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琉球大学病院における小児外傷性黄斑円孔の臨床転帰

2023年9月30日 土曜日

《原著》あたらしい眼科40(9):1244.1248,2023c琉球大学病院における小児外傷性黄斑円孔の臨床転帰愛知高明今永直也北村優佳山内遵秀古泉英貴琉球大学大学院医学研究科医学専攻眼科学講座CClinicalOutcomesofPediatricTraumaticMacularHoleCasesSeenattheUniversityoftheRyukyusHospitalTakaakiAichi,NaoyaImanaga,YukaKitamura,YukihideYamauchiandHidekiKoizumiCDepartmentofOphthalmology,GraduateSchoolofMedicine,UniversityoftheRyukyusC目的:琉球大学病院における小児外傷性黄斑円孔の臨床転帰を報告する.対象および方法:対象はC2000.2020年に当科を受診したC18歳以下の外傷性黄斑円孔C17例C17眼(男性C16例,女性C1例,平均年齢C12.5±3.1歳).初診時視力,最終視力,光干渉断層計(OCT)による黄斑円孔の形態を後ろ向きに検討した.結果:自然閉鎖例がC7眼,硝子体手術症例がC10眼で,最終的に全例で円孔閉鎖した.平均ClogMAR視力は初診時C1.06±0.30から最終受診時C0.33±0.33と有意に改善した(p<0.01).初診時からC1カ月時点で最小円孔径や円孔底径が有意に縮小している症例では経過観察が選択されていた(291.6Cμmvs.83.6Cμm,p<0.05,449.1CμmCvs.189.3Cμm,p<0.05).一方,手術症例は初診時から1カ月時点で最小円孔径が有意に拡大していた(363.6CμmCvs.552.9Cμm,p<0.05).結論:円孔径が縮小している症例には経過観察が選択され,縮小を認めない症例には手術が選択されていた.最終的に全例で円孔閉鎖し,視力の改善が得られていた.CPurpose:Toreporttheclinicaloutcomesofpediatrictraumaticmacularhole(MH)casesseenattheUniver-sityCofCtheCRyukyusCHospital.CSubjectsandMethods:ThisCretrospectiveCobservationalCcaseCseriesCstudyCinvolvedC17eyesof17traumaticMHcases(16malesand1female,18yearsoldoryounger[meanage:12.5±3.1years])CseenCbetweenC2000CandC2020.CInCallCcases,Cbest-correctedCvisualacuity(BCVA)atCbothCinitialCandC.nalCvisitCandCopticalCcoherenceCtomographyC.ndingsCwereCevaluated.CResults:InCallC17Ceyes,CtheCMHclosed(spontaneousCclo-sure:n=7eyes;closureCpostCvitrectomysurgery:n=10eyes).CMeanBCVA(logMAR)signi.cantlyCimprovedCfrom1.06±0.30atbaselineto0.33±0.33at.nalfollow-up(p<0.01).Inthe7spontaneousMHclosurecases,themeanCMHCminimumCdiameterCandCtheCmeanCMHCbasalCdiameter,Crespectively,CatC1CmonthCwasCsigni.cantlyCdecreasedcomparedwiththoseattheinitialvisit(p<0.05).Inthe10eyesthatunderwentsurgery,themeanMHminimumdiameterat1monthwassigni.cantlyincreasedcomparedwiththatattheinitialvisit(p<0.05).Conclu-sions:InpediatrictraumaticMHcases,theeyeswithdecreasingMHdiametersat1monthaftertheinitialvisittendedCtoChaveCspontaneousCMHCclosure,CwhileCthoseCwithCincreasingCMHCdiametersCtendedCtoCrequireCsurgicalCtreatment.