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COVID-19 のワクチン接種後の両眼同時発症 急性原発閉塞隅角症

2024年7月31日 水曜日

《第34回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科41(7):843.846,2024cCOVID-19のワクチン接種後の両眼同時発症急性原発閉塞隅角症桑野和沙渡邉友之小川俊平渡邉朗中野匡東京慈恵会医科大学眼科学講座CACaseofBilateralAcutePrimaryAngleClosureFollowingCOVID-19VaccinationKazusaKuwano,TomoyukiWatanabe,SyunpeiOgawa,AkiraWatanabeandTadashiNakanoCDepartmentofOphthalmology,JikeiUniversitySchoolofMedicineC緒言:近年,COVID-19関連眼炎症性疾患発症の報告が散見される.今回筆者らはCCOVID-19ワクチン接種翌日に両眼同時発症した急性原発閉塞隅角症(APAC)の症例を経験したので報告する.症例:69歳,女性.4回目ワクチン接種翌日に右眼の羞明,痛みを自覚し,前医を受診した.眼圧は両眼C62CmmHg,浅前房,中等度散瞳を認め,両眼APACの診断で当院に紹介受診となった.眼軸長は両眼C24Cmm程度で,続発性を考慮して薬物治療を行い,発作は解除されたが,X+13日に右眼CAPACが再発し,同日右眼水晶体再建術を施行した.左眼はC1カ月後に左眼水晶体再建術を施行し,APACの再発はない.原因検索目的の血液検査,胸部CX線写真では異常所見を認めなかった.考察:両側同時発症のCAPACはまれで,既報の多くが続発性である.本症例は明らかな誘因を指摘できずCCOVID-19のワクチンの影響が否定できない.明確な因果関係については今後のデータの集積が必要である.CPurpose:Toreportacaseofbilateralacuteprimaryangleclosure(APAC)followingCOVID-19vaccination.Case:ThisCstudyCinvolvedCaC69-year-oldCfemaleCpatientCinCwhomCanCintraocularCpressureCofC62CmmHg,CshallowCanteriorchambers,andmoderatemydriasiswereobservedinbotheyesat1dayafterherfourthCOVID-19vacci-nation.ShewasreferredtoourhospitalwithadiagnosisofAPACinbotheyes.HerseizureswereresolvedwithdrugtreatmentinconsiderationofsecondaryAPAC,yet13dayslater,recurrenceofAPACwasobservedinherrighteyeandphacoemulsi.cationsurgerywasperformed.Onemonthlater,phacoemulsi.cationsurgerywasper-formedonherlefteye.Noabnormal.ndingswerefoundinbloodtestsandchestX-raysperformedtoelucidatethecause.Conclusion:Nocleartriggercouldbeidenti.edinthiscase,yetthein.uenceoftheCOVID-19vaccinecannotberuledout.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)C41(7):843.846,C2024〕Keywords:COVID-19,ワクチン,両眼同時発症,APAC.COVID-19,vaccination,bilateralsimultaneousonset,APAC.Cはじめに急性原発閉塞隅角緑内障(primaryCangleCclosureCglauco-ma;PACG)および急性原発閉塞隅角症(acuteCprimaryCangleclosure;APAC)では,しばしば眼圧が著しい高値となり,視力低下,霧視,虹視症,眼痛,頭痛,悪心・嘔吐,対光反射の減弱・消失などの症状を呈する.対応が遅れると重篤な視野障害や,失明に至る.このため早期に原因を特定し,眼圧を低下させる必要がある.通常CAPACはその特徴的な症状と所見から診断は容易であるが,両側同時発症のAPACはまれであり,これまでの報告でも多くが続発性であり,原因検索が必要となる.これまでCVokt-Koyanagi-Haradasyndrome(VKH)に続発するもの,薬物性,手術麻酔後,ウイルス感染,Weill-Marchesani症候群,両眼虹彩.胞,小眼球症に続発するもの,および蛇咬傷などの報告がある.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種後の眼合併症としては,視神経障害,ぶどう膜炎,ヘルペス性角膜炎,角膜移植拒絶反応,網脈絡膜炎などが報告されている.今回筆者らは,COVID-19ワクチン接〔別刷請求先〕桑野和沙:〒105-8461東京都港区西新橋C3-25-8東京慈恵会医科大学眼科学講座Reprintrequests:KazusaKuwano,DepartmentofOphthalmology,JikeiUniversitySchoolofMedicine,3-25-8Nishi-Shimbashi,Minato-ku,Tokyo105-8461,JAPANC図1来院時の前眼部光干渉計所見CASIA2(トーメーコーポレーション)にて,浅前房(上段),iridotrabecularcontact(ITC)にて広範囲な隅角閉塞(下段)を認める.種の翌日に,両眼同時に著明な高眼圧,浅前房,中等度散瞳を呈したCAPAC症例を経験した.原因検索のための採血,胸部CX線ではぶどう膜炎を疑う所見はみられず,COVID-19ワクチンとの関連を否定できなかった.今回の症例について,既報のワクチン関連眼疾患の考察を加え報告する.CI症例症例はC69歳,女性で,X-1日,COVID-19ワクチン(ファイザー社)のC4回目を接種した.X日,深夜C1時ころテレビを見ている際に右眼の羞明,痛みを自覚するも様子をみていた.X+1日,症状が改善しないため前医を受診した.視力は右眼C0.07(0.5C×sph.4.50D(cyl.0.50DAx125°),左眼0.01(1.0C×sph.3.25D(cyl.0.75DAx50°)で,両眼の眼圧はC62CmmHgであった.急性緑内障発作が疑われグリセオール点滴後に当院へ紹介受診となった.当院の来院時眼圧は右眼C56CmmHg,左眼C19CmmHgで,両眼ともに浅前房と中等度散瞳を認めた.前眼部光干渉断層計CCASIA2(トーメーコーポレーション)(図1)では両眼ともに浅前房がみられ,前房深度は右眼C1.59Cmm,左眼C1.65Cmm,iridotrabecularcontact(ITC)indexは右眼C92.8%,左眼C80.0%,LT(lensthickness)は右眼C5.43mm,左眼C5.47mm,LV(lensvault)は右眼C0.87mm,左眼C0.81mm,眼軸長は右眼C24.09mm,左眼C23.84Cmmであった.両眼ともに眼底には,漿液性網膜.離や脈絡膜肥厚,波打ち所見などを認めず,VKHは否定的であった.右眼眼底(図2)には耳側網膜に白色病変を認め,同日に施行したフルオレセイン/インドシアニングリーン蛍光造影検査(FA/ICGA)では同部位からの蛍光漏出を認めたが,その他炎症所見などを認めなかった.