0.002%オミデネパグイソプロピル点眼液(エイベリス)の短期眼圧下降効果と安全性の検討清水美穂*1池田陽子*2,3森和彦*3今泉寛子*1吉井健悟*4上野盛夫*3,4木下茂*5外園千恵*3*1市立札幌病院眼科*2御池眼科池田クリニック*3京都府立医科大学眼科学教室*4京都府立医科大学生命基礎数理学*5京都府立医科大学感覚器未来医療学EvaluationoftheSafetyandE.cacyofShort-TermTreatmentwith0.002%OmidenepagIsopropylOphthalmicSolutionMihoShimizu1),YokoIkeda2,3),KazuhikoMori3),HirokoImaizumi1),KengoYoshii4),MorioUeno3,4),ShigeruKinoshita5)andChieSotozono3)1)DepartmentofOphthalmology,SapporoCityGeneralHospital,2)Oike-IkedaEyeClinic,3)DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,4)DepartmentofGenomicMathematicsandStatisticsinMedicalSciences,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,5)DepartmentofFrontierMedicalScienceandTechnologyforOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicineC0.002%オミデネパグイソプロピル点眼液(エイベリス)の短期眼圧下降効果と安全性について検討した.対象は市立札幌病院と御池眼科池田クリニック通院中でエイベリスを投与した両眼有水晶体眼の広義原発開放隅角緑内障(POAG)患者C32例C32眼.エイベリスの新規投与例を新規群,追加投与例を追加群,他剤からの切替え投与例を切替え群とし,投与前,1カ月後の眼圧と安全性を検討した.眼圧はC1カ月以内に中止した症例を除き,追加群C11例,切替え群C17例で検討,結果は追加群/切替え群で,投与前C14.6±4.3CmmHg/14.4±2.3mmHg,1カ月後C12.4±3.5CmmHg/C12.9±2.2CmmHgと両群とも有意に眼圧が下降した.安全性は全例で検討,中心角膜厚は平均C12.1±8.9Cμmと有意に肥厚,.胞様黄斑浮腫は認めず,充血がC14例に出現したが点眼継続,3例(球結膜充血,頭痛,かすみ各C1例)で投与を中止した.CPurpose:Toevaluatethesafetyande.cacyofshort-termomidenepagisopropylophthalmicsolution0.002%(EYBELIS)eye-dropCinstillationCforCtheCreductionCofCintraocularpressure(IOP)inCJapaneseCprimaryCopen-angleglaucoma(POAG)patients.Methods:Thisstudyinvolved32eyesof32JapanesePOAGpatientswhowerenewlyadministeredEYBELISeye-dropmedicationforthereductionofIOP.The32patientsweredividedintothefollow-ing2groups:.rstadministration/additionaldruggroup,andswitchinggroup.IOPatpretreatmentinitiationandatC1-monthCpostCinitiation,CasCwellCasCadverseCevents,CwereCexaminedCandCcomparedCbetweenCtheC2Cgroups.CResults:IOPCsigni.cantlyCdecreasedCfromC14.6±4.3/14.4±2.3CmmHgCtoC12.4±3.5/12.9±2.2CmmHgCatC1-monthCposttreatmentinitiationinboththeadditionalgroup(.rstadministration/additionaldrug)andtheswitchinggroup(p=0.024andp=0.020,respectively,Wilcoxonsigned-ranksumtest),andthemeancentralcornealthicknesswassigni.cantlythickened(mean:12.1±8.9Cμm).Conclusion:EYBELISCwasCfoundCsafeCandCe.ectiveCforCIOPCreduc-tionCinCallCPOAGCpatients,CandCnoCcysticCmacularCedemaCwasCobserved,CyetCadministrationCwasCdiscontinuedCinC1Cpatientduetocornealhaze.