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)40(9):1244.1248,C2023〕Keywords:外傷性黄斑円孔,小児,硝子体手術,光干渉断層計,黄斑円孔径.traumaticmacularhole,pediatric,parsplanavitrectomy,opticalcoherencetomography,macularholediameter.Cはじめに外傷性黄斑円孔は,眼外傷によって黄斑に網膜全層または分層円孔を生じたものである1).特発性黄斑円孔はC60歳以上の女性に多くみられるが,外傷性黄斑円孔は若年者に多く発症し,小児での発症報告も少なくない2,3).小児の外傷性黄斑円孔は成人と同様に,自然閉鎖が認められる場合があり,かつ小児は成人よりも自然閉鎖率が高く1),硝子体手術のリスクが高いため,受傷後しばらくは経過観察されることが多い.一方で,過去の報告では受傷から硝子体手術までの期間が長かった症例は,早期に手術を受けた症例よりも円孔〔別刷請求先〕愛知高明:〒903-0215沖縄県中頭郡西原町字上原C207琉球大学大学院医学研究科医学専攻眼科学講座Reprintrequests:TakaakiAichi,DepartmentofOphthalmology,GraduateSchoolofMedicine,UniversityoftheRyukyus,207Uehara,Nishihara-cho,Nakagami-gun,Okinawa903-0215,JAPANC1244(122)が閉鎖しにくい可能性が指摘されており4),過度の経過観察は恒久的な視機能低下につながる可能性がある.このように,現状では小児の外傷性黄斑円孔の手術時期については適切な手術時期は定まっていない3).また,視力予後についても網膜.離の合併,網膜震盪,脈絡膜破裂,網膜色素上皮の損傷,経過中の網膜下脈絡膜新生血管や線維化など,外傷による網膜の損傷を合併するため,機能的な予後は不明なことが多いことが示唆されている1).今回筆者らは,琉球大学病院(以下,当院)を受診した小児の外傷性黄斑円孔患者における,視力予後と円孔閉鎖にかかわる因子に関して,文献的考察を加え検討したので報告する.CI対象および方法2000.2020年の間に当院において外傷性黄斑円孔と診断され,6カ月以上経過観察可能であったC18歳以下の患者(17例C17眼)を対象とした.対象症例の受傷機転,自然閉鎖あるいは手術までの日数,初診時視力,最終視力,光干渉断層計(opticalCcoherencetomography:OCT)による黄斑円孔の形態(最小円孔径と円孔底径)について,診療録をもとに後ろ向きに検討した.自然閉鎖例および手術を要した代表症例のCOCT経過を,それぞれ図1,2に示す.本検討はヘルシンキ宣言に則り行い,琉球大学の人を対象とする医学系倫理審査委員会によって承認された.後ろ向き研究のため,研究内容を琉球大学のホームページに掲載し,オプトアウトの機会を提供した.図116歳,男性:ペットボトルで受傷a:初診時のCOCT.最小円孔径はC512Cμm,円孔底径はC522Cμmであった.Cb:初診時からC1カ月後のCOCT.最小円孔径はC192μm,円孔底径はC288Cμmで縮小傾向を認めた.Cc:最終受診時のOCT.受傷C58日後に黄斑円孔は閉鎖したが,網膜萎縮,脈絡膜損傷のため,最終視力は(0.6)であった.図213歳,男性:野球ボールで受傷a:初診時のCOCT.最小円孔径はC362Cμm,円孔底径はC1,580Cμmであった.Cb:初診時からC1カ月後のCOCT.最小円孔径はC551Cμm,円孔底径はC1,080Cμmと拡大傾向を認め,受傷C43日後に硝子体手術を施行し,黄斑部耳側の内境界膜を半周.離し円孔上に被覆した.Cc:術後C1カ月時点でのCOCT.円孔は閉鎖せず,受傷後C78日に再手術を施行し,鼻側の内境界膜を被覆した.Cd:最終受診時のCOCT.術後,黄斑円孔は閉鎖し,最終視力は(0.6)であった.