原因検索のための採血では有意な所見はなく,胸部CX線では肺門部リンパ節腫脹などサルコイドーシスを疑う所見を認めなかった.続発性のCAPACと診断しCD-マンニトール点滴,ピロカルピン塩酸塩点眼,ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム点眼薬物治療で眼圧下降を試みた.X+2日発作が解除されないためピロカルピン塩酸塩点眼からアトロピン硫酸塩水和物点眼に切り替えたところ発作は解除された.視力は右眼(0.9C×sph.3.25D(cyl.0.50DAx100°),左眼C0.01(1.0C×sph.2.50D(cyl.0.50DAx65°),眼圧は右眼11mmHg,左眼C13CmmHgに下降した.前房深度は右眼C1.76Cmm,左眼はC1.69Cmm,ITCIndexは右眼C39.2%,左眼C44.7%に改善した(図3).病状や網膜視神経の状態を経時的に観察し,原因疾患を探索した.X+11日再発を認めないためアトロピン硫酸塩水和物点眼を中止したところCX+13日に右眼の視力低下,頭重感で受診し,視力は右眼(1.0C×sph.3.50D(cyl.1.25DAx90°),右眼眼圧40mHg,前房深度1.62mm,ITCIndex右眼C33.6%であった.発作解除時と比較して浅前房化しておりCAPACの再発と判断して,右眼水晶体再建術を行い発作の解除とその後の眼圧下降を得た.また,左眼に対しては,X+1CM,左水晶体再建術を施行し経過観図2右眼の眼底写真と蛍光造影写真眼底写真(Ca)では,右眼耳側網膜に白色病変を認める.視神経乳頭陥凹拡大は認めない.蛍光造影写真(Cb)では同部位に軽度の蛍光漏出を認めるが,その他に血管炎などは指摘できない.図3X+2日の前眼部光干渉計所見CASIA2にて前房深度の拡大(上段),ITCにて図C1と比べて閉塞範囲(下段)の改善を認める.察を行ったがCAPACの再発は認められなかった.どう膜炎,中心性漿液性脈絡網膜症(CSCR),VKH再活性CII考察化,急性帯状性潜在性外網膜症(AZOOR)および多発性脈絡膜炎などがある1.3).一般的に両眼同時発症のCAPACは稀COVID-19ワクチン接種後に報告された眼の合併症には,であるが,これまでに複数の症例報告されており,その多く外転神経麻痺,動眼神経麻痺,顔面神経麻痺/ベル麻痺,多が続発性であるため本症例においてもぶどう膜炎,薬剤性,発性脳神経麻痺,ヘルペス性角膜炎,急性黄斑神経網膜症ウイルス感染など,APACの誘因を検索したが,原因の特(AMN),傍中心性急性中部黄斑症(PAMM),上眼静脈血定には至らなかった.このため,COVID-19のワクチンの栓症(SOVT),角膜移植拒絶反応,前部ぶどう膜炎,汎ぶ影響を否定できない.Singhら4)は,米国のワクチン有害事象報告システムCVaccineCAdverseCEventCReportingCSystem(VAERS)を用いてCCOVID-19のワクチン接種後に緑内障が増加したかを検討し報告した.この際の緑内障は,緑内障(タイプ不明),閉塞隅角緑内障,開放隅角緑内障,ぶどう膜炎による緑内障を含めて発生率が検討されたが発生は非常に稀であった.ワクチン接種後の緑内障の特徴として,投与後1週間以内のC50.70代の女性に多く認められたが,その因果関係に関してはさらなる評価が必要と結論している.COVID-19ワクチン接種後の眼の炎症反応を説明するメカニズムとして,ワクチンとぶどう膜ペプチドの分子相同性,III型過敏反応,およびワクチン接種によって誘発されるその他の自然免疫反応によって二次的に生成される抗原の活性化などが示唆されている5,6).また,既報によれば,COVIDワクチンのC2回目の投与後にぶどう膜炎を発症した症例が多く,これは用量依存性の高い反応がその一因であると考察されている7).APACの成因としては,①相対的瞳孔ブロック,②プラトー虹彩,③水晶体因子,④水晶体後方因子(毛様体因子など),が複合的に関与している可能性が高い8).また,APAC発症の解剖学的リスク因子には,浅前房,浅い虹彩角膜角,水晶体膨隆に伴う水晶体肥厚,短眼軸があげられる9).本症例はそのうち前者C3項目を満すCAPACのハイリスク群で,そこにCCOVID-19ワクチンが発症機転となって,①.④が複合的に関与し,両眼同時にCAPACが発症した可能性がある.ぶどう膜炎の際に近視化がみられる機序として,Zinn小体弛緩と水晶体凸面の増加が報告されている10).またAPAC発症時には水晶体の前方移動による近視化が認められることがある.本症例では発作時には右眼C.1.25D,左眼C.0.75Dの近視化を認め,水晶体凸面のパラメータの一つであるCLVは右眼C0.87mm,左眼0.81mmと高値であった.両者は,発作解除時には,屈折の近視は軽減し,LVも右眼0.65Cmm,左眼C0.46Cmmと軽減していた.しかし,このような近視化がCAPACの誘因・原因であるのか,結果であるのかは不明であり,今後,さらにCAPACの発症機序については検討が必要と思われた.CIII結論両側同時発症のCAPACはまれで,既報の多くが続発性である.本症例は,解剖学的なリスクを有したが他にCAPACの明らかな誘因を指摘できず,COVID-19ワクチンの影響が否定できない.両者の明確な因果関係を立証するには,今後のデータの集積,解析が必要である.文献1)IchhpujaniCP,CParmarCUPS,CDuggalCSCetal:COVID-19Cvaccine-associatedCocularCadversee.ects:anCoverview.Vaccines(Basal)C10:1879,C20222)Habot-WilnerCZ,CNeriCP,COkadaCAACetal:COVIDCvac-cine-associatedCuveitis.COculCImmunolCIn.ammC6:1198-1205,C20233)WangMTM,NiedererRL,McGheeCNJetal:COVID-19vaccinationandtheeye.AmJOphthalC240:79-98,C20224)SinghCRB,CParmarCUPS,CChoCWCetal:GlaucomaCcasesCfollowingCSARS-CoV-2vaccination:VAERS.CVaccines(Basel)C10:1630,C20225)WatadCA,CDeCMarcoCG,CMahajnaCHCetal:Immune-medi-atedCdiseaseC.aresCorCnew-onsetCdiseaseCinC27CsubjectsCfollowingmRNA/DNASARS-CoV-2vaccination.Vaccines(Basel)C9:435,C20216)TeijaroCJR,CFarberDL:COVID-19vaccines:modesCofCimmuneactivationandfuturechallenges.NatRevImmu-nolC4:195-197,C20217)LiS,HoM,MakAetal:Intraocularin.ammationfollow-ingCOVID-19vaccination.IntOphthalmolC8:2971-2981,C20238)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン改訂委員会:緑内障ガイドライン(第C5版).日眼会誌126:98,C20229)LeeCHS,CParkCJW,CParkSW:FactorsCa.ectingCrefractiveCoutcomeaftercataractsurgeryinpatientswithahistoryofCacuteCprimaryCangleCclosure.CJpnCJCOphthalmolC58:C33-39,C201410)HerbortCCP,CPapadiaCM,NeriCP:MyopiaCandCin.ammation.CJOphthalmicVisResC6:270-283,C2011***