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)37(8):1008.1013,C2020〕Keywords:0.002%オミデネパグイソプロピル,眼圧下降効果,角膜厚,副作用,結膜充血.0.002%ComidenepagCisopropyl,IOPreductione.ect,cornealthickness,sidee.ect,conjunctivalinjection.C〔別刷請求先〕清水美穂:〒060-8604北海道札幌市中央区北C11条西C13-1-1市立札幌病院眼科Reprintrequests:MihoShimizu,M.D.,DepartmentofOphthalmology,SapporoCityGeneralHospital,1-1Nishi13-Chome,Kita11-Jo,Chuo-Ku,Sapporo,Hokkaido060-8604,JAPANC1008(108)はじめにオミデネパグイソプロピル(以下,OMDI)は,2018年C9月に世界で初めて,プロスタノイド受容体CEP2作動薬として日本で開発され,緑内障,高眼圧症治療薬の製造販売承認を取得した点眼液である1).その作用機序は,EP2受容体を介した平滑筋弛緩作用により,おもにぶどう膜強膜流出路から,さらには線維柱帯流出路からの房水排出促進作用により眼圧を下降させ,1日C1回点眼でラタノプロストに非劣性の優れた眼圧下降効果を有するとされている1,2).今回筆者らは,0.002%COMDI点眼液(エイベリス,参天製薬)の短期眼圧下降効果と安全性についてレトロスペクティブに検討したので報告する.CI対象および方法対象は,市立札幌病院と御池眼科池田クリニックに通院中の広義原発開放隅角緑内障(primaryCopenCangleCglauco-ma:POAG)患者のうちエイベリスを処方した両眼有水晶体患者C32例(男性C7例,女性C25例,平均年齢C64.4C±11.7歳)である.エイベリス新規投与を新規群,追加投与を追加群,1剤からの切り替えまたは配合薬からの切替え投与を切替え群とし,投与前,1カ月後の眼圧および角膜厚を比較した.エイベリス片眼投与の場合はその投与眼を,両眼の場合は右眼のデータを選択した.投与をC1カ月以内に中止した症例は眼圧の解析から除外し,投与C1カ月時点での安全性の解析は全症例で行った.投与前の眼圧下降薬については,合剤は2,内服はC1錠をC1として点眼数をスコア化した.眼圧および角膜厚の変化を解析した.病型別内訳は狭義CPOAG9例(男性4例,女性C5例),正常眼圧緑内障(NTG)19例(男性C3例,女性C16例)であった.眼圧は,各施設とも同一験者がCGold-mann圧平眼圧計で測定し,黄斑の評価は光干渉断層計(OCT)を用いた.測定機器はCOCT,角膜厚の順に,御池眼科池田クリニックはCRS-3000Advance(ニデック製),EM-3000(トーメーコーポレーション製),市立札幌病院はスペクトラリス(ハイデルベルグ製),CEM-530(ニデック製)を使用した.統計分析は,Wilcoxonの符号付き順位検定を用い,統計的有意水準は5%とした.今回はノンレスポンダー(non-responder:NR)の定義についてCIkedaら3)の眼圧下降率(intraocularpressurereduc-tionrate;IOP-RR)を採用し,10%以下をCNRとした.CII結果対象の背景は,表1に示すように,男女比はC1:3で女性が多く,平均年齢はC64.4C±11.7歳だった.病型別では,狭義POAG11例(男性C4例,女性C7例),正常眼圧緑内障(normal表1a対象の内訳全症例その内⇒C1カ月後眼圧測定可能例Cn=32Cn=28C性別(男/女)C7/25C6/22C年齢(平均C±SD)(歳)C64.4±11.7C64.9±11.3C病型狭義CPOAGC12C10性別(男/女)C4/8C3/7CNTGC20C18性別(男/女)C3/17C3/15C表1b1カ月眼圧測定可能例の内訳新規群追加群切替え群n=9n=2n=17性別(男/女)C3/6C0/2C4/13C年齢(平均C±SD)(歳)C60.0±15.0C61.5±4.5C66.9±9.9C病型狭義POAGC2C17性別(男/女)C2/0C0/1C2/5CNTGC7C110性別(男/女)C1/6C0/1C2/8CPOAG:開放隅角緑内障,NTG:正常眼圧緑内障tensionglaucoma:NTG)21例(男性C3例,女性C18例)だった(表1).