表1全症例の臨床的特徴と転機初診時最終受傷から自受傷から初診時初診時症例年齢性別受傷原因経過然閉鎖まで手術まで最小円孔径円孔底径合併症視力視力の日数の日数(μm)(μm)1C7男野球バットC0.1C1.2経過観察C8C128C408C2C16男ペットボトルC0.04C0.6経過観察C58C512C522網膜振盪/網膜下出血/脈絡膜破裂3C18男交通外傷C0.06C0.2経過観察C38C232C417網膜振盪4C12男サッカーボールC0.2C0.6経過観察C42C247C480網膜振盪5C11男サッカーボールC0.2C0.9経過観察C29C316C480C6C12男野球バットC0.15C0.9経過観察C59C190C246網膜振盪7C11男野球ボールC0.05C0.4経過観察C32C416C991C8C14男野球ボールC0.15C0.3硝子体手術C99C316C917網膜下出血/脈絡膜破裂9C16男野球ボールC0.15C0.8硝子体手術C50C0C1,044脈絡膜破裂10C13男野球ボールC0.1C0.5硝子体手術C94C328C1,153C11C14男サッカーボールC0.03C0.2硝子体手術C106C530C980網膜振盪12C13男野球ボールC0.03C0.6硝子体手術C43C221C4,262網膜振盪/網膜下出血/脈絡膜破裂13C14男野球ボールC0.1C0.7硝子体手術C116C480C993網膜振盪14C14男野球ボールC0.15C0.5硝子体手術C120C664C1,762網膜振盪15C14男野球ボールC0.2C0.6硝子体手術C132C362C1,580網膜振盪/網膜下出血/再手術16C9女野球ボールC0.03C0.6硝子体手術C98C410C1,125C17C5男テニスボールC0.08C0.05硝子体手術C120C325C1,540網膜振盪/脈絡膜破裂II結果全症例の特徴と転機を表1に示す.性別は男性C16例,女性C1例,平均年齢はC12.5C±3.1歳(5.18歳)であった.受傷原因の内訳は野球ボールがC9例,サッカーボールがC3例,野球バットがC2例,テニスボールがC1例とスポーツに関する外傷がC83.3%であった.全症例のうち,円孔が自然閉鎖した症例がC7例で,受傷から円孔閉鎖までの平均期間はC43.0C±27.1日,硝子体手術を施行した症例はC10例で,受傷から手術までの平均期間はC97.8C±31.3日であった.手術後C1例は円孔閉鎖が得られず,再手術により円孔閉鎖し,最終的には全例が円孔閉鎖した.全例における初診時の平均ClogMAR視力はC1.07C±0.06で,円孔閉鎖後の平均ClogMAR視力はC0.33C±0.33と有意に改善した(p<0.01).自然閉鎖群の初診時平均ClogMAR視力はC1.02±0.29,円孔閉鎖後の平均ClogMAR視力はC0.22C±0.26,手術群の初診時平均ClogMAR視力はC1.08C±0.32,円孔閉鎖後の平均ClogMAR視力はC0.40C±0.36であり,両群間で初診時および円孔閉鎖後の視力において有意差はなかった.OCTで測定した最小黄斑円孔径および黄斑円孔底径は,自然閉鎖群では初診時の最小黄斑円孔径はC291.6C±133.7μm,黄斑円孔底径はC449.1C±109.0Cμm.手術群では初診時の最小黄斑円孔径はC363.6C±179.9Cμm,黄斑円孔底径は1,535.6±1,001.6Cμmであり,最小黄斑円孔径では有意差はなかったが,黄斑円孔底径は手術群で有意に大きかった(p<0.01).受傷後C2週間では,自然閉鎖群および手術群ともに,最小黄斑円孔径や黄斑円孔底径の有意な変化は認めなかった.受傷後C1カ月時点で,自然閉鎖群は最小黄斑円孔径C83.6±81.8Cμm,黄斑円孔底径C189.3C±131.8Cμmであり,有意に円孔径は縮小傾向であった(p<0.05)が,手術群では最小黄斑円孔径C552.9C±153.8μm,黄斑円孔底径C1,188.4C±675.0Cμmであり,最小黄斑円孔径が有意に拡大していた(p<0.05).自然閉鎖群と手術群それぞれの最小黄斑円孔径と黄斑円孔底径の経過を図3に示す.CIII考按外傷性黄斑円孔は眼球前方からの瞬間的な外力で眼球が圧排され,黄斑を含む網膜全体が遠心方向に牽引されることで生じると考えられている5).外力による黄斑部の進展によって生じるため,後部硝子体.離が生じていない若年者では,黄斑部網膜に接着した硝子体皮質が黄斑部と一緒に遠心方向に牽引され,外傷性黄斑円孔が生じやすい2,5).また,自然閉鎖の報告も多数あり,どの程度経過観察を行い硝子体手術に踏み切るかは,術者や施設に委ねられているのが現状である.成人を含めた外傷性黄斑円孔の自然閉鎖率は,既報ではabμmp<0.05μmp<0.056001,2005001,00040080030060020040010020000初診時2週4週8週初診時2週4週8週症例1症例2症例3症例4症例1症例2症例3症例4症例5症例6症例7症例5症例6症例7cμmp<0.05dμm9008007006005004003002001004,5004,0003,5003,0002,5002,0001,5001,0005000初診時2週4週8週0初診時2週4週8週症例8症例9症例10症例11症例12症例8症例9症例10症例11症例12症例13症例14症例15症例16症例17症例13症例14症例15症例16症例17図3自然閉鎖群と硝子体手術群の最小黄斑円孔径と黄斑円孔底径の経過a:自然閉鎖群の最小黄斑円孔径.