当院でのCOVID-19 陽性裂孔原性網膜剝離に対する手術経験 ─ COVID-19 陽性患者手術時の留意点について─

2024年5月31日 金曜日

《原著》あたらしい眼科41(5):580.585,2024c当院でのCOVID-19陽性裂孔原性網膜.離に対する手術経験─COVID-19陽性患者手術時の留意点について─水谷凜一郎*1杉本昌彦*1,2原田純直*1佐々木拓*1中条慎一郎*1天満有美帆*1松井良諭*1松原央*1近藤峰生*1*1三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学教室*2山形大学医学部眼科学教室CSurgeryforRhegmatogenousRetinalDetachmentinaPatientInfectedwithCOVID-19:TipsforSurgicalManagementofCOVID-19-PositiveCasesRinichiroMizutani1),MasahikoSugimoto1,2),SumineHarada1),TakuSasaki1),ShinichiroChujo1),YumihoTenma1),YoshitsuguMatsui1),HisashiMatsubara1)andMineoKondo1)1)DepartmentofOphthalmology,MieUniversityGraduateSchoolofMedicine,2)DepartmentofOphthalmologyandVisualScience,FacultyofMedicine,YamagataUniversityC目的:COVID-19陽性の網膜.離(RRD)症例の経験から新興感染症陽性患者に対する周術期管理について検討する.症例:53歳,男性.右眼CRRDに対する手術を計画したが入院前のCCOVID-19抗原検査で陽性が判明した.各部署と連携し,導線を確保しての入院・手術を計画した.感染対策に配慮し,手術は陰圧室にて助手は設けず,完全防護衣で清潔となった執刀医C1名と外回り看護師C1名のC2人体制で実施された.単独術者による手術であるための軽微なトラブルや,ゴーグルの曇りが問題となったが,安全な手術が遂行され,術後経過も良好であった.結論:COVID-19陽性患者のCRRDに対する手術にはさまざまな課題が残るが,スタッフとの徹底した連携の元,感染管理に注意して行うことで安全に手術が実施可能である.CPurpose:ToCreportCtheCcaseCofCCOVID-19-positiveCpatientCwithCrhegmatogenousCretinaldetachment(RRD)Cwhowassurgicallytreatedandpresenttipsforsafemanagementinsuchcases.Case:A53-year-oldmalepatientwasscheduledforsurgicaltreatmentofRRDinhisrighteye,however,hetestedpositivefortheCOVID-19anti-genpriortoadmission.Thus,andfromtheaspectofinfectioncontrol,wecollaboratedwithotherdepartmentsandscheduledCtheCsurgeryCtoCbeCperformedCinCaCnegativeCpressureCroomCviaConeCprimaryCsurgeonCinCfullCprotectiveCclothing,withoutanassistant,andonenurseoutsidetheroom.AlthoughminorproblemsdidoccurduetoasinglesurgeonCandCfoggingCofCtheCgoggles,CtheCoperationCwasCperformedCsafelyCandCtheCpostoperativeCcourseCwasCgood.CConclusion:AlthoughvariousissuescanoccurinthesurgeryofRRDinCOVID-19-positivepatients,theopera-tioncanbeperformedsafelyunderawell-coordinatedcollaborationwithmedicalsta..〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)41(5):580.585,C2024〕Keywords:COVID-19,網膜.離,単独術者.COVID-19,rhegmatogenousretinaldetachment,solosurgeon.Cはじめにコロナウイルス感染症C2019(COVID-19)は迅速かつ広範囲に拡大したため,世界保健機関はCCOVID-19をパンデミックとして宣言した1).世界情勢は激変し,医療も大きな打撃を受けた.COVID-19感染症の流行下において医療従事者の集団感染を予防し医療体制を維持することは重要な課題であった.受診抑制や病床ひっ迫などによる受診遅延が問題となり,多くの疾患の治療成績に影響した.感染力の強さから海外の複数の国ではロックダウンも行われていた.眼科診療ではパンデミック時であっても密接な接触が危惧される近接距離での検査・診療が要求されるため,感染症曝露のリスクが高いとされ,この影響を大きく受けた.とくに網膜硝子体疾患の予後に多大な影響が出たことが多数報告されている2.5).〔別刷請求先〕水谷凜一郎:〒514-8507三重県津市江戸橋C2-174三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学教室Reprintrequests:RinichiroMizutani,DepartmentofOphthalmology,MieUniversityGraduateSchoolofMedicine,2-174Edobashi,Tsu,514-8507,JAPANC580(108)徐々に海外では制限が緩和されたが,わが国でもC2023年5月にCCOVID-19感染症はC5類となり,ようやく入院・手術加療の制限が緩和された.眼科診療もコロナ前の状態に戻りつつあるがCCOVID-19は消失してはおらず,COVID-19感染患者への周術期対応は依然重要である.今回,COVID-19陽性の網膜.離(rhegmatogenousCretinaldetachment:RRD)症例を経験した.そのなかで,今後のCCOVID-19など新興感染症陽性の手術患者に対する周術期管理についてさまざまな課題が浮き彫りとなったので報告する.CI症例患者:53歳,男性.主訴:右眼視力低下.現病歴:202x年C8月初旬より右視力障害を自覚した.8月C22日,近医受診し,右眼CRRDを指摘された.同日,手術目的に当科紹介初診となった.既往歴:とくになし.当院初診時に発熱や咳嗽・咽頭痛はなかったが,1週間ほど前に同僚がCCOVID-19陽性を指摘されていた.所見:右眼視力C0.7(矯正).前眼部・中間透光体には明らかな異常なし.後眼部には下方裂孔による,増殖性変化を伴う網膜.離を認めた(図1).経過:即日入院のうえ,局所麻酔による手術を予定したが入院前のCCOVID-19抗原検査で陽性が判明した.当時はコロナ感染の第C7波到来時期であり,当院手術部・感染制御部と協議し,即日入院は中止となった.入院時・手術時の導線を確保できる翌日午後の予定入院ならびに準夜帯での予定手術を計画した.手術所見:感染制御の観点から,手術は他科定期手術が終Cab了した準夜帯に予定を組み,陰圧室で実施された.