I対象および方法対象は,2004年1月から2012年7月までの約8年半の間に,当科において切除・再建術を施行した眼瞼脂腺癌34症例である.これらの症例について,年齢,性別,部位,腫瘍の横径,腫瘍の臨床像,病理組織学的所見,再発・転移の有無,生存率について検討した.再発・転移の有無,生存率については,経過観察期間が1年以下と短期間のものも含まれているため,1年以上のものに対象症例を絞り,22症例で検討した.腫瘍の横径は初診時に測定し,他院での生検または切除術施行症例に関しては,それらの術前の画像を入手し測定した.腫瘍の臨床像については,腫瘍の横径測定と同様に初診時または術前画像から判定し,結節性病変を有する腫瘍をnodulartype,そのなかでも境界明瞭な腫瘍をnodularclearmargintype,境界不明瞭な腫瘍をnodularunclearmargintypeに分類し,眼瞼内にdiffuseに広がり,結節性病変を有しない腫瘍をdiffusetypeと分類した.病理組織学的所見については,切除術後の腫瘍標本を全例ヘマトキシリン・エオジン染色(H-E染色)にて鏡検し,pagetoidspread(腫瘍細胞の上皮内浸潤)の有無について検討した.II結果1.年齢平均年齢は70.9±11.3歳(44.92歳)であった.2.性別性別は,男性20例,女性14例であった.3.平均観察期間34症例の平均経過観察期間は25.6カ月,最短経過観察期間は1カ月,最長経過観察期間は90カ月であった.経過観察期間が最低1年以上のものに対象症例を絞った22症例の平均経過観察期間は35.9カ月,最短経過観察期間は13カ月,最長経過観察期間は90カ月であった.4.患側と部位症例の患側は右眼16例,左眼18例であった.部位については,上眼瞼22例,下眼瞼12例であった.5.腫瘍の横径腫瘍の横径は,平均9.5mmであり,最大径25mm,最小径3mmであった.6.腫瘍の臨床像(図1)方法の項で述べたように腫瘍の臨床像を分類すると,nodulartypeが32例(94%),そのうちclearmargintypeは23例,unclearmargintypeは9例であった.diffusetypeは2例(6%)のみであった.7.病理組織学的所見(図2)腫瘍細胞の上皮内浸潤を示すpagetoidspreadを認めた症1740あたらしい眼科Vol.30,No.12,2013abc図1脂腺癌の臨床像a:Nodularclearmargintype.病変の境界は明瞭である.b:Nodularunclearmargintype.病変は瞼結膜から眼瞼皮膚まで浸潤し,境界は不明瞭である.c:Diffusetype.病変は眼瞼皮膚全体にびまん性に広がり,結節性病変は認めない.結膜炎様の所見を呈する.例は7例(21%)であった.眼瞼皮膚の表皮内浸潤を呈したのが1例,結膜上皮内への浸潤を呈した症例が5例,眼瞼皮膚と結膜の両方にpagetoidspreadを認めた症例が1例であった.8.再発,転移の有無経過観察期間が最低1年以上のものに対象症例を絞った22例のうち,局所再発は4例(18%)に認められ,転移は3例(14%)に認めた.転移した症例の腫瘍横径は7mm,10(92) 図2脂腺癌の病理組織像(H.E染色)上:Pagetoidspreadの症例.眼瞼皮膚の表皮内に腫瘍細胞が浸潤している.下:Pagetoidspreadを認めない症例.空胞を伴う淡明な胞体を有し,胞巣状構造を呈している.mm,14mmであった.7mmの症例は前医で切除後,半年で再発し,当科で切除・再建術を施行した14カ月後に耳前リンパ節転移を認めた.また,10mmの症例は初診時に耳前リンパ節へすでに転移していた.14mmの症例は切除・再建術後24カ月後に耳前リンパ節および深部頸部リンパ節転移を認めた.9.生存率生存率は100%であった.しかし,平均経過観察期間が最低1年以上のものに対象症例を絞っても経過観察期間は35.9カ月であり,転移した症例も3例認めることから,今後の経過観察により生存率は減少する可能性もある.III考按脂腺癌は,眼瞼悪性腫瘍のなかでは再発や遠隔転移が多く,悪性度が高いとされている.霰粒腫と誤診され診断が遅れたり,局所切除のみ施行し再発を繰り返したりすることがあるのも事実である.Shieldsらは,脂腺癌の生存率は,平均22カ月の観察期間で94%の生存率と報告している2).しかし,過去の報告には,5年生存率が79%程度であるとするものもある11).BoniukとZimmermanらは脂腺癌88例の5年生存率は70%と報告し12),Niらは脂腺癌82例の4年生存率は71%と報告している13).