初診時からC4週で有意に円孔が縮小した.Cb:自然閉鎖群の黄斑円孔底径.初診時からC4週で有意に円孔が縮小した.Cc:硝子体手術群の最小黄斑円孔径.初診時からC4週で有意に円孔が拡大した.Cd:硝子体手術群の黄斑円孔底径.円孔径に有意な変化はなかった.25.0.66.7%2,3,6,7)とかなりばらつきがあるが,小児の外傷性黄斑円孔ではC34.5.50%2,4,6,8)であり,成人とほぼ同等の自然閉鎖率である.筆者らの検討でも,41.2%の症例で自然閉鎖しており,既報と同等の結果であった.受傷から閉鎖までの期間は,既報ではC39.63日程度2,4)であり,本検討でも自然閉鎖群は平均C43日で円孔閉鎖を得られており,自然閉鎖はC2カ月前後に得られることが多い.一方,小児例においては,手術時に全身麻酔を必要とし,人工的な後部硝子体.離作製や水晶体温存での手術など,成人と比較し手術難度が高いことが問題となる.小児の外傷性黄斑円孔では自然閉鎖例が存在する以上,経過観察による円孔閉鎖を期待したくなるが,Millerら4)は受傷後C3カ月を超えた症例は硝子体手術の閉鎖率が低下することを報告している.また,過度の経過観察が弱視を惹起し,恒久的な視機能低下リスクになることが指摘されており2,8),受傷後C2.3カ月時点で円孔閉鎖が得られない場合は,小児であっても硝子体手術に踏み切る必要がある.小児外傷性黄斑円孔における硝子体手術は,成人に対する特発性黄斑円孔と同様に,円孔周囲の内境界膜.離を併用した硝子体手術が標準的な術式である.成人の外傷性黄斑円孔の閉鎖率は初回手術でC90%以上を達成した報告が多いが9,10),以前は小児外傷性黄斑円孔に対する硝子体手術は,後部硝子体と内境界膜の癒着が成人と比べて強く11),完全な後部硝子体.離を人工的に作製することは困難であり,網膜損傷,視野障害,硝子体出血が生じやすく,年齢が若い患者ほど手術成績が悪いことが指摘されていた5).しかし,近年では,Liuら2)は受傷後平均C13日の手術で,初回手術による閉鎖率はC14/18眼(77.8%),最終的に全例の円孔閉鎖を達成しており,Brennanら8)は受傷後平均C147日で内境界膜.離を併用した硝子体手術を施行し,初回閉鎖率C12/13眼(92.3%)を達成した.本検討でも内境界膜.離を併用した硝子体手術により,初回円孔閉鎖率はC9/10眼(90%),最終円孔閉鎖率はC100%であった.近年は黄斑円孔手術において,巨大円孔や陳旧性黄斑円孔のような難治性の黄斑円孔に,内境界膜翻転を併用した硝子体手術が考案され,円孔閉鎖率の大幅な改善がみられている12).本検討でも難治性症例では内境界膜翻転を併用していた.他にプラスミン併用硝子体手術13)やCbloodCcoating2)などの報告もあり,小児における外傷性黄斑円孔の治療成績も向上している.このことからも自然閉鎖の見込みが低いと考えられる場合は,積極的な硝子体手術を行い円孔の閉鎖を試みる価値があると思われる.一方で,どのような患者が黄斑円孔の自然閉鎖となるかは議論の余地がある.Chenら3)は初診時の円孔径が小さいこと,網膜内.胞がない症例は自然閉鎖する可能性が高いことを報告しているが,Liuら2)は円孔径がC400Cμm以上の症例でも,縮小傾向なら自然閉鎖の可能性があると指摘している.Millerら5)は同様に円孔径が縮小傾向なら自然閉鎖率が高いことを報告しており,初診時の円孔径は自然閉鎖とは関連しないと結論している.筆者らの検討では,初診時の時点では,最小円孔径は自然閉鎖群と手術群で有意差はなかったが,自然閉鎖群は初診時と比べて受診からC1カ月時点での最小黄斑円孔径や黄斑円孔底径が有意に縮小しており,逆に手術群では初診時と比べて受診からC1カ月時点での最小黄斑円孔径が有意に拡大していた.このことは,LiuやCMillerらの指摘と合致する.しかし,初診時と受診からC2週間時点での円孔径では,自然閉鎖群も手術群も円孔径は有意差がなかった点からは,少なくともC1カ月以上の経過観察が妥当と考えられる.しかし,受傷からC1カ月時点で黄斑円孔径が拡大傾向にあるのであれば,手術のリスクとベネフィットや患者の希望を考慮したうえで,手術時期を検討すべきであろう.今回の検討では,視力予後については自然閉鎖群と手術群で有意差はなく,どちらの群も初診時と比べて視力は改善しており,手術群でもC7/10眼(70.0%)で最終小数視力(0.6)以上を達成していた.