手術室汚染防止の観点から,使い捨てカバーを装着するなどの感染対策を行い,必要な最低限の器機のみを室内に搬入した(図2a).眼内レンズなどの随時必要となる物品は室外のグリーンゾーンから別のスタッフが安全に配慮しながら室内のレッドゾーンへ適宜手渡しをした.医療スタッフの感染を危惧し,陰圧室への入室者は最低限として,手術助手は設けず,清潔となった執刀医C1名と外回り看護師C1名のC2人体制で手術を実施した(図2b).術者・看護師は通常の術衣に加えてN-95マスクと眼鏡ないしはフェイスシールドを着用した.術者は眼鏡を装用したが,術中の曇りが問題となった.白内障手術を行い,眼内レンズを挿入した.その後,4-portでのC25ゲージ硝子体手術を開始した.眼内を観察し図1初診時所見初診時の眼底写真を示す.下方裂孔(C.)と増殖性変化を伴う網膜.離を認める.図2周術期の室内周術期の室内を示す.陰圧室で使い捨てカバーを装着し,必要最低限の器機のみ搬入されている(Ca).完全防護具で清潔となった執刀医C1名が執刀している(Cb,.).図3術中所見術中所見を示す.液ガス置換中,空気泡による視認性低下を認めた(Ca).手術継続したが,角膜浮腫も出現したため視認性が著しく低下した(Cb).角膜上皮.離を行い,視認性を確保し(Cc),ガス置換を完遂した(Cd).たところ,下方網膜格子状変性に生じた原因裂孔からの広範な網膜.離と増殖性変化を認めた.硝子体切除し,後部硝子体膜.離を作製後,圧迫しながら裂孔周囲の硝子体処理と増殖膜処理を実施した..離範囲が広汎であることからアーケード上方に意図的裂孔を作製し,液空気置換を行って網膜下液の排液を行った.液空気置換時,術者一人であったため機器パネル操作による設定変更を行った際に術野を離れざるをえない場面があった.再度術野を確認したところ,空気泡による視認性の低下を認めた(図3a,b).また,角膜浮腫も出現し,角膜上皮.離を行って視認性を確保した(図3c).視認性が改善したため,ガス置換を完遂し(図3d),原因裂孔と意図的裂孔などへの眼内網膜光凝固を実施し,シリコーンオイルに置換して手術を終了した.術後経過:手術終了術,術者自身が個人用防護具着用のままで眼科病棟の隔離個室まで搬送した.手術翌日,往診にて診察したところ経過良好であったため,当日に当院退院となった.無症候患者であるため,ホテル待機療養となった.療養中,電話で患者に連絡し,経過確認を行ったが,大きな自覚変化はなかった.術後C5日(待機期間C7日目)で療養施設からの退所となり,以後当科外来通院となっている.術C2週間後の受診時には網膜復位が得られ,右眼視力はC0.3(矯正)であった(図4).術後C4カ月でシリコーンオイル抜去を実施し,手術後C5カ月で右眼視力はC0.7(矯正)である.CII考按コロナ禍当初,ビジョンアカデミーでは,COVID-19パンデミック時の硝子体内抗CVEGF注射に関する具体的なガイダンスを提示した6).このなかでコロナ禍においても網膜疾患を管理するための戦略として①患者と医療スタッフの双方がCCOVID-19の曝露リスクを最小限にすること,②不可逆的な視力喪失のリスクが高い患者に対する治療を優先すること,③抗血管内皮増殖因子阻害薬治療レジメンを簡略化することに重点を置くべきであると結論づけている.また,各国の眼科学会が,パンデミック時の患者管理に関する眼科医向けの一般的ガイダンスを発表したが,とくに米国眼科学会ではさまざまな具体的な対策を推奨していた.外用ポビドンヨードはコロナウイルスに有効であり手術前処置に重要であること,手術用マスクとフェイスシールドなどの保護具の着用,そして必要時のCN-95マスク使用が推奨されていた[https://Cwww.aao.org/headline/alert-important-coronavirus-context.(Accessed:Oct21,2023)].硝子体手術では理論的にはエアロゾルが発生し,術者に感染が波及する可能性がある.しかし,最近の小切開手術ではバルブ付きトロッカーカニューレを使用するため,発生するエアロゾルは眼内に限定される.このため,感染リスクは低いと思われ,標準的な手術用防護衣で感染対策は十分であると考えられる.また,近年広まりつつある三次元ヘッドアップディスプレイシステムなどの新しいデジタル技術を使用することで,医師と患者との間の距離をとることも可能となり,予防の可能性が増す7).このようにCCOVID-19パンデミック当初には厳重な管理が行われてきたが,その知見が集積したことやC5類への移行などからC2023年現在,手術のハードルは下がってきている.今回,施設内の感染拡大を防止する目的から本手術は術者一人で実施した.現在の硝子体手術はシステマティックであり,単純なものであれば一人でも十分実施可能である.しかし,本症例の執刀中の問題点として,保護眼鏡の曇りがあったこと,液空気置換やレーザー実施などのモード変更に時間を要したこと,そしてそのために術中角膜障害などが生じ,術中手順が煩雑化したことなどがあげられる.院内感染の観点からでの選択ではあったが,手術安全性という点からは術者の技量・術眼の状態など,症例ごとに熟考が必要である.パンデミック当初は受診と手術時期の遅延が重要な課題であった.COVID-19流行当初に英国ではロックダウンが行われた.すべての病院に対し,当局から医療抑制の指示があり,眼科では眼外傷やCRRDなどの重篤な疾患に対する手術のみが行われ手術を必要とするCRRD症例が減少したものの増殖硝子体網膜症や黄斑.離を伴うCRRDは増加したとされている8).COVID-19に感染することを恐れての受診抑制などがこの理由として考えられた.加えて,家庭医のいるプライマリー施設もほぼ閉鎖されたため,眼科専門医へのコンサルトが遅れたことも一因とされている.黄斑部を脅かすCRRDは緊急性の高い眼疾患であり,重大な視力低下をもたらす.視力予後は黄斑の状態に左右され,黄斑部網膜.離の発見や手術が遅れることで術後視力などの治療成績は悪化する9.12).RRDの手術時期がC7日遅れると視力予後が悪くなることが報告されているが,最近の研究では,3日でも視力予後は不良となることも示唆されている13).このように受診や手術時期の遅延はCRRDの治療成績に明らかに影響し,非復位への懸念があるため早期手術が望ましい.米国でも,当初は学会図4加療後所見術後C2週間の眼底写真を示す.シリコーンオイル下に網膜復位が得られている.からCCOVID-19陽性患者の予定手術はC6週間延期すべきと推奨されていたが,パンデミック期間中にCRRDを発症した患者では,治療が遅れ,術後視力の悪化や増殖性網膜症が悪化する可能性が高かった14).また,加齢黄斑変性の治療が大幅に遅れ,短期転帰が悪化したことも報告されている2).日本眼科学会が示す「新型コロナウイルス感染症流行時の眼科手術に対する考え方」ではCRRDは要緊急対応疾患に分類される[https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/news/069.pdf(Accessed:Oct21,2023)].ロックダウンやパンデミック時に黄斑.離を伴うCRRDが増加した事実から考えても,やはり早期手術が望ましい.本症例加療当時の待機期間は有症状者でC10日間,無症状者でC7日間であった.無症状CCOVID-19陽性であったため,本来はC7日間待機したのちに手術入院となるが,要緊急対応疾患に分類されるため院内各部署と協議したうえで,翌日入院となった.本症例では初診時,黄斑.離はなく,数日の待機は不可能ではなかったかもしれない.今回,筆者らは比較的早期に手術を実施することができたが,それでも入院時間や手術開始時間の変更,搬送などスタッフに与えた影響は無視できないものであった.この点から,今後新たに生じる可能性のある新興感染症流行下においても手術時期の決定は病勢や医療情勢・スタッフへの負担増加などを踏まえての判断が必要となる.