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眼瞼下垂に対する挙筋腱膜前転法とMüller筋タッキングの術後ドライアイの比較

2019年5月31日 金曜日

《原著》あたらしい眼科36(5):694.698,2019c眼瞼下垂に対する挙筋腱膜前転法とMuller筋タッキングの術後ドライアイの比較林憲吾*1~3林孝彦*2,3小久保健一*4小松裕和*5水木信久*3*1横浜桜木町眼科*2横浜南共済病院眼科*3横浜市立大学眼科*4藤沢湘南台病院形成外科*5佐久総合病院地域ケア科CComparisonbetweenDryEyeafterLevatorAponeurosisAdvancementandafterMullerMuscleTuckforCorrectionofPtosisKengoHayashi1.3),TakahikoHayashi2,3),KenichiKokubo4),HirokazuKomatsu5)andNobuhisaMizuki3)1)YokohamaSakuragichoEyeClinic,2)DepartmentofOphthalmology,YokohamaMinamiKyousaiHospital,3)COphthalmology,YokohamaCityUniversity,4)DepartmentofPlasticSurgery,FujisawaShounandaiHospital,5)DepartmentofDepartmentofCommunityCare,SakuCentralHospitalC目的:眼瞼下垂に対する挙筋腱膜前転法とCMuller筋タッキングの術後ドライアイについて比較した.対象および方法:2016年C8月.2017年C7月に上記の手術を施行し,3カ月以上の経過観察期間のある中等度以上(marginre.exdistance≦1.5Cmm)の眼瞼下垂症例を診療録から後ろ向きに調査した.術前に角膜上皮障害のある症例は除外した.術後の角膜上皮障害の指標としてフルオレセイン染色スコアで定量した.結果:挙筋腱膜前転法がC129名C235眼瞼,Muller筋タッキングがC106名C208眼瞼であった.術後C1週間,1カ月,3カ月の角膜上皮障害は,挙筋腱膜前転法で58%,32%,16%,Muller筋タッキングでC20%,4%,1%にみられた(いずれも有意差あり).フルオレセイン染色スコアの各時点での平均値は,挙筋腱膜前転法でC0.80,0.40,0.17,Muller筋タッキングでC0.22,0.05,0.01であった(いずれも有意差あり).同様に各時点でのドライアイの自覚症状は,挙筋腱膜前転法でC51%,24%,9%,Muller筋タッキングでC15%,4%,2%にみられた(いずれも有意差あり).結論:眼瞼下垂術後早期の角膜上皮障害およびドライアイの自覚症状は,Muller筋タッキングより挙筋腱膜前転法に有意に多く認められた.CPurpose:TocomparedryeyeafterlevatoraponeurosisadvancementwiththatafterMullermuscletuckforcorrectionCofCptosis.CPatientsandMethods:WeCretrospectivelyCreviewedCtheCmedicalCrecordsCofCpatientsCwhoCunderwentlevatoraponeurosisadvancementorMullermuscletuckforthecorrectionofmoderatetosevereptosis(marginre.exdistanceC.1.5mm)fromOctober2016toJuly2017,withapost-operativefollow-upofC.3months.PatientsCwithCpre-existingCcornealCepithelialCdisordersCwereCexcluded.CPostoperativeCcornealCepithelialCdisordersCwereCassessedCviaC.uoresceinCstainingCscore.CResults:ThisCstudyCincludedC129patients(235eyelids)whoCunder-wentlevatoraponeurosisadvancementand106patients(208eyelids)whounderwentMullermuscletuck.Cornealepithelialdisordersat1week,1monthand3monthspostoperativelywereobservedin58%,32%and16%ofthelevatorCaponeurosisCadvancementCgroup,Cand20%,4%Cand1%CofCtheCMullerCmuscleCtuckCgroup,Crespectively(signi.cantCdi.erencesCatCallpoints).TheCaverageC.uoresceinCstainingCscoresCatCtheCrespectiveCtime-pointsCwereC0.80,C0.40andC0.17inCtheClevatorCaponeurosisCadvancementCgroup,CandC0.22,C0.05andC0.01inCtheCMullerCmuscleCtuckgroup(signi.cantdi.erencesatallpoints).Similarly,subjectivedryeyesymptomsatrespectivetime-pointswerereportedin51%,24%,and9%ofthelevatoraponeurosisadvancementgroup,and15%,4%and2%oftheMullermuscletuckgroup(signi.cantdi.erencesatallpoints).Conclusions:CornealepithelialdisordersanddryeyeCsymptomsCinCtheCearlyCpostoperativeCperiodCwereCsigni.cantlyCmoreCcommonCinCtheClevatorCaponeurosisCadvancementgroupthanintheMullermuscletuckgroup.〔AtarashiiGanka(JournaloftheEye)36(5):694.698,C2019〕Keywords:眼瞼下垂,挙筋腱膜前転法,Muller筋タッキング,ドライアイ.eyelidptosis,levatoraponeurosisadvancement,Mullermuscletuck,dryeye.C〔別刷請求先〕林憲吾:〒231-0066神奈川県横浜市中区日ノ出町C1-200日ノ出サクアスC205横浜桜木町眼科Reprintrequests:KengoHayashi,YokohamaSakuragichoEyeClinic,Hinodesakuasu,C1-200Hinodecho,CNakaku,Yokohamacity,Kanagawa231-0066,JAPANC694(124)図1眼瞼下垂の術式の模式図と術中写真a:挙筋腱膜前転法の模式図(青線が挙筋腱膜).b:挙筋腱膜前転法の術中写真:挙筋腱膜へ通糸.Cc:挙筋腱膜前転法の術中写真:2針で前転固定.Cd:Muller筋タッキングの模式図(赤線がCMuller筋).Ce:Muller筋タッキングの術中写真:Muller筋へ通糸.Cf:Muller筋タッキングの術中写真:2針で前転固定.はじめに眼瞼下垂は,挙筋群の伸展や菲薄化,挙筋群の脂肪変性や欠損などが原因となり生じる.手術方法として,前転する部位別にみると,挙筋腱膜をターゲットとする挙筋腱膜前転法1),Muller筋をターゲットとするCMuller筋タッキング法2),経結膜CMuller筋結膜短縮術3),挙筋腱膜とCMuller筋の両者をターゲットとする挙筋短縮術4),前頭筋の動きを瞼板に連動させる前頭筋吊り上げ術などがある.挙筋短縮術は,挙筋腱膜とCMuller筋の両者を同時に前転する再建術であり,広く普及している術式である5).ただし,Muller筋と瞼結膜との間を.離する必要があるため,手技がやや煩雑であり,術中の出血などが問題となる.挙筋腱膜とCMuller筋の間を.離し,挙筋腱膜のみ前転する挙筋腱膜前転法(図1a~c)と,Muller筋のみタッキングするCMuller筋タッキング(図1d~f),国内で比較的多く行われている術式である.眼瞼下垂術後に一時的にドライアイが発症するあるいは悪化することがあるが,眼瞼下垂手術後のドライアイについての報告は少なく,この二つの術式をドライアイの観点から比較した報告はない.筆者はおもな術式を挙筋腱膜前転法からMuller筋タッキングに切り替えた時期から,術後早期の角膜上皮障害が軽減し,同時に異物感などの自覚症状も減少することを経験した.そこで,同一術者で挙筋腱膜前転法とMuller筋タッキングの術後のドライアイの頻度と程度を後ろ向きに調査した.CI対象および方法本研究は,横浜南共済病院の倫理審査委員会の承認の下,診療録から後ろ向きに調査した.