そのうちC1カ月以内に副作用のため投与を中止したC3例と,投与しなかったC1例を除外したC28例について,追加群C11例(うち新規C9例,追加C2例),切替え群C17例であり,追加群(2例)についての前投薬は,1%ドルゾラミド塩酸塩,2%カルテオロール塩酸塩がそれぞれC1例ずつだった.切替え群の切替え前の点眼は,プロスタグランジン関連薬(以下,PG)11例(64.7%),b遮断薬C2例(11.8%),PG+b配合薬C2例(11.8%),ab遮断薬C1例(5.9%),炭酸脱水酵素阻害薬C1例(5.9%)であった(表2a).眼圧解析の結果は,追加群(新規+追加)の眼圧は,投与前C14.6C±4.3CmmHg,1カ月後C12.4C±3.5CmmHgと有意に下降(p=0.004)し,切替え群は,投与前C14.4C±2.3CmmHg,1カ月後C12.9C±2.2mmHgと有意に下降した(p=0.024)(図1a).切替え群の詳細は表2aのように,PGからの切替えが11例(64.7%)と最多であり,その眼圧は切替え前C14.6C±2.9CmmHgからC1カ月後C13.7C±2.4CmmHgと下降傾向を示すも有意差はなかった(p=0.078)(図1b).PGの内訳は表2bのように,ピマトプロストC45.5%,ラタノプロストC36.4%,タフルプロストC18.2%であり,いずれも切替え前後の眼圧下降に有意差がなかった.b遮断薬からの切替えはC2例(11.8%)で,切替え前後で眼圧に変化はなかった.角膜厚は,全症例で投与前C537.2C±39.3Cμm,1カ月後C545.4C±37.6Cμmで有意に肥厚し(p<0.001),平均変化量C12.1C±8.9Cμm,最大変化量はC33.0Cμmであった(図2a).また,追加群,切替え群に分けての検討では,追加群:投与前C524.1C±38.1Cμm,1カ月後C535.4C±42.8Cμm(p=0.016),切替え群:投与前C544.0C±41.3Cμm,1カ月後C558.8C±30.9Cμm(p=0.004)と,どちら表2a切替え点眼の詳細エイベリスと切り替えC17例中の性別投与前切替え前眼圧切替え後眼圧切替えた点眼薬症例数(%)(男/女)点眼数(mmHg)(mmHg)p値PG11(64.7)C2/9C1C15.2±2.7C13.7±2.4C0.078Cb2(11.8)C0/2C1C14.0±4.2C14.0±4.2C─CPG+b2(11.8)C1/1C2C14.0±4.2C12.0±1.4C─CCAI1(5.9)C0/1C1C10C10C─Cab1(5.9)C1/0C1C11C11C─CPG:プロスタグランジン関連薬,b:b遮断薬,CAI:炭酸脱水酵素阻害薬,ab:ab遮断薬.Wilcoxonの符号順位検定表2bPG関連薬の内訳切替え前眼圧切替え後眼圧PG関連薬内訳症例数性別(男/女)投与前点眼数(mmHg)(mmHg)p値ピマトプロスト5(45.5%)C1/4C3.0±1.4C15.2±2.9C14.0±1.8C0.710Cラタノプロスト4(36.4%)C1/3C2.0±1.5C14.6±1.7C14.3±3.2C0.170Cタフルプロスト2(18.2%)C0/2C2.0±1.4C16.0±4.2C12.0±1.4C1.000CWilcoxonの符号順位検定追加群(n=*11)切替え群(n*=17)PGからの切替え(n=11)眼圧(mmHg)20151050眼圧(mmHg)201510投与前1ヵ月後投与前1ヵ月後投与前1ヵ月後*:Wilcoxonの符号順位検定Wilcoxonの符号順位検定追加群:p=0.004切替え群:p=0.024p=0.078エラーバーは標準偏差を示すエラーバーは標準偏差を示す図1a投与前,1カ月後の眼圧下降効果図1bPGからの切替えでの投与前,1カ月後の眼圧下降効果(1C10)C700650600550700650角膜厚(mm)追加群(n=10)切替え群(n=17)**500角膜厚(mm)角膜厚(mm)600450550500550500400450投与前1ヵ月後450400*:Wilcoxonの符号順位検定400投与前1ヵ月後投与前1ヵ月後1ヵ月後:p<0.001エラーバーは標準偏差を示す*:Wilcoxonの符号順位検定追加群:p=0.016切替え群:p=0.004〇は外れ値を示すエラーバーは標準偏差を示す〇は外れ値を示す図2a投与前,1カ月後の角膜厚の変化図2b追加群,切替え群での角膜厚変化表3副作用A)投与継続(24例/32例;75.0%)B)投与中止(3例/32例;9.4%)中止までの期間球結膜充血14例(43.8%)球結膜充血1例(3.1%)3週間表層角膜炎8例(25.0%)頭痛1例(3.1%)3週間眼瞼炎1例(3.1%)眼痛1例(3.1%)1週間かすみ1例(3.1%)(1例(3.1%)は来院なく打ち切り)表4ノンレスポンダーの内訳ノンレスポンダーn=4(36.4%)投与前眼圧(mmHg)1カ月後眼圧(mmHg)新規群CNTGn=2(18.2%)C11.5±3.5C11.5±3.5CNTGn=1(9.1%)C12.0±0.0C12.0±0.0追加群CPOAGn=1(9.1%)C14.0±0.0C15.0±0.0Cも有意に肥厚した(図2b).