今回,スタッフへの感染拡大を恐れ,単独術者で執刀したが,これに伴い手技が煩雑となった.現在はC5類となり待機期間や隔離が形骸化されたが,入院取り扱いをどうするか,施設ごとに指針があり完全に統一はされていない.すべての入院患者に対する抗原検査を行う施設はほぼなくなり,発熱の確認程度で入院してくる従来の形になった現在では,発熱や風邪症状ではじめて抗原検査を行うことがほとんどである.このため,院内発生症例に対してどのように取り扱うか表1新興感染を伴う網膜.離患者の治療に関する留意点・症例によっては隔離期間での手術待機も考慮する.・黄斑部.離に至ったものには早期の手術が望ましい.・院内各部署と連携し,搬送時や病棟での感染拡大防止に努める.・手術は陰圧室で実施し,術者やスタッフへの感染に留意する.・手術は完全防護衣着用に準じた防護で行う.・フェイスシールドなどで飛沫に留意するが,曇りに留意が必要である.・器具の受け渡しにはグリーンゾーンとレッドゾーンの区別に留意する.・単独術者により実施も可能だが,難易度・技量により計画する.が現実的な課題である.今後,COVID-19に類似した新興感染症が流行する危険性も懸念されており,また入院中にCOVID-19陽性が判明したCRRDや外傷など準緊急・緊急手術が必要な症例もあるかもしれない.今回のコロナ禍で筆者らが得た知見を基に,秩序だった入院・手術を計画できるよう,配慮することが重要である.国内でのCCOVID-19患者に対するCRRD手術の報告は他にもあり15),今回の経験も含めた治療留意点を示す(表1).RRDの手術時期延期は術後視力不良に直結し,早期対応と手術が必要である.進行を想定し,適切なタイミングの治療介入が重要であり,スタッフとの徹底した連携の元,単独術者で硝子体手術を実施することが可能であった.5類となった現在,COVID-19陽性患者の入院・手術を計画する場面が依然あるが,実際にCCOVID-19陽性患者に対する手術を行うなかでさまざまな課題を考えていく必要がある.〈利益相反〉水谷凜一郎,原田純直,天満有美帆,佐々木拓:なし杉本昌彦:経済的支援)ノバルティスファーマ,中外製薬株式会社,アルコンファーマ,バイエル薬品報酬)ノバルティスファーマ,アルコンファーマ,参天,興和創薬,千寿製薬,バイエル薬品,わかもと製薬中条慎一郎:報酬)参天製薬,ノバルティスファーマ,参天製薬,中外製薬,バイエル薬品松井良諭:経済的支援)バイエル薬品,中外製薬報酬)AMO,参天製薬,ノバルティスファーマ,日本アルコン,バイエル薬品松原央:経済的支援)中外製薬報酬)参天製薬,千寿製薬,ノバルティスファーマ,バイエル薬品近藤峰生:経済的支援)ノバルティスファーマ,日本アルコン,参天,大塚製薬,千寿製薬,HOYA,ファイザー,AMO,興和,バイエル薬品コンサルタント)千寿製薬,小野薬品,第一三共報酬)ノバルティスファーマ,アルコン,参天,サノフィ,興和,大塚製薬,千寿製薬,バイエル薬品,アッビィ,AMO,ファイザー,第一三共文献1)CucinottaD,VanelliM:WHOdeclaresCOVID-19apan-demic.ActaBiomedC91:157-160,C20202)BorrelliCE,CGrossoCD,CVellaCGCetal:Short-termCoutcomesCofCpatientsCwithCneovascularCexudativeAMD:theCe.ectCofCCOVID-19Cpandemic.CGraefesCArchCClinCExpCOphthal-molC258:2621-2628,C20203)dell’OmoR,FilippelliM,SemeraroFetal:E.ectsofthe.rstmonthoflockdownforCOVID-19inItaly:aprelimi-naryCanalysisConCtheCeyecareCsystemCfromCsixCcenters.CEurJOphthalmolC31:2252-2258,C20214)YangCKB,CFengCH,CZhangH:E.ectsCofCtheCCOVID-19CpandemicConCanti-vascularCendothelialCgrowthCfactorCtreatmentCinCChina.CFrontMed(Lausanne)C7:576275,C20205)AbdullatifAM,MakledHS,HamzaMMetal:ChangeinophthalmologyCpracticeCduringCCOVID-19pandemic:CEgyptianperspective.OphthalmologicaC244:76-82,C20216)KorobelnikCJF,CLoewensteinCA,CEldemCBCetal:GuidanceCforCanti-VEGFCintravitrealCinjectionsCduringCtheCCOVID-19Cpandemic.CGraefesCArchCClinCExpCOphthalmolC258:C1149-1156,C20207)IovinoCC,CCaporossiCT,CPeirettiE:VitreoretinalCsurgeryCtipandtricksintheeraofCOVID-19.GraefesArchClinExpOphthalmolC258:2869-2870,C20208)JasaniKM,IvanovaT,SabatinoFetal:ChangingclinicalpatternsCofCrhegmatogeneousCretinalCdetachmentsCduringCtheCCOVID19CpandemicClockdownCinCtheCNorthCWestCofCtheUK.EurJOphthalmolC31:2876-2880,C20219)TaniCP,CRobertsonCDM,CLangworthyA:PrognosisCforCcentralCvisionCandCanatomicCreattachmentCinCrhegmatoge-nousCretinalCdetachmentCwithCmaculaCdetached.CAmCJOphthalmolC92:611-620,C198110)RehmanSiddiquiMA,AbdelkaderE,HammamTetal:CSocioeconomicCstatusCandCdelayedCpresentationCinCrheg-matogenousCretinalCdetachment.CActaCOphthalmolC88:C352-353,C201011)MitryCD,CAwanCMA,CBorooahCSCetal:Long-termCvisualCacuityCandCtheCdurationCofCmaculardetachment:.ndingsCfromaprospectivepopulation-basedstudy.BrJOphthal-molC97:149-152,C201312)RyanCEH,CRyanCCM,CForbesCNJCetal:PrimaryCRetinalCdetachmentoutcomesstudyreportnumber2:phakicret-inalCdetachmentCoutcomes.COphthalmologyC127:1077-1085,C2020C13)RossWH:VisualCrecoveryCafterCmacula-o.CretinalC128:686-692,C2021detachment.Eye(Lond)C16:440-446,C200215)熊崎茜,星山健,富原竜次ほか:COVID-19陽性の裂14)PatelLG,PeckT,StarrMRetal:Clinicalpresentationof孔原性網膜.離C3例に対する手術経験.臨眼C77:1134-rhegmatogenousCretinalCdetachmentCduringCtheCCOVID-1141,C2023C19pandemic:aChistoricalCcohortCstudy.COphthalmologyC***