対象は,横浜南共済病院,横浜桜木町眼科で同一術者(KH)によってC2016年C8月.2017年C7月のC1年間で,術前にインフォームド・コンセントを得て挙筋腱膜前転法あるいはCMuller筋タッキングを施行後,3カ月以上の経過観察が可能であった眼瞼下垂の症例である.術前から睫毛内反症やドライアイによる角膜上皮障害のある症例,眼瞼下垂の手術歴のある症例は除外した.軽度の眼瞼下垂の場合,必要となる挙筋群の前転量は少なく,術後のドライアイへの影響が少ないことが予想されるため,一定量の挙筋前転が必要な中等度以上の眼瞼下垂を調査する目的で,術前のCmarginCre.exdistance(MRD:瞳孔中央から上眼瞼縁までの距離)がC1.5Cmm以下の中等度以上の眼瞼下垂で(MRDがC0.1.5Cmmを中等度,0Cmm未満を重度と規定した),術中定量でCMRDがC3Cmm以上と開瞼の改善が得られた症例を対象とした.術中の定量で矯正不足のため,挙筋短縮術へ変更となった症例は除外した.表1SPKの有無の比較術後1週間術後1カ月術後3カ月挙筋腱膜前転法C136C75C38(n=235)(58%)(32%)(16%)#p<0.001#p<0.001#p<0.001Muller筋タッキングC42C9C3(n=208)(20%)(4%)(1%)両群とも経過とともにCSPKは減少するが,全経過を通じて,挙筋腱膜前転法に有意に多く認められた.C#:c2検定術後の角膜上皮障害の評価として,術後C1週間,術後C1カ月,術後C3カ月の点状表層角膜炎(super.cialCpunctateCker-atitis:SPK)をフルオレセイン染色スコア(0.3点)で定量した.MiyataらによるCAD分類6)のCAreaを参考に,0点:点状のフルオレセイン染色を認めない,1点:角膜全体の面積のC1/3以下に点状のフルオレセイン染色を認める,2点:角膜全体の面積のC1/3.2/3に点状のフルオレセイン染色を認める,3点:角膜全体の面積のC2/3以上に点状のフルオレセイン染色を認める,と規定した.術後の自覚症状として,乾燥感,異物感,眼痛などのドライアイの症状の有無について調査した.また,術前および術後のCMRDの推移を調査した.なお,術後C1週間の時点でCSPKを認め,ドライアイの自覚症状がある場合,ヒアルロン酸点眼を使用している.手.術.手.技エピネフリン添加C2%リドカインで皮下の局所麻酔を行い,組織の切開.離はおもに高周波メスを使用した.挙筋腱膜前転法は,眼窩隔膜を切開し,挙筋腱膜前層を露出し,つぎに瞼板前組織(挙筋腱膜後層)を切開し,瞼板から.離し,挙筋腱膜とCMuller筋との間(postCaponeuroticspace)を.離し,下垂の程度に応じてCwhitelineを基準に挙筋腱膜の前転量を調整し,マットレス縫合で瞼板に固定した(図1b,c).Muller筋タッキングは,宮田らの報告(ExtenedCMullerTucking法)7)に準じ,下垂の程度に応じて,10.12Cmm程度のタッキングを施行した(図1e,f).両者とも,瞳孔中央にマーキングし,マーキングの鼻側と耳側で,6-0ナイロン糸を用いてC1針ずつ前転し,瞼板上縁からC2.3Cmm下の部位にC2カ所固定した.術中定量で,座位で開瞼状態を確認し,症例に応じてCMRD=3.4Cmmとなるように調整した.瞼板から.離した瞼板前組織(挙筋腱膜後層)を用いて,internalC.xationsuture(挙筋腱膜と睫毛側の眼輪筋を埋没縫合)あるいはCexternalC.xationsuture(皮膚縫合時に挙筋腱膜にアンカリング縫合)で重瞼線を作製した8).CII結果症例は挙筋腱膜前転法がC129例C235眼瞼,Muller筋タッキングがC106例C208眼瞼であった.平均年齢は挙筋腱膜前転法C66.7C±15.9歳(14.95歳).Muller筋タッキングC70.5C±12.5歳(24.89歳)(p=0.32,Mann-WhitneyU検定)で,2群間に有意差はなかった.術後C1週間,1カ月,3カ月のCSPKは,挙筋腱膜前転法で136眼瞼(58%),75眼瞼(32%),38眼瞼(16%),Muller筋タッキングでC42眼瞼(20%),9眼瞼(4%),3眼瞼(1%)にみられた(いずれもC2群間に有意差あり,p<0.001:Cc2検定)(表1).各時点でのCSPKのフルオレセイン染色スコアは,挙筋腱膜前転法でC0.80C±0.05,0.40C±0.04,0.17C±0.03,Muller筋タッキングでC0.22C±0.03,0.05C±0.02,0.01C±0.01であった(p<0.001,p<0.001,p=0.004:Mann-WhitneyU検定,p<0.001:repeatedmeasureANOVA)(図2).