過去の報告においても手術を要した症例でも術後は初診時より視力が改善し2,4,6,8),自然閉鎖群と視力予後は差がなかった2,6)ことが報告されている.Azevedoら14)は小児外傷性黄斑円孔の視力予後において,早期硝子体手術は安全で効果的な選択であり,手術のリスク/ベネフィット比は経過観察よりも優れていることを指摘した.一方で,外傷性黄斑円孔においては,外傷によるCellipsoidzoneや脈絡膜の損傷,網膜震盪や網膜.離の合併が,視力不良と関連することが知られており2,5),筆者らの検討でも最終小数視力が(0.3)以下の症例は,全例で網膜震盪や脈絡膜損傷を合併していた.解剖学的な黄斑円孔閉鎖が得られたとしても視力不良の患者が存在することは念頭に置くべきである.今回,当院における若年者外傷性黄斑円孔の臨床転帰を呈示した.成人の外傷性黄斑円孔と同じく,小児でも硝子体手術による黄斑円孔閉鎖によりある程度良好な視力が得られる可能性がある.自然閉鎖例もあり手術時期の判断はむずかしいが,硝子体手術による円孔閉鎖で視機能維持が期待できる場合も多数あるため,OCTによる黄斑円孔の形状変化を見逃さず,円孔の拡大があれば硝子体手術に踏み切る必要がある.文献1)Budo.CG,CBhagatCN,CZarbinMA:TraumaticCmacularhole:diagnosis,CnaturalChistory,CandCmanagement.CJCOph-thalmol2019;2019:58378322)LiuCJ,CPengCJ,CZhangCQCetal:Etiologies,Ccharacteristics,Candmanagementofpediatricmacularhole.AmJOphthal-molC210:174-183,C20203)ChenH,ChenW,ZhengKetal:Predictionofspontane-ousCclosureCofCtraumaticCmacularCholeCwithCspectralCdomainCopticalCcoherenceCtomography.CSciCRepC5:12343,C20154)MillerJB,YonekawaY,EliottDetal:Long-termfollow-upCandCoutcomesCinCtraumaticCmacularCholes.CAmCJCOph-thalmolC160:1255-1258Ce1,C20155)MillerJB,YonekawaY,EliottDetal:Areviewoftrau-maticmacularhole:diagnosisandtreatment.IntOphthal-molClinC53:59-67,C20136)YamashitaCT,CUemaraCA,CUchinoCECetal:SpontaneousCclosureCofCtraumaticCmacularChole.CAmCJCOphthalmolC133:230-235,C20027)ChenCHJ,CJinCY,CShenCLJCetal:TraumaticCmacularCholestudy:amulticentercomparativestudybetweenimmedi-ateCvitrectomyCandCsix-monthCobservationCforCspontane-ousclosure.AnnTranslMedC7:726,C20198)BrennanCN,CReekieCI,CKhawajaCAPCetal:Vitrectomy,CinnerClimitingCmembraneCpeel,CandCgasCtamponadeCinCtheCmanagementCofCtraumaticCpaediatricCmacularholes:aCcaseseriesof13patients.OphthalmologicaC238:119-123,C20179)KuhnF,MorrisR,MesterVetal:Internallimitingmem-braneCremovalCforCtraumaticCmacularCholes.COphthalmicCSurgLasersC32:308-315,C200110)BorC’iCA,CAl-AswadCMA,CSaadCAACetal:ParsCplanaCvit-rectomywithinternallimitingmembranepeelingintrau-maticmacularhole:14%p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