副作用については全症例(32例)で検討した(表3),球結膜充血がC14例(58.3%),表層角膜炎がC8例(33.0%)に出現し投与は継続した..胞様黄斑浮腫,眼瞼色素沈着,上眼瞼溝深化の出現はなかった.点眼開始からC1カ月時点でC3例(12.5%)で投与中止に至り,中止に至った内訳は,球結膜充血C1例(3.1%%),頭痛C1例(3.1%),かすみC1例(3.1%)だった.なおC1例で来院なく打ち切りとした.頭痛,球結膜充血,かすみは投与中止で速やかに改善した.また,他のPGから切替えたC1例で色素沈着,上眼瞼溝深化が改善,またC2例で充血の改善がみられた.PGのCNRの定義は報告3.5)により変わるが,IOP-RR10%での計算では,追加群でC2例(18.2%),新規群でC2例(18.2%)であった.NRの投与前/1カ月後の眼圧は,新規CNTG,追加CNTG群で不変,追加POAG群では投与後眼圧がC1CmmHgのわずかな上昇であった(表4).CIII考按眼圧の検討として,第CIII相試験(RENGEstudy)6.8)では,エイベリス単独投与で平均C3.5CmmHg程度の眼圧下降が得られている.本調査ではCRENGEstudyより低いベースライン眼圧にもかかわらず追加群(新規+追加)ではC2.2CmmHgの下降が得られ,その高い眼圧下降効果が示される結果であった.第CII相,第CIII相試験(AYAMEstudy)ではエイベリスの眼圧下降効果はラタノプロストに対し非劣性6,8,9)とされている.本調査において,切替え投与全体としては有意な眼圧下降が得られており,PG関連眼窩周囲症など合併症を嫌悪する症例などの切替えとしてエイベリスへの切替えを考慮できる.また,PGからの切替え投与で有意差はなかったものの眼圧上昇はなく下降を示したことは,ラタノプロストに非劣性であることを確認できる結果と考える.本調査では投与後C1カ月の時点においても眼周囲の色素沈着や上眼瞼溝深化が改善したと感想を話した患者が数名あった.医師側から観察した目視や細隙灯顕微鏡での前眼部写真では大きな違いが認められなくとも本人には感じられる改善があり,そのような微細な変化もコンプライアンスの向上に貢献した可能性が考えられた.また同様に点眼の切り替え効果も同じくコンプライアンス向上に貢献した可能性がある.追加または新規投与のうちCNRとみなされる症例は,4例(36.4%)であり,NRの投与前/1カ月後の眼圧は,新規NTG,追加CNTG群で不変,追加CPOAG群でも投与後眼圧がC1CmmHgの上昇とごくわずかであった(表4).1カ月のデータでは大幅な上昇値ではなかったが今後も注意して観察する予定である.副作用について,日本での第CII相および第CIII相試験対象の総合解析ではC40.1%に副作用がみられ,球結膜充血C32.8%,角膜肥厚C6.7%,黄斑浮腫C5.2%,虹彩炎C1.5%との報告だった7.10).本調査ではCSPKがC25.0%に出現し,それは既報8.10)のC0.4%に比べ明らかに高い結果ではあった.今回はおよそすべての症例で細隙灯顕微鏡での前眼部写真撮影を行い角膜表面の状態変化をとらえることができており,わずかなCSPKの出現,増加であっても副作用とカウントしたため,SPK症例の程度が多くなっている可能性がある.しかしこれらのCSPKで自覚症状なし,もしくはあったとしても軽度のみで中止に至る症例はなかったこと,防腐剤フリーであるラタノプロストCPF製剤との切替え例でもCSPKは増強なく不変(軽度,自覚症状なし)であったこと,エイベリスの防腐剤(ベンザルコニウム塩化物:BAK)の濃度はC0.001%と他のCPGと比べても低いことからも重篤な副作用には至らず,SPKが出現/増悪してもその程度は低いものであった.投与中止の原因(その後来院なしを除く)は球結膜充血C1例(3.1%),頭痛C1例(3.1%),かすみC1例(3.1%)で,3例とも投与中止で速やかに改善し視機能に影響はなかったことから,おおむね軽度の所見であったと考える.今回の調査では,.胞様黄斑浮腫の出現はなかったが,最新の市販後調査では有水晶体眼での黄斑浮腫(10人/7万人)の報告がみられ,糖尿病,高血圧など網膜血管病変を惹起しやすい基礎疾患を有する症例がC10人中C4人あり9)そのような症例には,OCTを用いての経過観察が望ましい.角膜厚について,測定機種が施設間で異なっているが,EM-3000(トーメーコーポレーション製)とCCEM-530(ニデック製)はともに角膜厚測定方法が同じ原理である.Nikolausらは,このC2種間において角膜厚は平均C20Cμm以下の差であり臨床的に問題ない11)と報告しており,機種間の測定値に臨床上問題となる差異はないと考えられる.Suzukiらによると中心角膜厚がC10Cμm肥厚すると眼圧C0.12mmHg高く測定される12).