いずれの時点でも,ドライアイの他覚的所見であるCSPKは,挙筋腱膜前転法のほうが有意に多く認められた.各代表例を図3,4に示す.同様に各時点での異物感などドライアイの自覚症状は,挙筋腱膜前転法でC120眼瞼(51%),57眼瞼(24%),20眼瞼(9%),Muller筋タッキングで32眼瞼(15%),8眼瞼(4%),4眼瞼(2%)にみられた(p<0.001,p<0.001,Cp=0.002:Cc2検定)(表2).ドライアイの自覚症状も,挙筋腱膜前転法のほうが有意に多くみられた.術前,術後C1週間,1カ月,3カ月のCMRDの推移については,挙筋腱膜前転法ではC0.54C±0.73Cmm,3.27C±0.85Cmm,C3.58±0.69Cmm,3.68C±0.65Cmmであり,Muller筋タッキングではC0.56C±0.68mm,3.29C±0.67mm,3.42C±0.53mm,3.46C±0.54Cmmであった.術前と術後C1週間の時点では両群間に有意差は認めず,術後C1カ月,術後C3カ月では挙筋腱膜前転法のほうが有意に高いという結果であった.(p<0.001,p<0.001:Mann-WhitneyU検定,p<0.001:repeatedCmea-sureANOVA)(図5)CIII考按眼瞼下垂術後のCSPKの有無とその程度は,Muller筋タッキングと比較して挙筋腱膜前転法に有意に多いという結果であった.異物感などのドライアイの自覚症状の有無においても,挙筋腱膜前転法が有意に多く,SPKの有無と同様の結フルオレセイン染色スコア(点)10.80.60.40.20術前術後1週間術後1カ月術後3カ月観察期間*:Mann-WhitneyUtest#:repeatedmeasureANOVA図2両群のSPKの定量推移(フルオレセイン染色スコア)青線:Apo(挙筋腱膜前転法),赤線:Muller(Muller筋タッキング).術後C1週間(p<0.001),術後C1カ月(p<0.001),術後C3図3挙筋腱膜前転法の症例(72歳,女性)カ月(p=0.004)ともに有意差あり.全経過を通じて有意差ありCa:術前.Cb:術直後.Cc:術後C1週間.Cd:術後C1週間のフルオ(p<0.001,repeatedmeasureANOVA).レセイン染色:SPKが著明である.Ce:術後C1カ月.Cf:術後C1カ月のフルオレセイン染色:SPKが軽減しているが,残存している.表2ドライアイの自覚症状の有無の比較術後1週間術後1カ月術後3カ月挙筋腱膜前転法C120C57C20(n=235)(51%)(24%)(9%)#p<0.001#p<0.001#p=0.002Muller筋タッキングC32C8C4(n=208)(15%)(4%)(2%)両群とも経過とともにドライアイの自覚症状は減少するが,全経過を通じて,挙筋腱膜前転法に有意に多く認められた.C#:c2検定C5bMRD(mm)43210e-1術前術後1週間術後1カ月術後3カ月観察期間*:Mann-WhitneyUtest#:repeatedmeasureANOVA図4Muller筋タッキングの症例(70歳,女性)Ca:術前.Cb:術直後.Cc:術後C1週間.Cd:術後C1週間のフルオレセイン染色:SPKはみられない.Ce:術後C1カ月.Cf:術後C1カ月のフルオレセイン染色:SPKはみられない.図5術前後の開瞼状態MRDの推移青線:Apo(挙筋腱膜前転法),赤線:Muller(Muller筋タッキング).術前と術後C1週間の時点では有意差なし.術後C1カ月(p<0.001),術後C3カ月(p<0.001)ともに有意差あり.全経過を通じて有意差あり(p<0.001,repeatedmeasureANOVA)果であった.とくに有意な差がみられるのは術後C1週間の時点で,挙筋腱膜前転法では過半数の症例でCSPKがみられ,約半数の症例でドライアイの自覚症状が認められた.両者とも,術後経過とともに,SPKは軽減する傾向がみられ,3カ月後には両群間の差は減少した.術後C1週間でCSPKを認める場合,ヒアルロン酸点眼を処方しているため,1カ月以降の改善は点眼の影響も考えられる.眼瞼下垂手術後のドライアイの発生機序として,開瞼幅(涙液分布面積)の増加に伴う涙液の蒸発亢進あるいは閉瞼不全(兎眼)による蒸発亢進型ドライアイ,涙小管ポンプ機能の亢進による涙液減少型ドライアイが考えられる9).開瞼幅の増加について,術前後のCMRDの推移は,術前と術後C1週間の時点では両群に有意差は認めず,術後C1カ月,術後C3カ月では挙筋腱膜前転法のほうが有意に大きいという結果であった.