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の強い影響を 受けたと考えられた7 症例

2022年3月31日 木曜日

《原著》あたらしい眼科39(3):358.362,2022c新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の強い影響を受けたと考えられた7症例福岡秀記上野盛夫永田健児渡辺彰英森和彦外園千恵京都府立医科大学眼科学教室CSevenCasesinwhichHealthwasSigni.cantlyImpactedbytheCoronavirusDisease2019(COVID-19)PandemicHidekiFukuoka,MorioUeno,KenjiNagata,AkihideWatanabe,KazuhikoMoriandChieSotozonoCDepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicineC緒言:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2020年C4月C16日全都道府県が緊急事態宣言の対象となった.2020年C4.7月末のC4カ月間に,感染を恐れるがゆえの受診控えによる病状の進行,および著しい影響を受けた症例を報告する.症例:表層角膜移植術を必要とした両眼自己免疫性角膜穿孔(83歳,女性,兵庫県),両眼アカントアメーバ角膜炎(32歳,男性,滋賀県),両眼細菌性角膜炎による瘢痕治癒(92歳,女性,奈良県),右眼慢性閉塞隅角緑内障による失明(71歳,男性,京都府),両眼開放隅角緑内障による失明と視野狭窄(69歳,男性,京都府),右眼ぶどう膜炎続発緑内障による失明(82歳,女性,滋賀県),眼窩内容除去に至った左眼瞼脂腺癌(72歳,男性,兵庫県).結論:居住都道府県外への高齢の通院患者においては,COVID-19流行時の診療にとくに注意を要すると考えられた.不調時の眼科受診の啓発,病病連携・病診連携による近医眼科でのチェックが重要であると考えられた.CPurpose:OnApril16,2020,anationwide“StateofEmergency”wasdeclaredinJapaninresponsetoCorona-virusCDisease2019(COVID-19).CHereinCweCreportC7CelderlyCcasesCinCwhichCtheCpatient’sChealthCwasCsigni.cantlyCimpactedbytheCOVID-19pandemic.CaseReports:Thisstudyinvolved7elderlypatients(i.e.,an83-year-oldfemalewithbilateralcornealperforationduetoautoimmunedisease,a32-year-oldmalewithbilateralacanthamoe-bakeratitis,a92-year-oldfemalewithbilateralbacterialcornealinfection,a71-year-oldmalewithchronicangle-closureglaucoma,a69-year-oldmalewithbilateralprimaryopen-angleglaucoma,an82-year-oldfemalewithsec-ondaryCglaucomaCdueCtoCuveitis,CandCaC72-year-oldCmaleCwithCadvancedCeyelidCsebaceouscarcinoma)seenCatCtheCDepartmentCofCOphthalmology,CofCKyotoCPrefecturalCUniversityCofCMedicineCoverCtheC4-monthCperiodCfromCAprilCthroughJuly2020.In5ofthe7cases,thepatientpresentedfromanoutsideprefecture.Thehealthinall7caseswasCsigni.cantlyCimpactedCbyCtheCCOVID-19Cpandemic.CConclusion:StrictCattentionCshouldCbeCpaidCtoCelderlyCpatientswithoculardisorders,anditisvitalthatallpatients,especiallythosewhopresentfromanoutsideprefec-ture,CbeCinformedCofCtheCimportanceCofCundergoingCregularCfollow-upCexaminationsCatCtheirClocalChospitalsCorCeyeCclinics.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)39(3):358.362,C2022〕Keywords:新型コロナウイルス感染症,新型コロナウイルス,緊急事態宣言,受診遅れ,眼の悪化.COVID-19,CSARS-CoV-2,stateofemergency,delayedmedicalcheckup,worseningeyedisease.CはじめにCoV-2)によって引き起こされ,わが国においてはC2020年2019年C12月に中国で発生したとされる新型コロナウイル1月C28日に指定感染症として定められた1).その後世界でス感染症(COVID-19)は,新型コロナウイルス(SARS-COVID-19患者は激増し,世界保健機関(WorldCHealthC〔別刷請求先〕福岡秀記:〒606-8566京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町C465京都府立医科大学眼科学教室Reprintrequests:HidekiFukuoka,M.D.,Ph.D.,DepartmentofOphthalmology,KyotoPrefecturalUniversityofMedicine,465Kajii-cho,Kyoto-city,Kyoto606-8566,JAPANC358(96)Organization:WHO)は,3月C11日パンデミック(世界的な流行)と発表した2).それ以降も日本国内を含む全世界で爆発的に感染拡大し,4月C7日には埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,大阪府,兵庫県および福岡県のC7都道府県に緊急事態宣言が出された.4月C16日全都道府県が緊急事態宣言の対象となり,京都府は特定警戒都道府県に位置づけられた3).その後徐々にCCOVID-19患者は減少し京都においてはC5月C21日に緊急事態宣言が解除された3).京都府立医科大学附属病院(以下,当院)は,京都府内唯一の第一種感染症指定医療機関としてCCOVID-19患者治療に最前線で取り組んでいる施設である.緊急事態宣言が出たあとは,COVID-19患者の対応を最優先とし,急を要さない一般手術の休止や入院患者の制限を行った.また,患者側からは,院内感染への警戒から定期的な受診を控えるなどの「受診控え」といえる状況がC3月よりみられはじめ,緊急事態宣言解除後も継続している.このため,なかには定期的な受診を控えたことによる明らかな眼の病状の悪化や,病状が進行してから初診受診した患者が散見される.