最近の報告では,Songらは31例の5年生存率は93.5%と報告しており14),早期診断と早期完全切除術を行えば生存率が上昇することを示している.また,わが国における5年生存率の文献上の報告は筆者らの知る限りなかった.一方,今回の当科における検討では,平均経過観察期間35.9カ月で生存率は100%であったが,22例中3例に耳前リンパ節転移,うち1例では深部頸部リンパ節転移を認めており,今後の経過観察により生存率は減少する可能性もある.今回,筆者らは腫瘍の臨床像を結節性の腫瘤を呈するnodulartypeと,びまん性に眼瞼肥厚を示し,眼瞼結膜炎,眼瞼炎様の所見を呈するdiffusetypeとに分類した結果,34例のうち2例のみがdiffusetypeであった.わが国における過去の文献には,脂腺癌13例中1例(8%)がdiffusetypeであったと報告されている15).上眼瞼に明瞭な結節形成があるにもかかわらず,他の結膜部分は充血と濾胞がみられあたかも結膜炎様を呈しており,組織学的にはpagetoidspreadを認めていたと報告されている.しかし,Shieldsらによる脂腺癌60例のうち95%がCaucasianの報告2)では,nodulartype26例(43%),diffusetype34例(57%)とdiffusetypeの割合が高く,さらに28例(47%)にpagetoidspreadを認め,筆者らの報告とは大きな差がみられた(表1).また,わが国の報告にも,脂腺癌30例中pagetoidspreadが18例(60%)に認められたとする文献もみられる16).脂腺癌の組織学的診断は,症例数が少ないこと,また腫瘍細胞が未分化増殖細胞で,脂腺に分化している所見であると判断するのが困難であり,基底細胞癌や扁平上皮癌と誤って診断してしまうことがあるため,組織学的診断が確実に施行されているわけではないとされている.筆者らは,日本人における脂腺癌の特徴として,Caucasianと比較して結節性の腫瘤を呈する腫瘍が圧倒的に多く,pagetoidspreadをきたす頻度も少ないと考えたが,組織学的診断の精度により異なってくる可能性もあるため,今後更なる検討が必要である.局所再発,転移の割合は,Shieldsらの報告2)では局所再発11例(18%),転移5例(8%)であり,筆者らの報告と同程度であった(表1).腫瘍の臨床像の2つのtypeで再発,(93)あたらしい眼科Vol.30,No.12,20131741 表1Shieldsらの報告(Ophthalmology2004)と当科における症例の比較Caucasian(Shields2004)日本人(当科)年齢72歳(17.90歳)70.9歳(44.92歳)性別男性16例(27%)20例(59%)女性44例(73%)14例(41%)経過観察期間22カ月25.6カ月(1.90カ月)左右右23例(38%)16例(47%)左37例(62%)18例(53%)上下眼瞼上眼瞼45例(75%)22例(65%)下眼瞼13例(22%)12例(35%)臨床像Nodulartype26例(43%)32例(94%)Diffusetype34例(57%)2例(6%)組織学的所見Pagetoidspread有28例(47%)7例(21%)局所再発11例(18%)4例(18%)*転移5例(8%)3例(14%)*臨床像,組織学的所見は両者で差を認めるが,局所再発,転移率はほぼ同程度である.*1年以上経過観察可能であった22例での結果.転移の割合に差はなかったとしている.わが国における過去の報告では,宮村らは局所再発が47.8%,同側頸部リンパ節転移が21.7%であったとしている5).田村らは10%に局所再発または転移を認め,腫瘍の大きさが予後に強く関与していると報告している17).後藤らは海外における近年の報告をまとめ,5年以内の局所再発率は6.36%,転移率は8.25%,転移部位は耳前,耳下腺,顎下,頸部の所属リンパ節が最多で,ついで肝,肺,脳,骨の順に転移が多く,腫瘍関連死亡率が以前は24.33%であったが,最近は9.15%以下と改善されてきているとしている6).また,欧米での最近の報告では,リンパ節転移が18%に及ぶとされ,腫瘍径が10mm以上のものに多い傾向があるとされている11).本検討症例の平均腫瘍横径は9.5mm,転移は3例(14%)であったが,転移の割合については,早期に診断可能であったかどうかで大きく異なると考えられるため,日本人における脂腺癌の転移について論じるためには,さらに多症例での長期の検討が必要であると考えられる.今回の検討により,日本人の脂腺癌は,欧米人と比較して,眼瞼悪性腫瘍のなかでの頻度が高く,臨床像が大きく異なり,組織学的所見の特徴も異なることがわかった.