術後C1週間目のCMRDに有意差はないため,術後C1週間の早期CSPKの差は,開瞼幅の増加以外の要因が考えられる.閉瞼不全について,一般的に挙筋機能が悪い症例では前転量が多くなり,術中に閉瞼不全を生じることがある.術中の2Cmm程度の閉瞼不全は,術後の経過とともに軽減する.自験例においては,術中の閉瞼不全は硬く伸展性のない挙筋腱膜を前転する際に多くみられ,柔らかい伸展性のあるCMuller筋のタッキングでは少ない印象があるが,本研究では,閉瞼状態については測定していないため,閉瞼不全について両群を比較することはできない.術中および術後の閉瞼不全については,今後,前向き研究を行いたいと考えている.また,今回の挙筋腱膜前転法は,腱膜の外角(lateralhorn)を切離していないため,硬い腱膜の伸展に制限がかかる状態のまま前転している.そのため,前転量が多く必要な場合,閉瞼不全が残存した可能性がある.中等度以上の下垂に,挙筋腱膜の外角切離を併施した腱膜前転を施行すれば,術後のCSPKが減少する可能性が考えられる.涙液減少型ドライアイについて,Watanabeらは眼瞼下垂術後の涙液貯留量は有意に減少し,とくに術前の涙液量が多い症例ほど減少する傾向があること報告している10).涙液量の減少する原因として,手術により開閉瞼の幅が改善するに伴いCHorner筋の張力増加し,瞬目に伴う上涙小管のポンプ機能が亢進する可能性が報告されている11).本研究では,術前のCMRDと,術後C1週間のCMRDは,両群に有意な差はなく,両群とも開瞼は改善しているため,涙小管のポンプ機能は両群とも同様に亢進していることが予想される.眼瞼下垂術後早期のCSPKおよびドライアイの自覚症状は,Muller筋タッキングより挙筋腱膜前転法に有意に多く認められた.眼瞼下垂手術に際しては,術前後のドライアイを考慮する必要がある.文献1)AndersonRL,DixonRL:Aponeuroticptosissurgery.ArchOphthalmolC97:1123-1128,C19792)宮田信之,金原久治,岡田栄一ほか:COC2レーザーを使用したMuller筋タッキング法による眼瞼下垂手術.臨眼C60:2037-2040,C20063)PuttermanAM,UristMJ:Mullermuscle-conjuctivaresec-tion;techniquefortreatmentofblepharoptosis.ArchOph-thalmolC93:619-623,C19754)OlderrJJ:UpperlidblepharoplastyandptosisrepairusingaCtranscutaneousCapproach.COphthalCPlastCReconstrCSurgC10:146-149,C19945)NomaK,TakahashiY,LeibovitchIetal:Transcutaneousblepharoptosissurgery:simultaneousadvancementofthelevatorCaponeurosisCandCMuller’smuscle(LevatorCresec-tion).OpenOphthalmolJC4:71-75,C20106)MiyataK,AmanoS,SawaMetal:Anovelgradingmeth-odCforsuper.cialpunctatekeratopathymagnitudeanditscorrelationwithcornealepithelialpermeability.ArchOph-thalmolC121:1537-1539,C20037)宮田信之:COC2レーザーを使用したCMuller筋牽引縫縮眼瞼下垂手術(ExtendedCMullerTucking法).臨眼C70:689-693,C20168)McCurdyJAJr,JamSM:CosmeticSurgeryoftheAsianFace2nded.p8-41,ThiemePublishingGroup,20059)横井則彦:眼表面からみた眼瞼下垂手術の術前・術後対策.あたらしい眼科32:499-506,C201510)WatanabeCA,CSelvaCD,CKakizakiCHCetal:Long-termCtearCvolumeCchangesCafterCblepharoptosisCsurgeryCandCblepha-roplasty.InvestOphthalmolVisSciC56:54-58,C201411)柿崎裕彦:眼瞼から見た流涙症.眼科手術C22:155-159,C2009C***