今回,2020年C4.7月末までのC4カ月間に当院眼科を受診した患者のなかで,院内感染を恐れるがゆえの受診控えにより症状が悪化した症例および著しい影響を被ったと考えられる症例を報告する.CI症例〔症例1〕83歳,女性.2型糖尿病の治療中である.前医にてC4月初旬より両眼瞳孔領下方の角膜潰瘍に対しステロイド点眼と内服治療を行うも両眼の角膜が穿孔し前房消失した.なんらかの自己免疫疾患が角膜潰瘍の原因と考えられ,内科的な精査と治療強化の必要があった.4月下旬に前医にてCSARS-CoV-2の院内感染が発生し,新規患者の受け入れが停止された.当該施設は角膜移植などが可能で角膜穿孔に対処できる施設であったにもかかわらず精査を断念し,当院紹介となった.4月下旬当院初診時に両眼矯正視力は(0.04)であり,角膜瞳孔領下方の角膜穿孔を認め前房は浅くCSeidel試験は陽性であったため(図1a),治療用ソフトコンタクトレンズ(softCcontactlens:SCL)を装用とした.緊急入院による精査によりANCA(antineutrophilcytoplasmicantibody)関連血管炎症候群がもっとも疑われ,ステロイドC40Cmg/日全身投与に加えリツキシマブ点滴治療も行った.初診時の結膜.培養よりCCandidaalbicansが検出されたため,抗真菌治療を追加した.角膜上皮は徐々に進展しCSeidel試験陰性となった.結膜.培養の陰性化を確認し,5月中旬に全身麻酔下での両眼表層角膜移植術を行った.移植後の経過良好であり,前医でのCSARS-CoV-2の院内感染が収束し受け入れ体制が整ったため,退院し,前医での経過観察となった.7月末の時点で角膜所見は安定しており,右眼矯正視力(0.3),左眼矯正視力(0.2)と良好である.〔症例2〕32歳,男性.C2weekSCLの装用歴がある.3月中旬より両眼の見えにくさと,痛みが出現した.近医にて抗菌薬点眼の処方を受けるも悪化し,3月下旬に地元の総合病院に紹介された.SCL保存液の培養では緑膿菌とセラチアを検出し,細菌性角膜炎の診断のもとにモフロキサシン,セフメノキシム,トブラマイシンの点眼による治療が行われた.いったんは改善したように思われたが再度悪化傾向を認めたとのことで,4月上旬に当院紹介となった.当院初診時矯正視力は両眼とも手動弁と低下しており,前房蓄膿を伴う角膜中央部の細胞浸潤を認めた(図1b).所見と治療経過よりアカントアメーバ角膜炎(Acanthamoebakeratitis:AK)を疑い角膜擦過組織の染色を行った.ファンギフローラ染色にて多数の円形のシストを検出し,PCR検査にてアカントアメーバに特異的なCDNAを検出したためCAKと診断した.クロルヘキシジン点眼,ミコナゾール点眼,ピマリシン眼軟膏による治療を開始した.両眼手動弁という低視力に加え,綿密な治療が必要なため入院治療を勧めた.しかし,その頃CCOVID-19患者に対応するため入院患者数の制限と,新型コロナウイルスの持ち込みを防ぐ観点から家族を含めた面会の禁止が行われていた.AK治療には長期の入院が必要で,患者は,4人の子どもと長期の面会が不可能となることが予想された.そのため,両眼視力低下があるものの片道約C2時間の外来通院にて治療を開始した.徐々に角膜透明性を回復し,1年経過した2021年C4月時点では右眼矯正視力(0.9),左眼矯正視力(0.7)までに回復している.〔症例3〕92歳,女性.両眼レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症に対し左眼CDes-cemet膜角膜内皮移植(DescemetCmembraneCendothelialkeratoplasty:DMEK)術後である.2019年末時点で右眼矯正視力(0.4),左眼矯正視力(0.1)であった.両眼の眼脂と視力低下を自覚するも,SARS-CoV-2の感染を恐れ眼科を受診することができなかった.地元眼科受診後,ただちに紹介受診となった.初診時,両眼の角膜上皮欠損と輪部に沿って感染巣と浸潤を認めたため,細菌性角膜感染症と診断した(図1c).両眼矯正視力手動弁であった.角膜擦過物の培養検査では右眼CStreptococcusCpneumoniaeとCCoagulaseCnega-tivestaphylococci,左眼CStaphylococcusaureusを検出し,緊急入院し薬剤感受性を考慮し,1.5%レボフロキサシン点眼両眼C4回,セフメノキシム点眼両眼C2時間ごと,タリビット眼軟膏眠前で治療を開始した.徐々に上皮化を得て瘢痕治癒に至り,入院C3週間で退院,退院時の矯正視力は右眼が光覚弁,左眼が指数弁である.〔症例4〕71歳,男性.4月中旬にC10日前からの視力低下を自覚して近医受診,右眼緑内障発作とのことで当院に紹介受診した.当院初診時,右眼矯正視力光覚弁,右眼眼圧はC55CmmHgであった.著明な角膜浮腫と浅前房,中等度散大固定した瞳孔を認め原発閉塞隅角緑内障と診断し(図1d),D-マンニトール点滴に加えピロカルピンの点眼にて発作の解除を確認した.翌日の診察にて再発作を認め,右眼レーザー虹彩切開術およびレーザー隅角形成術を行い,翌日右眼矯正視力光覚弁を維持し眼圧はC14CmmHgと安定したため,右眼白内障手術と隅角癒着解離術をC5月上旬に予定した.しかし,者は新型コロナウイルスの院内感染を危惧し受診を中断されC7月中旬に受診された.受診時右眼眼圧C30CmmHgと再上昇し慢性閉塞隅角緑内障に進展しており,光覚なしの状態まで悪化が認められた.1週間後,右眼隅角癒着解離術,線維柱帯切開術および水晶体再建術,2週間後には左眼水晶体再建術を行い,最終矯正視力は右眼光覚なし,左眼(0.5),眼圧コントロールは良好である.〔症例5〕69歳,男性.眼科受診歴はない.4月下旬から眼が重たいなど軽い症状があったが,新型コロナウイルスの院内感染を恐れ病院を受診できなかった.6月下旬近医を受診し両眼眼圧C40CmmHg以上とのことで同日当院に紹介受診となった.当院初診時,両眼とも開放隅角,右眼は上方C2カ所の周辺虹彩前癒着があるのみで左眼に癒着はなく,右眼眼圧C70CmmHg,左眼眼圧40CmmHgであった.右眼矯正視力はすでに光覚なし,左眼矯正視力(0.4)であった(図1e).D-マニトール点滴にて眼圧下降した時点で視機能の残存している左眼のCGoldmann視野検査を実施したところ,湖崎分類CVaと残存視野はほとんどない状態であった.最終的な診断は,両眼開放隅角緑内障,右眼絶対緑内障であった.初診時,血圧C270/151mmHg(収縮期/拡張期)と無治療のCIII度高血圧があったため,内科での治療と,高眼圧に対しビマトプロスト点眼,ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩点眼,リパスジル点眼に加えアセタゾラミドC500Cmg/日の治療を行い眼圧は両眼C10CmmHgまで低下し,現在経過観察中である.〔症例6〕82歳,女性.右眼ぶどう膜炎,右眼続発緑内障にて当院に通院されていた.他院にてC2017年C7月に右眼硝子体混濁に対し右眼硝子体手術を施行されている.当院においては右眼網膜.離に対しC2018年C1月に右眼硝子体手術を施行されている.2018年末の段階で,Goldmann視野検査は湖崎分類CIV期であった(図1f).近年はベタメタゾン点眼,ブリモニジン点眼,ドルゾラミド塩酸塩,とチモロールマレイン酸塩の合剤点眼にて眼圧も安定し定期フォローとなっていた.新型コロナウイルスの院内感染を恐れC3月初旬の予約をC2回延期され,6月末に来院された.右眼眼圧はC28CmmHgと上昇し,光覚なく,すでに絶対緑内障の状態であった.疼痛も自制内で積極的な加療を希望されず,近医にて経過観察中である.左眼は,黄斑前膜,軽度白内障を認めるのみで矯正視力(1.2)である.〔症例7〕72歳,男性.2018年他院より左眼の原因不明の遷延性角膜上皮欠損で紹介受診された.瞼球癒着もあり眼類天疱瘡が疑われたが,右眼にとくに異常所見を認めず,2018年,2019年と組織生検を施行するも悪性の細胞所見を検出しなかった.