今回の調査でも角膜厚は有意に肥厚し,その最大変量C33Cμmの変化で引き起こされる眼圧変化はC0.12C×3.3=0.36CmmHg程度と考えられ,臨床上問題となる眼圧変化ではないと考えられる.既報8.10)ではC1カ月の経過観察機関においての副作用による中止例の報告はないが,本調査ではC3例(9.4%)にみられた.中止の原因として頭痛がC1例(3.1%)みられたが,投与中止後C1カ月以内に消失したためエイベリスによる症状であったと考えられる.同じCPGであるキサラタンの副作用報告において頭痛はC5%未満とあり,PGF2Ca関連薬と同等に出現する可能性も考えられた.本調査ではCNR症例でもC1カ月での眼圧はC0.1CmmHgとわずかな上昇で,この先眼圧経過がどうなっていくかをみるため現時点での眼圧下降不十分により中止した症例はなかったが,今後長期にわたる経過観察予定である.PGからの切替えにより眼瞼色素沈着,上眼瞼溝深化,充血の改善がみられたことは,整容面を重視する症例や従来のCPGで充血がみられる症例に良い適応になると思われる.利益相反:外園千恵:【F】【P】参天製薬木下茂:【F】【P】参天製薬,【F】【P】千寿製薬,【F】【P】大塚製薬,【F】【P】興和森和彦:【P】池田陽子:【P】上野盛夫:【P】文献1)相原一:EP2受容体作動薬.FrontiersCofCofCGlaucomaC57:54-60,C20192)FuwaCM,CTorisCCB,CFanCSCetal:E.ectCofCaCnovelCselec-tiveEP2receptoragonist,omidenepagisopropyl,onaque-oushumordynamicsinlaser-inducedocularhypertensivemonkeys.JOculPharmacolTherC34:531-537,C20183)IkedaCY,CMoriCK,CIshibashiCTCetal:LatanoprostCnonre-sponderswithopen-angleglaucomaintheJapanesepopu-lation.JpnJOphthalmolC50:153-157,C20064)WarrenJ:ACretrospectiveCreviewCofCnon-respondersCtoClatanoprost.JOculPharmacolTherC18:287-291,C20025)AungT,ChewTKP,YipCetal:Arandomizeddouble-maskedCcrossoverCstudyCcomparingClatanoprost0.005%CwithCunoprostone0.12%CinCpatientsCwithCprimaryCopen-angleCglaucomaCandCocularChypertension.CAmCJCOphthal-molC131:636-642,C20016)AiharaH,LuF,KawataHetal:Six-monthresultsfromtheCRENGEstudy:OminedepagCIsopropylClowersCIOPCinCsubjectsCwithCopen-angleCglaucomaCandCocularChyperten-sion.C36thCWorldCOphthalmologyCCongress,CBarcelona,C20187)AiharaCH,CLuCF,CKawataCHCetal:12-monthCe.cacyCandCsafetystudyofanovelselectiveEP2agonistominedepagisopropylCinCOAGCandOHT:theCRENGECstudy.CAmeri-canAcademyofOphthalmologyannualmeeting,Chicago,20188)参天製薬株式会社:エイベリス添付文書(2018年C9月作成,第1版)9)参天製薬株式会社:エイベリス点眼液C0.002%適正使用ガイド,201810)参天製薬株式会社:エイベリス点眼液C0.002%第C3回市販後安全性情報,201911)NikolausL,NinoH,SandraSetal:Comparisonof4spec-ularCmicroscopesCinChealthyCeyesCandCeyesCwithCcorneaCguttataorcornealgrafts.CorneaC34:381-386,C201512)SuzukiCS,CSuzukiCY,CIwaseCACetal:CornealCthicknessCinCanCophthalmologicallyCnormalCJapaneseCpopulation.COph-thalmologyC112:1327-1336,C2005***