これらの違いが人種による遺伝子差,または解剖学的差異によるものかどうか,今後検討する余地があると考えられた.IV結語京都府立医科大学眼科で経験した脂腺癌34例について検討した.腫瘍の臨床像と病理組織学的所見について,欧米人と比較して結節性病変を有する腫瘍が圧倒的に多く,pagetoidspreadをきたす腫瘍が少ないことがわかった.しかし,局所再発,転移の割合は欧米人の報告と差がなく,脂腺癌に対しては早期の診断・治療が最も重要である.文献1)ShieldsJA,DemirciH,MarrBPetal:Sebaceouscarcinomaoftheocularregion:areview.SurvOphthalmol50:103-122,20052)ShieldsJA,DemirciH,MarrBPetal:Sebaceouscarcinomaoftheeyelids:personalexperiencewith60cases.Ophthalmology111:2151-2157,20043)ZurcherM,HintschichCR,GarnerAetal:Sebaceouscarcinomaoftheeyelid:aclinicopathologicalstudy.BrJOphthalmol82:1049-1055,19984)HusainA,BlumenscheinG,EsmaeliB:Treatmentandoutcomesformetastaticsebaceouscellcarcinomaoftheeyelid.IntJDermatol47:276-279,20085)宮村紀毅,三島一晃,田代順子ほか:脂腺癌の9例.眼臨87:971-975,19936)後藤豊,高村浩,山下英俊ほか:再発を繰り返した眼瞼脂腺癌の1例.あたらしい眼科23:807-811,20067)TakamuraH,YamashitaH:ClinicopathologicalanalysisofmalignanteyelidtumorcasesatYamagataUniversityHospital:StatisticalcomparisonoftumorincidenceinJapanandinothercountries.JpnJOphthalmol49:349354,20058)川名聖美,後藤浩,森秀樹ほか:眼瞼悪性腫瘍60例の臨床的検討.眼科手術16:407-410,20039)小幡博人,青木由紀,久保田俊介ほか:眼瞼・結膜の良性1742あたらしい眼科Vol.30,No.12,2013(94) 腫瘍と悪性腫瘍の発生頻度.日眼会誌109:573-579,200510)杉本聡子,高見淳也,林暢紹ほか:高知大学医学部眼科における過去10年間の眼瞼悪性腫瘍の検討.眼紀56:817-820,200511)EsmaeliB,NasserQJ,CruzHetal:AmericanJointCommitteeonCancerTcategoryforeyelidsebaceouscarcinomacorrelateswithnodalmetastasisandsurvival.Ophthalmology119:1078-1082,201212)BoniukM,ZimmermanLE:Sebaceouscarcinomaoftheeyelid,eyebrow,caruncle,andorbit.TransAmAcadOphthalmolOtolaryngol72:619-642,196813)NiC,SearlSS,KuoPKetal:Sebaceouscellcarcinomasoftheocularadnexa.IntOphthalmolClin22(Spring):23-61,198214)SongA,CarterKD,SyedNAetal:Sebaceouscellcarcinomaoftheocularadnexa:clinicalpresentations,histopathology,andoutcomes.OphthalPlastReconstrSurg24:194-200,200815)河野宗浩,西條正城,佐藤嘉男:眼瞼癌19例の検討.眼臨84:1439-1442,199016)IzumiM,MukaiK,NagaiTetal:Sebaceouscarcinomaoftheeyelids:ThirtycasesfromJapan.PatholInt58:483-488,200817)田村千恵,小島孚允,石井清:眼瞼脂腺癌20例の治療成績.臨眼56:475-478,2002***(95)あたらしい眼科Vol.30,No.12,20131743