その後,徐々に結膜.短縮が進行したためC2019年C5月に左眼の角膜上皮形成術+羊膜移植+水晶体再建術を施行した.術後しばらくは経過良好であったが,徐々に再度結膜.短縮が進行するも上皮欠損はない状態であった.4月の受診を延期されC6月末に来院された.疼痛なく左上眼瞼が急速に腫脹し,増大した腫瘍から脂腺癌が疑われた(図1g).眼形成外来で生検し,脂腺癌の病理所見を得たためC7月に左眼瞼皮膚悪性腫瘍切除および左眼窩内容除去術を施行した.現在左頸部リンパ節転移のためリンパ節郭清および頸部リンパ節郭清を施行し,抗悪性腫瘍剤(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)投与中である.以上のC7症例のうち京都府内在住がC2例(29%),京都府外在住がC5例(71%)であった.影響を受けた疾患の内訳は角膜分野C3例C6眼,緑内障分野3例4眼,眼形成分野C1例C1眼であった(表1).CII考按今回,緊急事態宣言発令前後より眼が不調であるものの,COVID-19の院内感染を恐れるがゆえに大幅に遅れて受診したため悪化した症例と,COVID-19の流行による緊急事態宣言の影響を著しく被った当科の症例について収集した.収集できたのは,4月C7日にC7都道府県,4月C16日に全都道府県に出された緊急事態宣言がC5月C21日に解除されたことで,6月以降,新型コロナウイルスの感染を恐れ受診を控えていた患者が徐々に来院されたことが大きい.最新の社会保険診療報酬支払い基金データからのレセプト件数から推察された眼科の患者数は,緊急事態宣言が出されたC4月においては前年比C65.7%,5月においてはC67.6%と顕著に減少していることがわかる.また,全診療科において特定警戒都道府県ではC73.5%,その他の都道府県ではC83.6%と減少幅が大きいことも判明しており,特定警戒都道府県においてはとくに病院の受診が控えられていたことが推察される4).COVID-19は収束がみえず流行しており,今もなお受診を控えている患者はいるのかもしれない.実際に当院における眼科外来患者数の推移は,2020年C3.7月で前年比平均73.1%,そのなかでもC4月においてはC65%,5月はC57.4%と顕著な減少が確認された.また眼科入院患者数においてもe-3図1症例画像一覧a:症例C1.自己免疫性疾患による両眼角膜穿孔(-1:右眼,-2:左眼).瞳孔領下方の穿孔により前房は両眼ほぼ消失,左眼は一部虹彩が嵌頓脱出している.Cb:症例C2.両眼アカントアメーバ角膜炎(-1:右眼,-2:左眼).円形の浸潤とともに角膜中央部の角膜後面プラークと前房蓄膿を認める.Cc:症例C3.両眼細菌性角膜感染症(-1:右眼,-2:左眼).両眼の多量の眼脂,角膜上皮欠損と輪部に沿って感染巣と浸潤を認めた.右眼水疱性角膜症,左眼CDescemet膜角膜内皮移植術(DMEK)の既往がある.Cd:症例4.右眼慢性閉塞隅角緑内障による失明(-1:右眼原発閉塞隅角緑内障解除直後,-2:右眼慢性閉塞隅角緑内障).初診時,急激な眼圧上昇により充血,浅前房とともに高度な核白内障を認める.予定再診を中断後には慢性閉塞隅角緑内障に移行していた.眼圧C30CmmHgと眼圧上昇しているが充血はほぼなく,絶対緑内障となっていた.Ce:症例C5.両眼解放隅角緑内障による失明(-1:右眼,-2:左眼,-3:左眼CGoldmann視野).両眼解放隅角,中等度核白内障を認める.右眼は中等度散瞳状態で絶対緑内障,左眼は湖﨑分類Vaと末期の緑内障の状態であった.(右眼眼圧70CmmHg,左眼眼圧C40CmmHg).f:症例6.右眼ぶどう膜炎続発緑内障による失明(-1:右眼前眼部写真,-2:右眼広角眼底写真).予定再診中断後の来院時には充血なく,すでに視神経は蒼白の状態であった.眼圧C28CmmHgで光覚なく絶対緑内障となっていた.Cg:症例C7.左眼瞼脂腺癌.後に眼窩内容除去術を行った(-1:左眼).予定再診中断後の来院時には上眼瞼の腫瘤を形成しており,疼痛なく易出血性であった.のちに眼窩内容除去施行し,病理検査ではCsebaceouscarcinomaと判明した.表1各症例のまとめ症例年齢(歳)性別居住地患眼疾患名転帰分野C1C83女性兵庫県両眼角膜穿孔穿孔閉鎖・転院角膜C2C32男性滋賀県両眼アカントアメーバ角膜炎軽快(治療中)角膜C3C92女性奈良県両眼細菌性結膜炎瘢痕治癒角膜C4C71男性京都府右眼慢性閉塞隅角緑内障失明緑内障C5C69男性京都府両眼開放隅角緑内障失明・末期緑内障緑内障C6C82女性滋賀県右眼ぶどう膜炎続発緑内障失明ぶどう膜炎・緑内障C7C72男性兵庫県左眼眼瞼脂腺癌眼窩内容除去眼瞼皮膚悪性腫瘍切除眼形成患者数の前年との比較(%)10090807060504030201003月4月5月6月7月(2020年)外来患者入院患者図2当院における外来患者数,入院患者数の前年比の推移外来患者,入院患者ともC2020年C5月がもっとも減少幅が大きかったことがわかる.2020年C3.7月で前年比平均C57.8%,とくにC5月はC35.3%とほぼC1/3となり外来患者数以上に減少していることがわかる.原因としてCCOVID-19患者の対応を最優先とし,急を要さない一般手術の休止やCCOVID-19患者対応に伴う一般病棟の看護師の減少により入院患者の制限を行ったためと考えられる(図2).今回得られた症例では,居住都道府県外を越えた通院が71%と多かった.緊急事態宣言発令下では,不要不急の居住都道府県外への移動自粛要請があり,公共交通機関を利用した移動による新型コロナウイルス感染を恐れたことなどが,府外からの患者において受診が遅れた,または延期した理由として考えられた.両眼性の角膜疾患(3例C6眼)がもっとも多い疾患であった.両眼性の角膜疾患では,両眼の視力低下により受診などの移動がむずかしくなること,角膜専門の医療施設が数多くないことなどが複合的に関連したと考えられた.緑内障が,2番目に多い眼疾患であった.3眼(75%)は,受診時点ですでに光覚のない絶対緑内障の状態となっていた.原因として新型コロナウイルスの感染を恐れ受診を控えていたのに加え,慢性に眼圧が上昇することで急激な眼の痛みや頭痛などの症状を伴わず亜急性に進行し,受診の機会を失ったのではないか5)と推察した.残りC1例は眼瞼の脂腺癌であり眼形成分野であった.この症例も痛みを伴わず腫瘍の増大が緩除であったことで,再診を延期され受診の機会を失ったと考えられた.一方,網膜.離や加齢黄斑変性などの網膜疾患の症例はなかった.今回の検討では,居住都道府県外から受診する患者については,とくに注意を要すると考えられた.また,慢性に眼圧上昇を生じることによる絶対緑内障により視機能を失った症例も多くみられた.クラスター発生などでやむをえず病院が閉鎖した際には,患者が悪影響を受けないよう他病院との綿密な連携も必要である.今なお収束のみえないCCOVID-19が流行している間,不調時の眼科受診の啓発,病病連携・病診連携による近医眼科でのチェックがとくに重要であると考えられた.文献1)厚生労働省Chttps://www.mhlw.go.jp/content/10900000/C000589747.pdf2)WorldChealthorganizationChomepage:https://www.who.Cint/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/Cevents-as-they-happen3)内閣官房ホームページChttps://corona.go.jp/news/news_C20200421_70.html4)社会保険診療報酬支払基金Chttps://www.ssk.or.jp/tokeijoho/Cgeppo/geppo_r02.html5)KhawCPT,CShahCP,CElkingtonAR:GlaucomaC─C1:Diag-nosis.BMJC328:97-99,C2004***